2024.09.26
ビジネスフォンの設置工事とは?導入の流れや業者選定のコツも解説
ビジネスフォンは社内の業務効率化に欠かせないアイテムですが、「家庭用電話機のように自分たちで設置できるかな…」と考えている方はいませんか。
ビジネスフォンの導入には、専門業者による回線や設置の工事が必須です。本記事ではビジネスフォンの機能や工事の種類、導入前に確認してほしいポイント、優良な工事業者を見分けるコツを紹介します。
近年は、工事不要で導入可能なクラウドPBXも登場しました。
ビジネスフォンの新規導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
■合わせてよく読まれている資料
「導入時3つのチェックポイント」も合わせてダウンロードいただけます。
目次
ビジネスフォンとは
ビジネスフォンとは、主装置(交換機)を通して複数の外線と内線を共有して制御できる電話機です。
ビジネスフォンと家庭用電話機の機能は、大きく異なります。
ビジネスフォンの代表的な機能は以下の通りです。
機能 | 特徴 |
内線 |
|
転送 |
|
通話録音 |
|
お待たせガイダンス |
|
ビジネスフォンを新設する際の工事3つ
ビジネスフォンを新規で設置する際には、 ビジネスフォンの主装置と各電話回線を結んだり、設置したビジネスフォン1台ずつ操作を確認したりなど、専門業者による工事が欠かせません。
具体的な3つの工事は、下記の通りです。
- 電話回線収容工事
- 電話機設定工事
- 主装置設置工事
それぞれの工事内容を解説します。
電話回線収容工事
電話回線収容工事とは、 ビジネスフォンの主装置と各電話機を結ぶための回線を繋ぐ工事です。
ビジネスフォンの故障原因のひとつに断線があります。
断線を防ぐために、オフィスの床やカーペット、壁の中を這わせて引っかかりがないか確認しながら、作業しなければなりません。
トラブルを防ぐためにも、工事業者とあらかじめ電話機の設置場所や社内のレイアウトなどを打ち合わせしましょう。
電話回線工事には、ビジネスフォンだけでなく、電話回線の手配も行う必要があります。
代表的な電話回線の種類は以下の4つです。
- アナログ回線
- ISDN回線
- IP電話回線
- ひかり回線
インターネット回線か電話回線、回線数や電話番号数、通話チャネル数などの違いがあります。
社内での利用用途によって回線を選んください。
電話機設定工事
電話機設定工事とは、 各フロアに設置するビジネスフォン1台ずつに対して接続と設定を行なう工事を指します。
回線工事の完了後に工事業者と、内線・外線が問題なく接続できるか、音量や聞き取りやすさに問題はないかなど1台ずつ確認する必要があります。
主装置設置工事
主装置設置工事とは、 社内の外線・内線電話を接続するため、主装置を設置する工事です。
主装置は機内交換機(PBX)とも呼ばれ、電話回線を複数の電話機に繋ぐ、ビジネスフォンの中心部となる装置を指します。
主装置からビジネスフォンに配線するため、あらかじめ電源を確保できる一定のスペースを準備しましょう。
■合わせてよく読まれている資料
「導入時3つのチェックポイント」も合わせてダウンロードいただけます。
ビジネスフォン新設以外の各種工事
ビジネスフォンを追加したい、オフィスの移転・閉鎖でビジネスフォンを撤去したい場合にも工事は必須です。ビジネスフォンの増減数により、社内のレイアウトが変更になったり、業者との打ち合わせが再発生したりする場合があります。
ビジネスフォンの新設以外にも、よくある工事は下記の3つです。
- 増設工事
- 移転工事
- 撤去工事
各工事の内容について、紹介します。
増設工事
増設工事は、社員の増加などによりビジネスフォンの追加接続を行う工事です。
ビジネスフォンの台数を増やす場合、 主装置内部の基盤に空きがあるかどうか確認しましょう。
基盤の上限が10台分で、既に10台設置されているとビジネスフォンの増設はできません。
基盤の追加や、主装置のプラン変更などの対応が必要です。
また、ビジネスフォンによっては、増設ができなかったり、型番が少し違うだけで使用できなかったりする場合もあるので注意してください。
移転工事
移転工事は、オフィスが引っ越しの際に、現在使用しているビジネスフォンを新しい設置先で利用するために移動させる工事を指します。
移転先での社内レイアウトに応じて、 新しい電話回線の収容や移転先での利用方法の確認など、新設工事と変わらない事前打ち合わせを工事業者としてください。
撤去工事
撤去工事は、事業所の閉鎖や別の事業所との統合などで、ビジネスフォン一式を撤去する工事です。
社内の同じフロア内でビジネスフォンの配置を変更したい場合は、移設工事となるので注意してください。
また、 アナログ回線からインターネット回線に移行したい場合も、現在使用している回線や電話機の撤去が必要です。
ビジネスフォン導入工事の前に確認したい3つのポイント
ビジネスフォンを導入するには、 コストも手間も発生します。
今後の事業計画を見越して導入台数を決めないと無駄な経費がかかったり、自社の業務に不必要な機能を搭載したビジネスフォンを導入しても余計に業務が滞ってしまったりするケースも避けられません。
工事を円滑にすするためにも、導入前に下記の3つのポイントを確認してみてください。
- 導入台数
- 予算
- 機能
それぞれのポイントを解説していきます。
導入台数
導入工事の前に、社内で必要なビジネスフォンの台数を決めましょう。
コールセンターや営業電話を頻繁に行う部署は、従業員が待機せずに同時に通話できるように、各デスクに1台ビジネスフォンを設置するのが望ましいです。
一方で、オフィス内にいる社員の半分程度しか電話を使わない場合は、ひとりの社員に1台のビジネスフォンは必要ないといえます。
また、会議室にも1台はビジネスフォンを設置するのが一般的です。
今後、将来的に事業拡大や社員の増員など、 会社の規模が変化することを視野にいれて導入する台数を決めましょう。
予算
ビジネスフォンの値段は高額なため、予算に合わせて導入を決めてください。
ビジネスフォンの費用相場は以下の通りです。
ビジネスフォンを導入するには、電話機代だけではなく主装置の設置費用や工事費、設定費なども発生します。
ビジネスフォンの種類 | 費用相場 |
新品 | 1万5千〜5万円/台 |
中古 | 4千〜1万2千円/台 |
主装置 | 10万円~/台 |
設置工事費 | 1〜2万円/台 |
1回線で1通話しかできなければ「1回線1チャンネル」で、3通話同時に通話が可能なら「1回線3チャンネル」となるわけです。
チャンネル数は「社員の3分の1」が一般的な目安といわれています。
200人の社員が在籍している会社なら、60〜70チャンネルが理想です。
電話機の費用だけで判断せず、チャンネル数や工事全体での費用を確認した上で導入を決めましょう。
機能
ビジネスフォンは、メーカーや機種によって、機能や拡張性が異なるのが特徴です。
ビジネスフォンの導入により、自社でどのようなことを実現したいのかを考慮した上で設置しましょう。
ビジネスフォンを導入すれば、会社の代表番号で発着信が同時にできたり、内線で社員同士が無料通話できたりします。
また、近年はスマートフォンや在宅勤務の普及により、社員のスマートフォンから内線電話ができるビジネスフォンも登場しました。
顧客へ迅速な対応の実現や業務効率化など、 自社の課題や目的に適したビジネスフォンを選ぶことをおすすめします。
ビジネスフォン導入工事の流れ
ビジネスフォンを導入する場合、 電話回線を繋ぐことや電話機との接続、主装置の設定などが必須 です。
事前の打ち合わせだけではなく、工事当日は自社の社員による立ち会いが必要なことは覚えておきましょう。
ビジネスフォンの導入工事の一連の流れは下記の通りです。
- 電話回線の手配
- 工事見積もり
- 工事日・設置場所の確認
- 工事当日
- 工事完了
それぞれの工事の概要について、説明していきます。
電話回線の手配
電話回線やインターネット回線の申込をしてください。工事見積もり
工事業者に、ビジネスフォンの設置工事に関する見積もりを依頼しましょう。
工事業者を選定する際には、 サービスや費用を比較するために、相見積もりをすることをおすすめします。
工事日・設置場所の確認
工事業者を選定できたら、回線とビジネスフォン設置工事の依頼・手配をしてください。
事務所の新規オープン前や移転日など工事日を指定する場合は、なるべく早めに手配を調整しましょう。
工事に要する時間は、 導入するビジネスフォンの台数や接続する主装置によって違います。
見積り時に作業時間については、確認しましょう。
工事当日
万が一、事前に聞いていた内容と違う工事が開始した、工事時間が大幅に遅延したなど現場でトラブルが発生するかもしれません。
必ず、自社の従業員が工事の立ち会いをしてください。主装置設置工事から始まり、次に電話回線と主装置を繋げる回線収容工事、そして主装置と各電話機を繋げる電話機設置工事を行います。
工事完了
工事業者による1台ずつ電話機の動作確認や接続設定が無事に終了したら、工事完了です。優良なビジネスフォン工事業者を見分ける4つのコツ
ビジネスフォンの工事業者の中でも、 回線工事に関する資格を持っていたり、素人でもわかるように丁寧な対応をしてくれたりといった優良業者には特徴があります。
業者の中には、不当な請求をして顧客を騙そうとする悪徳業者もいるので注意が必要です。
金銭トラブルや業務に影響を及ぼすことを避けるためにも、下記の項目が検討中の業者に当てはまるかどうかチェックしてください。
- 国家資格「工事担任者」かどうか
- 見積もりが適正かどうか
- 応対が円滑かどうか
- アフターフォロー対応があるかどうか
チェック項目について、詳しく解説していきます。
国家資格「工事担任者」かどうか
ビジネスフォンの工事は、 国家資格である「工事担任者」の有資格者が工事を監督する、もしくは施工しなければなりません。
工事担任者は、正式には「電気通信設備工事担任者」という資格で、通信回線に接続する端末等の配線工事や監督を行うための資格です。
もし、無資格者が工事を実施すれば、懲役または罰金が課されるので注意してください。
見積もりが適正かどうか
工事業者が明記した見積書の金額が、適正かどうか確認しましょう。
「工事一式」などで内訳がきちんと記載されていない場合は要注意です。工事内容や料金が項目ごとに、明確に記載されているかを確認してください。
応対が円滑かどうか
工事の担当者の応対が円滑かどうかを確認するのも大切です。
ビジネスフォンの導入工事には、主装置・各電話機の設置場所や工事日程など事前に打ち合わせする機会が多くあります。
また、ビジネスフォン工事後も接続トラブルが発生した場合は、工事担当者とのやり取りが発生します。
何気ないやり取りから、 担当者の応対が円滑かどうか、相談にも親身になってくれるかどうかを見極めましょう。
アフターフォロー対応があるかどうか
工事後のアフターフォローやサポート体制も、事前に確認することも忘れないでください。
ビジネスフォンは日々の業務で利用する頻度が高いため、不具合が生じる可能性が高いです。
不具合が出た時の保証など アフターフォローが万全であれば、万が一の時にも安心して使用できます。
ビジネスフォンに通信障害が起きて、業務に支障が発生したなど最悪の事態を防ぐためにも、事前に確認しておきましょう。
工事不要でビジネスフォンが使えるクラウドPBXがおすすめ
主装置の設置工事など、ビジネスフォンを導入するには時間と費用が生じます。
しかし、 インターネット回線を利用してクラウド上で運用するクラウドPBXなら、面倒な電話回線工事が不要です。
さらに従来のビジネスフォン導入工事と比較して短期間での導入が期待できます。
クラウドPBXについては、「クラウドPBXとは?従来PBXトの違いや仕組み・メリット・デメリットを徹底解説」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ビジネスフォンの設置工事は優良業者に依頼しよう
ビジネスフォンの導入には、電話機や主装置の設置工事など高額な初期費用がかかります。
導入に失敗しないためにも、 ビジネスフォンの機種選定と同様に、工事業者も慎重に検討しましょう。
信頼できる優良業者に工事を依頼すれば、万が一トラブルが発生しても安心して対応してもらえます。
クラウドPBX搭載のコールシステムをお探しなら、 scene-liveの「OSORA」はいかがでしょうか。
従来のビジネスフォンの機能を踏襲しながらも、クラウド型のため面倒な工事は不要です。
スマートフォンと電話機を内線化できるため、テレワークや在宅勤務にもおすすめします。
■合わせてよく読まれている資料
「導入時3つのチェックポイント」も合わせてダウンロードいただけます。