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2021.06.09更新

コールセンターの稼働率と占有率の違いは?計算方法や適切な稼働率を保つアイディアを紹介

コールセンターを適切に運営していくには、オペレーターの人材確保、対応品質の向上、適切な人員配置など難しい課題がたくさんあります。しかし、それらの問題の中には、オペレーターの稼働率、占有率を測定・調節することで解決できるケースも少なくありません。コールセンターにおけるオペレーターの稼働率、占有率の計算方法と稼働率を適切な割合に保つ方法を知ることで課題を解決できる可能性があります。

コールセンターの稼働率とは

コールセンターの稼働率とは、勤務時間内において「稼働時間」が占める割合のことです。

コールセンターのオペレーター稼働時間には、通話時間だけなく、待機時間や通話後の処理時間も含まれます。オペレーターが「オペレーター業務に就いている時間」というとわかりやすいでしょう。基本的にそれ以外の時間は、稼働時間には含まれません。例えば休憩、ミーティング、面談、研修などの時間です。

ただし、稼働率が高ければよいというわけではありません。ひとりのオペレーターの稼働時間が多いと、それだけそのオペレーターが業務に集中しているということになり、品質の低下やオペレーターのスキル差が生じる可能性があります。そのため、稼働率を適切なレベルに保つことが重要なのです。

稼働率と占有率の違いは?

稼働率とは、勤務時間におけるオペレーター業務時間の割合を示すものですが、占有率とは「オペレーター業務時間のうち、直接的にお客様の対応に要する時間の割合」を示すものです。

稼働率に含まれる待機時間は、コールセンターの役割である「お客様の問い合わせに対応する」ために、やむなく発生する時間であり、直接的にお客様の対応をしている時間ではありません。

それに対して、占有率はオペレーター業務時間のうち、オペレーターが実際に電話対応をしている時間を算出します。待ち時間の長さによって稼働率の高さが変動するため、稼働率と占有率の高さは必ずしも比例するとは限りません。

稼働率の計算方法

稼働率の計算は「オペレーター業務に就いている時間」を勤務時間で割ることにより得られます。対象となる時間を列挙してみましょう。

  • 入電待機時間
  • お客様と話している時間
  • 電話を保留して調査、連絡、確認をしている時間
  • お客様との電話が終了し、後処理をしている時間

以上4つがオペレーターの稼働時間です。これを合計して勤務時間で割れば稼働率が計算できます。以下に計算例を示します。

  • 入電待機時間 79分
  • お客様と話している時間 188分
  • 電話を保留して調査、連絡、確認をしている時間 32分
  • お客様との電話が終了し、後処理をしている時間 48分
  • 勤務時間は420分

オペレーター業務の時間の合計は勤務時間以外を合計した347分、勤務時間の420分で割ると0.82619、この数値を%で表した83.2%が稼働率となります。

なお、コールセンターによって計算方法は異なります。オペレーターがログインしていた総時間数を「勤務時間」として計算するケースや、トイレなどで離席していた時間を引いて計算するケースが見られます。この場合、オペレーターが休憩、離席、業務終了時に、必ずログオフすることが絶対条件となりますので注意が必要です。

占有率の計算方法

占有率とはオペレーター業務時間の中で、直接的にお客様の対応のために費やしている時間の割合を示すものです。計算の対象には以下の3点が用いられます。

  • 入電待機時間
  • お客様と話している時間
  • 電話を保留して調査、連絡、確認をしている時間
  • お客様との電話が終了し、後処理をしている時間

稼働率の例を、そのまま使って計算してみると以下のようになります。

  • 入電待機時間 79分
  • お客様と話している時間 188分
  • 電話を保留して調査、連絡、確認をしている時間 32分
  • お客様との電話が終了し、後処理をしている時間 48分

オペレーター業務の時間の合計が347分、占有時間の合計が268分、占有時間をオペレーター業務時間で割った占有率は77.2%です。入電待機時間が増えるほど分母が大きくなるため、稼働率は小さくなります。

稼働率の目安

コールセンターにおける稼働率の一般的な目安は以下の通りです。

  • 70%未満:人員配置見直しライン
  • 80~85%:適正ライン
  • 85~90%:注意ライン
  • 90%以上:危険ライン

稼働率が80%を切っている場合は入電に対してオペレーターが多すぎる、というケースが考えられます。70%以下の場合は明確に余剰人員がいることを示しています。無駄な人件費を使っている可能性が高いので改善が必要です。

逆に85%を越えていると入電に対しオペレーターが少なすぎると考えられます。90%を越えるとオペレーターの負担が高くなりすぎてしまい対応品質の低下、多くの離職につながりかねません。離職が発生すると、更にオペレーターの負担が増してしまい、入電した顧客が長時間待たされることになり、状況がどんどん悪化してしまいます。稼働率85%以上は早急な対応が必要なラインです。

無理のない稼働率を実現するには

稼働率が適性範囲を逸脱してしまった場合の対応策としては以下が代表的なものです。

  • 適切な人員数を配置する
  • ステータス管理を徹底する
  • 待機時間を教育に充てる
  • ITシステムを導入する

先に述べたように、人員配置を見直すことが挙げられます。また、ITシステムを導入してオペレーターの状況を厳密に管理・把握し、待ち時間の多いオペレーターは教育を実施するとよいでしょう。

適切な人員数を配置する

稼働率を適性範囲にするには最も簡単な方法ですが、「では適切な人数はどれ位なのか」という問題が残ります。それを割り出すには1時間、1日、1か月単位でオペレーターが一つの入電処理にかかる時間を測定し平均値を把握する必要があります。

またコールセンターへの入電数は季節的な要因や新製品の発売などにより変わりますが、それぞれのタイミングでの平均入電数、時間帯による推移も把握しておく必要があります。これらの要素を把握しておけば、その時点で必要となるオペレーターの数を割り出すことができ、適切なシフトを組むことも可能になります。新人オペレーターは教育が必要なので、その教育期間も計算に入れておきましょう。

ステータス管理を徹底する

稼働率を厳密に割り出すには「今、どのオペレーターは何をしているのか」というステータスを正確に把握する必要があります。主なステータスとしては「未稼働」「稼働・入電待ち」「稼働・対応中」「休憩中」(決められた時間の休憩中)「休憩・小休止」(トイレタイム等)といったところが代表的なものです。

どのように管理するかはコールセンターの規模にもよりますが、大規模であればシステムの導入、小規模であれば人的な管理で間に合うこともあります。ステータス管理で注意すべき点は、煩雑にしないことです。管理者は、ついステータスを細かく設定しがちですが、ステータスを細かくすればするほどオペレーターが混乱し正確さを損なう恐れがあるためです。

待機時間を教育に充てる

コールセンターへの入電は時間帯により多い時間帯と少ない時間帯が出ます。コールセンターとしては多い時間帯に合わせてオペレーターの全体人数を確保せざるをえませんが、多い人数でシフトを組むと、入電の少ない時間帯ではオペレーターの待機時間が生じます。このような待機時間を教育時間に充てる、という方法があります。

研修やミーティングを行う、面談を行うという方法もありますが、近年では着席したまま学習できるツールを用意しているところもあります。教育を進めることでオペレーターのスキルの均一化と質の向上につながり、顧客満足度の向上効果も期待できます。

ITシステムを導入する

PBXとは
Private Branch Exchangeの略語で、日本語では「構内交換機」と呼ばれます。入電してきた電話はまずPBXが受信します。
CTIとは
CTIとはcomputer telephony integration を略語化したもので、入電をコンピューターで自動的に制御するシステムです。
CRMとは
CRMとはCustomer Relationship Managementを略語化した物で日本語では「顧客関係管理」と呼ばれます。CTIと連携させると、入電してきた顧客の情報をオペレーターへ自動表示できるようになります。
SFAとは
Sales Force Automationを略語で、日本語では「営業支援システム」と呼ばれます。営業活動における生産性向上や効率化を支援するのが目的で、CRMやCTIと連携させることで、お互いの情報を共有できるようになります。
FAQとは
FAQは「よくある質問」という意味です。FAQをシステムとしてまとめたものをFAQシステムと言い、コールセンターでは顧客の質問に対しFAQシステムで検索して回答を得る用途に使うことができます。

現在では、コールセンターの業務改善を目的としたようなシステムが多数用意されています。特に大規模なコールセンターほどこういったシステムの導入は大きな効果を生みます。

PBXを導入すると、顧客の待ち時間を減らすことができます。たとえばPBXには、受電時に対応できるオペレーターの空きが無い時に自動的にアナウンスを流す機能があります。単なる保留音でなく、「少々お待ち下さい」といったアナウンスを流すことで、顧客がコールを中断することが少なくなる効果があります。

また一定時間以上、待たされている入電があると、自動的に管理者にサインが出されて管理者が対応する、という機能や、受付時間の設定をしておくと、時間外の入電に対し自動的に時間外である旨をアナウンスしてくれる機能などもあります。いずれも顧客の待ち時間減少につながります。

CRMを導入すると、顧客情報の一元化と共有がスムーズになり、とSFAを導入すると、営業活動の分析や顧客管理、見込み管理など、営業活動の方向性や手法の決定、新たな顧客や市場の開拓などに役立ちます。

FAQはよくある質問やナレッジを蓄積し、顧客と共有できるようになります。顧客がFAQを参照することで、オペレーターが問い合わせの多い質問に対応する頻度を下げる効果が期待できます。

上記に挙げたシステムの中でも、CTIは電話とコンピューターを連携できるため、導入必須といっても過言ではありません。CTIはオペレーターの稼働率を改善するのに多いに役立ちます。ACD機能によって入電の内容によって適切なオペレーターに自動的に振り分けることができ、製品別、問い合わせ内容別にオペレーターのグループ分けや、コールセンター分けをしている場合には大いに役立ちます。

また機種によっては当日に一度、入電してきた顧客であった場合、前回に対応したオペレーターに優先的につなぐ機能を備えた物もあります。顧客にとっては同じオペレーターであれば、再度説明する必要がなく話が通じやすいので迅速な処理が望めます。オペレーターにとっても事情を把握しているので入電前に対応準備ができるという点もメリットです。

通話録音機能で顧客とオペレーターのやり取りを自動的に録音しておくことも可能です。問題が発生した時の確認や、「良い対応例」として教育に使うといった活用ができます。

稼働状況モニタリングでは、どのオペレーターが稼働中か待機状態かをモニターで把握できる、空いているオペレーターに入電を割り当てる事が出来ます。一方、通話モニタリングでは、問題のある入電があった際に管理者にも一緒に聞いてもらえることができ、管理者からオペレーターに入電者には聞こえないアドバイスをすることもできます。

CTIシステム「List Navigator.」にはプレディクティブコールという架電リストの中から複数の番号に同時発信し、繋がった番号をオペレーターに繋ぐという機能があります。この機能を利用することで不在コールを減らし、効率的に架電を行うことができます。CTIの導入をご検討でしたら、ぜひList Navigator.の資料請求をお申込みください。

まとめ

コールセンター業務では、稼働率と占有率という2つの割合が指針として用いられます。占有率は実際に顧客応対をしている時間であるため、占有率が高すぎてしまうとオペレーターに過度な負担がかかっていることになります。そのため、占有率を計算し、適度なレベルに維持することが必要です。

占有率の計算には、入電待機時間、通話時間、電話を保留・調査・連絡・確認の時間、通話後の処理時間が必要となるため、正確に把握するためにはITシステムを導入することをおすすめします。