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コラム- COLUMN -

2024.07.28

固定電話が廃止されたら解約すべき?家庭と企業での必要な対応とは

現在使用している固定電話は2024年に廃止が予定されています。「これを機に固定電話を解約しようかな」「このまま固定電話は使い続けたい」など色々な考えがあるでしょう。

今回は固定電話の解約について、メリットや注意点を一般家庭・企業それぞれの視点で詳しく解説します。

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導入時3つのチェックポイント

固定電話は2024年に廃止予定


NTTは 2024年を以って、固定電話(アナログ/ISDN回線)のサービスを終了する ことを発表しています。

携帯電話の普及に伴い、年々固定電話の契約数は減少している中、通信会社としてこれらの維持に相当の費用がかかるということが理由とされます。

では今後、固定電話が使用できなくなるのかというとそうではありません。
現在契約中の固定電話は、 アナログ/ISDN回線のサービスが終了後は、IP網に移行されるため、現状同様に使い続けることが可能 です。

利用者側では特に設定や工事の必要はありません。IP網への移行に伴い、通信料が安くなるといったメリットもあります。

一般家庭における固定電話の解約メリット

現在でもあまり固定電話を使用していないという人は「これを機に解約してしまおうか」と考える人も多いでしょう。
具体的に一般家庭における解約のメリットにはどのような者が考えられるのでしょうか。

固定電話の電話代が削減できる

まず第一に、固定電話を使用する際の電話代が削減できます。 携帯電話の契約には、電話のかけ放題プランなどもあるため、固定電話を使うよりも安く済む 場合もあります。

固定電話を設置していると、求めていないセールスの電話などに出てしまうこともあり、無駄な電話代がかかってしまうこともあり得ます。

所持している携帯電話で事が足りているという場合であれば、固定電話は不要かもしれません。

無駄なセールスや詐欺に遭う可能性が減る

固定電話を設置していると何かとセールスの電話がかかってきます。
また最悪の場合には、詐欺の電話がかかってきてしまうことも。

ナンバーディスプレイなどの機能を使えば、こういった不要な電話を防ぐこともできますが、 そもそも固定電話を置かなければこうした事象に遭遇する機会自体を減らせます。 

ご高齢の方や子供の場合、うっかり出てしまうことも考えられます。
無駄なトラブルをなくせるという点も固定電話を解約するメリットと言えそうです。

電話機が不要になる

物理的に固定電話を置く必要がなくなるので、スペースが空きます。FAX機能が付いている電話機であれば、サイズも大きいはず。
こうした電話機を置かないだけでもスペースを有効活用できます。また限られたコンセントのスペースも空くため、その他の用途に使用することも可能です。

子機を置いているご家庭であれば、なおさらそのメリットは大きく感じられるのではないでしょうか。 無駄な配線や物を極力減らして、スッキリとした住空間を整える ことに繋がります。

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一般家庭で固定電話を解約する際の注意点

「あまり使っていないから解約してしまおう」と行動に移す前に、解約する際の注意点を考慮しておきましょう。
以下に該当する場合は、一度検討が必要かもしれません。

FAXが使えなくなる

電話機に搭載されているFAX機能も一緒に使えなくなってしまいます。
一般家庭であれば現在なかなか使用しない機能かもしれませんが、個人事業主等何かしらの事業や組織を持っている場合、FAXを使用しているケースもあるかもしれません。

 FAXは、個人情報の観点から考えても外部で対応することが難しい 機能でもあるので、現在FAXを頻繁に使用している場合には注意が必要です。

固定電話のみで繋がっている相手への対応が必要

主に自宅の固定電話で連絡を取り合うことがメインとなっている家庭では、解約や電話機の撤去に伴い、相手方の連絡先がわからなくなってしまう、ということが考えられます。
また相手から見ても、固定電話以外の連絡先を知らなかった場合、何の連絡もなく電話が撤去されてしまえば、以降連絡がつかなくなってしまうという事態にもなりかねません。

 電話を解約する前に、こうした相手との新しい連絡先交換を事前に済ませておく べきです。

特にお年寄りが暮らすご家庭では、固定電話をメインの連絡先として利用していることも多いでしょう。携帯電話による代替が難しい場合には、無理に固定電話の解約を行う必要はありません。

法人口座開設の際に不利になる

これから新しい事業を始めようと考えている場合には注意が必要です。
 多くのメガバンクや地方銀行において法人口座を開設する際には、固定電話番号の提出が必須条件となっている ケースが多々あります。

固定電話の電話番号がないと、こういったビジネスにおける口座開設が不利になる場合があるため、注意が必要です。

事業をおこなっている、またはこれから始める計画がある方は、安易に固定電話を解約してしまわず、今後を見据えた検討が必要です。

一般家庭における固定電話の廃止に対する対応方法


2024年の固定電話(アナログ/ISDN回線)のサービスの終了に対し、一般家庭ではどのような対応をおこなうべきなのでしょうか。

固定電話を使い続けることも含め、どのような対応方法があるのか紹介します。

何もしない

今の固定電話をそのまま使い続けたい場合は、先述した通り、利用者側では特に何もすることはありません。
 工事や設定の必要はなく、これまで通り使用を継続できます。 

これを機に、固定電話の解約を検討したい方や、あらゆる事情により電話番号だけは残しておきたいと考える方には、以下の対応方法があります。

固定電話を解約する

現在使用している固定電話を解約し、電話機を撤去してしまうことも一つの手です。
携帯電話のみでも十分連絡に困ることはないので、普段から固定電話の使用頻度が低い場合には、解約を検討してみましょう。

また固定電話による電話料金がかさんでいる場合も、再検討してみても良いかもしれません。
携帯会社のプランでは、電話のかけ放題が格安で利用できるプランも多々あります。
 固定電話を利用するよりも、電話代が安く抑えられる可能性もある ので、検討の余地があると言えます。

電話アプリを使ってスマホで固定電話番号を利用する

個人事業主や株式会社等を持つ方であれば、固定電話番号を持っておきたいと考える方も多いでしょう。
しかしながら、実際には固定電話をいつでも取れるわけではない、というケースもあり得ます。
少人数の企業やテレワークを積極的におこなっている企業では、このような事態が考えられます。

その場合、電話アプリの利用がおすすめです。
 電話アプリを使用すれば市外局番付きの電話番号を取得でき、スマホでその番号を使った発着信が可能 です。
同じ番号を複数のスマホで受けることができるので、外線対応としても利用が可能です。

もちろん既存の固定電話からスマホで転送することも可能ですが、転送の場合、通信料が高くついてしまいます。
 電話アプリであれば、転送は内線扱いになるため、電話料金が割安に。
 
社内のスタッフ間の電話も内線扱いになるため、コストパフォーマンスを考えても、非常に有用です。

企業における固定電話の解約メリット


一般家庭だけでなく、企業においても固定電話を解約するメリットは考えられます。
リモートワークが広く普及している昨今でもあるため、固定電話の撤廃を検討する企業も多いでしょう。

具体的なメリットについて考えてみましょう。

場所を問わず会社への電話を受けられる

固定電話をやめてスマホを社員が持つようにすれば、オフィスにいなくても迅速に顧客と連絡を取り合えます。

昨今ではリモートワークや在宅勤務を積極的に実施している企業が増加しています。
こうした場所を問わない働き方が一般的になってくると、必然的に在社する社員も少なくなり、電話応対も難しくなります。

スマホで企業への電話を受けられるようになれば、 誰かが電話を取るために出社する必要もなく、また担当者への連絡もスムーズになります。 場所や時間を問わないフレキシブルな働き方をサポートできるでしょう。

電話の取次ぎ業務が不要になる

企業の電話業務では、電話を受けた社員から担当者へ電話を繋ぐということが一般的であり、意外にもこの業務に多くの時間が割かれています。
電話応対専任のスタッフがいるならまだしも、様々な業務を請け負いながら電話対応を兼任しているケースも少なくなく、電話対応のために他の作業が進まない、といった状況もよくあると言えます。

また取次ぎ業務としても人がおこなうので、ミスがあったり聞き逃しがあったりします。
こうしたヒューマンエラーは、後々仕事に影響することもあり、ミスをカバーするために余計な手間がかかる場合もあり得ます。

顧客からの電話が担当者に直接かかるように環境を整えることで、こうした 電話応対業務や取次ぎ業務を削減 できます。
特に会社規模が大きくなく、様々な社員が電話応対を兼任している企業にとっては大きなメリットになるのではないでしょうか。

求めていない営業電話がかかってく ることも企業は非常に多いため、それを受け答えしている時間ももったいないと言えます。
社員それぞれが必要な業務にしっかりと時間を使えるようにするためにも、電話環境の整備は重要 
です。

固定電話の維持コストや通話料が削減できる

固定電話の設置からPBXの設置・設定など、企業で固定電話を利用する際にはこうした様々な手配が必要です。
新しいデスクを用意する際にも、こうした電話機設置の作業やコストがかかります。
固定電話を設置しないのであれば、 こうした電話機の維持コストや手間がまるごと不要 になります。

また、費用面においても、固定電話より社用携帯の方が安く済む場合もあります。
企業の電話業務でよく使われる転送は費用が高く付きますが、転送を内線扱いにできる電話アプリを使用したり、そもそも転送が発生しないように全社員が社用携帯を持つような環境を整えたりすれば、費用も抑えられます。

携帯会社のプランによってはさらに通話料が安く抑えられるプランもあります。
コスト削減を考えるのであれば、実際に現在の費用と固定電話を撤廃した際の費用を算出してみるとよいでしょう。

コールセンターを在宅化できる

お客様センターを運営していたり、テレアポ業務をおこなう企業では、専任スタッフを置いたコールセンターを持っている企業も多いでしょう。
コールセンターは一般的にPBXやCTI(コールセンターシステム)を利用していたり、個人情報等セキュリティ面での注意が必要な情報を取り扱っていたりする観点から、在宅化が難しいと言われています。

しかしながら、近年では、クラウドシステムも充実してきており、コールセンターの在宅化も増加しています。 クラウド型CTIやクラウドPBXを活用すれば、オフィスにいなくてもコールセンター業務が可能 です。

ワークライフバランスを考慮する上でも、在宅ワークやリモートワークを取り入れたいという企業も多いでしょう。
在宅化しても問題ないようなコールセンター業務であれば、検討してみる価値はありそうです。

企業で固定電話を解約する際の注意点


固定電話の解約は企業にとっても様々なメリットがあるといえますが、企業ならではの注意点ももちろんあります。

企業の場合、後になって後悔しても、作業が倍になってしまうこともあり得ます。
注意点を理解した上で、固定電話の必要性を検討しましょう。

代表電話番号が廃止されてしまう

何もしないまま固定電話を解約すると代表電話番号もなくなってしまいます。
 従来のビジネスフォンの機能をそのまま維持したいのであれば、クラウドPBXの導入が必要 です。クラウドPBXは、これまでオフィス内に設置されていたPBX(電話交換機)をインターネット上で利用できるもので、オフィス内の物理的な設置や工事の必要がありません。

代表電話番号は維持しながら、電話機を撤廃したいと考えるのであれば、クラウドPBXの導入を検討しましょう。

企業の社会的信用が下がる

日本社会では、 携帯電話番号しか提示のない企業に対し、一定の不信感を感じる傾向があります。 BtoB、BtoCのどちらにおいても、この傾向は一般的であると言えるでしょう。
企業に対しても信頼が低下する可能性はもちろん、サービスや商品に対する懐疑心を持たれる要因にもなり得ます。

会社の利便性は重要ではありますが、代表電話番号がないということが、こうした対外的なイメージにも影響があるということを理解しておきましょう。

法人登記が難しくなる

法人登記は携帯電話番号でも申請はできますが、後々変更することが容易ではないため、注意が必要です。
小さい企業だから別にいいだろうと軽く考えるのではなく、本当に問題がないか、熟考するべきです。

先述した通り、口座開設の際にも不利になる可能性があります。
また企業の社会的信用に対しても影響するなど、代表電話番号がないというだけで様々なデメリットが考えられます。法人登記を考えている場合には、 その後も見越して電話や電話番号の運用方法を検討する 必要がありそうです。

企業における固定電話を廃止するアイディア


企業における固定電話の廃止は、メリットもありながら、デメリットとも言える点が存在します。
それでも、上手く固定電話を廃止するなりして、費用削減や業務効率に活かしたいと考える企業も多いでしょう。

具体的にどのような方法であれば、固定電話の撤廃・削減を実施できるのでしょうか。自社の規模や状況・目的に合わせて、それぞれ似合った方法を検討してみましょう。

すべてまたは部分的に固定電話を廃止する

事前に クラウドPBXを導入したり、スマホを社員に支給したりする準備をおこなっておけば、固定電話の完全撤廃も問題なく可能です。 クラウドPBXを導入すれば、企業としてできれば用意しておきたい代表電話番号を維持しながら、固定電話機の撤廃が可能です。

また特定の部署だけ固定電話を残して、その他は撤廃というように、部分的な削減も一つの手です。すべての電話機を廃止しなくても、 費用の削減や業務の効率化には十分に効果的 です。

IP電話・IP-PBXを使用する

インターネット回線を通じて音声を届けるIP電話や、企業内のネットワーク上にIP電話を接続し、外線や内線をコントロールするIP-PBXを利用することでも、固定電話を廃止できます。

IP電話は、 050から始まる番号の他、03や06などの地域の市外局番を利用することも可能 なので、「対外的に050の番号はちょっと…」と考える企業でも問題ありません。
料金も安いので、コスト面でもメリットがあります。

コールセンターシステムを使用する

CTL(コールセンターシステム)とは、 PCなどのコンピューターと電話・FAXを連携させるためのシステム です。
コールセンター運営で使用されるシステムであり、SFA(営業支援ツール)やCMR(顧客管理システム)と連携させることも可能です。

「コールセンターの固定電話を廃止したい」「コールセンターを在宅化したい」と考えるのであれば必須となるシステムです。 クラウド型のコールセンターシステムを利用すれば、固定電話の廃止や在宅化もスムーズに実現できる でしょう。

問合せ業務をシステム化する

固定電話で顧客の問合せに対応している場合、なかなか廃止にできないと考える企業もあるでしょう。この場合、そもそも電話で顧客対応をおこなうということ自体を見直すことで、固定電話の廃止が実現できるかもしれません。

チャット形式で顧客の質問に自動で回答するチャットボットや、自動音声システムやボイスボットを活用し、 顧客自身による自己解決を促す仕組みを整えれば、そもそもの電話件数を削減 できます。

固定電話の廃止を現実化することはもちろん、業務量の削減にも繋がるので、業務効率化にも効果的です。
どうしても顧客対応は電話でしっかりおこないたいという場合は、コールセンターの委託も一つの手です。プロに顧客対応を一手に任せることで、顧客対応のクオリティーを維持しながら自社における固定電話の削減を目指せます。

固定電話を廃止する際は状況に合わせた対応を


固定電話があることにより、一般家庭では思わぬ詐欺やトラブルに巻き込まれたり、企業では業務過多になったりするなど、良くない点も多々あるのは事実です。

しかしながら、長年便利な連絡手段として利用されてきた固定電話をすぐに解約することは難しい家庭もあります。
また、企業においては、信用の証となるなど、金銭的・業務的メリットを上回る大事な指標にもなり得ます。

2024年には、確かに固定電話(アナログ/ISDN回線)のサービスは終了しますが、固定電話が利用できなくなるわけではありません。
焦る必要はないので、今一度固定電話の必要性についてゆっくり検討してみてはいかがでしょうか。

固定電話を廃止するにも、様々な方法があります。特に企業では、 どういった目的で固定電話を廃止したいのか、どういった事業をおこなっているのかによっても、選ぶべき方法は異なる と言えるでしょう。

大事な連絡手段である電話の使い方で後々後悔をしないよう、それぞれの状況に合った選択を検討することが重要です。

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株式会社Scene Live マーケティング部

Written by株式会社Scene Live
編集部

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