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2021.05.14更新

PBXとは?レガシー・IP・クラウドそれぞれのメリットとデメリット

電話対応が多いオフィスやコールセンターでは、取りつぎや掛け直しなどが多数発生すると時間のロスが増えてしまいがちです。また、在宅勤務が増えると顧客からの受信も増加し、現状のままでは対応しきれなくなる可能性があります。今回は、社内外の人とコミュニケーションを効率化する「PBX」というシステムをご紹介します。

PBXとは

「PBX」は複数の電話機を統合するシステムで、電話交換機や構内交換機と呼ばれます。オフィスなど所定の場所に設置することで、それぞれの電話機をひとつに繋げることができるのです。

内線通話や外部からの電話の取り次ぎを転送する、顧客からの電話など外部からの電話を社内の従業員に転送するなど、さまざまな機能を利用することが可能になります。また、スマートフォンなどを利用して外出先から電話を引き継ぐことも可能なことから、営業で外出が多い社員の場合でも役立つでしょう。

PBXシステムの仕組み

PBXは、簡単にいうとオフィスやコールセンターに独自の電話局を設置するようなシステムです。各電話機と外線・内線との取りつぎをおこないます。支社同士の電話を接続することも可能です。

PBXの基本的な構造は、本体、接続用カード、電話機を順番に繋ぐ形となっています。PBXの本体には、接続用カードが設置できるのですが、上限が決められています。基本的には、接続用カードのスロットの数がPBXの性能基準です。

接続用カードは、4台程度の少数の電話機を繋ぐこともできますし、10台以上の電話機を繋ぐこともできることもできますので、種類が幅広くあります。接続用カードはPBX本体よりも安いため、電話増設にかかる費用を接続用カードの買い替えで抑えられる可能性があります。

家庭用の電話機では、1電話回線に親機と子機のコードレスという形が一般的でしょう。PBXでは従来の電話のシステムより、多くの電話を使用する場合にメリットがある傾向があります。

PBXとビジネスフォンの違い

ビジネスフォンはビジネス用に特化された電話のことで、複数の内線や外線を共有できる機能などが備わっています。

PBXとビジネスフォンの大きな違いとしては、以下の点が挙げられます。これらはPBXにはあるが、ビジネスフォンにはない機能です。

  • パソコンでの電話接続
  • 複数拠点間での内線接続
  • IP回線の使用

また、PBXとビジネスフォンの違いでは、接続する電話機の数も大きく変わります。ビジネスフォンでは数十台程度の中規模オフィスで採用されやすいのに対して、PBXでは数千台程度の大規模オフィスで採用されやすいという特徴があります。

PBXの種類

ここまでPBXの概要について解説しましたが、PBXには種類によって特徴や導入に向いている企業が異なります。
基本的な機能は電話回線の接続と交換で、このような機能は全ての種類で備わっていることが一般的です。ネットワークやPBXの形態の違いによって種類が分類されることがあり、種類は以下に分けることができます。

  • レガシーPBX
  • IP-PBX
  • クラウドPBX

レガシーPBX

レガシーPBXは、会社の構内で電話機を電話線で繋げる物理的な装置を使用して設置するタイプです。専用機器をラックに収める形で設置することで利用ができます。

主導交換器が導入された1890年頃に登場したのですが、他のPBXと差別化をするために従来のPBXをレガシーPBXと呼ぶことがあります。

導入する際、建物や部屋に対して電話線が引かれている場合、工事が不要であるため、初期費用を抑えることが可能です。導入済みの建物をオフィスにする企業に向いているでしょう。

機能

レガシーPBXの主な機能には、以下の2点が挙げられます。

  • 内線同士の通話機能
  • 代表番号着信機能
  • 転送機能
  • パーク保留機能

内線同士の通話では、電話番号がなくても内線番号で通話ができます。社内に限りますが、フロアが離れている企業などでは役に立ちやすくなります。その場で電話に出られない場合は、別の電話機やスマートフォンなどへ転送することが可能です。

代表番号着信機能は、代表番号に対して同時に複数の着信があった場合でも、それぞれ対応することができます。通話中になりにくいことから、コールセンターの場合は問い合わせをより多く捌けることも可能です。

パーク保留機能は、保留中の電話をPBXにつながっているすべての電話機から引き継ぐことができる機能です。この機能により、電話をとった部署以外のスタッフも保留対応をしやすくなります。

レガシーPBXの価格

PBXはビジネスフォンよりも高性能で耐久性が高いため、価格も比較的高くなるでしょう。ビジネスフォンは数十万円~数百万円程度が相場の目安となりますが、レガシーPBXは数百万円~数千万円が相場となっています。機能や接続数を増やすと、その分コストがかかってしまいます。

企業規模により台数や必要な機能が異なり、導入価格が変動しやすいでしょう。自社の規模や予算に適した接続数を検討する必要があります。機能と価格のバランスを考えた導入をしましょう。

メリット

レガシーPBXは社内に専用機器を持っているため、インターネット回線を使用していません。このような特徴から、サーバーダウンや停電時でも使用することが可能です。

また、すでに電話回線が引かれている企業の場合は工事が不要になります。既存の電話回線を利用したい企業に向いています。

IP-PBXやクラウドPBXでは導入費用や初期費用を抑えられますが、利用状況によっては工事が不要になったレガシーPBXのほうが費用を抑えられる可能性もあります。

デメリット

レガシーPBXはハードウェアなどの専用機器を設置する場所を取ることや、電話線などの物理的に空間を占有してしまうことがあります。オフィスの模様替えや移転が発生した場合、PBX本体を移動するための計画が必要になります。

ただし、導入した有識者の知識を引き継ぐことで、オフィスの引越しなどをスムーズに行うことが可能です。導入時の知識は残しておき、他の社員に共有できるようにしておくとよいでしょう。

また、ハードウェアの購入費などの導入費用がかかりますが、不要な機能を切り捨てることで、ハードウェアの購入費は抑えることができます。

IP-PBX

IP-PBXはIP電話を使うことを前提としています。電話線ではなく、LANやWANを経由して音声を送受信し、パソコンなどと同様にIPネットワークを利用します。インターネット回線を使用して内線通話を構築することができるため、新規電話機を追加する場合などの設定変更は業者に依頼せずに実施できます。

規模を拡大する予定がある企業など、オフィスの変化が激しい場合は、レガシーPBXよりも変更の柔軟性があるIP-PBXが向いているでしょう。

機能

IP-PBXにはさまざまな機能があります。レガシーPBXにない、主な機能としては以下の2点が挙げられます。

  • 通話内容をパソコンに記録
  • パソコンやスマートフォンを内線端末として利用

通話内容を後で確認したい場合は、パソコンから参照ができるようになります。また、電話機以外でもパソコンやスマートフォンなどの端末を内線機器としても利用可能です。電話機から離れている場合でも内線が利用できます。

IP-PBXの価格

必要な機器の代表としてIP電話機とPBXがありますが、IP電話機は約20,000円、PBXは数百万円程度が目安となります。基本的な構成例と費用では、IP-PBXとIP電話機が50台~100台規模で、500万円程となるでしょう。

しかし、機能やシステムの回線数によって導入コストが変動するので注意が必要です。導入前には事前に必要な機能と規模を検討することをおすすめします。

メリット

社内LANを使用するため、レガシーPBXのように電話回線を引かなくても問題ありません。回線工事などが不要になり、費用を削減できます。すでに社内LANが構築されている企業におすすめです。

電話機とインターネットの配線をLANケーブルのみに集約できるため、オフィス内の配線はよりシンプルになるでしょう。オフィスのレイアウト変更などがあっても手間が減る点はメリットといえます。

また、別拠点や社内間の内線化が可能なことから、通信量の削減効果にも期待ができます。

デメリット

IP-PBXのデメリットは、インターネット回線を利用することでハッキングされるリスクがあるという点です。IP電話をハッキングされて海外通話を使用されると、通話料金が高額になってしまうことがあります。ハッキングされた際に気づかない危険もあることから、たった数日間でも高額の被害を被ってしまうケースもあります。

導入時にしっかりと強固なセキュリティを意識して環境を構築してもらうことが重要といえるでしょう。

クラウドPBX

クラウド上のPBXを利用するため、オフィス内には構築しません。インターネットからサービスが提供されることから、ハードウェアやサーバーの導入が不要になります。

また、拠点が複数ある場合でも同じPBXを利用することが可能です。回線の増減や設定の変更はPCやスマートフォンなどから設定することができ、トラブルによっては自社で対応する必要がないものもあります。

専用の機器をオフィスに持ちたくないという企業に向いています。

機能

クラウドPBXにはさまざまな機能があり、レガシーPBXやIP-PBXが持つ機能も利用できるものが多いです。クラウドPBXでは、構内にPBX機器を設置するのではなく、クラウドサービスを利用します。主な機能は以下の2点が挙げられます。

  • ベンダーが提供するPBXサービスの利用
  • 多地点と内線で接続

ベンダーが提供する電話通信機能を利用します。PCなどのインターネット機器から利用できるため、使用する場所に捕らわれにくく自由度が高い傾向にあります。

クラウドはインターネットで利用するシステムのため、日本や海外などのさまざまな拠点と内線で接続できるのが特徴です。

クラウドPBXの価格

クラウドでは機器の購入費用がかからないというメリットがあります。しかし、初期費用は落とせてもランニング費用やメンテナンス費用などがかかることを意識する必要があります。初期コストを見落とすことはほとんどありませんが、ランニングコストやメンテナンス費用なども忘れずにチェックしておきましょう。

インターネット環境とPCがあれば、初期費用を無料もしくは数十万円といった低価格に収めることも可能です。ランニングコストは概算で数千円〜数万円程度の月額利用料がかかることがあります。しかし、機能やシステムの回線数によって導入コストが変動するので注意が必要です。

さらに保守管理費用やアップデート費用などのサポート費用が込みになっているケースが多いですが、含まれていない可能性もありますので、事前に確認しておきましょう。

メリット

クラウドPBXはハードウェアや電話回線などの購入や設置が不要で、そのあたりの費用を安く抑えることが可能です。提供ベンダーにより機能はさまざまなため、自社が本当に必要としている機能のみを備えることも可能で、柔軟性の高いPBXとなっています。

また、サーバーのメンテナンスなどの運用はベンダー側で実施することから、自社での運用コストがかかりにくいという点もメリットとして挙げられます。運用コストを減らしたいという企業におすすめです。

デメリット

音声品質などインターネット環境に左右されやすい点が挙げられます。インターネット環境が安定している場合は問題となりにくいですが、社外での使用や混雑時間帯での利用の場合は、インターネット環境が悪く音声品質が低下してしまう可能性があるでしょう。

また提供するベンダー側のサーバースペックが強くない場合、音声品質が低下することもあります。ベンダーはひとつではなく複数あるので、導入前にベンダーの特徴などを調査する必要があるでしょう。
無料プランなどでトライアルできることもあるので、実際に使ってみてから検討するというのも選択肢のひとつです。

まとめ

PBXにはさまざまな種類が存在することから、企業の規模やオフィスの状態によって導入するPBXを検討するのがよいとされています。導入では、それぞれのメリットやデメリットを正しく理解し、自社に必要な機能がどれなのかということを事前に検討することが大切です。特に大規模の企業の場合は、一度導入してしまうと後戻りができなくなる傾向がありますので、時間をかけてよく比較検討しましょう。