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2022.11.15更新

コールセンター・電話の勝手な通話録音は違法?法的ルールや注意点を解説

コールセンターに問い合わせると、最初に「この通話は録音されています」というアナウンスが流れることがあります。

録音された通話内容はやりとりの証拠となり、社内教育やサービス向上に活かせるなど、企業側のメリットは多いです。

しかし、 相手側からすると「通話を無断で録音することは違法なのでは?」と感じる人もいる のではないでしょうか。

本記事ではコールセンターにおける通話録音のメリットや注意点、クレームへの対応法などを紹介します。

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電話の勝手な録音は違法ではない

コールセンターでの通話を相手の許可なく録音することは、違法ではありません。

録音の旨を伝えているかどうかにかかわらず、通話の録音は合法です。

そもそも通話において、相手は自分の意志で会話をしています。

自ら積極的に情報を開示しているといえるため、プライバシーの観点からしても問題とされないことが多いです。

ただし、通話の中で相手から得た情報を第三者に開示したり悪用したりすると、プライバシーの侵害や名誉棄損となる可能性があります。

社内で共有してビジネスに役立てたり、今後のやりとりに活かしたりするのであれば、通話を録音しても問題ありません。

加えて、録音は裁判における証拠としての能力も持ちます。

無断で行われた録音であっても、精神的・肉体的に拘束するといった反社会的に人格権を侵害する手段によるものでなければ、証拠能力を持つとされています。

そのため、証拠として相手の発言を録音したい場合は、録音している旨を伝えずに通話することもあるでしょう。

ただし、合法とはいえ知らない間に話が録音されることに不快感や不信感を持つ相手もいるかもしれません。

こうした リスクを回避するため、通常の通話であれば、最初に「この通話は録音されています」というアナウンスを流すコールセンターが多い です。

コールセンターで通話を録音する3つのメリット

コールセンターにおいて通話を録音することで、以下のメリットが期待できます。

  • 過去の通話を参考にした電話対応ができる
  • トラブル時に証拠として使える
  • 社内教育やサービス向上に活用できる

通話の録音データは、良質な電話の対応につなげられます。

加えて、 コールセンターにとっての貴重な情報にもなる でしょう。

過去の通話を参考にした電話対応ができる

コールセンターでインサイドセールスやアフターサポートを行う場合は、継続的にやりとりすることも珍しくありません。

そのため、通話を録音することで過去のやりとりを確認でき、 これまでの経緯を踏まえた応対ができる でしょう。

一度聞いたことを相手に何度も聞き直すと、「社内で情報が管理されていないのではないか」「どこにでも同じことを言っているのではないか」という不信感につながりかねません。

相手から得た情報を整理して、必要に応じて録音を聞きなおせる環境を作ることで、確認する時間や手間を省いて迅速な対応ができるでしょう。

トラブル時に証拠として使える

通話する中で、「言った」「言わない」というトラブルが発生することもあります。

言い分や認識が相手と食い違っている場合もあるでしょう。

通話内容を録音していれば 事実確認ができるため、トラブルのスムーズな解決につながります 

トラブルの原因となる証拠がなければ水掛け論となり、落としどころを見つけられない場合もあります。

誤った対応をすれば謝罪が必要になることも考えられるため、通話を録音することがおすすめです。

社内教育やサービス向上に活用できる

コールセンターのよくある課題の一つに、応対の品質がオペレーターごとに異なるという点があります。

コールセンター全体で 応対の質を均一化し、品質を向上するためには、経験の豊富なオペレーターの応対内容が役立ちます 

リアルな実際の通話を教育の材料とすることで、声のトーンや話す速さ、話の流れの作り方などを理解しやすくなるでしょう。

録音データは社内での共有もしやすく、取り扱いのしやすい形式でもあります。

教育の担当者が応対の録音を聞いて、良かった点を評価したりアドバイスをしたりといった使い方もできます。

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コールセンターでの通話録音と法律

コールセンターで通話を録音することについて、以下の点が気になるところです。

  • 通話の相手に無断で録音しても違法ではないのか
  • 個人情報の保護に関してどのような対策をすればいいか

以上の点について、 モラルの観点に加えて法律上の観点からも問題がないのかを押さえておくと安心です 

通話の相手に無断で録音しても違法ではないのか

相手の断りなしに録音することは、違法と認識している人もいるのではないでしょうか。

しかし、 無断での録音自体は罪に問われることではなく合法です 

「この通話は録音されています」というアナウンスも、本来は必要ありません。

ただし、実際は多くの企業が相手への配慮や情報収集の観点から、録音している旨を伝えて了承してもらう体裁をとっています。

個人情報の保護に関してどのような対策をすればいいか

コールセンター業務で個人とやりとりをする場合には、個人情報の取り扱いについて理解しておかなければなりません。

主な個人情報には、個人の身体や財産、属性などに関する以下のような情報があります。

  • 相手の氏名
  • 顔写真
  • 住所
  • 生年月日
  • メールアドレス
  • 勤務先の情報
  • クレジットカードの番号・銀行口座の番号
  • 含まれる個人情報によって個人を特定できる録音データ

情報単体で個人を特定できるもののほか、氏名などと組み合わせることで個人を特定できるようになるものも含まれます。

電話での通話内容によって個人を特定できるなら、通話の録音も個人情報に該当します。

こうした 個人情報は、「個人情報保護法」に準じた取り扱いをしなければなりません 

個人情報保護法には、以下の条文があります。

【個人情報の保護に関する法律】
(取得に際しての利用目的の通知等)
第十八条 個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。
出典:「個人情報の保護に関する法律」

つまり、取得した個人情報の利用目的を公表するか、相手に通知する必要があります。

通話を録音している旨を相手に伝える義務はありませんが、個人情報の利用目的は伝えなければなりません。

通話録音における「盗聴」と「秘密録音」の違い

盗聴は違法ではないものの、意味を誤解されがちな言葉です。

録音に関する言葉にはほかに「秘密録音」もあります。

 盗聴と秘密録音は異なるもの であり、それぞれ以下のように定義されています。

  • 第三者が無断で通話を録音するのが盗聴
  • 通話相手に断りなく録音するのが秘密録音

それぞれについて、詳しく紹介します。

第三者が無断で通話を録音するのが盗聴

盗聴とは、 話している当事者以外の第三者が無断で会話を録音すること です。

コールセンターの録音が盗聴されるのは、通話の相手でもコールセンターでもない第三者による場合といえます。

盗聴する行為自体は違法ではありません。

しかし、盗聴に伴う行為が罪に問われる可能性はあります。

例えば、盗聴器を仕掛けるために家に侵入したり他人の物品を壊したりする、盗聴した内容を他人に漏らすといった場合です。

通話相手に断りなく録音するのが秘密録音

通話を コールセンター側が無断で録音する行為は、盗聴ではなく「秘密録音」に該当します 

秘密録音も違法ではありません。

ただし盗聴と同様に、録音を第三者に漏えいすることは避けましょう。

相手はあくまでも自社のオペレーターと話をしているのであって、その内容を外部に漏らすことは想定していないはずです。

プライバシーの侵害や名誉棄損に該当する可能性も考えられます。

また、秘密録音が合法といっても、無断で録音していたことがあとから相手の知るところになれば、心証が悪くなるかもしれません。

良好な関係を継続するためには、録音する旨を伝えておく方が無難です。

コールセンターにおける通話録音の注意点


コールセンターにおける通話録音の注意点は、以下の2つです。

  • 相手に心理的な負担を与える可能性がある
  • 法令やガイドラインを守る

相手が録音されていると認識することで、 不安や警戒などの心理的負担を与えることがあります 

加えて、上で触れた個人情報保護法や、コールセンターにおけるガイドラインを守る必要があります。

相手に心理的な負担を与える可能性がある

通話を録音する旨を伝えることで、相手は以下のような不安を抱くこともあるでしょう。

  • 自分の発言が録音されて他人の手元に残ることに抵抗がある
  • 録音内容がどのように利用されるかわからない

通話に対してネガティブな感情を抱いたり、会話に心理的な負担を感じたりする可能性があります。

人によっては「録音されるのであれば話したくない」と、電話を切る可能性もあるでしょう。

通話録音をする際には、こうした点を意識することが大切です。

オペレーターは 相手の不安感をやわらげ、心理的ハードルを下げるような対応を心掛けましょう 

法令やガイドラインを守る

コールセンターでの通話録音は、主に以下の法律とガイドラインに準じて行いましょう。

  • 個人情報保護法
  • 一般社団法人日本コールセンター協会の「コールセンター業務倫理ガイドライン」

コールセンターのインサイドセールスやアフターサポートにおいては、録音する旨を最初に伝える必要があります。

ホームページなどに、電話の録音を行うことを記載してもいいでしょう。

録音する旨に加えて、録音データを利用する目的や用途、管理方法などに触れましょう。

相手から「録音を聞かせてほしい」と要求されたら、応じなければなりません。

法令やガイドラインに沿った対応によって、 自社のコンプライアンスを強化できます 

相手からの信頼を得て円滑なビジネスを行うために、個人情報保護法とガイドラインに従いましょう。

コールセンターでの録音でクレーム!対応方法は?

「自分が話した内容を録音されたくない」という人もいるでしょう。

そのため、 録音していることに対するクレームが入る可能性もゼロではありません 

通話の録音に関するクレームには、以下の方法で対応するといいでしょう。

  • 録音の目的を改めて伝える
  • 録音をやめなくても問題はない
  • 理不尽なクレームには毅然とした対応をする

一つずつ解説します。

録音の目的を改めて伝える

通話の録音が嫌われる理由の一つに、「なぜ録音されるかわからない」という不安が考えられます。

取引の開始から日が浅い場合や、まだ十分な信頼関係が築けていない場合は、相手が不安に思うことも無理はないでしょう。

「挙げ足をとって強めに営業してくるのではないか」「情報が悪用されないか」という警戒心を抱いている可能性もあります。

こうした状態を解消するためには、録音の目的を改めて伝え、目的以外に利用しないことを理解してもらうことが必要です。

「誤解のないコミュニケーションを行いたい」といった、相手にもメリットのある点をわかりやすく伝えると、納得してもらいやすくなるでしょう。

録音データの管理方法や具体的な用途を伝えることも一つの方法です。

もちろん、すぐに納得してもらうことは難しいかもしれません。

しかし、 やりとりをする中で心を開いてもらい、協力してもらえる可能性はある でしょう。

良好な関係を築くには時間がかかりますが、根気強くアプローチして信頼を獲得しましょう。

録音をやめなくても問題はない

通話の録音は違法ではないため、相手が拒否をした場合に録音し続けても法律上問題はありません。

ただし、相手との関係の構築に影響する可能性はあります。

特定の相手のみ通話を録音しないという対応は、イレギュラーなためできれば避けたいものです。

いざというときに事実確認ができないなど、録音を残さないことによるリスクも少なからずあります。

納得してもらうことが難しければ、 取引の継続を考え直すことも、長期的に見ると必要な選択肢かもしれません 

理不尽なクレームには毅然とした対応をする

録音に関するクレームが客観的に見て理不尽なものであれば、毅然とした態度で対応しましょう。

簡単に自社の落ち度として謝罪すると、その場しのぎにはなるかもしれませんが、後々のためにはなりません。

理不尽な要求や言い分が エスカレートすることも十分に考えられます 

オペレーターの負担も大きく、イレギュラーな対応に時間をとられて、本来の業務が圧迫される可能性も高いです。

あらかじめ録音を含むクレームを想定し、どのように対応するかを決めて共有しましょう。

必要に応じて上司の判断を仰ぐなど、臨機応変な判断も必要です。

通話録音できるシステムはクラウドPBXがおすすめ


通話を録音するには、ITツールやシステムについて導入の検討が必要です。

おすすめしたいのは、 クラウドPBXのシステムです 

PBXとは、複数の電話機を接続することで、外線を他の人にとり次いだり、通話を録音したりできます。

クラウドPBXはインターネット回線を用いており、固定電話のように機器を設置することが不要です。

クラウドPBXによって内線をインターネット回線でつなぐことで、通信費用もお得になります。

通話録音できるシステムとして、クラウドPBXを検討しましょう。

トラブルを防ぐため通話録音機能があるクラウドPBXを導入しよう

通話の 録音そのものは、違法ではありません 

ただし、録音したデータの漏えい防止や適切な管理をするよう注意が必要です。

録音したデータを適切に取り扱うことで、やりとりの証拠やサービス向上のための有用な教材となります。

クラウドPBXは通話を録音できる上に、工事不要でスピーディーに導入できるので、ぜひ活用を検討してください。

なかでも、インバウンドコールに役立つ機能を多く搭載したOSORAがおすすめです。

各種ビジネスツールと連携して情報を管理したり、コール状況をリアルタイムで確認したりできます。

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