2024.11.15
CTIとCRMとは?コールセンターで連携させれば相乗効果を発揮
コールセンターでよく活用されるシステムに「CTI」と「CRM」があります。
似たような名称なので混同しがちですが、機能や目的は異なります。
それぞれ機能や目的が異なるCTIとCRMですが、連携させればより大きな効果が得られ、コールセンター業務の効率的な運営が可能です。
本記事では CTIとCRMについて解説し、コールセンターでの活用のメリット を紹介します。
さらに連携のメリットと、システムの選び方のポイントを解説します。
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目次
CTIとCRMの違いは?
まずは、CTIとCRMの機能をそれぞれ解説します。
CTIは電話とコンピューターを統合したシステムで、CRMには顧客と企業間の関係においてマネジメントを助ける機能が備えられています。
各システムの機能に触れた上で、両者の違いを見ていきましょう。
CTIとは
CTIは「Computer Telephony Integration」の頭文字の略語で、電話とコンピューターを統合したシステムを指します。
電話やファクスなどの電話回線と、コンピューターネットワークをつないで管理します。
コールセンター運営に便利な通話の支援機能があり、特に実務面において強いサポート能力 を発揮できるのがCTIです。電話とコンピューターの連携性が高められれば、顧客対応や営業活動の効率化に寄与します。
CTIには主に、以下のような機能があります。
名称 | 機能内容 |
ACD(制御) | かかってきた外線の着信を一定のルールに従って自動でオペレータへ割り振る機能 オペレーターのスキルや稼働状況に応じて、振り分けを実行 |
IVR(自動音声応答) | 顧客からの電話を自動ガイダンスによって該当のオペレーターへつないだり、待機時間にアナウンスを流したりする機能 |
自動録音 | 通話の内容を録音できる機能 クレーム対策に有効で、ノウハウを蓄積すれば新人教育にも活用可能 |
以上のようにCTIは、電話とコンピューターを統合したシステムで、コールセンターの実務面に強みを持ちます。
CRMとは
CRMは、「Customer Relationship Management」の頭文字の略語です。
顧客と企業間の関係の管理マネジメント手法と、マネジメントを助けるシステムを指します。
情報の正確な管理分析によって、マーケティングや販売に活用可能です。
また、既存顧客が離れることを防止し、リピーターを増やす効果も見込めます。
CRMシステムは顧客情報の管理に始まりデータ管理からマーケティング分析まで、すべての自動化が可能です。
主な機能には以下のものがあります。
名称 | 機能内容 |
顧客情報管理 | 現在の進捗などの必要な情報を一目で把握できる機能 |
案件管理 | 必要な情報を紐付けて管理できる機能 |
商談管理 | 商談の進捗状況が分かる機能 |
顧客情報分析 | 蓄積された顧客や案件、商談などのデータや基幹システムの売上の解析ができる機能 |
CTIとCRMの違い
CTIとCRMの機能をそれぞれ見てきました。
簡単にまとめて、違いを見ていきましょう。
CTIの目的は「業務効率化、コスト削減」であり、実務において強い支援能力を発揮します。
一方、CRMの目的は「応対品質や顧客満足度の向上」です。
顧客に寄り添った機能提供に重点を置いています。
システム | 目的 |
CTI | 電話業務の効率化 |
CRM | 顧客満足度の向上 |
目的は異なりますが、 連携させることでより大きな効果を発揮 します。
連携の具体的な効果は後の項目で詳しく解説します。
CTIをコールセンターに導入する3つのメリット
CTIとCRMをコールセンターへ導入すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
まずは、CTIをコールセンターへ導入することで得られるメリットを解説します。
- 作業の効率化による経費削減
- 架電状況や成果の可視化
- 録音が可能
上記のメリットを理解して、CRMと比較しましょう。
作業の効率化による経費削減
メリットの1つ目は、オペレーターの電話業務の作業を効率化できる点です。
作業を効率化できれば、日々発生するさまざまな経費を削減できるでしょう。
例えば以下のようなことが可能です。
項目 | 内容 |
オペレーターの業務の負担の軽減 | 架電先をいちいちダイヤルする必要がなく、自動でコールできる |
個人差のばらつきの解消 | 自動振り分け(ACD)機能で一人のオペレーターに偏ることなくコールセンターを運営できる |
架電率向上 | 複数の回線で発信でき、着信したものからオペレーターが応答できる |
コールセンターでは、応答率や稼働率をいかに高めるかが重要な課題です。
そのために、作業の効率化は欠かせません。
電話代は、電話番号により通話料の安いプロバイダーを選択できる機能があります。
オペレーターの業務の効率化が進めば、少ない人数でも業務を回せるようになるため人件費を削減できます。
架電状況や成果の可視化
CTIを導入する2つ目のメリットは、架電状況や成果の可視化です。
可視化はオペレーターにとっても管理者にとっても、業務の効率化 に役立ちます。
例えば、電話を効率的にかけるためには、架電先を絞り込む必要があります。
闇雲に架電先リストの上から順番に電話をしていては、限られた時間内で成果が上がらなくなってしまうかもしれません。
架電状況を記録として残しておけば、見込みの高い人へ優先的に電話がかけられます。
また、管理者はオペレーターの成果状況を監督する重要な業務があります。
人材の適切な配置や、必要な業務の把握などを可視化することによって、成果が現れているか確認できるでしょう。
架電状況や成果が可視化されれば、オペレーターも管理者も業務の効率化に役立てられます。
録音が可能
3つ目のメリットは通話を録音できる点です。
録音ができるようになれば、 トラブルの防止や、新人の育成などに役立ちます。
トラブル防止についてはクレーマー対策や言った・言わないの認識のズレなどの防止に有効です。
「通話を録音します」とあらかじめ断っておくと、クレーマー対策に有効でしょう。
通話中には言った・言わないの認識のズレ、会話のすれ違いはどうしても発生してしまいます。
もしもの時のために録音をしておけば、後で確認が可能です。
管理者もどのようにやり取りされているかを正確に把握できるでしょう。
また、新人育成については優れた応対の記録を集めた対応ノウハウの構築や、オペレーター育成プログラムの教材作成に活用が可能です。
録音して残しておけば、熟練のオペレーターの技術がわかったり、優れた応対記録を共有できたりするでしょう。
また、録音データをチェックし、言葉遣いが適切であったか、質問に的確に回答していたかなども具体的に後で検証できます。
以上のように、録音ができるとトラブル防止や新人育成などに活用できるメリットがあります。
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CRMをコールセンターに導入するメリット
続いて、CRMをコールセンターへ導入することで得られるメリットを解説します。
- 顧客の価値向上
- 顧客情報の可視化
- 録音が可能
上記のメリットについて、一つひとつ確認しましょう。
顧客の価値向上
CRM導入のメリットの1つ目は、顧客の満足度や価値が向上する点です。
顧客価値が向上するのは、たらい回しにされ同じ内容を何度も繰り返すことが無くなるからです。
CRMの導入によりリアルタイムでコールセンターにおける顧客の情報を共有できます。
電話番号から顧客情報を一元管理できるので、購入履歴や問い合わせ内容、これまでの担当オペレーターなどの情報を瞬時に参照し確認できます。
顧客情報の可視化
メリットの2つ目は、顧客情報の可視化です。
顧客情報を正しく整理し、一目でわかるように可視化すれば営業活動を最適化できます。
コールセンターへは日々、多くの問い合わせや生の声が届き、貴重なデータとなるでしょう。
コールセンターに寄せられたクレームやお客様の声を登録すれば、今後の商品開発やマーケティング戦略へ活かせます 。自社の商品やサービスにヒントを与えるでしょう。
データが膨大になれば分析は難しくなります。
多くのCRMシステムは分析機能やレポート機能があるので、簡単な操作で多角的な分析が可能です。
リピーターの獲得
CRMの導入はリピーターの獲得に貢献します。
リピーターの獲得には、顧客の満足度を維持させ、良好な関係の構築が大切です。
CRMは顧客の管理や分析が容易にできます。
長い期間での価値を最適化し、顧客の選択や管理を踏まえた経営戦略 を立てられます。
もっとお客様を知ることで、リピーターの獲得につなげられるでしょう。
オペレーターの負荷の軽減
顧客側だけでなく、オペレーターや管理者側にもメリットがあります。
オペレーターの対応ミス防止や、精神的な負担の軽減 になるからです。
顧客対応のミスには、問い合わせの対応漏れや重複対応などがあります。
CRMの導入で、ミスを未然に防ぐことが可能です。
また、オペレーターにとって複雑な問い合わせ対応や、クレーム対応は精神的に大きな負担です。
例えば、顧客情報を参照して過去の履歴から、クレームになりそうな人からの入電は上席者が対応するということも可能です。
複雑な対応やクレーム対応が少なくなれば、ストレス軽減に役立つでしょう。
CTIとCRMを連携させるメリット3つ
コールセンターで電話業務の効率化だけが目的であれば、CTIシステムのみの導入で良いかもしれません。
しかし、CTIとCRMはそれぞれ個別で利用できますが、連携させるとより高い相乗効果を発揮します。
コールセンターの業務効率化に特化したCTIと顧客満足度の向上のためのCRM、それぞれの特徴を活かします。
CTIとCRMの連携で得られるメリットを3つ詳しく解説します。
カスタマー満足度の向上
リピーターを増やしロイヤルカスタマー(お得意様)にまで育てるために、CTIとCRMの連携が役立ちます。
リピーターやロイヤルカスタマーを増やすためには、カスタマー満足度を上げることが欠かせません。
顧客情報をオペレーターが確認できれば、迅速で的確な対応が可能となります。
例えば、すでに対応履歴のあるオペレーターであれば、話がしやすいので優先的に割り当てられます。
また、顧客の購入履歴を参照し、それをもとに会話をして適切な商品やサービスの提案ができるといったこともできるでしょう。
過去のやりとりの記録を活かして、リピーターやロイヤルカスタマーを増やすためのカスタマー満足度の向上 に役立てられます。顧客への適切なタイミングでのアプローチ
適切なタイミングでのアプローチは、顧客をつなぎ止めておく重要な要素です。
タイミングが適切でないと、企業からの電話を煩わしく感じてしまう 可能性が高いからです。
何度も同じ企業から電話がかかってくると、迷惑だと感じるでしょう。
電話を迷惑と感じれば、企業自体に対して不信感を抱いてしまうかもしれません。
CTIとCRMの連携で、顧客との通話履歴をリアルタイムで共有できます。
社内でバッティングし、アプローチを何度も同じ人へしてしまう事態が避けられます。
顧客へ適切なタイミングでアプローチできるようになるでしょう。
オペレーターの品質向上
CTIとCRMの連携で、オペレーターの品質の向上が見込めます。
電話応対の前に、または応対中に即座に顧客情報を得られるからです。
CRMに蓄積されたデータと、CTIの画面へのポップアップ表示機能の連携です。
つまり、かかってきた電話の顧客情報が対応オペレーターの端末の画面上にポップアップで表示されます。
オペレーターはあらかじめ、相手の情報を把握してから応対を開始できます。
情報を得られた上での対応は大きく変わる でしょう。
電話の相手が誰であり、どのような状況なのかわからないまま対応するより、前情報として顧客履歴を確認できれば心構えができます。
該当の顧客との前回のやりとりの内容をあらかじめ把握できれば、電話に出た後にスムーズに本題へ移れるでしょう。
事前に顧客情報がわかれば、スムーズな応対につながりオペレーターの品質が向上します。
CTIやCRMシステムを選ぶときのポイント
続いて、CTIやCRMのコールセンターシステムを選ぶときのポイントを解説します。
- 導入形態
- 機能
- CTIとCRMのシステム連携
- セキュリティやサポート
CTIやCRMシステムを選ぶ際は、上記4つのポイントを考慮しましょう。
詳しく解説します。
導入形態
導入形態には、オンプレミス型とクラウド型があります。
オンプレミス型は自社内にサーバーを構築し、システムを導入するタイプです。
初期費用やサーバーの管理費用がかかりますが、セキュリティは高くなります。
複数の拠点があったり部署数が多かったりなど、社内ネットワークが複雑な企業におすすめです。
一方のクラウド型はインターネットを経由し、ネットワーク上のサーバーやシステムを利用するタイプです。
導入スピードが速く、社内サーバーなどハードウェアの準備が不要で初期費用を安く抑えられる点が特徴です。
一年の中で繁忙期や閑散期があり、顧客数の流動が激しい企業におすすめです。
コールセンターの形態や規模に応じて導入形態 を選びましょう。機能
数あるシステムの中から最適なものを選ぶためには、自社が抱える課題を解決できる機能が備わっているかをポイントとしましょう。
コールセンターは主に、アウトバウンドとインバウンドに分けられます。
アウトバウンドは、顧客へ電話発信を主とする業務です。
インバウンドは、顧客から連絡を受け取る受電を主とした業務です。
アウトバウンド対応が多いコールセンターであれば、オートコールやプレディクティブコールなど自動で架電できる機能があると良いでしょう。
インバウンド対応の多いコールセンターは、IVRやポップアップ機能などがあるものがおすすめです。
課題解決に必要な機能は異なるので、自社の課題を明確 にしておきましょう。CTIとCRMのシステム連携
本記事で解説したように、 CTIとCRMを連携できる機能 がおすすめです。
すでにCTIもしくはCRMが自社に導入されている場合は、既存システムと連携できるか確認しておきましょう。
そこでおすすめなのがアウトバウンド型コールセンターシステムの「List Navigator.」です。
List Navigator.は、クラウド型のアウトバウンド向けサービスです。
インバウンド型であれば「OSORA」はいかがでしょうか。
OSORAもクラウド型のサービスです。
セキュリティやサポート
システムの導入直後は、さまざまな不明点が出てきます。
使い方がわからなかったり不具合が生じたりなど、トラブルに遭遇した際に迅速に対応してもらえるサポートがあると良いでしょう。
また、コールセンターシステムは個人情報や企業情報など多くの機密情報を扱います。
ネットワークの暗号化やアクセス管理など、セキュリティ対策がしっかりしているかも重要なポイントです。
CTIとCRMのメリットを活かして連携させよう
CTIとCRMはどちらもコールセンターでよく用いられるシステムです。
それぞれの機能の特徴を活かし、連携させれば大きな相乗効果を発揮します。コールセンター業務を自社で行いたい場合には、Scene Liveが提供しているインバウンド向けコールセンターシステムの「OSORA」と、アウトバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」の導入をご検討ください。
両製品とも機能が充実しており、コールセンターの業務効率化に役立ちます。
Scene Liveの製品は累計2,400社の導入実績を記録し、多くの企業でご利用いただいている信頼性の高いシステムです。
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