2024.07.30
名刺管理を自作エクセルで行う方法|CRMとの違いも解説
名刺管理とは、名刺の情報をデータ化して管理することです。有料の名刺管理アプリもありますが、無料で管理したい、あるいは顧客の数がそれほど多くないという場合は、ビジネスマンに馴染みのあるエクセルでも名刺管理は十分できます。
この記事では、エクセルを使った名刺管理をお考えの方のために、エクセルで名刺管理をするメリットや具体的な方法をご紹介します。
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目次
名刺管理とは
名刺は渡す側にとっては「自己紹介ツール」ですが、受け取った側にとっては大切な「営業ツール」にもなります。獲得した名刺情報を営業活動に活用できるためです。しかし、いざ活用したいときに大量な名刺の山から1枚の名刺を探し出すのは困難でしょう。顧客から受け取った名刺の情報を、営業活動に活かせるように整理・共有することが名刺管理です。
名刺管理では名刺に記載されている情報を項目ごとに入力して管理しますが、商談や取引履歴を一緒に入力し管理することも多いでしょう。商談をする場合、先方の面識のある社員に仲介してもらうとアポイントが取りやすくなります。取引履歴をデータに追加しておくと企業のニーズを事前に把握できるので、商談やアプローチの成功率を上げられます。
また面談時にした雑談や、相手の趣味や特徴などを書きこむ人もいます。自社にとってどのような情報が必要かを整理してから名刺管理を行うのがおすすめです。
近年では、この名刺をデータ化してパソコンなどで一元管理する企業も増えています。データで名刺管理を行う主なメリットには、次のようなものがあります。
- 社内で情報を共有・更新できる
- 社内で情報を共有し、だれでも必要なときに最新の情報を簡単に検索できるようになります。名刺情報に変更が生じた場合でもすぐに正しい情報にアップデートすれば、社内でつねに最新情報を共有できます。
- セキュリティを保護できる
- 名刺情報は、保護の義務がある個人情報に該当します。しかし、紙の名刺のままでは持ち出しがしやすく危険です。データ化すれば許可された人のみ閲覧できるようにすることもでき、セキュリティ対策がしやすくなります。
名刺情報をデータ化する方法にはいくつかありますが、もっとも手軽にできるのがエクセルで管理する方法です。エクセルで名刺管理する方法について、次で詳しくご説明します。
エクセルを使って名刺管理する方法
名刺管理する方法はいくつかありますが、いちばん重要なのは自社にあったものを選ぶことです。選ぶポイントとしては、次のようなものがあります。
- 目的にあったものを選ぶ
- 名刺管理の目的は、おもに「新規営業」と「既存営業」のいずれかです。「新規営業」なら商談管理がしやすいかを、「既存営業」なら顧客管理がしやすいかを検討して選びましょう。
- 保存期間を考慮する
- オンラインで使用する無料アプリには、保存期間が制限されているものがあります。保存期間を必ず確認するかオフラインで管理するとよいでしょう。
- 機能性を確認する
- 名刺管理アプリには、自動名寄せ機能、商談管理、CRM/SFA、入力代行などの機能を搭載しているものも数多くあります。
名刺管理はエクセルを使ってもできますが、エクセルを使った名刺管理方法には次のふたつがあります。
- 名刺管理用のエクセルを自作する
- エクセルにエクスポートできる名刺アプリを利用する
それぞれのやり方は次項で詳しく解説します。
名刺管理用のエクセルを自作する
エクセルで名刺管理する際は、エクセルで顧客情報のデータベースを作ることになります。一からエクセルで作成する場合は、使う社員が見やすいレイアウトを取り入れて好きなように項目を配置できます。
どのような形式で作ればよいか迷ったら、インターネット上で配布されているテンプレートを参考にするとよいでしょう。そのままダウンロードして使用してもよいですし、エクセルなので自社で使いやすいようにカスタマイズすることも可能です。ただし、ダウンロードする際にウイルス感染するリスクがあるので、その点には十分ご注意ください。
なお、データベースを作成するときには、以下の点に注意しましょう。
- 必要項目を決める
- 名刺管理の項目は「社名」「部署名」「名前」「郵便番号」「住所」「メールアドレス」などが基本ですが、備考として必要な情報を入力する項目を追加します。
- 不要な項目が多いとそれだけ作業が増えて入力ミスをする可能性が増えますし、エクセルはデータが増えると動作に影響が及ぶ恐れがあります。使いやすさを優先して、必要な項目だけに絞り込むのがポイントです。
- 必要に応じて制限をかける
- だれでも修正できる状態だとデータが消去されたり書式が崩れたりする可能性もあるので、編集の制限をかけておくと安心です。
エクセルにエクスポートできるアプリ・フリーソフトを利用する
名刺アプリやフリーソフトを使うと、データ化する作業を簡略化できます。この場合は、名刺を専用スキャナーやスマートフォンを使って取り込み、自動データ出力機能でエクセルやCSV形式でエクスポートし、エクセルでエクスポートされたデータを取り込む、という流れになります。
名刺アプリやフリーソフトを選ぶ際は、画像で取り込んだ名刺をテキストに変換できるOCR機能があるものを選びましょう。アプリやソフトが画像のまま取り込むだけでは、後で文字列での検索や抽出が行えなくなってしまうためです。
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エクセルで名刺管理を行うメリット・デメリット
エクセルでの名刺管理は比較的手軽に始められるのですが、データ入力にかなりの労力と時間を要します。エクセルでの名刺管理が最適な方法かどうかを見極めるために、エクセルで名刺管理をおこなうメリットとデメリットを把握しておきましょう。
エクセルで名刺管理をするメリットは、普段から操作に慣れていて使いやすいこと、すでにパソコンにインストールされていればツールやアプリのように導入コストがかからないこと、インターネット環境が無い状態でも編集や更新ができることです。
ただし、データ数が多くなるほどエクセルの動作が不安定になる可能性が高まります。また、エクセルは営業管理システムやコールセンターシステムなどで直接読み込むことがほぼできません。他システムでデータを活用しづらいという点はデメリットです。
エクセルで名刺管理を行うメリット
エクセルで名刺管理をおこなうメリットは、主に次の3つです。
- すぐに始められる
- Officeソフトがインストールされているパソコンなら、エクセルは必ずといっていいほど利用できます。また、Excel はOfficeソフトが使えればすぐに始められるので、アプリやツールのように新しい操作などを覚える必要がありません。
- 無料ではじめられる
- エクセルを含むOfficeソフトがパソコンにあらかじめインストールされている場合は、新たにツールやアプリなどを購入する必要がありません。新たなコストの心配をせずに始められます。
- オフラインでも使える
- 名刺管理アプリのほとんどはオンラインで使用するので、ネット環境に左右されるのが難点です。エクセルはオフラインで使用するので、出先などネットが使えない環境でも安定して使用できます。
エクセルで名刺管理を行うデメリット
エクセルでの名刺管理には、デメリットも存在します。主なデメリットは次の3つです。
- 入力データが増えると動きが遅くなる
- 入力するデータが増えるに連れて、エクセルの動作が遅くなる可能性があります。動作が遅くなると、データの入力だけでなくデータの共有にも時間がかかってしまい、作業効率が低下する恐れがあるでしょう。
- 入力ミス
- エクセルで名刺管理をする場合は、基本的に手動でのデータ入力になります。人の手による入力はどんなに慎重におこなってもミスをゼロにすることは不可能でしょう。データ入力をする際は細心の注意を払う必要があります。
- 他ツールとの連携ができない
- エクセルの場合は他のツールとの連携がしにくいため、業務の効率化にはあまり効果が期待できません。他のツールと連携させたい場合は、一度CSV形式でエクスポートするなどの手間がかかるでしょう。
エクセル以外の名刺管理方法も紹介
名刺管理をもっとも気軽に費用をかけずに行う方法として、エクセルを使った名刺管理をご紹介してきました。しかし、名刺管理方法には、エクセル以外の方法もいくつかあります。
エクセル以外の方法としては「カードホルダーで管理する」「名刺スキャナーを使う」「専門業者に依頼する」などがありますが、なかでもおすすめなのが「クラウドツールを使った名刺管理方法」です。
クラウドツールとは、インターネットを使って情報の蓄積や共有ができるツールを指します。インターネットに接続できれば、いつでもどこからでもデータにアクセスでき、パソコン以外にもスマホやタブレットなどにも対応していることが多いのが特徴です。次の項目では、クラウドツールとしてよく知られているCRMの概要とCRMとエクセルとの違いについてご紹介します。
名刺管理でいちばん重要なのは目的にあった名刺管理方法を選ぶことなので、できるだけいろいろな方法を見て比較し用途にあったものを選択しましょう。
CRMとは
CRMはカスタマーリレーションシップマネジメント(Customer Relationship Management)の略で、日本語では「顧客関係管理」と表します。CRMの目的は、顧客との関係ややり取りを管理し、顧客と社員の関係を総合的に把握することです。
このCRM業務を円滑に進めるための機能を搭載したシステムをCRMシステムと呼び、CRM機能のひとつに名刺管理ツールが含まれていることがあります。
クラウド型のCRMシステムでは、顧客と社員のやり取り、業務管理、取引履歴、問い合わせ履歴などの情報を一元化でき、インターネットを通じて最新情報をリアルタイムで共有できるようになります。その結果、顧客へ最適な提案やアプローチがより円滑に行えるのです。業績アップや業務の効率化を実現できるうえに、営業や対応の質が向上するため、顧客満足度の向上も期待できます。
エクセルとCRMの違い
名刺管理はエクセル以外にCRMでも行えることがわかりましたが、より自社にあった方法を選ぶことが重要です。ここではエクセルとCRMの違いを比較してご紹介します。
- 機能性の違い
- CRMは顧客管理に特化したシステムなので、顧客情報管理や名刺管理以外にさまざまな機能が搭載されています。たとえば、問い合わせ管理や営業進捗管理、データ分析やレポート機能などです。これらをエクセルで管理する場合は、それぞれのファイルや関連ファイルを作成しなければなりません。分析する場合も、まずはそれぞれのファイルを開いて、必要なデータをコピーするなどの手間が生じます。一方CRMであれば、1つのシステムでこれらの作業や管理が簡潔できるのです。
- 初期費用とランニングコストの違い
- CRMを導入するには初期費用とランニングコストが必要ですが、エクセルならほとんどの企業で使っているので新たな費用は発生しません。ただし、CRMの導入によって業務の効率化や業績アップが実現すれば、CRMにかかった費用は結果的にペイできるでしょう。
まとめ
名刺はそのまま保存しておくだけでは、何の活用もされずただの紙と同然です。名刺をデータ化して活用すれば、業務の効率化を図れてなによりも業績アップにつなげられます。名刺管理の基本はデータ入力なのでエクセルを使えば費用をかけずに作成することも可能です。
名刺の情報をデータ化するだけでなく、社内全体の情報を一元化してよりわかりやすくしたいのであれば、最初からクラウドツールやCRMを導入することを検討するのもおすすめです。CRMは顧客情報管理だけでなく、進捗管理やデータ分析などの機能も利用でき、営業業務の効率化や生産性アップ、さらに顧客満足度の向上につながるでしょう。
名刺管理ができるクラウド型のCRMシステムのひとつに、Scene Liveの「SCENE CLOUD」があります。顧客情報をメールや担当者、タスクなどと紐付けて連動させることが可能です。議事録や社内チャット、スケジュールやWEBサイトなど一括で管理できるので、営業に関する社内の業務を効率的に進められます。さらに電話の自動ガイダンス機能や通話分析なども搭載されているので、テレマーケティングを運用している営業チームに特におすすめです。
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