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2022.06.27更新

コールセンターにおける組織図の重要性と組織体制|設計方法も解説

組織を円滑に運営するためには、体制を可視化できる組織図が必要です。コールセンターも例外ではなく、体制を整えたり、役割分担をはっきりさせたりするためにも、組織図をつくることが大切です。しかし、そもそも組織図とはどのようなものなのでしょうか。

この記事ではコールセンターにおける組織図の定義や組織図に組み込む役職、設計方法について解説します。コールセンター立ち上げまでのプロセスも紹介しているため、コールセンターの内製化を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

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組織図とは


組織図とは、企業をはじめとする組織の構造をひと目で分かるように図式化したものです。管轄する部署や役職ごとの相互関係・命令系統が可視化されているもので、組織によっては顔写真や氏名が記載されているものもあります。

組織図には、内部向けと外部向けの2種類が存在します。内部向けは社内人材の立ち位置を明確にする目的で作成します。また、外部向けは、株主や取引先といったステークホルダーに向けて組織の構造を見せる目的で作成します。こうした組織図は、下図のように官公庁でも作成されており、多くの組織で取り入れられています。


(引用:首相官邸「資料10-①我が国の統治機構」)

コールセンターにおける組織図の重要性


コールセンターにおける組織図は、以下の2つの役割を担っています。

  • 指揮命令系統の明確化
  • 組織戦略の検討材料になる

組織図を用意しておくことで、人員配置や関係部署とのかかわりが明確になります。また、業務負担が偏っていないかなどの確認・検討の際にも活用できます。組織の見える化は、部署全体の業務改善や効率化につながるのです。

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コールセンターの組織体制と役割


コールセンターの組織体制と役割は、おおよそ次のようになっています。

  • センター長
  • マネージャー
  • SV(スーパーバイザー)
  • リーダー
  • オペレーター
  • サポート部門

こちらを組織図として表すと、以下のようになります。ここではそれぞれの役割が担う業務やスキルについて解説します。

センター長

センター長は、コールセンター全体を統括する総責任者のような存在です。現場の状況把握だけではなく、コールセンター全体の収益管理、本部や営業担当とのやり取りを中心に行います。センター長自身がオペレーターとなって直接電話をすることはほぼありません。オペレーション部門とサポート部門の両方を統括するのがセンター長の役割です。

SV(スーパーバイザー)から出世してセンター長になる人もいれば、その仕事の性質から営業や企画などの他部署経験者がセンター長として抜擢されることもあります。全体を総括するというポジションであるため、重責を担う役職でもあります。

センター長の職務内容に関しては、「コールセンターのセンター長の役割|求められるスキル・なり方も解説」で詳しく解説しています。

マネージャー

コールセンターにおけるマネージャーは、センター長直下の役職であり、オペレーション部門のトップでもあります。プロジェクトの目標設定や進捗確認、クレーム対応などの業務が中心となります。センター長と同じく、電話対応を直接することはありませんが、クレーム対応をする場面では、イレギュラー対応として電話応対をすることもあります。

マネージャーには、状況判断スキルや全体を俯瞰する力など、組織を管理する能力が必要です。マネージャーの詳しい職務内容については、「コールセンターのマネージャーの役割|仕事内容や求められる能力も紹介」で確認してください。

SV(スーパーバイザー)

SVとは、スーパーバイザーの略称で、直下にいるリーダーとオペレーターの管理・教育が主な業務です。コールセンターの規模や方針によって異なるものの、おおむね10~20人のオペレーターにつき1人のSVを配置しているのが一般的です。

SVは、センター長やマネージャーと異なり、必要に応じて電話対応も行います。そのほか、通話内容や品質のチェック、出退勤管理などを行うため、現場に深くかかわる役職です。

リーダー

5~10人のオペレーターをひとまとめにして統括しているのがリーダーです。将来SVに昇格する候補者が就くことが多く、それぞれのオペレーターに寄り添って教育などを行う役職でもあります。

オペレーターが対応しきれない案件の解消や、SVへの報告、対策の相談などもリーダーの業務です。そのため、オペレーターが抱えている疑問や不安を吸い上げて、具体的な解決策を講じる力が求められます。

オペレーター

オペレーターは、実際に電話応対をする業務を担います。正社員のほか、アルバイトやパート、派遣社員など、さまざまな雇用形態の人で形成される組織であり、コールセンターの実働部隊です。また、近年では電話応対だけではなく、SNS対応などもオペレーターの仕事となっています。

企業によってはコミュニケーターと呼ばれることもありますが、職務内容は同じです。

サポート部門

サポート部門は、オペレーション部門の補佐を行う部門のことです。サポート部門は、品質管理担当やシステム担当、エスカレーション担当など多岐にわたります。応対業務は行わず、あくまでもサポートに徹する部門です。

コールセンターの規模が大きくなればなるほど、サポート部門の業務が細分化される傾向にあります。細分化する目的は専門性を高めるためであり、サポートのプロ集団として規模に応じて変化するのが特徴です。

組織図の設計方法


組織図を設計するには、コールセンターを立ち上げる前に、方針とゴールを設定することからはじめる必要があります。問い合わせ窓口としてコールセンターを設置するだけでは、狙い通りに機能しない可能性があります。

また、設計段階で現状の調査を行い、そのうえで適切な部署を適切な配置にする組織図をつくらなければ、責任の所在や管理がおろそかになってしまうこともあるでしょう。

設計の際には、まず現状調査を行い、その後浮き彫りになった課題を解決するために適切な部署の創設と配置を行います。組織図の作成には、こうしたステップを踏んでいくことが必要です。

コールセンター立ち上げまでのプロセス


コールセンターを立ち上げる際は、以下の手順で行います。

  1. コンセプトの設計とゴールの決定
  2. 現状の調査とフレームワークによる分類
  3. プロセス設計
  4. システムや組織図の構築

組織図を作成するのは3と4の工程です。4が完了すれば、コールセンターの運用を開始することになるため、それまでにマニュアル作成や人材育成をする担当者などを決めておかなければなりません。また、その役割をどこが担うのかなどを明確にする必要もあります。

コールセンター立ち上げプロセスや立ち上げにかかる費用・期間については、「コールセンター立ち上げまでのプロセスは?タスクや費用を紹介」で詳しく解説しています。コールセンターの構築を検討している方は、ぜひご一読ください。

まとめ

組織図は、責任の所在を明確にしたり、相談先や関係部署を把握したりするために必要なものです。とはいえ、「一般的にこういう体制だから、うちも同じでよいのではないか?」という考えで安易に組織図を作成するのは避けましょう。抱えている問題や課題が他社と同じとは限らないため、しっかりとした立ち上げプロセスを踏んで組織図をまとめるようにしましょう。

業務効率化を図るには、組織図を作成するだけでは難しいため、Scene Liveが提供している「List Navigator.」と「OSORA」を活用ください。どちらもオペレーターの状況をリアルタイムで監視できたり、ささやき機能で助言できたりと、オペレーターの管理・教育に役立つ機能を搭載しています。また「List Navigator.」にはオペレーター分析機能もあるので、オペレーターそれぞれのステータスがひと目で分かり、労務管理や研修内容に活かすこともできます。

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