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2022.10.14更新

コールセンターにおける品質管理方法|評価基準や成功事例も紹介

コールセンターにおいて、 品質管理は重要な課題 です。

品質管理が徹底されていないと、顧客満足度の低下を招きます。
コールセンターにおいて、品質向上を目指すうえで大切な要素とは何なのでしょうか。

本記事では、コールセンターにおける品質の意味と品質管理の重要性、管理方法を詳しく解説します。

コールセンターの品質管理の重要性がわかれば、顧客満足度の向上に関する施策が見えてきます。

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コールセンターにおける品質とは

コールセンターにおける品質とは、以下の3つのことを指します。

  • 接続品質
  • 業務品質
  • 応対品質

それぞれ異なった品質を表していますが、これらを総合することでコールセンターの品質評価が可能になります。
詳しく説明します。

接続品質

 接続品質とは、コールセンターへのつながりやすさ のことです。

コールセンターにおえる回線の数やオペレーターの人数、問い合わせ1件あたりの処理効率が関係しています。

接続品質は、顧客が最初に経験する品質のひとつで、もし顧客がつながりにくいと感じてしまえば、それだけで接続品質は下がってしまいます。

紹介する3つの品質でも、とりわけ重要なものであり、特に力を入れて改善すべきポイントです。

業務品質

 業務品質とは、端的に言えば顧客ニーズをかなえられるかどうか です。

コールセンターで受ける顧客からの問い合わせやクレームに対して、ニーズに合った対応ができているかが重要なカギとなります。

業務品質を向上させるためには、トークスクリプトやFAQの導入だけでなく、それらの改善を行いましょう。

さらにオペレーター研修を通じて課題を共有し、具体策を示すだけでも、コールセンター全体の品質改善につながります。

応対品質

 応対品質とは、オペレーターの応対の質 のことです。

コールセンターにおいて「品質管理」というと、たいていは応対品質のことを指しています。

オペレーターが電話に対して素早く対応できているか、言葉の使い方は間違っていないか、失礼になっていないかを、品質基準としているケースが多いようです。

また、顧客の問い合わせ意図を正確に読み取れているかも、重要な判断基準になります。

コールセンターにおける品質管理の重要性

コールセンターで 品質管理にコミットすると、コールセンターのサービスレベル向上 に貢献します。

転じて、コールセンターや企業そのものの顧客満足度の向上に寄与し、サービスレベルの維持にもつながります。

顧客ともっとも密接にかかわる重要なポジションのひとつであり、入り口でもあるのがコールセンターです。

仮に、顧客の不満を買うような品質であった場合、その評価はコールセンターだけではなく企業に対しても向けられてしまいます。

コールセンターの品質管理を行う背景には、コールセンターを含めた企業全体の顧客満足度の向上をはかる意図があるわけです。

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コールセンターにおける品質管理方法

コールセンターの品質管理を行うためには、まず以下の2点を決める必要があります。

  • 品質管理の担当者
  • 品質管理の調査方法

品質管理の体制と評価制度を設けておけば、管理や改善がしやすくなります。
その際は、やみくもに品質改善を名目に施策を講じるのではなく、客観的な評価を下しつつ得られた結果に対しての改善策を検討することが重要です。

品質管理の担当者

 品質管理を行うにあたって、品質管理の担当者 を決めなければなりません。

コールセンターにおける品質管理の担当者の決め方にルールはなく、企業によって担当者選任の基準が異なります。

一例として、以下の事例があります。

  • SV(スーパーバイザー)
  • 品質管理専門の担当者
  • センター長

自社コールセンターに品質管理に関するノウハウやスキルをもった人材がいない場合、外部企業に品質管理の業務委託をするケースも珍しくありません。

自社で適任の候補者がいない場合は、社外人材に依頼することも視野に入れましょう。

品質管理の調査方法

 品質管理を行ううえで、設けられた品質基準をクリアしているかどうか を調査しなければなりません。

それぞれのやり方を理解して活用しましょう。

モニタリング

 モニタリングとはオペレーターの応対を直接チェックし、評価する方法 です。

チェック方法はオペレーターが通話中の状況を直接監視するか、録音したものを使用します。

言葉遣いやビジネスマナーに失礼はないか、顧客のニーズを把握して対応できているかなどが評価されます。

センター内の人材だけで品質評価が付けられるため、覆面調査や外部委託りもチェック自体は簡単です。

特に新人やOJT期間のオペレーターに対して、有効な調査方法です。

ただし、実施する際には、客観性が担保されている必要があります。
センター内で解決する分、評価に個人の感情を挟まないよう注意が必要です。

あくまでも第三者として、公正・公平な評価を心がけましょう。

覆面調査

通称「ミステリーコール」とも呼ばれる覆面調査は、 品質管理の担当者が顧客を装ってコールセンターに問い合わせて、評価する方法 です。

品質管理担当者は内部の人間でも外部人材でも、どちらでも構いません。
事前にシナリオを作成し、顧客の立場でオペレーターと電話をするため、モニタリングよりも顧客の目線にあった評価ができます。

作成したシナリオは、競合他社の対応レベル調査にも流用可能です。
競合他社の品質と比較することで、自社のコールセンターが抱える課題が浮き彫りになるでしょう。

外部に委託する

品質管理の担当は、まったく 関係のない社外人材に委託するのもひとつの方法 です。

流れはモニタリングと同じく録音した通話記録を聞いてもらい、チェックされた内容を受け取るという方法になります。

結果が出るまでに時間がかかるものの、第三者の目が入ることで客観的な判断が可能です。

応対品質のプロに依頼できれば、より具体的な問題点の発見にもつながります。
受けたフィードバックをもとに、研修計画やトークスクリプト、業務マニュアルの再考を進めましょう。

コールセンターにおける品質管理の評価基準

まずは、コールセンターにおける 品質管理の評価基準を策定 しなければなりません。

漠然とした評価基準では、しっかりとした品質管理は不可能です。
品質管理調査を実施する前に、自社独自の評価基準を取り決めましょう。

一般的には次のような基準が設けられています。

  • オペレーターのマナー
  • 商品やサービスに対する知識力
  • 柔軟な対応力

上記のような評価基準を管理するには、目標を数値化する必要があります。
数値化する管理事項は以下の項目となります。

  • 顧客満足度
  • つながりやすさ

それぞれの項目にいて、紹介します。

顧客満足度

オペレーターは効率よくコールに対応するだけでなく、商材の知識を学習し、 顧客が満足するような対応 を行うことがより重要です。

顧客満足度が向上しロイヤルカスタマーを育成できれば、商材のリピーターが増えたり、好意的な口コミが広がったりといった効果を期待できます。

重要な指標であるコールセンターの「顧客満足度」に関わる品質管理基準は4つあります。

  • アンケートなどに基づき、顧客対応への満足度をスコア化したもの
  • 専門の担当者が顧客対応をモニタリングし、応対品質をスコア化したもの
  • 顧客対応の際、お客さまが「ありがとう」という言葉を発した回数
  • 顧客対応の際、お客さまが「苦情やクレーム」を行った回数

例えば、顧客満足度では不満足からやや不満足、やや満足、満足までの4段階の指標から顧客に回答してもらいます。

「顧客満足度」の目標数値は、評価者の主観が含まれるため数値化が難しく、客観的に測定するための工夫が必要です。

顧客満足度が向上すると、商品のリピート率向上による売上アップや他商品とのクロスセールスによる販売数の向上に貢献できます。

満足度の数値化は、感情もあり難しいですが、アンケートや客観的な視点をもった数値などを使って管理しましょう。

つながりやすさ

 コールセンターが管理すべき品質として、つながりやすさ が挙げられます。

オペレーターが処理しきれないコールやオペレーターにつながる前に切断されたコールが発生しないコールセンターほど、機会損失を抑えられます。

コール量がオペレーターの人数を大きく上回る状態が続く場合は、オペレーションの改善が必要といえるでしょう。

つながりやすさに関わる数値目標として、例えば次のようなものがあります。

  • 時間あたりのオペレーターの対応件数
  • コールあたりの平均通話時間
  • 通話の終了後にオペレーターが業務にかける時間の平均
  • オペレーターが顧客対応に要する合計時間の平均

アポインターの時間は限られています。
最大限の効果がでるよう、対応件数や通話時間などを分析して、商品に対する最適な件数と通話時間を確認しましょう。

各数値の平均やアポインターごとの対応能力を比較することで、結果を分析します。
そうすることで、人によるバラつきをなくすようにしましょう。
コールセンターの管理者は、数値管理能力が必要なスキルとして要求されるでしょう。

品質管理の見直しによる成功事例


コールセンターにおける品質管理を見直したことで、品質改善につながった事例があります。

  • 家電販売
  • 健康食品
  • 通信キャリア

今回は上記3つの業界に焦点を当て、コールセンターの品質管理に関連した成功事例を紹介します。
順に確認しましょう。

家電販売

家電の販売では、機能の説明や設置の問い合わせなど、事前説明が必要な場合があります。
細かい機能や設置の段取りなども、詳しく説明する必要があるでしょう。

顧客は説明を理解したうえで購入するため、事前の説明は丁寧かつ網羅的に行う必要があります。

特に、電話による口頭での説明では、言った・言わないの水掛け論が起こらないように、顧客の理解を確認しながら、進めることが大切です。

家電販売のとある企業では、対応品質とサービス評価をそれぞれ 5段階ずつに分けて、顧客へアンケート調査 を行いました。

結果、オペレーターの評価に用いたほか、補足情報を公式サイトに掲載するなどの施策にもつながりました。

健康食品

健康食品の案内では、顧客満足度が商品のリピート率に影響を与えやすいといえるでしょう。

アポインターが顧客との接点となり、商品を説明することになるからです。
アポインターの対応は、今後の売上と関連しているといえるでしょう。

健康食品業界の企業は覆面調査とモニタリングで、CSスコアを定期的に確認しています。

その結果をもとに、 成績の良かったオペレーターの対応や関連性を見出して、全オペレーターへフィードバック 実施している企業があります。

成功事例を共有することで、社内全体の品質を上げることにつながるからです。

通信キャリア

通信キャリアでは、新しい料金プランやサポートなど、たくさんの確認事項があります。
顧客の環境や状況によって、多くのパターンがあり、アポインターは適した回答をすることが必要です。

回答を間違えてしまうと、顧客の手間が増えてしまい、顧客満足度の低下につながります。

結果的に他社の通信キャリアを選択されてしまう恐れもあるでしょう。

そこで、ある企業では顧客満足度(CSスコア)を指標に設定し、コールセンターではお客様アンケートを四半期ごとに実施しました。

得られた 顧客満足度から合否を算出して、オペレーターの品質向上に成功 しました。

施策として導入した結果、コールセンターの品質管理だけではなく、企業全体の顧客満足度向上に貢献する施策を打ち出した会社もあります。
品質管理をすることで、思わぬ形で副産物を得られるもしれません。

コールセンターにおける品質管理の基準をまとめよう

コールセンターの品質管理は、人の手によるものが多いものの、 顧客満足度を向上させるためには欠かせないことです。 

企業そのものの品質向上に貢献した例もあったとおり、コールセンターの品質管理は非常に重要な施策です。

Scene Liveが提供している「List Navigator.」、「OSORA」は、コールセンターの品質管理・向上にも使えるコールセンターシステムです。

品質管理の面ではモニタリング機能や全通話録音機能を使い、オペレーターに対する評価と問題点の掘り起こしを行えます。

また、有効コール率分析や架電時間分析などの通話分析も記録として残るため、品質管理・向上に貢献するでしょう。

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