2024.09.30
KPIとは?目的や設定の手順、KGIとの違いをわかりやすく解説
仕事で成果を出すには、業務の進捗を管理することが重要です。目標の進捗を定量的に評価する上で、KPIは欠かせません。しかし、KPIがなぜ重要なのか、説明が難しいと感じる人もいると思います。
本記事では、KPIの目的や設定する手順を分かりやすく解説し、KGIやKFSとの違いについても紹介します。KPIを導入して、ビジネスで成果を上げたいと考えている人は、ぜひご覧ください。
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目次
KPIとは
KPIとはKey Performance Indicatorの略称で、日本語では「重要業績評価指標」を意味します。簡単に言い換えると、KPIは目標の達成度合いを計測・監視するために用いられる指標です。
KPIを定期的に捉えることで、目標に対する進捗を把握できます。仮に目標に対して遅延が生じていれば、活動に修正を加えて、挽回することができます。このようにKPIは、ビジネスにおいて目標を達成するうえで、重要な指標となります。
KPIとKGIの違い
KGIとはKey Goal Indicatorの略称で、日本語で「重要目標達成指標」を意味します。KGIは達成すべき最終目標であり、KGIの中間的な指標としてKPIが使われます。
KGIとKPIの違いを図解で示すと、以下の通りです。
例えば営業部門において、当期の売上10億円を達成することをKGIとして設定し、仮に売上が以下のように計算されるとします。
売上=訪問件数×受注率×商品単価
営業部門におけるKPIは、訪問件数であるといえます。1日当たり何件の顧客を訪問できるかが、売上に影響するからです。つまり、この場合は1日当たりの顧客訪問の目標値がKPI指標だといえるのです。
KPIとKSFの違い
KSFとはKey Success Factorの略称で、日本語で「重要成功要因」を意味します。KSFを数値に落とし込んだ指標がKPIです。
KSFは目標を達成するための要因であり、外的環境と内的環境の2つに分けられます。外的環境は、市場環境や競合他社の動向などです。内的環境は、自社の強みや弱みなどが挙げられます。
前述した売上の例でいえば、訪問件数・受注率・商品単価の3つがKSFです。顧客に依存する受注率は外的環境、自社でコントールできる訪問件数と商品単価が内的環境だといえます。
KPIを設定する目的
KPIを設定する目的は、ビジネスの最終的な数値目標であるKGIを達成することです。KPIを設定するポイントは、以下の3つがあります。
- 個人指標が明確になる
- 評価基準を統一できる
- 組織のモチベーションを上げる
定期的にKPIで計測・監視することで、KGIを達成する確度を上げることができます。
個人指標が明確になる
KPIは個人ごとに数値目標を割り付けられるので、従業員一人一人が自分の果たすべき役割を認識することができます。具体的な指標が明確になることで、従業員が意欲的に業務に取り組めます。
さらにKPIを計測すれば、上司は部下の業務の遅れを把握できます。進捗に遅れが見つかれば、追加のリソースを充てて挽回するなどの対策がとれます。個人の指標が明確になることで、計画通りの成果を達成しやすくなります。
評価基準を統一できる
上司はKPIを用いることで、部下に対する客観的かつ公平な評価を行うことができます。統一した基準で目標達成の程度を比べられるからです。計画していた成果を出せない場合でも、業務に取り組むプロセスと併せて評価すれば、部下は納得感を得られます。評価基準を統一することで、従業員の満足度を高める効果が期待できます。
組織のモチベーションを上げる
KPIは組織のモチベーションを上げることにつながります。なぜならKPIは個人だけでなく、組織ごとにも割り付けられるからです。数値目標が明確になることで、組織を統括する管理職は当事者意識を持って業務に取り組めます。組織のモチベーションが上がれば、KGIを達成する見込みが上がります。
さらに部下にも良い影響があります。上司から与えられた目標では、仕事に「やらされている気持ち」が生まれ、従業員は意欲的に業務に取り組みづらくなります。KPIを個人にも用いることで、組織のモチベーションを高められます。
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KPI設定の手順
KPI設定の手順は、以下の3ステップです。
- KGIを設定する
- KFSを設定する
- KPIを設定する
KGIを設定する
はじめに、最終的に達成したい数値目標であるKGIを設定します。KGIは何を、いつまでに、どれくらい達成するのかを数値で表現します。例えば、「会社の売上を今年度中に100億円にする」ことを達成できるよう、具体的に設定します。
KSFを設定する
次に、重要成功要因であるKSFを設定します。設定する手順は、以下の通りです。
- KGIを数式で表す
- コントロールの可否と目標達成に及ぼす影響度で分類する
- KSFを決定する
1. KGIを数式で表す
KSFを定義するにはKGIで設定した項目を数式で表現します。例えば、前述の売上を例に挙げると、以下の通りです。
売上=訪問件数×受注率×商品単価
2. コントロールの可否と目標達成に及ぼす影響度で分類する
次に数式の項目を、「コントロールできるか」「目標達成度に及ぼす影響度」の2つの視点で分類します。
例えば、営業部門の立場から分類すると、以下の通りです。
コントロールできるか | 目標達成度に及ぼす影響度 | |
---|---|---|
訪問件数 | 可能(内部環境) | 大きい |
受注率 | 困難(外部環境) | 比較的小さい |
商品単価 | 可能(内部環境) | 比較的小さい |
3. KSFを選定する
上記の例では、訪問件数がKSFです。なぜなら売上に及ぼす影響度が高く、かつ営業部門に在籍する従業員がコントロールできるからです。決定する前に選定した要因がKSFとなり得るか、過去の数値を使って検証するとよいでしょう。
KPIを設定する
KPIを設定するには、決定したKSFを数値目標に落とし込みます。設定するポイントは5つあり、頭文字をとって、SMARTと呼ばれています。なお、設定したKPIはIT技術などを活用して、定期的に計算できる仕組みにするとよいでしょう。
- Specific:明確な
- 人によって解釈が異ならないように客観的に設定します。日々の業務で実感できる項目にするとよいでしょう
- Measurable:測定可能な
- 進捗を数値で捉えられ、管理できる指標とします。1日当たりの訪問件数といった測定できる項目にしましょう
- Achievable:達成可能な
- 従業員のモチベーションをあげることにつながるよう、達成できる見込みのある目標を定めます
- Relevant:適切な
- KPIはKGIやKSFに連動した指標なので、関係性を失わないように注意しましょう
- Time-bound:期限を定めた
- いつまでにという期限を定めることで行動に具体性が生まれます。週、月、四半期といった期限を定めましょう
コールセンターにおけるKPI設定
コールセンターにおけるKPIとは何?と疑問を持つ人もいると思います。コールセンターのKPIは、アウトバウンド(発信業務)とインバウンド(受電業務)で異なります。アウトバウンドとは、コールセンターから顧客へ電話をかけることで、一方、インバウンドとは顧客からコールセンターへ電話をかけることを指します。
アウトバウンドにおいて、用いられる主なKPIは以下の8つがあります。
KPI | 意味 |
---|---|
架電数 | 電話をかけた回数 |
コンタクト率 | 顧客に繋がった回数 |
処理時間 | 1コールあたりの応対処理に要した時間 |
稼働率 | 業務時間のうち電話応対業務に充てている時間の割合 |
ミス発生率 | ミスが発生した割合 |
CPH | 1時間に処理したコール数 |
CPC | 1コールにかかる費用 |
ATT | 平均通話時間 |
特に重要なKPIは、架電数と処理時間です。なぜならオペレーターがコントロールできる指標だからです。顧客との接点を増やし、1件当たりの応答時間を短くできれば、業務の効率を上げることができます。オペレーターごとのKPIを可視化して改善すれば、KGIの達成に近付けることができます。
インバウンドにおいて、用いられる主なKPIは、以下の4つがあります。
KPI | 意味 |
---|---|
応対品質 | 顧客がコールセンターに満足している度合い |
効率性 | コールセンターの業務を効率よく遂行しているか |
顧客満足度 | 企業が提供する商品やサービスに対する顧客満足の度合いを表す指標 |
マネジメント | オペレーターの人的配置を最適化するために必要となる指標 |
特に重要なKPIは、オペレーターがコントロールできる効率性です。効率性を評価する上で重要になるのが、顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)です。顧客満足度はコールセンターを利用した顧客にアンケートを実施して、数値化した満足度の改善に取りくむと良いでしょう。
コールセンターにおけるKPIについては、以下の記事で解説しています。
参考記事:コールセンターにおけるKPI(インバウンド・アウトバウンド)一覧|KPI設定のポイントを解説
まとめ
KPIは「重要業績評価指標」を意味する、目標の達成度合いを計測・監視する指標です。
KPIと似た用語にKGIとSFがあります。3つの用語の関連性を理解して、KPIを設定できるようになると、ビジネスで狙った成果を出しやすくなります。
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