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2022.06.27更新

トークスクリプトの作り方|営業ですぐに使える例文も紹介!

コールセンターでは、顧客の質問や疑問に対して的確な内容で答え、場合によっては売り込みを行わないとなりません。曖昧な対応をすれば、顧客に不信を与え、会社のイメージが下がります。

ある程度、顧客に対してどんな内容で回答を行うか決めておけば、曖昧な対応をせずに、顧客の質問や疑問に的確に答えられます。そのどんな内容で答えるか決めたマニュアルが、トークスクリプトです。

本記事では、トークスクリプトの作り方を紹介します。

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3分でわかるテレマーケティング

トークスクリプトとは


 トークスクリプトとは、顧客に対してどのような内容で話すかを決めたマニュアルです。 

このマニュアルの質で顧客満足度に繋がるかどうかが決まります。このマニュアルを元に、コールセンターでは顧客対応を行います。コールセンターの他に営業など、顧客を相手にする仕事でも使われるマニュアルです。

マニュアルの内容としては、会話のはじまり、商品やサービスの説明、顧客の質問に対する回答、クロージングなどがあり、フローチャートでまとめます。

トークスクリプトとは?重要性や作り方のポイントを解説

トークスクリプトの作り方

トークスクリプトは、以下の流れで作ります。

  1. トークスクリプトの流れ
  2. トークスクリプトを作る目的を確認する
  3. ターゲットを設定する
  4. 情報を収集する
  5. シナリオを作成する
  6. トークスクリプトをアップデートする
 目的がないと話の内容を決められないため、顧客に対する目的は決めなければなりません。 

どの顧客も同じ質問や疑問ではなく、十人十色なので、どんな話や流れにも臨機応変に対応できるようにします。次から、具体的なトークスクリプトの作り方を見てみましょう。

1.トークスクリプトの流れ

トークスクリプトは、顧客に対して話す内容であり、どんな流れで話すかは以下の通りです。

  1. 挨拶・自己紹介
  2. フロントトーク
  3. 本題
  4. クロージング

フロントトークは、顧客が電話に出てから本題に入るまでの話の内容です。つかみの部分といえるでしょう。本題の後はクロージングがあります。クロージングは、顧客にアポイントを打診する部分です。もう少し詳しい内容を話すなどして、顧客に対して自社の商品やサービスを売り込む部分になります。

最後のクロージングはシンプルな内容で構いません。フロントや本題部分で、顧客は満足するかどうか決まり、商品やサービスに対するイメージが決まるので、興味のない顧客にいくらクロージングで力説しても、その熱意は伝わりません。

 トークスクリプトでは、ニュアンスも決めた方が良いでしょう。話し方や言葉遣いで相手が受けるイメージが変わるので、テンポや声の大きさも、文章ごとに決めることが大切です。 

2.トークスクリプトを作る目的を確認する

顧客に対してどんな目的があるか明確でないと、トークスクリプトの内容は定まりません。

目的がアポイントかインサイドセールスか、商談成立か、または顧客の質問に対する回答なのかなどで、どんな内容を話すか決まります。

 目的が曖昧だと、トークスクリプトの内容が目的にあっておらず、良いトークスクリプトとはいえません。 

アポイントが目的ならば、トークスクリプトの最後に行うことはアポイント獲得であり、途中で話が広がっても、最後はアポイント獲得に着地します。インサイドセールスならば、見込み顧客に対して売り込みをかけることになるでしょう。

3.ターゲットを設定する

企業の顧客は、老若男女さまざまな人がおり、企業のサービスや商品によって、ターゲット層が違います。

 売り込む商品やサービスは、誰が必要としているかを考えることが重要です。 

決まったパターンで話すだけでは、興味を持たない顧客も出てくるので、ターゲット層を決めて、話す内容を決めましょう。

ターゲットが決まれば、どんな内容で話し、どんなニュアンスで話せばよいかも見えてきます。ターゲットを決めるには、その人物の年齢、職業、年収、家族構成、趣味などを想像します。幅広い層がターゲットとなるならば、いくつかターゲットを選定しておきましょう。

4.情報を収集する

 トークスクリプトは完璧なマニュアルではありません。顧客の話す内容に応じて、臨機応変に対応する必要があります。 

コールセンターのオペレーターの問いかけに対する顧客の返答を想定し、いくつかの受け答えのパターンを作っておきましょう。

必ずしも、顧客は好意的に話すとは限らないので、ネガティブな言葉やクレームのような内容に対しても、どう答えるか決めておくことが大切です。

そのためには、先にターゲットを設定しておき、自社の商品やサービスの具体的な内容を考えて、想定される会話やパターンなどを作成しましょう。ターゲット、そして自社商品やサービスを考えるときは、会社に詳しい人材育成担当者や長く勤めている経験豊富な社員からも聞いておくと、より具体的に決められます。

5.シナリオを作成する

 トークスクリプトで話す内容の挨拶、商品説明、質問の回答、クロージングは、フローチャートにして作成しましょう。 

フローチャートにすれば、会話の段階ごとに顧客の返答に応じてどう対応すればよいかがわかります。顧客から思わぬ質問で焦ることも防げるでしょう。

さらにフローチャートは、顧客との会話が続き、結果的に顧客が断ったとき、どのように返答するかも記載しておくことが大切です。

フローチャートは、表計算ソフトなどを使い作っていきます。必ず会話形式でフローチャートは作成し、顧客の返答内容に応じて、どのように回答するか枝分かれさせていきましょう。表計算を使ったフローチャートを作れば、顧客と電話で会話しながらでも、すぐに回答内容が見つかり、時間のロスが少なくなります。

6.トークスクリプトをアップデートする

 トークスクリプトが完成したら、実際にロールプレイングしてみましょう。 

誰かに顧客を演じてもらい、トークスクリプトを使用して一連の会話を行ってみます。トークスクリプト通り進まないときや、会話がぎこちないときは、トークスクリプトの修正や改善も行います。もちろん、オペレーター自身の会話スキルも磨いておきましょう。

トークスクリプトは声を出して読むと、文章だけでは気がつかなかった改善点が見えてきます。自分の話し方を客観的にとらえることで、相手の受け取り方も予想できるでしょう。

業務の中でトークスクリプトを使用し、こんな話し方をしたら顧客がネガティブに捉えた、こんな話しをしたら成約に繋がったなど、気がついた部分をトークスクリプトに盛り込み、アップデートしていくことも大切です。

最初に作ったトークスクリプトでは、顧客対応が上手くいかなくても、アップデートしていけば使えるトークスクリプトになっていきます。

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トークスクリプトの例文紹介

トークスクリプトは、以下の流れで作成していくとイメージしやすいでしょう。

  1. 挨拶・自己紹介
  2. フロントトーク
  3. 本題
  4. クロージング
 トークスクリプトは作文のようなものではなく、ラジオの台本に近いものです。ただ単に話す内容を決めるだけではなく、ニュアンスも考えておくと、よりよいトークスクリプトが完成します。 

なお完成したトークスクリプトは、随時アップデートしていきましょう。以下で、いくつか例文をご紹介します。

1.挨拶・自己紹介

最初に挨拶や自己紹介を行います。名乗らずに話を進めると、相手は不審に思うかもしれません。トークスクリプトでも挨拶や自己紹介は基本といえるでしょう。コールセンターならば、挨拶だけでも良いかもしれません。

 顧客が挨拶によって第一印象を作るので、声のトーンが重要です。 

例文は以下の通りです。

「おはようございます」
「お世話になっております」
「お世話になっております」と挨拶するならば、初めての顧客にも同じように挨拶します。好印象を与えるような、明るいトーンで挨拶しましょう。自己紹介のときは、例えば以下のように話します。
「~の商品(サービス)を提供しております、株式会社△△の◯◯と申します」
会社名と氏名を名乗るだけでは、どんな会社か分からないので、同時に自社の商品やサービスを自己紹介に盛り込みます。自己紹介も簡単に述べるようにして、商品やサービスの具体的な魅力も一緒に言うと、顧客はどんな会社か理解しやすいでしょう。

2.フロントトーク

 フロントトークは、本題に入る前の顧客に興味を持ってもらうためのパートです。ここで相手を引きつけられないと、顧客は商品やサービスに興味を持ちません。 

例文は以下の通りです。

  • お使いのパソコンに導入するだけで業務効率を高められる、◯◯についてご案内です
  • 現在、50以上の企業様で経費節減効果があるとご好評のツールをご案内しているのですが、〇〇についてお困りのことはございませんか?

自社の商品やサービスを使えば、どのような利益があるのかを伝えましょう。または、自社の商品やサービスを使えば改善できる部分を「○○について困っていませんか?」と話して、本題に繋がるようなパートにします。

ただ単に○○についてのご案内というよりも、業務効率を高められる○○という感じで、より具体的に話すと、顧客はイメージしやすいでしょう。同時に、「結構です」と断られたときに切り返す内容も決めておきます。

3.本題

 本題では、伝えたいキャンペーンやサービス、または相手の質問の回答などと、テンポ良く話します。 

例文は以下の通りです。

  • 今回ご案内したいサービスは10月からの新しいプランでして。○○さんへのメリットとしては月々の通話料が最大○%下げられて、サービス内容は据え置きにできるものです。具体的には……
  • プロバイダーの新規ご契約ですね。それでは、弊社プロバイダーの新規ご契約にあたって何点かお伺いをしてもよろしいでしょうか?それではまず……

フロントトークが上手くいけば本題はスムーズに話が進み、顧客から質問も出てきます。良い反応や質問があると、顧客は、商品やサービスに興味を持っているということです。逆に本題がうまくいかないと、無反応であったり、突然電話を切られたりします。このような状態のときにリカバリーは難しいですが、メリットを十分に説明すれば、興味を示すときがあります。

4.クロージング

 クロージングは、アポイント獲得や資料請求、契約など、目的を達成するパートといえるでしょう。 

例文は以下の通りです。

  • もう少し詳細のお話をさせていただきたいのですが、来週か再来週で空いている時間を教えていただけませんか?
  • このようなメリットがありますので、よろしければ、弊社の資料をお送りしますがいかがでしょうか?

選択肢を複数示した方が、顧客は断らずに、その中から選ぶ可能性が高いです。クロージングで話す内容は、長々と顧客を引き留めるようなものにはせず、シンプルに要件のみを伝えましょう。

自社商品やサービスを利用したいかどうかは、クロージングではなく本題の部分で決まるため、いくらクロージングで頑張っても、興味がなければ断られるだけです。クロージングで余計に頑張ると、顧客は悪印象を持ちます。クロージングで断られたときは引き留めず、お礼を言って電話を切りましょう。

トークスクリプトを作る際の注意点

トークスクリプトは、以下の点に注意して作成しましょう。

  • 顧客が興味を示す内容か
  • どんな場面でも対応できる内容か
  • マネジメントクラス、経験豊富な社員が作成したか
 営業電話のような商品やサービスの売り込みを全面に出した内容だと、顧客は企業に対してネガティブなイメージを持ちかねません。 

言葉遣いに配慮し、顧客の興味を引く内容をちりばめ、警戒心を解くように話しましょう。あくまでこちらからは提案のみ行い、顧客が興味を持ったら話す内容を深めていきます。

顧客は予想した通りの反応を示してくれるとは限りません。いくらメリットを説明しても断るときがあり、「結構です」「興味がないです」「必要ないです」とネガティブな反応がきたときの対応策も考えておきましょう。そして顧客との応対経験が豊富な、長年勤務している社員を中心に作成します。新人だとどのように受け答えればよいかわからないため、トークスクリプト作成は難しいでしょう。

まとめ

コールセンターの業務でも、トークスクリプトがあれば、顧客の反応に応じて臨機応変に対応できます。コールセンター業務は、業務を自動化すれば、より顧客応対が円滑になります。

コールセンター業務を自社で行いたい場合には、Scene Liveが提供しているインバウンド向けコールセンターシステムの「OSORA」と、アウトバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」の導入をご検討ください。両製品とも機能が充実しており、コールセンターの業務効率化に役立ちます。Scene Liveの製品は、累計2,400社の導入実績を記録し、多くの企業でご利用いただいている信頼性の高いシステムです。

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