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2021.06.09更新

クラウドPBXの仕組み|メリット・デメリットや失敗を徹底解説

クラウドPBXとは、クラウド上に設置されたPBXのことです。従来のタイプは拠点ごとにPBXを設定しますが、クラウドPBXであれば拠点ごとの設置が不要であるため、導入コストを大幅に削減できます。

インターネットを通じて自宅からでもコールセンター業務が行うことができ、業務の効率化にもつながるでしょう。IVR機能・ACD機能を活用することで顧客の待ち時間が減り、顧客満足度のアップも期待できます。

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クラウドPBXとは?


「クラウドPBX」とは、オフィスに設置するのではなく、クラウドいわゆるインターネット上に設置されたPBXのことです。

「PBX」とは機内交換器と呼ばれる機器で、拠点内に設置して複数の電話回線を管理します。PBXに接続された電話回線は内部で制御され、拠点内の各電話機に繋ぎます。

通常のPBXは拠点に設置されているため、それぞれの拠点で導入コストが生じます。回線の増減やメンテナンス、修理を行う場合は、その都度業者を対象拠点に呼ばなければなりません。コールセンター業務を行う際も、電話のオペレーターが拠点に出向く必要があります。

しかし、クラウドPBXの場合はPBXがクラウド上にあるため、各拠点にPBXを導入する必要がなく、回線の増減やメンテナンスをWeb上で行うことが可能です。オペレーターはインターネットを通じて自宅でコールセンター業務を遂行できるようになります。

クラウドPBXの仕組み


クラウドとはインターネット上に存在することを指し、PBXとは機内交換器という複数の電話回線を制御する機器を指します。そのPBXがインターネット上にあるため、クラウドPBXと呼ばれます。

通常であれば、PBXは拠点ごとに存在していて、それぞれが接続され電話回線網を構成しています。しかしクラウドPBXは、本来拠点ごとに存在するPBXがインターネット上で一元管理されているため、それぞれの拠点を接続するための設定や、各拠点独自の設定をインターネットでユーザーが行うことができます。

そのため、各拠点での設置工事が不要になり、短納期でスピーディに導入できるだけでなく、業者を呼ぶコストを節約することができます。また、クラウドPBXを提供している業者によっては、専用のアプリを導入するだけで使えるようになるなど、短納期でかつ低コストで電話を開設することが特徴です。

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オンプレ型PBX・IP-PBXとの違い


クラウドPBXとは反対に、従来のように拠点ごとにPBXを設置するタイプを、「オンプレ型PBX」といいます。

オンプレ型には従来の電話回線を使う方式と、IPネットワークを使う方式があり、後者のIPネットワークを使う方式を「IP-PBX」といいます。

クラウド型PBX オンプレPBX IP-PBX
PBXの設置 クラウド上 拠点ごと 一拠点
発着信可能場所 どこでも可 社内 どこでも可
使用可能機器 電話・スマホ・タブレット・PC 電話 電話・スマホ・タブレット・PC
初期費用 安い 高い オンプレ方より高い
月額費用 ~2万 不要 不要
導入まで 最短翌日 10日~1ヶ月 10日~1ヶ月

クラウドPBXはクラウド上にPBXがあるため、拠点内に機器の設置工事が不要となり、そのため導入までの期間が短いことが特徴です。また、インターネットが繋がっている場所であればどこでも導入可能なため、小規模のオフィスであっても容易に電話を開設することができます。

反対に、オンプレ型は拠点内に機器を設置するため、その工事が必要で、そのため導入までに期間を要します。しかし、機器を設置してしまうため、機器の購入費用や工事費用はかかってしまうものの、月々のサービス利用料が不要です。

またIPネットワークを利用するIP-PBXはIP電話器を使うため、クラウドPBXやオンプレ型の電話回線を使う方式に比べて、若干初期費用がかかるものの、PBXの設置は1拠点のみでよいのが特徴です。電話器以外にもスマホやタブレットといった機器にも対応しており、可用性も高くなっています。

クラウドPBXのメリット


クラウドPBXを導入するメリットとしてあげられるものには以下があります。

  • 導入コストの大幅削減
  • どこでも内線・外線機能が使える
  • 社外にいる担当者に転送できる
  • ランニングコスト・通話料の削減
  • 顧客の待ち時間軽減

特に大きなものとしては、「導入およびランニングにかかるコストを削減できること」「場所を選ばないこと」が挙げられます。コストにおいては、通常であれば必要なPBXが不要なため、PBXの購入やその設置にかかる費用が削減できます。

また、クラウド上にPBXがあるため、インターネットに繋がる環境さえあれば導入できるため、利用場所を選びません。そのほか、クラウドPBXの特徴である端末の多様化への対応により、社外にいる担当者のスマートフォンへ転送することもできるため、結果として顧客の待ち時間の軽減に繋がります。

導入コストの大幅削減

クラウドPBXであればPBXの購入費用や設置工事費用がないため、サービス業者によっては初期費用がほぼかからないことがあります。
また、導入後の設定もインターネットからユーザーにて行うことが可能なため、設定費用も低く抑えられるでしょう。

反対にオンプレ型やIP-PBXの場合は、導入時にPBXの機器購入費用および設置工事費用がかかります。また、PBXの設定には専門知識や技術を必要とするため、業者に行ってもらう必要があり、設定費用がかかってくる場合もあります。

このようにクラウドPBXでは、オンプレ型で必要だった導入費用がほとんどかからないため、導入コストを大幅に削減できるのです。

どこでも内線・外線機能が使える

クラウドPBXでは、インターネットに繋がる環境があればどこでも使えるため、通常は拠点内でしか使えないと思われていた内線機能や外線機能も、拠点から離れた場所でも使うことができます。

そのため、会社に出社せずに自宅で電話対応をするといったことも可能になり、利用場所が広がります。

また、ビジネスを続けていく上で、オフィスを移転することもある場合としてありますが、その際でも番号が変わらないため、顧客に迷惑をかけることが少なくなります。移転のための電話工事も不要で、電話機を移転先に持っていくだけで、インターネットが利用できるようになれば、すぐに業務が開始できるようになります。

社外にいる担当者に転送も可能

クラウドPBXはインターネット上で運用しているため、例え担当者が社外にいた場合でも、インターネットに繋がる環境があれば電話を転送することが可能です。

クラウドPBXでは電話機だけでなくスマートフォンやタブレットといったさまざまな端末に対応しており、それらに通話を転送することも可能です。
例えば、緊急の電話がかかってきた場合に担当者が出張していたとしても、出先でスマートフォンを使って転送電話を受けることができるため、ビジネスチャンスを逃しません。テレワークを導入している場合にも効果的です。

ランニングコスト・通話料の削減

クラウドPBXでは、ランニングコストや通話料といった電話を利用する場合に必要なコストを、従来多く導入されているオンプレ型に比べて削減することができます。

通常、電話回線を用いて通話を行う場合には、通話料がかかってきますが、クラウドPBXではインターネットを使って通話するため拠点同士では、内線通話は従来のビジネスフォンと同様に無料となります。

また、オンプレ型の通話料は3分単位となっていて、3分未満であってもその通話でその料金が計算される場合があります。クラウド型は1分単位、30秒単位、1秒単位など、料金が細かく設定されている場合があり、無駄な通話料を押さえられることができます。

なお、クラウドPBXの通話料金目安は、固定電話に電話をかけると3分8円前後、フリーダイヤルでは1分10円~3分10円前後、スマートフォンでは1分15円~16円前後です。

クラウドPBXでは、通話料以外に月額の基本料金が発生します。PBXを通した通話時間に関係なく、定額両機を毎月支払います。オンプレ型は導入後の月額料金は発生しませんが、定期的に物理的なメンテナンスが必要です。PBXに不具合があれば交換しなければなりませ。この費用は拠点数が多いほどかさんでしまうでしょう。

一般的なクラウドPBXの月額料金相場としては内線1回線あたり1,500円~2,500円前後です。サービス業者の多くは基本的に利用する内線もしくはユーザーの数に応じて金額が決めており、利用する内線の数が多くなれば、1回線あたりの価格を抑えられる傾向があります。

顧客の待ち時間軽減

クラウドPBXでは、IVR機能やACD機能を使用できることがあり、これらを活用することで電話をかけていた顧客の待ち時間軽減が可能となります。

IVR機能とは、自動音声応答のことで、後に述べるACDと連携して電話応対を効率化する機能です。顧客がコールセンターへ電話したときに、すぐにオペレーターに繋がるのではなく音声ガイダンスが流れ、電話機のプッシュ操作で該当の窓口へと誘導することができます。

ACD機能とは、電話の着信を自動分配する機能のことで、どのオペレーターへの着信を振り分けるかを自動で最適化する機能です。
これらの機能を組み合わせることで、顧客の問い合わせ内容に応じた窓口へと誘導し、空いているオペレーターへ振り分けることで、顧客の待ち時間が軽減できるのです。

クラウドPBX導入の失敗から学ぶ注意点


クラウドPBXの導入には多くのメリットがあり、インターネットが普及した現代では、場所も端末も選ばないクラウドPBXが主流になっていく可能性は大いに考えられます。しかしながら、クラウドPBXを導入するにあたり、いくつかの注意点があります。

  • 通話品質はメーカーによる
  • 110や119には電話できない
  • サポート体制もピンキリ

通話品質はメーカーによる

クラウドPBXは電話回線ではなくインターネットを使うため、通話品質については電話機器のメーカーによって差が生じる場合もあります。それぞれのメーカーにより通話技術にも差があり、それが通話品質に影響を及ぼす結果となることも十分に考えられます。

またインターネットを使っている以上は、周りの環境や使用状況により通信品質が落ちる場合もあり、その場合は、音声が届かない、あるいは途切れるといった、通話に支障がでるケースも考えられるため注意が必要です。

110や119には電話できない

クラウドPBXでは、110や119といった緊急通報にはかけることができません。クラウドPBXで緊急通報が使用できない理由としては、インターネットでの通話のため、「発信者のある程度の位置情報が確認できないため」といわれています。

サポート体制もピンキリ

クラウドPBXを提供している業者はいくつかあり、今後も増えていくことが予想されます。そのため、業者によってサービスの内容にも差があり、それに伴いサポート体制もそれぞれの業者によってまちまちです。サポート体制のガイドラインといった、一定の品質基準はまだ確立されていないために、サポート体制が業者によって大きな差が出てしまうことも考えられます。

そのため、クラウド型サービスを選択する際には、料金の安さやサービス内容だけでなく、サポート体制も検討条件に含めて考えていく必要があります。

CTIの導入も検討しよう


CTIとは、コンピュータと電話の機能を統合するシステムの総称です。クラウドPBXのようなインターネットを使った電話システムにより、デジタル情報をコンピュータと連携させることで、応対に必要な情報をコンピュータに表示させることができます。

例えばコールセンターにて、お客様からの連絡を受けたときに、入電データと顧客データベースとを連携させ、そのお客様の情報や過去の履歴といった必要な情報を応対者のコンピュータの画面に表示させる、といったことを可能にします。

CTIにはPBXと同じように、クラウド型とオンプレ型があり、クラウド型の場合はインターネットさえ繋がっていれば導入できるため、短期間でコールセンターを開設する場合などに有効です。オンプレ型はPBXの場合と同じく、CTIサーバーを拠点において構築するため、場所の確保や設置といった作業が発生しますが、その企業独自のカスタマイズが可能です。用途に合わせて最適な方式を選ぶことをおすすめします。

最近ではCTIサービスを取り扱っている企業も多くなり、機能や特徴もさまざまです。数あるCTIサービスの中でもおすすめなのは、「OSORA」です。スマートフォンや離れた場所にある電話機を内線化し、通信費のコスト削減や、お問い合わせ対応の効率を最大化することができます。コスト面でもリーズナブルな料金にてサービスを提供していますので、詳しくは資料請求をお申込みください。

まとめ


クラウドPBXは、インターネットを介したPBXサービスです。インターネット環境さえあれば、オペレーターや営業担当者がフリーロケーションで使えることも大変大きな魅力です。

また、クラウドでPBXを一元管理するため、拠点ごとに設置する必要がありません。オンプレ型と比べて導入費用が抑えられるので、スモールスタートにも最適です。

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