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2023.09.15更新

音声感情分析AIとは?コールセンターで導入するメリットや注意点を解説

コールセンターにおける音声感情分析について、気になっている人もいるのではないでしょうか。

音声感情分析とは、人間の声から感情を読み取る技術のことで、コールセンターの運用においてさまざまな効果が期待できます。

とはいえ、システムごとに特徴が異なるため、自社に合うものを見極めるのが重要です。

本記事では、 音声感情分析の仕組みやメリット、音声感情分析を使えるおすすめのコールセンターシステムも紹介 するので、ぜひ参考にしてください。

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導入時3つのチェックポイント

コールセンターにおける音声の感情分析とは


音声感情分析とは、 人間の声から感情を読み取る技術 のことです。

AIが音声の周波数を解析し、高いレベルでさまざまな感情を把握します。

喜びや怒り・悲しみや恐怖など、文字だけでは伝わりにくい感情をAIによる高度な分析で読み取れます。

音声感情分析の仕組み

AIによる音声感情分析は、基本的に次の流れで進みます。

  1. 音声の周波数成分をスペクトル解析
  2. 音声特徴を抽出
  3. 結果を感情ごとに分類

スペクトル解析とは、光や信号などの波を成分に分解し、成分ごとの強度を見やすくしたもの(スペクトル)から情報を分析する手法です。

音声を成分に分解することで分析しやすい状態にし、さらに音声特徴を抽出したうえで結果を感情ごとに分類します。

つまり、 音声を分析しやすい「データ」として扱うことで定量的に分析でき 、そのデータが多いほど感情分析の精度が高くなります。

なお、AIによる感情分析について詳しくは「感情分析とは?コールセンターに感情分析を導入し期待できる効果」を参考にしてください。

音声感情分析でできること

AIによる音声感情分析は、感情をリアルタイムで分析・識別するため、 顧客の満足度分析や信頼度のスコアリングなど が可能です。

また、顧客だけでなくオペレーターの感情も分析すると、ストレス度合いのチェックやオペレーターごとに適した業務の把握ができます。

さらに、他システムと連携できるものもあり、コールセンター全体の品質向上に役立てられるでしょう。

コールセンター向け音声感情分析システムの種類


コールセンター向け音声感情分析システムは、大きく次の3種類に分けられます。

  • ソフト搭載型
  • 音声認識サービス搭載型
  • API対応型

それぞれの違いを理解し、状況に合ったシステムを選びましょう。

ソフト搭載型

ソフト搭載型は、 コールセンター向けソフトに音声感情分析システムが搭載されているタイプ です。

コールセンター業務を効率化する機能の一つとして、音声感情分析を備えています。

音声感情分析は単体でもさまざまな効果が見込めますが、他システムとあわせて使うことでさらなる効果が見込めます。

ソフトによって備えている機能が大きく異なるので、音声感情分析以外にどのような機能が必要か検討したうえでサービスを決めましょう。

音声認識サービス搭載型

音声認識サービス搭載型は、 音声認識サービスに感情分析システムが搭載されているタイプ です。

音声認識とは、通話中の音声を認識してテキスト化する機能で、音声をテキスト化して確認できるのがメリットです。

音声認識に加えて感情分析もできれば、より顧客に寄り添った対応が可能でしょう。

なお、音声認識については「CTIの音声認識機能とは?うまく活用して効率化を図ろう」で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

API対応型

API対応型は、 API連携ができるタイプ です。

API(Application Programming Interface)とは、ソフトウェアの一部機能を共有する仕組みのことです。

音声感情分析を他システムと連携させることで活用の幅が広がります。

すでに導入済みのコールセンターシステムがAPI連携に対応していれば、コストを抑えて導入できるでしょう。

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コールセンターで音声感情分析を利用する7つのメリット


AIによる音声感情分析は、コールセンターにおいてさまざまなメリットがあります。

  • 成約率を向上させられる
  • 顧客満足度を向上させられる
  • クレームの再発防止につながる
  • オペレーターのストレスを軽減できる
  • オペレーターに対して高品質な研修ができる
  • スーパーバイザーの業務負担を軽減できる
  • VOCの分析や収集を効率化できる

多方面からコールセンターの品質向上を目指せる音声感情分析のメリットを確認しましょう。

成約率を向上させられる

音声感情分析を使うと、 成約率を向上 させられます。

顧客の感情が可視化されることで、リアルタイムで顧客のニーズを把握できるため顧客に沿ったアプローチがしやすくなるでしょう。

また、スーパーバイザーへも感情分析の結果を伝えれば、クロージングのために的確な指示をスピーディーに出せるようになります。

結果的にセールスがしやすくなり、成約率が向上するでしょう。

顧客満足度を向上させられる

音声感情分析の活用で、 顧客満足度を向上 させられるでしょう。

顧客の感情がリアルタイムでわかるようになれば、寄り添った対応がしやすくなります。

顧客の不満が大きくなる前に対処できるため、ネガティブな印象を与えにくくなるでしょう。

また、スーパーバイザーがオペレーターに対してフォローしやすくなるので、顧客対応に不慣れなオペレーターがいても安心です。

クレームの再発防止につながる

音声感情分析は、 クレームの再発防止 につながります。

顧客の通話音声から感情を読み取ることで、言語化しにくいクレーム内容を定量的に可視化できます。

そのため、顧客がなぜ、どのような点に不満を抱えているかわかりやすくなり、リアルタイムで適切な対応ができるでしょう。

また、クレームごとに分析結果を集計すれば、必要なトークスクリプトの作成やマニュアルの整備がしやすくなります。

顧客の感情がわかるようになれば、同様のクレームを受ける回数が減り、応対品質向上につながるでしょう。

オペレーターのストレスを軽減できる

音声感情分析は、 オペレーターのストレスを軽減 できるでしょう。

オペレーターの感情もリアルタイムで分析することで、スーパーバイザーからのフォローがしやすくなります。

顧客だけでなくオペレーターの感情も定量的にわかるようになるため、フォローしやすくなるうえに、顧客やクレーム内容ごとに適した担当者を配置できます。

また、対応ごとに感情を分析し集計すれば、ストレスチェックにも応用可能です。

オペレーターのストレス原因を細分化して把握することで、適切な教育やフォローができ、結果として離職率低下も期待できるでしょう。

オペレーターに対して高品質な研修ができる

音声感情分析を導入すれば、 オペレーターに対して高品質な研修 ができるようになります。

感情を把握できると、顧客や対応内容ごとに的確な指示ができるため、研修の質も向上するでしょう。

また、応対ノウハウを積み重ねられるので、PDCAサイクルを回しやすくなり、効率的にオペレーターの能力を底上げできます。

スーパーバイザーの業務負担を軽減できる

音声感情分析の導入で、 スーパーバイザーの業務負担を軽減 できるでしょう。

感情が可視化できれば、ネガティブな感情を抱いているオペレーターや顧客をピンポイントで発見できるため、常に応対を監視する必要はありません。

フォローが必要なオペレーターに絞って監視できるため、一つひとつの対応スピードや品質が向上します。

VOCの収集や分析を効率化できる

音声感情分析の活用で、 VOC(Voice of customer)の収集や分析を効率化 できます。

さまざまなタイプの顧客の感情がわかるようになれば、商品やサービスの改善につながるヒントを見つけやすくなるでしょう。

また、単にテキストだけで収集するよりも、あわせて感情を把握できればより深いレベルでVOCを理解できます。

情報過多になりがちなVOC分析も、感情を把握することで効率化でき、商品やサービスの改善や顧客満足度の向上につながるでしょう。

音声感情分析を活用するための注意点5つ


音声感情分析は、さまざまな面からコールセンターの品質向上にアプローチできます。

とはいえ、活用するためにはいくつか注意点もあるので、メリットとあわせて確認しましょう。

  • 完全に感情を読み取れるわけではない
  • ツールやシステムだけに頼らない
  • 導入コストがかかる
  • 必要に応じてマニュアルを整備する
  • 保守対応やメンテナンスが必要となる

本記事では上記の5つを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

完全に感情を読み取れるわけではない

AIによる音声感情分析は、 完全に感情を読み取れるわけではありません 

AI市場は急速に発展しており、かなり高い精度で感情を分析できるものの、データとして分析する以上完全な解析は不可能でしょう。

そのため、分析結果をうのみにするとどこかで重大なエラーが起きる危険性があります。

AIによる分析は完全ではないことを念頭に置く必要があるでしょう。

ツールやシステムだけに頼らない

音声感情分析を活用するには、 分析ツールやシステムだけに頼らない のが重要です。

AIによる感情分析の精度はかなり高いですが、すべての感情を正しく分析できるわけではありません。

そのため、AIによる分析は不完全なものであることを認識し、人間もサポートしつつ使うのがポイントです。

シーンごとにAIと人間どちらを重視するかを都度検討することで、コールセンターのさらなる品質向上が見込めます。

近年急速に発展しているAIですが、完全に頼りきるのではなく、あくまでも補助ツールのイメージで活用する必要があるでしょう。

導入コストがかかる

音声感情分析システムの導入には、少なからずコストがかかります。

サービスごとに使える機能や品質・分析の精度などが大きく異なるため、 自社に必要なものを見極める のが重要です。

とはいえ、音声感情分析はコールセンター運営においてメリットが多いため、活用次第で十分にコストを回収できます。

できる限り費用対効果を高められるよう、ポイントを押さえてサービスを選びましょう。

必要に応じてマニュアルを整備する

音声感情分析の効果を最大化するには、 マニュアルの整備が重要 です。

実際に使用する現場のオペレーターが使いこなせなければ、さまざまなメリットを活かせないでしょう。

システム導入時のマニュアル整備はもちろん、現場が混乱しないための事前周知や使い方の説明が必要です。

また、マニュアルは一度作成したら、現場の状況を考慮しながら常に改善し続けるのがポイントです。

実際に導入してから新たな課題が見つかる可能性は大いにあるので、システム導入時だけでなく常に更新する必要があることを意識しましょう。

保守対応やメンテナンスが必要となる

音声感情分析は、AIを使ったシステムである以上、 保守対応やメンテナンスが必要 です。

サービスに付随するサポートを利用するほか、自社でも適切な人員を配置して保守やメンテナンスをしましょう。

また、システム導入時は特にトラブルが起きやすいので、サービスのサポートを利用する場合は、サポートの対象範囲や対応内容などを細かく確認しておくと安心です。

音声感情分析を使えるコールセンターシステム(CTI)を選ぶポイント6つ


音声感情分析機能を備えたコールセンターシステムは多いです。

コールセンター業務を効率化し品質向上が見込めるものがほとんどですが、むやみに選ぶと十分な効果を得られない可能性があります。

  • 分析の精度が高いか
  • 音声感情分析のほかに必要な機能を備えているか
  • 他ツールやシステムと連携しやすいか
  • セキュリティ対策がされているか
  • 費用が適正か
  • サポート体制が充実しているか

自社に合うコールセンターシステムを選べるよう、上記のポイントを確認しましょう。

分析の精度が高いか

感情分析の 精度が高いか 確認しましょう。

音声感情分析の効果を最大化するには、精度の高さが重要です。

どれほどの精度で分析ができるか、サービスページなどでしっかりと把握しましょう。

AIを使って分析するため極端に精度が低いことはないものの、サービスによって特徴が異なるので事前に押さえておく必要があります。

音声感情分析のほかに必要な機能を備えているか

音声感情分析だけでなく、 コールセンターシステムとして十分な機能を備えているか 確認しましょう。

いくら音声感情分析の精度が高くても、ほかに必要な機能がそろっていなければ業務効率化や品質向上につなげにくいです。

特に、コールセンターの規模や業務内容などさまざまな点で必要な機能が異なるため、自社コールセンターの現状を把握したうえでサービスを探しましょう。

他ツールやシステムと連携しやすいか

音声感情分析だけでなく、 他ツールやシステムと連携しやすいか の確認が重要です。

コールセンターシステムは単体ではなく、他のツールやシステムとの連携によってさらなる効果が期待できます。

CRM(顧客情報管理)やIVR(自動音声応答)など、あらかじめ自社に必要な機能を検討したうえで連携できるかチェックしましょう。

また、連携可否だけでなく、連携しやすさも確認することでスムーズに導入できます。

セキュリティ対策がされているか

コールセンターシステム全体で、 十分なセキュリティ対策がされているか 確認しましょう。

コールセンターでは、顧客情報など機密情報を取り扱うため、セキュリティ対策には十分に注意しなければなりません。

情報漏えいは被害が大きくなりやすく、自社の信用が落ちる危険性もあります。

そのため、業務効率化や品質向上だけでなく安全に運用できるかのチェックが重要です。

なお、万が一導入したいコールセンターシステムにおいて十分なセキュリティ対策がされていない場合は、別途セキュリティサービスを検討しましょう。

費用が適正か

コールセンターシステムの 費用が予算に合っているか 入念にチェックしましょう。

コールセンターシステムの費用は、システムの種類や備えている機能など、さまざまな点で異なります。

予算を的確に把握したうえで、機能に対して費用が見合っているか、コストを回収できるか確認しましょう。

なお、コールセンターシステムは、いくら高機能で自社に合うものでもすぐに効果がでるわけではないので、長期的な視点で判断するのがポイントです。

サポート体制が充実しているか

万が一の際に どのようなサポートが受けられるか 確認しましょう。

AIを使ったシステムである以上、なんらかのエラーが起きる可能性は捨てきれません。

特に、システム導入直後はトラブルが起きやすいため、できる限り細かくサポートしてくれるサービスがよいでしょう。

また、システムの運用にあたって保守やメンテナンス対応も必要です。

自社で適切な人員を配置できない場合は、どれほど保守やメンテナンス対応をしてくれるかも確認しましょう。

音声感情分析を使えるおすすめのコールセンターシステム3選


音声感情分析を使えるおすすめのコールセンターシステム3つを紹介します。

システム名 主な特徴
List Navigator. アウトバウンド特化で導入がスムーズ
MiiTel 機能が充実しており多様な働き方に対応
Zendesk インバウンド特化で豊富な導入実績
ポイントを押さえ、自社コールセンターのさらなる成長に向けて最適なサービスを選びましょう。

List Navigator.


引用:List Navigator.

List Navigator.は 株式会社Scene Liveが提供する クラウド型でアウトバウンド業務に特化したCTIツール です。

AIによる音声解析機能 「Call Analytics(コールアナリティクス)」 が搭載されており、通話録音だけでは可視化できない内容をテキスト化できます。

各オペレーターの話し方の癖や感情、勝ちパターンもすべて分析できるので、オペレーターの指導や成約率向上、ノウハウ蓄積などに役立つでしょう。

また、直感的に操作しやすいうえに情報管理も簡単で、架電業務を効率化する機能も充実しています。

さらに、クラウド型のため、最短3営業日というスピードで導入できるうえにコストを抑えられるのも魅力です。

MiiTel


引用:MiiTel

MiiTelは、 株式会社RevCommが提供しているコールセンターシステムです。

インバウンド・アウトバウンド両方に適した機能が充実しており、 テレワークなど多様な働き方に対応 しています。

そして、AIの音声解析により 話す速度やラリーの回数、言葉を被せた割合などを定量的に評価 できるので、自己学習やフィードバックで活躍します。

特に、トップ営業社員やベテラン社員の話し方の特徴を分析し可視化できるため、オペレーター教育やノウハウ蓄積がしやすいでしょう。

Zendesk


引用:Zendesk

Zendeskは、 株式会社Zendeskが提供しているクラウド型のコールセンターシステムです。

東京電力エナジーパートナー株式会社や株式会社NTTドコモをはじめ、 日本のみならず世界中で10万社以上もの導入実績 を誇ります。

また、音声分析機能「Contact Lens for Amazon Connect」のほか、さまざまなツールと連携可能です。

通話以外にさまざまな役割を果たせるため、 コールセンターの規模にかかわらず活用しやすい でしょう。

音声感情分析を活用しコールセンターの品質を向上させよう


AIによる音声感情分析は、業務効率化や品質向上などさまざまなメリットが期待でき、活用次第でコールセンターを大きく成長させられます。

とはいえ、音声感情分析にはいくつか注意点もあり、導入するだけで高い費用対効果が見込めるわけではありません。

さまざまな視点でシステムの導入可否を検討し、ポイントを押さえて自社に合うものを選ぶ必要があります。

中でも、アウトバウンド業務がメインのコールセンターなら、 感情分析以外にもさまざまな機能を備えているうえに導入しやすいList Navigator.がおすすめ です。

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