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2022.06.27更新

コールセンターの指標NPSとは?重要性や分析方法・企業の事例を紹介

NPSとは自社の製品やサービスに対し、顧客がどのくらい満足してくれているのかを評価するための指標のことです。NPSの意味・重要性を理解すれば、いっときの満足度に左右されずに、将来的な目線で満足度を測り自社のサービス改善に臨むことができます。

当記事ではNPSについて詳しく解説するとともに、NPSの計算方法やNPSの数値から分析をする方法などを紹介しますので、まずは『どんな指標なのか』『自社において役に立ちそうな指標なのか』を、意識して確認してみてください。

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NPSとは


NPSとは『Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)』の略で、自社の商品サービスにどれくらい愛着・信頼感を持ってもらえているかを測る指標のこと。欧米では良く用いられる指標で、自社商品の愛着・信頼感を測ったうえで最終的に『対象商品の(他人への)推奨度』を、見定めることができます。

NPSの調査方法はいたってシンプルで、『この商品・サービスを友人や同僚にどの程度勧めたいですか?』というアンケートに、11段階(0~10点)で評価してもらうだけ。そして顧客がつけた点数に応じて、以下の3つに分類します。

  • 推奨者(9~10点):周りの人に積極的に勧めてくれる可能性が高い顧客
  • 中立者(7~8点):周りの人に積極的に勧めるほどではないと考えている顧客
  • 批判者(0~6点):友人や同僚に製品やサービスを利用しないように伝える可能性があり、明らかに不満を感じている顧客


そして、最終的に3つに分類した顧客の数から割合を計算することで、以下の計算式を利用してNPSを算出することができます。

【NPS算出の計算方法】
『推奨者の割合(%)』-『批判者の割合(%)』=NPS

NPSと顧客満足度の違い

NPSは自社商品の愛着・信頼感を測ることで、推奨度を見定めることができる指標とされており、顧客満足度(CS)と似たような分類であると思われたりもします。

しかし、NPSは既定の質問に対して回答をもらうことで、一定の定義の範囲内で顧客ロイヤリティを測ります。一方、顧客満足度は各企業が作成した満足度を測るアンケート用紙に回答をもらい、表面的な満足度を測るだけという点に違いがあります。
(※顧客ロイヤリティとは顧客が特定のブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことをいう)

つまり、NPSは顧客ロイヤリティの定義が共通であるのに対して、顧客満足度は質問を作成する企業によって満足度の定義が違ってくるのです。

また、NPSは推奨度を測ることができるので、その結果は顧客の将来的な行動にも繋がるとされており、一時的な状態を調査する顧客満足度と違って、NPSは将来性を見込んだ満足感の指標であるともいえます。

コールセンターにおけるNPSの役割

コールセンターにおいてNPSは、現状の把握をすることと、今後どのようにサービスの改善を進めていくべきかを判断する指標として役立ちます。そのため、コールセンターではNPSを把握して、その向上に努めることで商品の拡散・宣伝、リピーターの獲得を目指すなど、将来的に企業の成長を促進します。

実際にNPSは、事業業績と成長率に高い相関関係があるとされているので、日本でもNPSの活用は注目されてきています。

コールセンターにおけるNPSの重要性


企業にとって既存の顧客を維持するマーケティング戦略は、非常に重要なことです。なぜなら、新規の顧客を獲得するには、既存の顧客を維持するよりも何倍もコストがかかってしまうからです。

つまり、企業は既存の顧客がいるのであれば、その顧客を維持することに注力するほうが、効率的なのです。そこで注目したいのが、顧客ロイヤリティを測れるNPSです。

既存の顧客を維持するためには、顧客ロイヤリティを高めてロイヤルカスタマーを増やすことがポイントなので、NPSを活用して顧客ロイヤリティを向上させる改善を続けていくことが、重要になります。

以下は、NPSの向上に努めることで将来的に得られる4つの効果です。

  • 口コミによる商品やサービスの拡散
  • 顧客単価UP
  • 解約率の低下
  • リピーターの獲得

これらの項目を重要とする企業であればあるほど、NPSを活用する価値は高まります。

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NPSの分析方法


NPSは算出するだけでは、意味がありません。その指標をどう分析して、どのように活用していくかが重要です。

まずはNPSを算出した後どうやって分析をするべきか、知っておくことが大切になります。以下はNPSを分析する際に活用する2つのアプローチ方法です。

  • 定量的な分析方法
  • 定性的な分析方法

数値化することで客観的な分析をする定量的な分析と、顧客の思いなどを調査することで分析する定性的な分析、双方の視点からNPSを活用して、自社製品・サービスの改善につなげていくことが重要です。

定量的な分析方法

定量的な分析は、対象の状況・状態を数値化することで実施できます。数値化することで客観的な情報を得られ、その結果を誰がみても同じ認識で分析できる特徴を備えているのが、定量的な分析方法です。

ただし、コールセンターにおいてNSPを利用した定量的な分析を実施したい場合、NSPの調査のみでは数値的な情報が少ないため、十分な分析ができません。そのため、NSP以外の情報を集めるために、他の切り口で満足度の調査をして複数の情報を集め、それらを使って定量的な分析をします。

例えば、以下のような質問をして満足度調査を実施することで、数値の情報量を増やしていきます。

  • カスタマーサポートが充実しているか
  • 商品・サービスが魅力的な機能を備えているか
  • コールセンターは自分に合った提案をしてくれるか
  • アフターフォローが充実しているか

NPSとこれらの質問を合わせることで、具体的に改善すべき点がどこになるのか、なにが悪くてNPSが低いのかなどを客観的な視線で分析することができます。

定性的な分析方法

定性的な分析は定量的な分析と違って、数字で表せない事柄や事象を情報として集めて分析する方法です。

NPSを活用して定性的な分析を行う際はNPSの数値と合わせて、顧客の感情的な面を聞き出せるような質問をして情報を集めます。

例えば、NPSの質問と合わせてフリーコメント欄を設けることで感情的な情報を集めたり、『その時どう思ったか?』などの質問を投げかけたりすることで、感情的な部分を調査できます。

この調査は定量的な分析と比べて曖昧さが残って、調査した側の誰が分析するかによってブレが生じるデメリットがあるため、そのデメリットを踏まえて実施しましょう。

NPSを実施する際の注意点


NPSは欧米では良く用いられる指標ですが、日本ではあまり馴染みがないかもしれません。その原因として、日本人の特性にNPSが合っていないことが挙げられます。

日本でNPSを活用する場合は、以下の注意点を把握して活用しましょう。

【NPSを実施する際の注意点】

日本ではマイナス平均になりやすいことを頭に入れておく
日本は他国と比べて、満足度やロイヤルティの点数を低く付ける傾向があり、そもそも点数を9〜10点でつける人が少ないといわれています。つまり、スタートからNPSの評価が低い状態で、改善に向き合う可能性が高くなります。これは、日本人の『回答中心化傾向』が、原因であるとされています。日本人はアンケートなどがあると数字の場合では中央値をつけたり、文章であれば『どちらでもない』と回答したりすることが多いので、商品・サービスに対して正確なNPSが出ない場合もあったりします。
定期的に繰り返し測定する
上記でも解説したように、日本人はNPSが中央値によりやすい傾向があるので、スタートからNPSの数値が低くなる可能性があります。そのため日本でNPSを実施する場合は、同じ人に定期的に繰り返し質問をすることで、リアルな意見を聞くことができます。

欧米のやり方だけに囚われず、日本の特性などを理解してNPSを上手に使いこなしていくことが、日本でNPSを使ううえでは重要です。

NPSを改善するポイント


NPSは、調査するだけで終わっては意味がありません。NPSを調査して現状の評価を正しく把握し、問題点を洗い出して改善していくことに意味があります。

もしNPSの実施を検討しているようであれば、以下の『NPSを改善するポイント』を把握して、継続的にNPSの数値を上昇させていけるような実施方法をとるようにしましょう。NPSが改善すればリピーターが獲得できたり、顧客単価が上がったりして、企業の成長率に影響します。

NPSに影響している要素を改善する

NPSを改善するには『NPSに影響を及ぼしている要素を改善』することが一番の近道ですし、最も即効性が高い方法です。まずはNPS調査後にすぐ問題点を洗い出しましょう。

ただし問題点を洗い出すといっても、NPSの調査だけでは問題点をピンポイントで発見するのは難しいので、NPSと合わせてアンケートを取り洗い出すようにするのがポイントです。

追加でのアンケートは、『定量的な分析方法』の解説でご紹介した質問内容を、参考に作成してみてください。

改善点を現場に共有する

改善点を見つけたら、現場(オペレーター)に情報共有することを徹底しましょう。

コールセンターにおいて顧客との対応は基本的にすべてオペレーターが行うので、問題の原因はオペレーターやマニュアルにある場合が多いです。改善の即効性を高めるためにも、現場全体でしっかりと問題点、またその改善方法など、情報の共有を徹底しましょう。

コールセンターにおけるNPSの活用事例


『NPSを活用する』といっても、これから初めてNPSを活用しようと考えている方にとっては、実際どうやって活用するべきかわからないケースがほとんどでしょう。

そこで、以下ではNPSを実際に活用しているコールセンターの事例を取り上げるので、NPSの活用方法を具体的にイメージしてみましょう。

【事例】
『お客様本位の業務運営』の強化を進めるためにNPS調査を実施することで、顧客の声を徹底的に調査し、その情報を活用することで社内サービスを改善しました。

また、顧客にマッチした商品の提供をすべきだからこそ、NPSを実施することによって既存の問題点を洗い出し、今以上に顧客が安心して商品を使えるように、NPSを一つの基準として提供サービスの改善に役立てました。

まとめ

NPSは『Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)』の略で、対象商品の(他人への)推奨度を測るための指標です。

NPSを向上させることはリピーターの獲得・解約率の低下に繋がり、最終的には企業の成長率に大きな影響を及ぼします。なので、NPSを活用して自社の商品などに対する調査を行う際は、調査を完了して終わりではなく、その後に問題点を改善してNPSを上昇させるところまで見据えなくてはなりません。

特にコールセンターの場合は、商品やサービスだけでなくオペレーターの対応などもNSPに反映されてしまうので、NSPに対する重要度を高めて改善に臨むことが好ましいです。

そこで、当記事ではコールセンターにおいてNSPを調査後効率よく改善を進めるために、『Scene Live』のシステムを活用することをおすすめします。『Scene Live』のシステムを使えば、発信効率の改善・架電結果の分析などができるのでNSPの改善を助けることが可能です。

漠然とした問題点しか洗い出せなかったり、NSPを調べたものの結果的にどういったアクションを取ればいいか分からなかったりする方こそ、ぜひ『Scene Live』のシステムを活用してみてください。

コールセンター業務を自社で行いたい場合には、Scene Liveが提供しているインバウンド向けコールセンターシステムの「OSORA」と、アウトバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」の導入をご検討ください。両製品とも機能が充実しており、コールセンターの業務効率化に役立ちます。Scene Liveの製品は、累計2,400社の導入実績を記録し、多くの企業でご利用いただいている信頼性の高いシステムです。

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