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2022.11.15更新

仕事で個人携帯を使いたくない理由とは?リスクや対策方法も解説

テレワークや在宅ワークも普及し、おのおので社用携帯を所持することの必要性が高まっています。

会社からスマホが供給されている場合もあれば、自身のスマホをやむを得ず使用している場合もあります。

個人携帯を社用としても使わざるを得ない社員の中には、 「自分のプライベート携帯を仕事で使いたくない」と感じる人も多い ようです。

今回は個人携帯を仕事で使うことのリスクや、社員が好ましく思わない理由を解説します。

また、個人携帯を安全に仕事で活用する方法についても紹介します。

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仕事で個人携帯の使用が広がる背景

仕事で 個人携帯の使用が広がる理由
これまでも、社用携帯を会社が供給することはよくあることでしたが、主に営業職のように外勤や出張が多い社員にのみ提供しているというケースも多かったでしょう。

社員全員に配ると経費がかさんでしまうことはもちろん、そもそもほとんど内勤しかしない社員には、社用携帯の必要性が低いといった理由が上げられます。

しかしながら、近年では働き方改革を推進している企業も増え、テレワークや在宅勤務も一般的になってきました。

これまで内勤メインで働いていた社員も、自宅などオフィス以外で業務をおこなうケースが増えてきたのです。

これに伴い、 社員一人ひとりの個人携帯の必要性が高まってきた と言えるでしょう。
これまで配布していなかった社員にとっても社用携帯の存在が欠かせなくなっています。

働き方の変化に合わせて、社用携帯を提供している企業であれば問題はありませんが、急な変化に対応しきれず、社員一人ひとりの個人携帯に頼ってしまっているというケースも少なくありません。

個人携帯のビジネス利用においては、 社員・企業どちらにとっても安全に活用できるよう、ルールや仕組みを構築しなければなりません。 

とりあえず社員の携帯をなんとなく使ってもらっているというケースにはリスクがあり、早急な対応が求められます。

社員が個人携帯を仕事で使いたくない理由

社員が個人携帯を仕事で使いたくない理由
一見、「一つのデバイスで済むのだから楽では?」と考えてしまいがちですが、個人のプライベート携帯をビジネスで使用することを嫌がる社員も多くいます。

社員が敬遠する理由を理解し、しっかりとした対策や対応を講じましょう。

プライベートと混同するから

プライベートと仕事で携帯を共有してしまうと、すべての情報がスマホ内で混在してしまいます。

電話帳や写真、資料などといったデータを完全に区分することは難しく、整理することに手間もかかります。

アプリによっては、二つのアカウントを同時に持つことが難しい場合もあり得ます。
このように、 一台の端末では、プライベートと仕事を完全には区分できません。 

うっかり仕事相手にプライベートな内容を送信してしまったというミスは致命的です。
このような不用意なトラブルが発生しないよう、そもそもデバイスを分けて管理したいという考えは少なくありません。

個人情報をビジネス相手に教えたくないから

個人携帯をビジネスで使用していると、どうしても取引先や業者などビジネスでしか繋がりのない相手にも、個人的な情報を伝えざるを得ません。

そもそも社内の人にも、個人的な電話番号やメールアドレスを共有したくないという考えの人も少なくないでしょう。

付き合いの深さに関係なく 個人情報を提供しなければならないことに、不安や恐怖を感じてしまう ことは大いにあり得ます。
中には、プライベートな付き合いを強要されてしまうことを恐れる人もいます。

電話番号やメールアドレスのような個人情報は、使い慣れているとなかなか変更が難しいこともあり、むやみに教えたくないという心理は当然と言えるでしょう。

情報漏洩の危険性があるから

プライベートと仕事が混同しがちであることから、誤って重要な情報を社外に漏洩させてしまう危険性も考えられます。

ビジネスのときだけでなく、プライベートな場面にも持ち出されるため、 盗難や紛失のリスクも高まります。 

ビジネスでやりとりする情報は機密情報や社外秘の情報なども、たくさんあるでしょう。

誤って紛失したり、盗難されてしまったりすると、個人の問題だけでは済みません。

社用とプライベートを一台で済ます代わりに、どんなときでも社員は必要以上の緊張感を強いられることになります。

通話料や通信料がかかるから

仕事で携帯を使うとなると、当然通話料や通信料がかかります。
しかしながら、 合算された料金をビジネス分・プライベート分と切り分けることが難しく、いくらが経費になっているのかが見えにくい という現実があります。

会社側からある程度多めに通話料や通信料の費用が提供されていれば問題はないかもしれませんが、想定よりも少なかったり、経費として提供されていなかったりすると、社員の不満は高まります。

やむを得ず使用しているにもかかわらず、経費も貰えないとなると社員は納得できません。

少なからず、費用の問題はきちんとクリアにした上で、個人携帯の使用を促すべきでしょう。

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仕事で個人携帯を使うリスク


ビジネスにおける個人携帯の使用は、社員が嫌がるだけでなく、会社側が大きなリスクを抱えているとも言えます。

「経費がかからないから良い」と安易に考えていると、思わぬトラブルに見舞われてしまう場合があります。

どのようなリスクがあるのか理解し、予め対策を検討する必要があるでしょう。

セキュリティ管理が行き届かない

個人携帯を使用していると、そのデバイスにおけるセキュリティを統制できません。
デバイス自体のセキュリティ対策はもちろん、デバイスの取り扱いについても完全に統制することは難しいでしょう。

社用で提供している携帯であれば、万が一の際にはデータを一括消去するなどの対策がとれますが、個人携帯ではこのような対応が取れず、 非常事態でも重要な情報が無防備になってしまいます。 

端末の管理も個人任せになってしまうため、管理が甘い社員がいても統制できません。
会社側の目の届かないところで情報がやり取りされる状態が日常化してしまいます。

バックアップが取れない

個人携帯では、会社側で定期的なバックアップを取ることが難しいでしょう。
仮に定期的なバックアップを義務付けていたとしても、それが完全に守られるとは限りません。

また、最後のバックアップから時間が空いてしまうと、 保管し切れていない情報が存在する時間もあり、その間に紛失や盗難に遭うといった可能性もある でしょう。

社用携帯であれば、自動的にバックアップを取るなどシステム化して情報を守れます。

個人携帯では、セキュリティや情報管理の面で、どうしても甘さや緩みが出てしまうと言えるでしょう。

社員の個人的なトラブルに巻き込まれる

会社の管理に問題がなかったとしても、プライベートでも利用している携帯では、社員個人のトラブルに巻き込まれてしまう場合も考えられます。

社員個人が恨みを買ってしまっている場合や、ストーカー被害に遭っている場合など、思わぬ理由で情報が漏洩してしまうリスクが高まります。

また、ビジネス相手が社員の個人番号に執拗に連絡をしたり、プライベートな付き合いを迫ったりといった可能性も否定しきれません。

プライベートを共有している携帯では、仮に被害者である従業員でも、的確に対処しきれず、 結果的に情報が漏洩してしまったり、思わぬ人間関係のトラブルに巻き込まれてしまったりする ことが考えられます。

個々によりデバイススペックの差が激しい

社員一人ひとりが持っているデバイスでは、それぞれ端末のスペックや仕様も異なります。

ソフトのバージョンが異なることもあり、「資料が開けない」「文字化けが起こってしまう」といったトラブルが発生していることもあるでしょう。

個人の携帯であるため、これを解消することが難しく、 潜在的な業務非効率に陥っている可能性 もあり得ます。

それぞれデバイスやシステムに対する知識もまちまちであり、トラブルを解決できる能力にも差異があると言えるでしょう。

些細なように見えて、スムーズな業務進行を妨げる大きな要因となっているかもしれません。

仕事で個人携帯を安全に使う方法


ビジネスにおける個人携帯の使用は、リスクや危険性もはらんでいますが、なかなかすぐに社用携帯を用意できない企業もあります。

どうしても個人携帯を使わざるを得ない場合には、リスクを回避するためにどのような対応策を取るべきなのでしょうか。

BYODを導入する

「BYOD」とは、Bring Your Own Deviceの略で、 従業員が個人的に所有しているスマートフォンやPC、タブレットなどのデバイスを使用すること を指します。

海外では、BYODの普及が広まっており、同時に適切に業務利用をおこなうためのガイドラインの制定や管理の徹底が進んでいます。

BYODを導入するにあたっては、以下のような対策をとることが推奨されます。

  • 利用範囲をガイドラインや誓約書で定義する
  • 端末制御ツールをダウンロードさせる
  • リモートアクセス機能を導入する
  • 本人認証機能を採用する

主に紛失・盗難時のセキュリティ対策や、使用範囲の制限などが挙げられます。
なんとなく個人携帯を使用させるのではなく、このようなガイドラインや対策を一緒に設けることで、企業と従業員が安心してBYODを導入できるようになるでしょう。

クラウドPBXを利用する

クラウドPBXとは、サーバー上に管理されているPBXで、インターネット回線を利用して電話ができるITサービスです。

クラウドPBXを使うことで、携帯電話でも会社の電話番号を使用できたり、内線を利用できたりします。

このクラウドPBXは、スマホのアプリを通じて管理されているため、 1台のデバイスでもプライベートと仕事を分けて管理しやすくなります。 

会社の電話番号を利用できるため、従業員の個人番号を使う必要もありません。
コミュニケーションツールや会議システムが搭載されているものもあり、社員が個人的にLINEやGoogleなどをビジネス利用せずに済みます。

クラウドPBXのアプリは、会社側でも制御できるため、情報管理の面でも対策を講じやすくなるでしょう。

ビジネス用コミュニケーションツールの使用を徹底する

LINEなど、個人的な利用が普及しているツールで社用の連絡をおこなうと、相手先が混在してしまい誤送信を招き、ひいては情報漏洩にもつながります。

従業員としても、プライベートと仕事を切り替えにくく、不便を感じる人も少なくないでしょう。

しっかりと公私を区別して、情報漏洩やご送信のリスクを防ぐために、SlackやChatworkなどのビジネスコミュニケーションツールを活用しましょう。

日常的なテキストやファイルのやり取りを始め、音声通話やビデオ会議なども 一括してビジネス用のコミュニケーションツールを介しておこなうことで、公私の混同を防げます。 

有料版を使用することで、より高いセキュリティや利便性の向上も見込めます。
ビジネスのライフラインとも言えるコミュニケーションツールには、多少の費用の捻出も検討すべきと言えるでしょう。

利用料金を会社側が負担する仕組みを作る

プライベート携帯をビジネス利用することにおける大きな従業員の懸念点の一つが、費用の問題です。

明確に使用量を区分しにくい通話料や通信料においては、「なんだかんだ自己負担をしなくてはならないのでは」と心配している従業員も少なくありません。

さまざまなリスクや懸念を抱えながらプライベート携帯をビジネス利用している場合、費用負担まで強いられては、従業員は納得できないでしょう。
会社に対する不信感や不満を増幅させかねません。

健全なBYODを推進するのであれば、 費用面をクリアに しなくてはなりません。
あらかじめアプリなどで使用量や料金を計測できるシステムを導入したり、きちんと経費として提供する仕組みを構築したりといった対処法を用意しておく必要があります。

仕事で個人携帯を使いたくない人も多いため安心できる対策を

仕事で個人携帯を使いたくない人も多いため安心できる対策を
何の対策も仕組みも確立されていない中、自身の個人情報が詰まっている個人携帯をビジネス利用することに不安を感じる従業員も少なくありません。

会社にとっても、機密情報の流出を始めとした予期せぬトラブルに巻き込まれてしまうリスクがあります。

情報漏洩は個人や会社だけの問題ではなく、 最悪の場合、顧客や取引先にも影響し、会社の経営を脅かす事態にもなりかねません。 

費用の節約だけのために、従業員に個人携帯の使用をむやみに強いることは危険です。

本来、ビジネス利用のための携帯を配布することが望ましいですが、それが難しい場合には適切な準備と仕組みを確立した上で、BYODを推進しましょう。

BYOD自体は、海外でも普及し始めていることであり、一概に悪いことではありません。

正しい知識と、企業・従業員の両者が安心・安全にコミュニケーションが取れる環境を整えておけば、むしろ有用な方法と言える場合もあります。

BYODの導入か会社携帯の配布か、メリット・デメリットや費用面も考慮しながら、自社に合ったコミュニケーション環境の整備を検討しましょう。

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CTI導入時に見るべきポイント