2024.09.11
インサイドセールスをわかりやすく解説|導入方法・メリット・デメリット
インサイドセールスとは、非対面でおこなう営業活動です。人手不足で悩んでいる企業には特におすすめの営業手法であり、近年注目を集めています。
コールセンターでインサイドセールスを行う前には、事前の準備と導入手順を知っておく必要があります。
インサイドセールスの特徴や導入方法から導入した場合のメリットやデメリット、そしておすすめのツールなどをご紹介します。
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目次
インサイドセールスとは?わかりやすく解説
インサイドセールスとは、見込み顧客に対して電話やメールなどを用いて行う営業活動で非対面の内勤型営業手法です。
非対面で行う内勤型の営業手法なので、昨今の働き方改革やコロナ禍での対面営業自粛ムードを受け、近年大きな注目を集めています。
インサイドセールスは、事前に準備した内容を多くの見込み顧客に短時間で説明や提案をする際によく使われる営業手法です。潜在的な顧客もターゲットとしているためより、必ずしも商品の売り込みが全てではありません。この点は、多くアポイントを獲得することを目的としたテレアポとは異なる点です。
なお、非対面で内勤型のインサイドセールスに対して外勤型の対面営業手法をフィールドセールスといいます。両者の大きな違いは内勤であるか外勤であるかという点です。フィールドセールスのほうが顧客と密な信頼関係を構築できますが、営業効率やコストの面を重視した場合はインサイドセールスが取り入れられることが多いでしょう。
インサイドセールスが注目される理由
【インサイドセールスが注目される理由】
- インターネットの発達
- 商品数の増加
- 人手不足
近年大きな注目を集めているインサイドセールスですが、注目される背景にはどのような理由があるのでしょうか?考えられる主な理由は上記の3つです。ではこれら3つの理由について詳しくみていきましょう。
インターネットの発達
インサイドセールスが注目された要因の一つがインターネットの発達です。これにより、ビジネスにおける営業手法は大きく変化したといえるでしょう。
インターネットが発達する前は、電話でアポイントメントを取り、顧客のもとに通い対面で密な信頼関係を築いて商談をまとめる、というフィールドセールスの手法が主流でした。しかしこの方法では、商品やサービスを知ってもらうために膨大な見込み客へ電話をかけ、アポイントメントが取れたら1件1件の顧客を直接訪問して商品やサービスの説明や売り込みをしに行かなくてはなりません。時間もコストもかかり非効率的だったのです。
インターネットが発達した現在では、顧客はWebサイトやSNSなどで商品やサービスについての情報を多角的に収集できるようになりました。そのため営業担当者と直接面談する必要性がなくなったのです。
商品数の増加
近年、企業における商品やサービスは非常に多様化していることも、インサイドセールスが注目された要因のひとつといえるでしょう。
営業担当者でさえも自社の商品やサービスすべてを把握するのが難しくなっているため、営業担当者によってはフィールドセールスで自分の知識が豊富な商品を紹介してしまう場合があります。このような営業では顧客のニーズに応えきれず、顧客満足度の低下を招いてしまう恐れがあります。
インサイドセールスで顧客のニッチな要求をあらかじめ把握することができるため、それぞれの顧客にピッタリ合うサービスを提供することが可能となります。フィールドセールスの前段階として活用すれば、成約の確立がより高まるでしょう。
人手不足
インサイドセールスは、営業人員の人手不足をカバーするのにも有効です。近年は少子高齢化の影響もあり労働力人口は右肩下がりとなっており、企業の人手不足は深刻化しています。しかし仕事量が減っているわけではないため、人手不足の企業では少人数で多くの顧客をカバーしなければなりません。そのため企業の営業手法にも効率化が求められるようになってきました。このような状況はベンチャー企業やスタートアップ企業などにも当てはまるでしょう。
インサイドセールスは、非対面で内勤型の営業手法であるため直接顧客を訪問する必要がありません。時間やコストをかけられず、少人数で多くの営業をかけたい場合に有効な方法です。
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インサイドセールス導入のメリット
【インサイドセールス導入のメリット】
- 1日に対応できる件数が多い
- 少人数で対応できる
- 顧客のロイヤリティがアップする
ご紹介したとおりインサイドセールスは今、大きな注目を集めています。インサイドセールスを導入した場合に得られる主なメリットは上記の3つです。ではそれぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
1日に対応できる件数が多い
インサイドセールス導入で得られる主なメリットの中で最も大きいと思われるのが、この1日に対応できる件数が多くなるという点です。
例えば1件の商談時間を1時間と設定したとします。単純にこれだけを見ると従来のフィールドセールスでも1日に5件以上は訪問できると感じるかもしれませんが、この1時間には訪問先までの移動時間は含まれていません。移動時間を考えると1日に対応できる件数はせいぜい4件くらいでしょう。
しかしインサイドセールスを導入すれば、まず移動時間がかかりません。そのため仮に商談時間を1時間に設定したとしても1日に対応できる件数は最低でも5件以上、うまくいけば7~8件くらいまで対応可能です。対応できる件数が増えればフィールドセールスではフォローしきれていなかった顧客にもコンタクトをとることができます。対応できる件数が増えることで成約率のアップも期待できるでしょう。
少人数で対応できる
少人数で対応できる点もインサイドセールス導入の大きなメリットです。インサイドセールスが注目される理由の項でも述べましたが、近年人手不足に悩む企業が増えています。しかしインサイドセールスを導入すれば1人が1日に対応できる件数が増えるため、少人数でも効率的に営業活動することが可能です。
また、インサイドセールスなら電話やメール、Web会議システムなどを利用して営業活動が行えます。新型コロナウイルス感染拡大防止で出勤自粛を要請される現在のような状況においても、在宅勤務で営業活動を行うという選択肢が可能となるのです。コロナ禍においても営業成績を維持・向上していくためには、インサイドセールスの導入が不可欠といえるでしょう。
顧客のロイヤリティがアップする
インサイドセールスは顧客のロイヤリティが向上するというメリットも得られます。
顧客のロイヤリティとは、顧客がその企業や商品、サービスなどに対して抱く愛着や信頼感のことです。冒頭でもご紹介したとおりインサイドセールスというのは、商品やサービスの売り込みが全てではありません。適度な距離感を持って必要な情報を適宜提供し、丁寧に顧客に寄り添うことを目的としています。インサイドセールスが成功すると、顧客はその企業に対していいイメージを持つ、つまり顧客のロイヤリティがアップするわけです。
その結果、例え営業活動されているときには必要なかった商品やサービスであったとしてもその後必要になったときに、数ある企業の中からいいイメージを持ったその企業を選んでくれるようになるのです。継続的に自社の製品やサービスを購入してくれる優良顧客を育てるためには、インサイドセールスで長期的に顧客との接点を作っていくことが大切なのです。
インサイドセールス導入のデメリット
【インサイドセールス導入のデメリット】
- ノウハウや知識が必要
- コミュニケーションが希薄になりがち
物事にはどんなものにでもメリットとデメリットの両方が存在します。それはインサイドセールスにおいても同様です。上記に挙げた2つがインサイドセールスの導入における主なデメリットになります。ではそれぞれのデメリットについてみていきましょう。
ノウハウや知識が必要
インサイドセールスとフィールドセールスでは、当然ながらセールスの方法や対象となる顧客の属性などが異なります。そのため従来のフィールドセールスのように、信頼関係に基づいて深いニーズを引き出すような営業活動は無図解委でしょう。また、ある程度の商品やサービスの説明もインサイドセールスで行う必要があります。
インサイドセールスを導入して成功させるためには、インサイドセールスにおける手法やプロセス、戦略などの基礎知識や、経験値からくるノウハウを学んで活用する必要があります。インサイドセールスの導入前に教育体制や情報共有ルートなどを整えておくことが大切です。
コミュニケーションが希薄になりがち
もうひとつのデメリットは、対面で営業を行うフィールドセールスに比べてコミュニケーションが希薄になりがちなことです。主に電話やメールを使って行うインサイドセールスは、注意しないと場合によっては顧客とのコミュニケーションが希薄になる可能性があります。
しかしこのデメリットは、いくつかの方法で回避することができるようになります。まずはコミュニケーションの頻度を増やしましょう。見込み顧客が見つかった場合は、時間を空けずに次の対応を行いましょう。3時間以内など、数時間で対応するのが望ましいです。次に、顧客の潜在ニーズを引き出すことも大切です。そのためには、事前に営業から十分に顧客情報を取得しておきましょう。
参考:インサイドセールスの課題とは?うまくいなかない理由と解決方法
インサイドセールスの導入方法
【インサイドセールスの導入方法】
- 営業設計と担当範囲の設定
- インサイドセールス部署を配置
- 人材確保
- 顧客データの収集とリストの作成
- シナリオ作成、KPI設定
- インサイドセールスの実施、効果の検証
インサイドセールスを導入するためには、主に6つの段階を踏む必要があります。それぞれのステップについてみていきましょう。
営業設計と担当範囲の設定
導入するにあたってまずすべきことは、営業設計と担当範囲の設定です。営業設計では、全ての営業活動をインサイドセールスにするのか、それとも部分的な活用にしてフィールドセールスと合わせて営業活動を分けて行うのかを決めます。これは自社のマーケティング戦略に合わせて設定することになります。
その後担当範囲の設定を行います。営業活動を分けて行う場合は、営業チームやマーケティングチームと連携して業務を分担することになります。現在の営業プロセスを洗い出し、インサイドセールスでどの営業プロセスまでを受け持つのかを具体的に決めていきましょう。
インサイドセールス部署を配置
営業設計と担当範囲の設定を終えたら、次に行うのはインサイドセールス部署の配置です。これは営業活動の一括・分断に関わらず必要となります。
企業によっては営業部やマーケティング部の中に配置されることもあります。これは営業やマーケティング活動で蓄積されたノウハウをインサイドセールスに活用するためです。
営業部に配置した場合は、営業担当者と連携しながらターゲット顧客へのアプローチを行います。
マーケティング部では、見込み客の獲得やイベントなどの告知を行ってマーケティング活動をサポートします。ただし規模な企業ではインサイドセールスを専業とする専門部署を立ち上げていることも少なくありません。
<3>人材確保3>
インサイドセールス部署を立ち上げたら次に必要となるのが人材確保です。インサイドセールスに適正のある人材を確保しなければなりません。社内だけでは人員が不足しそうな場合は、外部へアウトソーシングする必要もあるでしょう。
インサイドセールスは自社商材の売り込みだけが全てではなく、興味や関心を示した見込み顧客に対して効果的な情報を適切なタイミングで提供することも大切です。そのためインサイドセールス担当者には見込み顧客を見極める能力や状況を把握する能力などが求められます。
必ずしもフィールドセールスで成果を上げている営業担当者がインサイドセールスの適正があるとは限らないため、人選する場合には注意が必要です。
顧客データの収集とリストの作成
インサイドセールスで収集した情報をもとに、顧客リストを作成します。
インサイドセールスででは、新規の見込み顧客獲得と既存顧客のフォローを主に担当します。見込み顧客の中から確度の高い見込み顧客を見極めてアポイントを取り、フィールドセールスの担当者に引き渡すのが目的です。
フィールドセールスの担当者が顧客を訪問した際に最適な提案をするためには、顧客の情報はもちろんインサイドセールスにおいて電話やメールでやり取りした内容などもデータ化し、顧客のリストを作成することが必要になります。コンタクトセンターシステム(CTIシステム)を活用すると、顧客データの収集やリストの作成がスムーズに行えます。
シナリオ作成、KPI設定
導入を成功させるためには、シナリオ作成とKPIの設定が欠かせません。シナリオとは、誰にいつ何を伝えるかを決めることです。どのような顧客へどのタイミングでどのような情報を伝えるかを設計する必要があります。
KPIとは、「重要業績評価指標」とも呼ばれ、中間的な目標のことです。KPIを設定する際は、数字で計測できるものが望ましく、目標達成率は70%くらいと少し難易度を高めに設定するのがよいとされています。
インサイドセールスで設定されることの多いKPIは、商談化件数、受注件数、クロージング率の3つです。商談化件数とはインサイドセールスによって商談化に至った件数で、受注件数とは獲得したアポイントから受注に至った件数を表します。クロージング率とは商談から契約までこぎつけた確率のことです。
また、KPI設定は期間を定め、定期的に見直すことが必要です。コンタクトセンターシステムを活用すると、受注件数や有効コール率などを分析できるので、KPIの設定や見直しもスムーズに行えます。
インサイドセールスの実施、効果の検証
最後はインサイドセールスを実際に実施し、期間を定めて定期的に効果を検証することが必要です。設定したKPIを達成できた、もしくはできなかった理由を検証して改善していくことで成果も上がっていくでしょう。コンタクトセンターシステムのレポート機能や件数、コール数、効率などの分析機能を活用することでスムーズに行えます。
参考:インサイドセールスの立ち上げ方法を徹底解説|おすすめ支援ツールも紹介
インサイドセールスにList Navigatorがおすすめな理由
インサイドセールス導入の際にはList Navigatorの活用がおすすめです。
List Navigatorはコンタクトセンターシステムのひとつで、架電リストをもとにした多回線への同時発信するグループ架電機能、繋がった番号だけをアポインターに繋ぐプレディクティブコール機能、応答するまでリストをもとに1件ずつ自動発信するオートコールなどの機能を備えています。
また、List Navigatorには分析機能が備わっている点でもインサイドセールスにおすすめです。件数やコール数、効率などを一覧でデータ化して見ることができる一覧分析や、受注件数や有効コール数を時間ごとに表示するアポインター営業実績を利用できるのはList Navigator導入の大きなメリットです。
List Navigatorを利用することで、少人数でも効率よくインサイドセールを実施できるようになります。
まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
非対面営業であるインサイドセールスは、フィールドセールスに比べて多くの時間やコストをかけずに営業活動を進めることができます。1日に対応できる件数が増える、少人数でも対応できる、在宅でもできるなどの点は、企業にとっても大きなメリットです。
導入するにはいくつものステップを踏む必要はありますが、コンタクトセンターシステムを活用することでデータ収集や効果測定などをスムーズに行えるようになります。興味のある方はコンタクトセンターシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
■合わせてよく読まれている資料
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