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2022.12.15更新
CTIはどのようなシステム?必要な機器や導入メリットを詳しく解説
顧客からの問い合わせ対応や、電話営業などコールセンターの業務は多岐にわたっています。
年々、顧客からの要望は複雑化しています。
コールセンターの業務の効率化にお悩みの担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コールセンター業務の効率化や顧客からの満足度の向上には、CTIシステムが役立ちます。
ヘッドセットでつないだコンピューターで電話対応できるのがCTIシステムです。
それだけではなく、 コンピューターで管理している顧客データと顧客の電話番号を連携させれば、電話をとる前に名前や過去の対応履歴などが確認 できます。
他にも多くの機能がありオペレーター業務の円滑に役立ちます。
「CTIを導入したいけれどどのような機器を用意すればよいのか」
「CTIの導入を調べてみたらPBXという言葉がよく出てくるけれど何が違うのか」
上記のような疑問をお持ちではないでしょうか。
本記事ではCTIシステムについて概要を説明し、導入形態別に必要な機器を紹介します。
さらに、主な機能や得られるメリットを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
CTIシステムとは
コールセンター業務を効率化できるCTIは、電話とコンピューターの統合システムのことです。
コールセンターなどでの電話対応の業務で多くの効果を発揮します。
CTIを説明する上でよく登場する用語にPBXがあります。
PBXはCTIの一つの要素ですが、違いがよくわからない方もいらっしゃるかもしれません。
CTIシステムの仕組みとPBXとの違いについて解説します。
CTIの仕組み
CTI(Computer Telephony Integration)とは、「コンピューターと電話を統合した仕組み、またはその技術」を意味します。
単に電話回線をコンピューターとをつないだだけでは連携されません。
なぜなら、電話回線とコンピューターのインターネット回線とでは仕組みが異なるからです。
バラバラに進化した コンピューターと電話を統合できる仕組みがCTIであり、コールセンターで活用できるシステムとして実現 しています。
一般的な電話機で利用される電話回線は「公衆回線網(PSTN)」と言います。
電話局と契約者の電話機とを通信回線でつなぎ、アナログ伝送で音声通話をする仕組みです。
一方のインターネット回線は、光回線やモバイル回線などのデジタル回線です。
両者の回線の種類が異なるので、そのままでは電話をコンピューターで受けたり、かけたりができません。
そこで、電話でコンピューターを扱えるよう誕生したのがCTIです。
CTIとPBXの違い
CTIと混同しがちな用語に「PBX」があります。
PBXはCTIを構成する機器類の一つです。
CTIは「コンピューターと電話の統合」で、その電話はPBXのことを指します。
PBX(Private Branch eXchange)は、「構内交換機」と訳され、内線同士・外線から内線・内線から外線のように複数の経路を制御します。
企業などで 電話機を使用する際に設置する電話交換機のことで、内線を通じて各電話機の接続や外線と接続が可能 です。
本来のPBXは、より少ない公衆電話の回線で電話網を構築する仕組みで、回線利用料の削減が主な役割でした。
最近ではインターネット回線を活用したクラウドPBX、IP-PBXが普及してきました。
デジタル化によってインターネットプロトコルを使用した通信が「IP-PBX」です。
また、「クラウドPBX」はIP-PBXが発展したもので、構内に機器を設置する必要がなく、インターネット回線があれば場所の制限を受けずにどこでも利用可能です。
CTIはコンピューターとPBXを含めた電話機・FAX・モデムなどの電話端末とを統合したシステムです。
さらに、PBXなどの電話端末に限らず、外部システムとを連携して付加機能を提供する仕組みがCTIです。
外部システムにはCRM(顧客管理システム)、SFA(営業支援ツール)などがあります。
CTIはPBXと各種の情報システムとを結びつける働きがあります。
CTIの導入形態と必要な機器
CTIは導入形態に応じて必要な機器も変わってきます。
導入形態はオンプレミス型とクラウド型の二つです。
オンプレミス型は必要なサーバーなどの機器類を自前で用意してシステムをインストールします。
クラウド型はサービス提供側の機器類をインターネット回線を通じて利用します。
オンプレミス型、クラウド型の特徴と必要な機器類を説明します。
CTIシステムの導入形態
CTIの導入形態には「オンプレミス型」と「クラウド型」 があります。オンプレミス型は自社内にサーバーやネットワークなどの機器類を設置するタイプです。
システムを自社サーバーにインストールしたり、構築したりして利用します。
オンプレミス型のメリットは、柔軟にカスタマイズでき、既存システムとの連携がしやすい点です。
自社ネットワーク内での構築なので、セキュリティリスクにも強い点も挙げられます。
また、ランニングコストは保守管理のための費用がメインなので、長期的に見るとクラウド型より割安になる場合もあります。
オンプレミス型のデメリットは、導入に専門的な技術や知識が必要である点です。
また、自社でサーバー類を用意し、導入において時間とコストが多く発生します。
クラウド型はインターネットを使ってシステムの提供企業のサーバーにアクセスし、サービスや機能を利用する方法です。
メリットはサーバーを自社内に設置する必要がないため導入コストが抑えられる点です。
独自システムの構築や電話回線の増設も必要ありません。
また、短期間で導入ができるためすぐに利用したい場合におすすめです。
デメリットは、機能をカスタマイズしにくい点です。
インターネットの接続障害やサーバーの不具合が発生したら、CTIシステム全体が機能しない恐れがあります。
また、セキュリティ対策が万全でないと、外部に情報が漏えいするリスクがある点もデメリットです。
オンプレミス型で必要な機器
オンプレミス型は自社内にサーバーやネットワーク機器類を設置して構築する方式です。
- CTIシステム
- PBXサーバー
- 公衆電話回線
- 電話機、ビジネスフォン
自社内にPBXサーバーを設置し、CTIシステムをインストールします。
機器類の設置には多額のコストが発生してしまうデメリットはありますが、一方で 機器のカスタマイズが細かくでき、月額の費用は低額に抑えられる 点はメリットです。
クラウド型で必要な機器
クラウド型はCTIを提供している企業のサーバー機器にインターネットでアクセスして、サービスを利用する方式です。
- パソコン、ヘッドセット
- インターネット回線
クラウド型はサーバーなどの機器類の設備は不要です。
ただし、クラウド型のCTI・PBXサービスの利用申し込みが必要です。
自前でのPBXサーバーの調達や設置は不要なので、イニシャルコストはオンプレミス型と比べて非常に小さくなります。
CTIシステムの主な機能
CTIシステムには多くの機能があります。
代表的な機能は、「顧客情報のポップアップ表示」「クリックトゥコール」「電話制御」「着信履歴」「通話録音」です。
それぞれの機能を詳しく解説します。
顧客情報のポップアップ表示
CTIはかかってきた電話の番号がわかります。
顧客情報を管理する「CRM」と連携させれば、着信時に電話番号から顧客情報を瞬時に検索し、パソコン画面上にポップアップで表示可能 です。
電話に出る前に相手の情報を確認可能なので、あらかじめそれぞれの顧客に対して適切な対応がとれるようになります。
例えば、クレームが多いお客様、VIP待遇のお客様、その他特別な対応を必要とする場合でも情報が事前にわかります。
事前にわかれば、トラブルの回避や満足度の向上につながるでしょう。
クリックトゥコール
パソコンに表示された電話番号をクリックすれば、発信ができる仕組みが「クリックトゥコール」です。
ダイヤルする手間が省け、かけ間違いの防止 にもつながります。特に、コールセンターから電話を発信するアウトバウンド業務に役立つでしょう。
従来の架電業務は相手先の電話番号を確認しながら、電話機のプッシュボタンを一つずつ押してダイヤルしていました。
クリックトゥコールであれば、プッシュボタンを押す手間が省け、業務の効率化ができるでしょう。
モニター上に表示された相手先の電話番号をクリックすれば発信できるので、押し間違いやかけ間違いのリスクを防止できます。
電話制御
電話制御は 特定のオペレーターに、電話応対が集中しないように振り分けを均等 にする機能です。
コールセンターでよくある課題に、対応の負担が一部に偏ってしまうことがあります。
電話の振り分けの最適化は、仕事を早くこなすオペレーターほど負担が増してしまうという不満の解消につながるでしょう。
能力に応じた振り分けも可能なので、重要な顧客には優秀なオペレーターが対応と設定も可能です。
VIPやクレーマーなど慎重な対応が求められる顧客には経験を積んだオペレーターが対応すれば満足度の向上や、トラブルの防止に役立ちます。
着信履歴
着信履歴は 発着信の日時や通話の時間、応対内容などを自動で記録する機能 です。
トラブルを未然に防ぎ、コールセンターの品質改善に役立ちます。
電話の対応が追いつかなかった場合でも、着信履歴が残っていればあとからのフォローが可能です。
着信履歴を蓄積すれば、同じ顧客からの次回以降の対応もスムーズにできるでしょう。
コールセンターでは同じような質問を何回も受け答えする場合があります。
着信履歴で分析した結果、同じ問い合わせが多く寄せられているとわかれば、業務の改善策を講じることが可能です。
例えば、WebサイトにFAQページを記載して、よくある質問は電話に問い合わせる前に自己解決してもらえるようになります。
着信履歴は問い合わせの減少や業務削減、オペレーターの負担を軽くできるでしょう。
通話録音
通話音声を録音して、あとから再生できる機能がCTIにはあります。
オペレーターと顧客との通話のやりとりを録音して、あとから会話内容の確認 ができます。
顧客とのやりとりで「言った、言わない」のトラブルの発生は少なくありません。
問い合わせ内容がいつでも確認できるので、トラブルや争いを回避できるでしょう。
通話内容を記録として残せば、やり取りの聞き逃しも防げます。
オペレーターの言葉遣いや話し方をあとから聞き返せるので、対応の改善点を見つけやすくなります。
対応の品質も向上するでしょう。
経験豊富な熟練のオペレーターと顧客とのやり取りの確認もできます。
新人のオペレーターの教育にとても役に立つ教材であり、全体的な応対品質の向上にも貢献するでしょう。
CTIシステムの導入で得られる4つのメリット
CTIシステムをコールセンターに導入すればさまざまなメリットが得られます。
4つの大きなメリットを解説します。
「業務効率の改善」「コストの削減」「顧客からの満足度の向上」「座席配置の変更が容易」です。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
業務効率を改善する
CTIの導入でオペレーターの業務効率の改善が可能です。
通話前に顧客情報が確認できるので無駄なやりとりがなくなる ため、応対はスムーズになるでしょう。顧客情報の検索や入力もしやすくなります。
また、架電の際にいちいちダイヤルする必要もなくなるため、オペレーターの業務負担が軽減できるでしょう。
着信の振り分け機能を活用すれば、一部のオペレーターに電話が集中してしまうという事態を防いで状況が改善できます
コストを削減できる
1件あたりの対応時間が短縮できるので、オペレーターの作業コストや人件費の削減 につながります。CTIの導入で業務効率化が実現すれば、オペレーターの人数を減らせるからです。
コールセンターのオペレーター数は企業にとって大きな割合を占めており、人件費の削減は会社全体でも大きなコストカットになります。
また、1件あたりの対応時間の短縮は、通話料のコスト削減も可能です。
コストを減らした分を企業にとって重要な部分へ投資したり、オペレーターの業務をより充実させたりできるでしょう。
顧客の満足度が向上する
CTIの導入でさまざまな場面で顧客の満足度を上げられます。
オペレーターの業務負担が軽くなるので、その分顧客の待ち時間も短くなります。
また、 電話に出る前にかかってきた相手の情報がわかったり、通話中に過去のやり取りが参照 できたりすれば、顧客からの満足度は高くなるでしょう。
以前にもやり取りした内容を繰り返せば顧客にとって時間の無駄となり不満がたまってしまうでしょう。
過去のやり取りを参照できれば、繰り返しを防止できます。
また、振り分け機能の活用で直接顧客のニーズに合ったオペレーターへつなげられます。
かかってきた電話の顧客のことをよく知っているオペレーターにつなげられれば、スムーズに問題解決できるでしょう。
対応の品質の向上にも貢献するので、より丁寧に対応ができるでしょう。
多くの場面でCTIは顧客の満足度を向上させる働きがあります。
配置を容易に変更できる
対応部署の変更や増設など、組織変更の場合は専門の工事会社に依頼しなければならないため、手間やコストがかかってしまいます。
CTIシステムの一部であるPBXは、複数の拠点間をつないで内線を一元化できる特長があります。
従来のビジネスフォンは利用できる範囲が限られていて、同一拠点で同じフロアでしか利用できません。
CTIシステムであれば、 パソコンが電話機の代わりとなるので、組織再編に伴う設定変更に手間がかからない でしょう。
CTIシステムを導入する上で押さえておきたいポイント
CTIシステムを導入する上で押さえておきたいポイントを3つ挙げました。
メリットが多い一方で、導入に失敗してしまうと大きな損失が発生しかねません。
自社の業務に合ったCTIシステムの導入のためにも、注意点を確認しておきましょう。
「必要な機能の有無」「既存システムとの連携」「サポート体制」が導入時に確認したいポイントです。
必要な機能の有無
CTIの機能は多くの種類があり、製品やサービスによって機能の有無は異なります。
まずは、 自社の電話対応の業務ではどのような機能が必要 であるか洗い出しましょう。
洗い出せば必要な機能がわかるので、使いたい機能が備わっているかを確認してください。
例えば、問い合わせ対応などのインバウンド業務であればポップアップ機能は必要かもしれません。
アウトバウンド業務が多いコールセンターでは、架電が多くなるので、かけ間違えないようにクリックトゥコールがあると良いでしょう。
既存システムとの連携
自社ですでに利用している電話システムやCRM、SFAなどの外部システムと連携が可能か事前に確認しましょう。
オンプレミス型であれば比較的カスタマイズが柔軟にできるので、他のシステムと連携しやすくなります。
クラウド型の場合は連携できるシステムが限られているケースが多いため、事前に確認しましょう。
CRMやSFAを連携させたい場合は、導入したいシステムに連携実績があるかを確認 しておくと安心です。サポート体制
CTIシステムは手軽に導入でき、運用も難しくないものが増えています。
しかし、ある程度のIT技術や知識が必要であり、トラブルや不具合が発生した場合にコールセンター内の人員だけで対処ができないかもしれません。
システムに不具合が発生したら業務に支障が出てしまいます。
スムーズな運用のためにもサポート体制を確認しましょう。
システム導入時に初期設定や操作の仕方をレクチャー、エラー時の対応などサポートが受けられると安心です。
特に 夜間や土日祝日も稼働しているコールセンターでは、その時間帯にサポートが受けられるか 確認してください。
コールセンターの効率化にメリットが大きいCTIシステムを活用しよう
コンピューターと電話をつなぐシステムであるCTIシステムは、コールセンター業務の効率化に多くのメリットをもたらします。
オペレーターの作業の効率化や、生産性の向上 に役立つでしょう。
また、顧客側も待たずにスムーズに会話できます。
電話がかかってきたら顧客情報が表示され、過去のやり取りも参照できるので、顧客側からの満足度も上がるでしょう。
CTIの機器類は、オンプレミス型とクラウド型で導入の際に用意するものが異なります。
オンプレミス型はカスタマイズが柔軟ですが、イニシャルコストは高くつきます。
クラウド型はイニシャルコストが安く、導入の期間は短いですが、カスタマイズがあまりできません。
CTIシステムの多くの機能をコールセンター業務に活用しましょう。
CTIシステムとしておすすめなのが、Scene Liveが提供しているインバウンド向けコールセンターシステムの「OSORA」と、アウトバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」です。
両製品とも機能が充実しており、コールセンターの業務効率化に役立ちます。
Scene Liveの製品は、累計2,400社の導入実績を記録し、多くの企業でご利用いただいている信頼性の高いシステムです。
ぜひ導入を検討してください。
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