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2024.01.07更新

アップセルとクロスセルを営業に採り入れよう!成功のポイントを紹介

アップセルとクロスセルは、どちらも顧客あたりの単価を上げるアプローチ方法です。

しかし、両者では顧客にすすめる商品やサービスが異なります。

本記事では、 両者の共通点と違いを解説し、具体例を挙げながら紹介します 

それぞれが効果的なケースや注意点、成功のポイントなども押さえましょう。

ぜひ最後まで読んで、既存顧客への効果的なアプローチに役立ててください。

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アップセル・クロスセルとは

アップセルとは、 顧客が現在使っている商品やサービスよりも上位のものに移行するように促す営業方法 です。

顧客が現在のものからより高価なものに乗り換えることで、売上アップとともに、満足度やロイヤリティの向上が期待できます。

一方クロスセルとは、 顧客が現在使っている商品やサービスと関連したものを購入・契約するように促す営業方法 です。

現在のもの単体では満たせないニーズを、別のものを一緒に採り入れてもらうことで満たせます。

アップセルと同様に、売上や満足度などの向上が狙えるでしょう。

アップセルの具体例

具体的なアップセルの例には、以下のようなものがあります。

  • クラウドシステムで上位プランへの移行をすすめる
  • 無料のお試しプランから有料の月額プランへの切り替えをすすめる
  • 顧客が検討中のパソコンよりも上位のモデルをすすめる
  • 衣類や化粧品などで、少し高額にはなるがより品質の高いものをすすめる
  • 高額な商品に割引をすることで、現在の商品と同等の金額でワンランク上の商品を購入できるようアプローチする
  • 日用品のまとめ売りを行い、1個あたりの単価がお得になるようにする

商品やサービスの 質を上げたり数量を増やしたりすることで、売上アップを狙うアプローチ です。

クロスセルの具体例

具体的なクロスセルの例には、以下のようなものがあります。

  • ECサイトのレコメンド機能でおすすめの商品を表示する
  • 預金に加えて保険や投資などの金融商品を販売する
  • ハンバーガーと一緒にポテトをすすめる
  • お弁当とお茶をセットにして販売する
  • プレゼント用の商品に特別包装やメッセージカードなどを提案する
  • スーパーのレジ付近に小さなお菓子の棚を設ける

クロスセルは元々の商品やサービスではカバーできない部分を補うものです。

アップセルは同様のものでランクを上げるのに対して、クロスセルはまったく別分野のものでも提案できます。

必然性がなくても「ついでに買っておこう」と軽い気持ちで購入できるものもあります。

顧客にとってはアップセルより手を出しやすいかもしれません。

また、異業種間で連携してクロスセルを行う取り組みも増えています。

クロスセルは 顧客の体験や満足度の幅を広げるアプローチ といえるでしょう。

アップセルとクロスセルの違いと共通点

アップセルとクロスセルでは、以下のような違いがあります。

アップセル クロスセル
・上位の商品やサービスを提案し、移行してもらう
・縦方向への展開
・元の商品やサービスは継続してもらい、関連するものを提案する
・横方向への展開

共通するのは、顧客一人あたりの単価の向上を目指す点です。

しかし、アプローチは両者で異なります。

アップセルはより高額な商品やサービスへ移行してもらうことで、顧客単価の向上を目指すものです。

一方クロスセルは、現在の商品やサービスは継続したまま、関連する商品を追加してもらうことで顧客単価の向上を狙うものです。

それぞれ アップセルは縦方向、クロスセルは横方向の展開を狙うアプローチ といえるでしょう。

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アップセルとクロスセルが注目される背景にあるLTVとは?

近年アップセルとクロスセルが注目されるようになった背景には、LTV(Life Time Value)という概念の広がりがあります。

LTVは「生涯顧客価値」と訳され、一人の顧客による生涯の売上を指します。

人口の減少によって顧客の母数が減っているため、 新規の顧客を多く集めるよりも、既存の顧客の単価を上げるほうがより多くの売上を確保できる と考える企業が増えてきました。

アップセルもクロスセルも顧客の単価を上げて、最終的にはLTVを増やすことを目的としています。

アップセルが効果的な2つのケース

効果的にアップセルを行えるのは、以下のようなケースです。

  • ロイヤリティが高まっている場合
  • 使用や購入の頻度が高い場合

商品やサービスへの 信頼が高まっており、繰り返し使っている状態であれば、アップセルの成功が期待できます 

ロイヤリティが高まっている場合

顧客が商品に満足しており、ブランドやメーカーに対して信頼を抱いている場合には、アップセルが効果的です。

「現在のものよりも満足させてくれるだろう」という期待と、「ここのものなら大丈夫」という信頼感があれば、 「今の商品で満足しているから、今度はさらにランクの高い商品を買ってみよう」と考えるようになりやすいでしょう 

このように、ブランドやメーカーに対するロイヤリティが高いと、さらに上位の商品に移行しやすいです。

使用や購入の頻度が高い場合

現在の商品やサービスを頻繁に繰り返し使っている場合にも、アップセルは効果的です。

日用品など消耗するものであれば、今後も使い続ける可能性が高く、 お得なまとめ買いで購入してもらえる可能性は高いでしょう 

サブスクリプションやクラウド型のサービスを頻繁に使っており、さらに便利な機能を使いたいといった場合にも、ワンランク上のプランに移行することが期待できます。

クロスセルが効果的な3つのケース


効果的にクロスセルを行えるのは、以下のようなケースです。

  • 顧客満足度を上げたい場合
  • ある商品について購入の意志がある場合
  • 現状に課題がある場合

クロスセルで 現在の商品やサービスを補完するものを採り入れた顧客は、より便利で快適に使えるようになるでしょう 

「せっかく買うのだから後悔しないように」という顧客の心理も、クロスセルでは効果的に働きます。

顧客満足度を上げたい場合

クロスセルでは現在使っている商品やサービスを補完し、便利さや満足度を高められます。

そのため、より顧客に満足してほしい場合に効果的です。

ただし、 顧客が現状でも十分に満足していることが前提です 

ブランドやメーカーからのおすすめに対して「それいいね」と思ってもらえるような関係性が築けていれば、クロスセルが成功する確率は高まるでしょう。

ある商品について購入の意志がある場合

大きな買い物について購入の意志がある程度固まっている顧客には、「こちらも一緒にいかがですか?」「これを一緒に購入するとより満足度が高まります」というクロスセルが効果的です。

顧客は自分の買い物や契約を後悔したくないため、大きな買い物では特に慎重になるでしょう。

購入の意志が固まっていれば、 「せっかく買うのだから一緒に買っておこう」と関連商品も購入する可能性が高まります 

現状に課題がある場合

ある商品やサービスを使っていて、「もっと便利に使いたいな」「少しもの足りないな」と思っている顧客にも、クロスセルは効果的です。

関連商品を 一緒に使うことで、課題を克服でき満足度が高まるなら、購入してもらえる可能性はあります 

「現在の商品に不満はなく使い続けたいが、もっとうまく使いたい」と、現在使っているものに対して前向きな気持ちをもっている場合は成功しやすいでしょう。

アップセルとクロスセルの注意点3つ

アップセルとクロスセルを実施する場合は、以下の点に注意する必要があります。

  • ゴリ押しにならないようにする
  • 必要に応じてダウンセルも採り入れる
  • 電話での注文に対するアップセル・クロスセルには注意する

顧客の視点に立ち、 不要なものは無理にすすめず、ときには価格を下げた求めやすいものを提案することも大切です 

アップセルやクロスセルを電話で行う場合は、特定商取引法を理解する必要があります。

ゴリ押しにならないようにする

アップセルとクロスセルは、どちらも顧客にとって費用の負担が増えるものです。

そのため、顧客がメリットを見いだせなければ、購入や契約には至らないでしょう。

メリットをうまく提示できなければ、 顧客は「押し売りされている」と不快に感じ、離れてしまうことも考えられます 

アップセルとクロスセルは売上を伸ばすために効果的な方法ですが、あくまでも顧客の役に立つ提案ができる場合のみにするといいでしょう。

必要に応じてダウンセルも採り入れる

無理にアップセルやクロスセルを行うと、顧客の離脱を招きかねません。

また、 解約しそうな顧客に対しては、顧客単価を下げてでも一定の売上を確保することを考えたほうがいいでしょう 

現在の商品やサービスよりも価格の低いものをすすめることを「ダウンセル」といいます。

費用に懸念をもつ顧客や解約を考えている顧客には、ダウンセルを試してみるのも一つの方法です。

電話での注文に対するアップセル・クロスセルには注意する

チラシやテレビなどを見た顧客が注文の電話をかけてきたときに、アップセルやクロスセルを行うと、特定商取引法によって「電話勧誘販売」とみなされます。

これは、相手が注文するつもりのないものを電話で勧誘することになるためです。

電話勧誘販売では、主に以下のことが求められます。

  • 契約書面を交付する
  • 断った相手に対して再勧誘や勧誘の継続をしない
  • クーリング・オフ制度を適用する

電話勧誘販売は違法ではないものの、以上についてきちんと対応する必要があります。

電話勧誘販売に該当しないようにするためには、顧客が電話をかける前に見ているテレビやチラシなどに、アップセルやクロスセルを行う商品の情報を記載しておかなければなりません。

注文の電話をかけてきた 顧客により合いそうな商品がある場合でも、アップセルやクロスセルは慎重に行いましょう 

アップセルとクロスセルを成功させる4つのポイント

アップセルとクロスセルを成功させるためには、以下のポイントを意識しましょう。

  • ロイヤルティや満足度を高める
  • 顧客の立場で考える
  • 顧客が無料で体験できる機会をつくる
  • 訴求のタイミングや動線を考える

顧客の立場に立ち、 アップセルやクロスセルが適しているタイミングでのみ行うようにしましょう 

そのためには、ロイヤルティや満足度が高いことが前提です。

また、顧客が商品やサービスを体験できたり、「ほしい」と思ったタイミングで情報収集や購入ができたりする仕組みをつくることも効果的です。

ロイヤルティや満足度を高める

アップセルとクロスセルは、顧客のロイヤルティや満足度がなければ成功は難しいでしょう。

現在の商品やサービスに不満があれば、さらなる購入や契約をしようとは思わないためです。

まずは 現状について顧客に満足してもらうことが大切です 

信頼関係の土台があってこそ、アップセルやクロスセルは成功すると考えられます。

顧客の立場で考える

アップセルやクロスセルには、顧客の立場で考えることは欠かせません。

顧客にとって余計な押し売りとなってしまっては、成功は難しいでしょう。

企業にとっては 売上を伸ばすことと同様に、顧客の気持ちを考えることも大切です 

顧客の役に立つ、喜んでもらえるような方法で、アップセルやクロスセルを実施しましょう。

顧客が無料で体験できる機会をつくる

「自分は今の商品に満足している」という顧客でも、 ワンランク上の商品を体験すれば気持ちが変わるかもしれません 

そのきっかけとして、商品やサービスを無料や割引価格で体験できる機会をつくると効果的です。

「少し値段は高いけど、それだけの価値はある」と思ってもらえれば、アップセルが成功する可能性は高まります。

訴求のタイミングや動線を考える

アップセルやクロスセルは、顧客が求めるタイミングで実施することも大切です。

店舗でクロスセルを狙う場合は、顧客の動線を考えて商品を設置しましょう。

商品に関連するもののほか、 その商品を使う場面で使用する別分野のものや、その商品から連想する事柄に絡んだものも、クロスセルとして提案できます 

顧客の視点をもち、柔軟に考えて訴求しましょう。

アップセルとクロスセルを理解して営業に採り入れよう

アップセルとクロスセルは、どちらも顧客の単価を上げるための取り組みです。

しかし、顧客に提案する商品やサービスの性質は異なります。

 どちらのアプローチが効果的かを顧客ごとに考え、顧客が必要とするタイミングで訴求できるとベストです 

電話でアップセルやクロスセルを行う場合には、顧客をセグメンテーションしたり分類できたりするCTIが便利です。

List Navigator.」はアウトバウンド型のコールセンターシステムで、顧客との会話を分析・分類するのに役立ちます。

多くの顧客にアプローチしたい場合には、ぜひ効率的に架電できるList Navigator.を検討してください。

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