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2022.06.27更新

コールセンターのBPOとアウトソーシングの違い|BPO化のメリットも解説

コールセンター業務において、UX(ユーザーエクスペリエンス)や顧客満足度を向上させたい場合、オペレーターを育成するための時間や人員のほか、ツールなどを用いてあらゆる施策を講じる必要があります。そこで検討したいのがBPOです。

本記事では、コールセンターにおけるBPOの意味やアウトソーシングとの違い、BPO化するメリット・デメリットについて解説します。コールセンター業務における顧客満足度の向上や業務改善を目指しているのであれば、ぜひ参考にしてください。

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コールセンターのBPOとは


コールセンターにおけるBPO(Business Process Outsourcing)とは、コールセンター業務のなかで、一連の行程となっている業務をサービスプロバイダーなどに外部委託することです。単純に電話対応業務だけを依頼するものではなく、電話対応の前後に発生する業務を含めて委託することを指します。

例えば、企業間取引を行うBtoB企業において、新規開拓営業を行う場合を例にみていきましょう。営業活動は、以下のステップで行うことが考えられます。

  1. 見込み客(企業)のデータ収集と、それに基づいた広告内容の企画・検討
  2. 案内状の送付
  3. 送付後の電話フォロー(届いたか、興味はあるかなど)
  4. 興味ありの顧客に電話と対面で説明を実施
  5. 自社サービスに関する問い合わせ窓口の設置

上記の行程においてBPOを取り入れる場合、すべての行程を委託することもできれば、1~3・3~5などのいずれかの行程を委託することも可能です。
ただ、基本的には一連の業務をシームレスに行える状態が理想的です。そのため、複数の業務を複数の委託先にお願いするよりも、特定の1社に一貫して委託するほうが、業務の効率化が図れるといわれています。

コールセンターにおけるアウトソーシング

BPOによく似た言葉に「アウトソーシング」があります。コールセンターにおけるアウトソーシングとは、コールセンター業務の一部を外部委託することです。

コールセンターにおける顧客との接触手段は、近年では電話だけではなく、メールやSNSなどを含めたさまざまなチャネルが存在します。こうした、電話・メール・SNSを含めた「顧客との接点を持つ業務」のみを外部委託する際は、アウトソーシングと呼びます。

コールセンターにおけるBPOとアウトソーシングの違い

BPOとアウトソーシングの違いは、委託する業務が「付随する業務を含めた一連の流れ」なのか「単体」なのかによります。
既出の「新規開拓営業を行う場合」の例を参考に、解説します。

  1. 見込み客(企業)のデータ収集と、それに基づいた広告内容の企画・検討
  2. 案内状の送付
  3. 送付後の電話フォロー(届いたか、興味はあるかなど)
  4. 興味ありの顧客に電話と対面で説明を実施
  5. 自社サービスに関する問い合わせ窓口の設置

上記のうち、例えば3と5のみの業務を外部委託する場合は、アウトソーシングといいます。一方で、1~5のすべての業務、もしくは1~3・3~5など、前後を含めた業務を外部委託することをBPOといいます。

コールセンターをBPO化するメリット


コールセンターをBPO化して得られるメリットには、以下のものがあります。

  • コストを削減できる
  • 業務効率化が図れる
  • 人材の確保がしやすい

いずれもコールセンターをBPO化する主な理由として挙げられるものばかりです。

コストを削減できる

コールセンター業務を丸ごと委託することができるため、コールセンターの設置費用や人件費を大幅に削減することができます。設備投資や採用活動などでかさむ出費もなくなるため、コスト削減を考えているなら大きなメリットといえるでしょう。
ただ、あくまでも外部委託のため、委託先に支払う費用は月単位・年単位で発生します。とはいえ、長期的にみれば大幅な節約になるでしょう。

業務効率化が図れる

コールセンター業務を行うには、設備を整えるだけではなく、その設備を保守・管理する必要があります。BPO化することで、そうした保守・管理をする必要がなくなるほか、オペレーターの人員整理などの手間も省け、その分の業務量を大幅に削減することができます。

また、コールセンター業務をBPO化することで、それまでコールセンターの人材育成に割いていた時間も削減可能になります。このように、現場側も管理職側も業務効率化が期待できるのです。

人材の確保がしやすい

人材を確保すること自体は難しいことではなく、採用活動を行うことで対応できます。
しかし、採用した人材に行う研修や未経験者へのフォロー体制を整えるといった育成に、時間がかかってしまうことも珍しくありません。

BPO化することで、人材育成に時間を取られることなくコールセンターを開設(委託)できるため、人材確保に困ることも少なくなります。未経験者では心もとないなどの理由でコールセンターが開設できない場合は、経験者がそろっている委託先を見つけてBPO化することを検討してみましょう。

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コールセンターをBPO化するデメリット


メリットがある反面、コールセンターのBPO化には次のようなデメリットも存在します。

  • 自社でノウハウが蓄積されにくい
  • 情報漏えいのリスクがある

どちらも外部に委託するために発生するデメリットです。業務効率化やコスト削減も大切ですが、この2点はしっかりと念頭において、BPO化を検討するようにしてください。

自社でノウハウが蓄積されにくい

コールセンター業務を外部委託すると、自社にそのノウハウが蓄積されにくくなります。将来的には自社でコールセンターを設置したいと思っていても、開設に必要なノウハウやシステムが無く、一から設備や人材を整えていくしかなくなります。
外部の人材を入れるなどしなければ、自社でコールセンター業務を開設するのは難しくなるでしょう。

また、オペレーターやSV(スーパーバイザー)といった、コールセンター業務に欠かせない人材も採用しなければなりません。自社にノウハウが蓄積されていないと、研修体制を整える時間も必要となり、開設までに想定以上の時間がかかる可能性もあることを覚えておきましょう。

情報漏えいのリスクがある

もうひとつのデメリットが、情報漏えいのリスクです。外部委託をする以上、委託先の人が電話対応を行うことになります。自社のコンプライアンスやセキュリティがどれだけしっかりしていても、委託先までは網羅できないので、このリスクだけは避けることが難しいです。

ただ、解決策としては、BPO化の際に自社のコンプライアンスの徹底を委託先にも依頼する方法があります。もちろん最終的には委託先の管理体制にゆだねられてしまいますが、何もしないよりは良い方法といえるでしょう。100%情報漏えいのリスクが回避できるわけではないため、その点も慎重になるべきポイントです。

コールセンターのBPO化を検討する際のポイント


コールセンターのBPO化を検討する際には、以下の手順で進めましょう。

  1. 自社の業務はインバウンド業務かアウトバウンド業務かを確認する
  2. 予算や実績を比較・検討する
  3. 応対品質やセキュリティ体制を確認する
  4. コンタクトセンターとしてBPO化できるか

4の「コンタクトセンターとしてBPO化できるか」については、複数のチャネルを保有したい場合に検討する項目です。必須ではないものの、顧客との連絡手段が電話よりもメールやSNSにシフトしていることを考えると、検討する価値はあります。

業務を内製化するコールセンターが増えてきているものの、BPOやアウトソーシングで対応する会社も多数存在します。内製化するか外注するか悩んでいる方は、「コールセンターは内製化するべき?メリット・デメリットや外注との違いを解説」もあわせてご確認ください。

まとめ

コールセンターの内製化が進んでいる一方で、BPOやアウトソーシングという形でコールセンター業務を行う会社も数多く存在します。外部委託することでデメリットやリスクはあるものの、それに勝るメリットがあれば、積極的に検討したい方法です。

コールセンター業務を自社で行いたい場合には、Scene Liveが提供しているインバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」と、アウトバウンド向けコールセンターシステムの「OSORA」の導入をご検討ください。両製品とも機能が充実しており、コールセンターの業務効率化に役立ちます。Scene Liveの製品は、累計2,400社の導入実績を記録し、多くの企業でご利用いただいている信頼性の高いシステムです。

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