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2021.06.09更新

コールセンター×AI(人工知能)で課題解決!業務効率化の活用例を紹介

コールセンターにおいて、人手不足、業務効率化、スキル格差の平準化は大きな課題です。これらの課題はコールセンターシステムにAI(人工知能)を活用することで解決が可能です。

AIによる自動応答や自動振り分け、ナレッジ・FAQなどがコールセンターの業務改善に大きく役立つでしょう。また、導入に際しての注意点を踏まえておくことで管理・運用がスムーズに行えます。

AI(人工知能)が解決できるコールセンターの課題

コールセンター業務において、AIが解決できるものとしては、コールセンタースタッフの人手不足やスキル格差の課題が挙げられます。

顧客がコールセンターへ電話をする際には、困ったことや何かしらの不都合があり、解決を要望しているという前提があります。それらを電話でヒアリングし、人が全ての対応を行おうとするため、一人ひとりの応対に時間がかかり、電話が繋がりにくくなります。対応するためにスタッフを増やしたい、しかし採用が難しく人手不足となる、というように派生し問題が広がっているのです。

こういったコールセンター特有の問題解決には、AIが最適です。AIによる顧客の自己解決を支援する仕組みを用意すれば、電話の繋がりにくさが軽減されます。

また、スタッフの業務経験の差から生まれるスキル格差についても、FAQの推薦、お手本トークスクリプトの参照、通話内容のコンプライアンスチェック等によって、そこから派生する各種問題の解決にも繋がります。

人手不足

コールセンタースタッフの人手不足の原因は、最近の少子高齢化問題だけでなく、コールセンターは在宅勤務可能な職種であることから人気が高まっていることが挙げられます。その結果、電話問い合わせでは自動アナウンスのまま数十分待たされ、なかなかスタッフに繋がらないという話しも珍しくありません。

そんなコールセンターでの人手不足という課題について、AIを使って解決できないかということで、さまざまな角度から多くのサービスが生まれています。そのため、AIによる自動化で対応し、有人対応が必要な内容についてはスタッフが対応することで、人が対応する業務量を削減するというような方向が主流になりつつあります。

人による判断が必要な問い合わせも多いため、AIによって全ての問い合わせを自動的に対応できるかというと、必ずしもそうではありません。しかしAIを利用することで、スタッフにかかる負荷を減らし、その分質の高い応対が可能となるでしょう。

スタッフによるスキル格差

コールセンターでは複数のスタッフが働いています。その中では経験豊富なベテランもいれば、入ったばかりの新人もいます。経験による格差が生まれ、お客さまへの対応のクオリティに差が出てしまうのも、コールセンターにおける課題のひとつです。

また経験だけがスキル格差というわけではありません。スタッフの育成にあまりコストをかけられていないという場合もあります。スタッフの退職などが生じると、残されたスタッフに業務負荷が集中してしまいます。そのため、次のスタッフ育成を急がなければなりません。その結果、スタッフ個人の知識、スキルに格差が生じてしまうことがあるのです。

スタッフのスキル差が生じてしまうと応対品質に差ができ、「前回は親切丁寧な対応をしてくれたのでリピート購入しようと思ったが、今回は自社商品も理解できていないようだったのでキャンセルした」といった機会ロスにもつながりかねません。

こういったスキル格差の問題についても、AIを活用することでマニュアルの検索支援、FAQの推薦、通話内容のチェック等を簡単に実施できるようになります。

コールセンターにおけるAI活用例

コールセンターにおけるAI活用事例としては、以下のようなことが挙げられます。

  • チャットボットの自動応答
  • FAQシステムによるマニュアル表示
  • IVRによる窓口の自動振り分け
  • 音声認識によるナレッジ・FAQの表示
  • 有人チャットボットによる複数対応

よくある質問を自動で応対するチャットボットに任せることで、電話件数の削減になります。

FAQシステムによってマニュアルを表示することで、よくある問い合わせを減らすことができ、スタッフの負荷が下がります。また、商品、サービスのマニュアルがすぐに閲覧できるのでスタッフの応対速度が向上します。

IVRによる自動振り分けは、最初の音声案内にて問い合わせ内容に対して番号をプッシュさせることで対応する部署へ振り分けます。一次応対が多い場合に有効です。

音声認識は、通話内容がリアルタイムでテキスト化することができます。IVR やFAQと連動させることもできるので、さらに業務効率化が可能となります。

有人チャットボットは、同時に複数の顧客対応や、リモートワークでの対応が可能となります。

チャットボットの自動応答

AIチャットボットは、24時間365日休むことなく稼働しているため、顧客からの問い合わせにスタッフの代わりにインターネット上にてリアルタイムに答えます。人件費やスタッフの業務負担が軽減されるでしょう。

定型的なよくある質問についてはAIチャットボットに任せられるので、スタッフは人間でないと応対が難しい案件に注力できるようになります。クレーム対応などストレスが生じる業を自動化することで、応対するスタッフの心理的な負担を軽減できる可能性があります。

またAIチャットボットの種類によっては、音声認識と感情認識の双方の技術により、顧客の通話音声から顧客満足度を自動測定することもできます。

FAQシステムによるマニュアル表示

AI搭載型のFAQシステムによってマニュアルをすぐ表示してくれるので、スタッフのスキル格差をなくし応対品質を平準化します。それにより商品、サービスのマニュアルがすぐに閲覧できるので顧客応対速度が向上します。

もしFAQシステムがなければ、多くのマニュアルやそれぞれが保存されている場所も覚えておかなければいけません。場合によっては紙ベースのマニュアルを使っている現場もあるかもしれません。そうなれば事前にどのあたりに書いてあるかということも含めて、マニュアルを読み込んだり学習したりする時間が必要です。

FAQシステムを活用すれば、今欲しい内容に基づいてマニュアルを簡単に参照できるようになるため、経験の浅いスタッフでも、経験豊富なスタッフと同じマニュアルを見ながら説明できるようになります。応対品質も飛躍的に向上し、応対速度もあわせて向上すると考えられるでしょう。

FAQシステムで蓄積したよくある質問と回答をWebで公開すれば、参照した顧客が自分で問題を解決できるようになります。これによりスタッフの受電回数が軽減する可能性があります。スタッフの負荷軽減や品質の高い応対が可能となるでしょう。

IVRによる窓口の自動振り分け

IVRによる窓口の自動振り分けによって、応対時間の削減や顧客満足度の向上を図ることができます。

IVRとは、「Interactive Voice Response」の頭文字で、コールセンターに電話をかけた際に最初に流れる音声案内のことです。顧客から電話入った際に、スタッフへ繋ぐ前に自動音声案内にて入電理由を確認し、番号入力にて要望のカテゴリを事前に把握した状態から応対を開始することができるようになります。

これにより顧客側も一から説明しなくても良くなる部分が増えるため、トータルでの時間削減に繋がるだけでなく顧客満足度も向上させることに繋がります。

また最近では、このIVRシステムとスマートフォン等のSMSを連携させ、番号入力の内容によってはFAQページやチャットでの対応に切り替えるシステムが提供されています。よくある問い合わせに対して自己解決を促すことができるので、電話件数も削減できるでしょう。

音声認識によるナレッジ・FAQの表示

音声認識を活用すると、スタッフの業務負担軽減となるとともに、採用条件緩和策にも繋がります。

音声認識技術により、顧客との通話内容をリアルタイムでテキスト化することができます。このテキストに変換された情報からAIが特定のキーワードを抽出し、関連するナレッジ(知識や情報)や該当するFAQを表示します。

従来のコールセンター業務は、通話中にキーボード操作をしながら、適切なナレッジを見つけることが普通でした。これら一連の対応は、要望を正確に汲み取りながらキーボードを操作する必要があり、これには一定の経験や慣れが必要です。
音声認識のAIによるサポートがあれば、スタッフは最低限のキーボード操作ができればよいということになるため、熟練したキーボード操作スキルも不要になり、採用条件を緩和できます。

音声認識技術もAIの学習機能によって精度が向上してきているため、音声認識機能を搭載済みのAIを導入されるコールセンターも増えてきています。

有人チャットボットによる複数対応

有人チャットボットを活用すれば、一対一しか対応できない電話とは違って、一度に複数の顧客対応が可能となり、業務が効率化します。またインターネット環境があれば対応可能なため、リモートワークでも業務を継続できます。

リモートワークが当たり前になってきている中、コールセンターの業務はリモートワークへ移行しにくい業種のひとつでした。しかし有人チャットボットを使えば、コールセンターだけでなくチャットでの問い合わせについても、自宅にいながら対応が可能です。人手不足解消にも効果的といえます。

有人チャットボットは、先に記載した音声認識技術と合わせて使うこともできます。通話音声を自動的にテキストにして読み込むことで関連したFAQを自動的に表示し、それをコピーできるものもあります。

また有人チャットではありますが、返答内容については半自動で処理ができるため、顧客応対時間を大幅に削減することができます。スタッフ一名につき対応できる顧客数が増えるため、人件費の削減にも繋がるでしょう。

AI導入の4つの留意点


コールセンターにAIを導入するメリットはさまざまですが、その際には留意しなければいけないポイントがあります

  • 取り込みデータ形式の統一化
  • 定期的な機械学習が必要
  • 対応分野を選定する
  • トラブル時の責任の所在を決めておく

AIは自動的に賢くなっていくものではありません。膨大な問い合わせデータをAIエンジンの特性に合わせて形式を統一する必要があります。そのため、定期的な機械学習が必要です。

また、企業内での課題を明確に設定し、対応分野に特化したシステムを導入することも大切ですし、万が一トラブルが発生した際にどのような対応をするのか、責任はだれがとるのかといったルールを設けておきましょう。

取り込みデータ形式の統一化

AIの得意とするところは、決まったルールに基づいて膨大なデータから最適解を抽出することができるという点です。コールセンター業務では、膨大な問い合わせを元に、よくある質問と回答を準備し、そのデータを登録しておけば、簡単にすぐ見つかる仕組みが作れます。

その際は、質問とそれに対する回答がセットで必要になります。そのほかにも必要情報があれば、AIエンジンの特性に合わせてデータの形式を統一する必要があります。

コールセンターにおいても、顧客とスタッフの会話データをAIでテキスト化したデータを蓄積しておくことができます。しかしそれらのデータは、すべての業務システムでそのまま使用できるというわけではありません。生データそのままでは不要なデータを含んでいますし、ノイズが混入している可能性もあるため、事前にデータクレンジングを施す必要があるのです。

AIが集積したデータを複数の部署間で利用することも考えて、事前にデータ形式を統一しておきましょう。

定期的な機械学習が必要

AIは導入時に学習しただけでは、そのときの情報を元に判断をするだけで、進化するわけではありません。多くのデータから正解パターン、失敗パターンなどを準備しAIに学習してやることで知識がアップデートされ、より正しい判断ができるようになっていきます。

機械学習について簡単に説明すると、「教師なし学習」と「教師あり学習」に分けられます。教師なし学習では、入力されたデータの規則性、パターン、固有の構造から、自動でグループ分けを行います。教師あり学習は、入力データと出力データの両方を使ってあるべきパターンを学習し、将来の出力を予測することができます。

AIといっても様々なエンジンがあり、各種サービスに活かされています。コールセンター業務に関しても音声からテキスト化する、過去の問い合わせからの推薦・検索、音声のトーンからの感情分析・顧客満足度判定等ありますが、どれも定期的に機械学習をしてやることでAIの精度が向上していくことになります。

対応分野を選定する

AIでのコールセンター業務支援は増えてきています。その対応分野は拡大しつつあるため、どの課題を解決するためにどの分野のAIを導入するか、具体的な目的を決めることが大切です。

まずは、現状を分析し、課題を洗い出す必要があります。課題は人手不足の解消、応対品質の平準化、顧客満足度向上、スタッフの離職率低減、などが挙げられるでしょう。それぞれの原因を推察し、AIで対応すべき課題とそうではない課題を切り分けるのです。課題が切り分けられれば、それぞれの課題に対して、どのようなAIソリューションが最適であるかが明確になります。

トラブル時の責任の所在を決めておく

AIが自動で対応してくれるといっても、万が一何らかのトラブルが発生した場合、その責任の所在は決めておく必要があります。

例えば、ルールをベースにした判断であれば、そのルールに根拠があります。プログラムベースの仕組みであっても同様です。「もし●●なら■■する」というプログラムの処理もまた、ルールに則した処理を行っているからです。一方AIは、膨大なデータから傾向を学習し、それに従って判断と処理を行います。そのため、場合によっては判断した根拠を示すことが非常に難しい場合が出てきます。

AIの判断に誤りがあった場合に、コールセンター内のFAQシステムであれば、最終判断を下すのはスタッフのため影響は小さいでしょう。しかし、顧客相手の自動応答で誤った判断が発生し、トラブルになることもあります。

こういった際の責任の所在を決めておくことはもちろん、ビジネス上致命的なトラブルになる可能性があるならば、その分野にはAIを適用しないという判断もすべきでしょう。

まとめ


現在のコールセンターでは、人手不足や応対品質の平準化等の課題など、さまざまな問題を抱えています。しかし、これらの課題についてはAIを活用することで解決できます。そのためAIを用いたコールセンターシステムに注目が集まっている状況です。

AIによる自動応答、窓口振り分け、FAQやナレッジの自動表示などは、業務改善や業務効率化に直結します。これらは顧客満足度の向上に大きく貢献するでしょう。