12510

テレマーケティング業界の最新情報をお届け

コラム- COLUMN -

2024.09.26

CRMをわかりやすく解説|意味や導入のメリット・デメリット

CRMは「顧客管理システム」とも呼ばれ、特に近年はマーケティングに力を入れている企業を中心に導入されています。しかしCRMに似たSFA(業務支援システム)というものもあり、どちらを導入すればいいか迷うことも少なくありません。この記事ではCRMとは何か、CRMを導入することでどのようなメリットがあるのか、などについて解説します。

■合わせてよく読まれている資料
Excel管理をやめた営業組織がテレアポで新規商談を増やせた理由」も合わせてダウンロードいただけます。

Excel管理をやめた営業組織がテレアポで新規商談を増やせた理由

CRMとは?意味をわかりやすく紹介

「CRM」とは、Customer Relationship Managementの略で、日本語で「顧客関係管理(顧客管理)」と訳されます。しかし実はCRMには2つの意味が含まれるのです。

1つめの意味は、「CRM業務に用いられるシステム、ツール、サービス」を指すものです。ITが発達し、顧客に関する膨大なデータの蓄積と可視化が可能となりました。「CRMシステム」とは、顧客との関係管理を支えるためのシステム基盤となり、解析結果を戦略立案や営業活動に活かすようになったのです。

2つめの意味は「マネジメント手法」を指すものです。この場合は、「顧客との良好な関係性を維持しながら利益を拡大するための管理」という意味で用いられます。現代は多様な価値観が形成され、市場も細分化しています。このため、顧客の行動やニーズを理解し、戦略や営業活動につながる取り組みを行わなければなりません。このような顧客との関係性をマネジメントすることをCRMと表すことがあります。

マネジメント手法としてのCRM


CRMは、管理手法を表す言葉として用いられています。CRMでは大まかには以下の2つのステップで管理を行います。

  1. 顧客データの収集と分析
  2. 分析結果をもとに、顧客に合わせたアプローチ

まず、顧客に関する情報の収集、そして収集した情報をもとに様々な角度での分析を行います。収集する顧客情報は、氏名や会社名などの顧客属性情報はもちろん、商談履歴や取引履歴、ホームページへのアクセス履歴など多岐に渡ります。具体的には以下の通りです。

  • 顧客属性情報:氏名、会社名、所属部署、役職、メールアドレス、電話番号、携帯電話番号など
  • 商談履歴・取引履歴:何を、誰が、いつ、どれだけの量を、いくらで商談(もしくは取引)があったのか
  • 問い合わせ履歴:コールセンターや問い合わせフォームの内容など
  • アクセス履歴:Webページのアクセスログ、離脱状況などの行動履歴など

データの取得後、これらのデータを元に「人気がある商品やサービスは何か」「顧客はどのようなものに関心があるのか」などを分析します。

そして、分析した結果を元にオススメ商品の紹介など、顧客のニーズに合わせて営業活動を行います。例えばある商品のWebページにアクセス履歴がある顧客に対して、関連商品に関する情報をメルマガで送信するなどです。

このように、CRMとは顧客との関係性を維持・管理しながら売上向上につなげる管理手法だといえるでしょう。

ITツールとしてのCRM

CRMは、ツールを表す言葉として用いられています。むしろ現在はマネジメント手法よりも、ツールを表す言葉として用いられることが一般です。

CRMツールは、前述したようにデータを管理・分析、が可能です。また、これらの情報を多数の営業やマーケティングのスタッフと共有することができます。CRMの役割は、スタッフがこのような機能を利用して顧客の顧客との関係性を維持・管理を図るための行動をとりやすくすることです。

CRMツールの基本機能

CRMツール主な機能には、以下のものがあります。

  • 顧客管理
  • 顧客分析・マーケティング
  • プロモーション管理

「顧客管理」機能は、氏名・会社名・電話番号・メールアドレスなどの顧客属性情報の管理はもちろん、顧客との商談履歴や取引履歴管理、問い合わせ履歴管理、アクセス履歴などを顧客単位で管理する機能になります。

「顧客分析・マーケティング」機能は、登録した顧客属性情報や商談履歴などの付随情報をもとに多角的な分析を行うことができます。なお、登録された情報はリアルタイムで反映されるため、経営者やマネージャーは迅速に、かつ的確に判断を行うことができるでしょう。また、顧客のニーズや要望を分析することでマーケティングにも役立てることができます。

「プロモーション管理」機能は、顧客へのアプローチをサポートする機能です。一定の役職の顧客や対象商品など、抽出条件で対象顧客を抽出し、抽出した顧客に対して興味を持ちそうな情報をDMやメルマガの配信、クーポン券や優待券の送信などを行うことができます。

上記以外にも、SFA、アンケート調査やコンタクトセンター向けの機能を有している製品やツールもあります。

CRMが必要とされている理由


冒頭でも述べたように、マーケティングに力を入れている企業ではCRMシステムの導入が進んでいます。では、なぜCRMが必要とされているのでしょうか。主な理由は以下の通りです。

  • 国内市場の多様化
  • 顧客に合わせた商品・サービスの提供
  • LTVの向上

1つめの理由は「国内市場の多様化」です。かつての日本は「よい製品を出せば売れる」という時代でした。しかし、バブル崩壊後は消費が低迷し、よい製品を出しても売れない時代となりました。また、インターネットの発達に伴い消費者も商品やサービスの情報を取得できるようになり、必要な商品やサービスを選択するようになっています。
このように国内市場の多様化に伴い、製品中心のマーケティングから顧客中心のマーケティングにシフトし、CRMシステムを取り入れているのです。

2つめの理由は「顧客に合わせた商品・サービスの提供」です。1つめの「国内市場の多様化」に伴い、顧客のニーズも多様化します。このため、多様化する顧客のニーズや要望を理解し、それに合わせて商品やサービスを開発しなければなりません。このため、システムに蓄積した情報を分析し、商品やサービスの開発に役立てるようになりました。

3つめの理由は「LTVの向上」です。LTVとは「顧客生涯価値」という意味です。顧客が生涯にわたって自社の商品やサービスに支払う金額を表す指標のことをいいます。
新規顧客の獲得には既存顧客の維持に比べて5倍のコストがかかると言われています。売上を着実に上げるためには、新規顧客を獲得するよりは既存顧客を維持して売上をあげる方がはるかに効率的です。このように既存顧客の関係を維持しながら売上の向上を図るためにCRMを活用しています。

■合わせてよく読まれている資料
Excel管理をやめた営業組織がテレアポで新規商談を増やせた理由」も合わせてダウンロードいただけます。

Excel管理をやめた営業組織がテレアポで新規商談を増やせた理由

CRMのメリット・デメリット

マーケティングに力を入れている企業が続々と導入を始めているCRMにも、メリットやデメリットがあります。データの一元管理ができ、営業やマーケティングがスムーズに行えますが、一方でデータの構築に時間がかかり、CRM導入費用もかかります。

CRMのメリット

CRMのメリットには以下の3つがあります。

  • データを一元管理することで情報が可視化され、部署間の共有をスムーズに行うことができる
  • 戦略的に営業・マーケティングができる
  • 顧客満足度を向上できる

1つめのメリットは「データを一元管理することで情報が可視化され、部署間の共有をスムーズに行うことができる」ことです。入力画面から登録された情報はデータベースに登録されます。様々な担当者が入力した登録情報がひとつのデータベースで管理されるため、顧客や商談の状況を担当者間、部門間でデータが共有されるのです。

2つめのメリットは「戦略的に営業・マーケティングができる」ことです。例えば、多くの類似した要望があると、「この要望が多いということは、ニーズがありそうだ」と判断できます。このように、CRMを活用することで一元管理されたデータを戦略的に営業活動やマーケティング活動に活用することができるでしょう。

3つめのメリットは「顧客満足度を向上できる」ことです。先にも述べたようにCRMに登録されたデータを営業活動やマーケティング活動に戦略的に活用することができます。そして、ひとりひとりの顧客に合わせて製品やサービスを提供する「One to Oneマーケティング」を実現し、顧客満足度につなげることができるでしょう。

CRMのデメリット

CRMの主なデメリットは以下の3つです。

  • データの構築に労力がかかる
  • コストがかかる
  • 効果が出るまで時間がかかる

1つめのデメリットは「データの構築に労力がかかる」ことです。営業活動やマーケティング活動に役立つ情報を登録してもらうためには、あらかじめ登録に必要な項目や入力値を整理しておく必要があります。もし入力値が異なれば同じ意味の入力値であっても異なる値として集計される可能性があるためです。このため、データ項目や入力値については事前に整理する必要があり、データの入力までに労力をかけることが必要となります。

2つめのデメリットは「コストがかかる」ことです。一般的にCRMの利用には月額費用がかかります。また、入力項目や入力値の整理、分析用のレポートの作成など、利用には導入コストがかかるでしょう。導入後も保守担当者が項目追加やカスタマイズなどを行うため、保守担当者の人件費なども必要です。

3つめのデメリットは「効果が出るまで時間がかかる」ことです。CRMのデータを経営情報や営業活動に活かすためにはそれなりのデータ量が必要となります。また、必要なデータを蓄積するためには一定の期間がかかるでしょう。このため、導入後にすぐに効果が現れるわけではないので我慢が必要となります。

SFAとの違い

「SFA」とは、「Sales Force Automation」の頭文字を取った略称です。「営業支援システム」とも呼ばれています。SFAとCRMには共通する機能もあるため、混同されることも少なくありません。

SFAとは商談状況など営業部門に必要な情報を共有することで営業活動の生産性を高めようとするツールです。営業活動は属人化しやすいためノウハウや情報が共有されにくい側面があります。このため、SFAを活用し、組織内でノウハウや情報を共有します。

SFAはこれらの機能を活用して日々の営業活動や商談状況を入力することで営業活動を一元管理し、効率的な営業活動につなげるための支援を行います。

CRMとSFAには共通の機能もたくさんありますが、違いもあります。CRMには見込み顧客へのメール配信機能やセミナー開催のフォーム作成など、顧客にアプローチするための機能を有しています。

一方、SFAにはスケジュール機能やToDoリストなど、営業活動に必要な機能を多く有しているのです。

このように、CRMとSFAの違いは、「顧客アプローチへの機能か」、そして「営業活動を支援する機能か」に違いがあります。

CRMの活用で効率を高めよう


CRMに「マネジメント手法」を表す意味と、「ITツール」を表す意味として用いられています。CRMツールは顧客との関係性を構築・管理しながら蓄積データを分析し、経営戦略や営業活動の支援をするために、さまざまな機能が搭載されています。CRMの活用は営業活動の効率化を高めるだけでなく、顧客満足度の向上につながるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

コールセンター業務を自社で行いたい場合には、Scene Liveが提供しているインバウンド向けコールセンターシステムの「OSORA」と、アウトバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」の導入をご検討ください。両製品とも機能が充実しており、コールセンターの業務効率化に役立ちます。Scene Liveの製品は、累計2,400社の導入実績を記録し、多くの企業でご利用いただいている信頼性の高いシステムです。

■合わせてよく読まれている資料
Excel管理をやめた営業組織がテレアポで新規商談を増やせた理由」も合わせてダウンロードいただけます。

Excel管理をやめた営業組織がテレアポで新規商談を増やせた理由
株式会社Scene Live マーケティング部

Written by株式会社Scene Live
編集部

コラム、セミナー、お役立ち資料を通して電話業務や営業活動を効率化させる実践的な情報を配信しています。ツールの使い方や業界の動向など、最新情報を発信し続けることで電話業務に携わるすべての人にとって信頼できる情報源になることを目指しています。