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2022.06.27更新

コールセンターの適正な人数とは?算出方法やポイントを解説

コールセンターの適正人数を算出する方法を知らない企業にとっては、実際どのくらいの人員を配置するべきか悩んでしまうことが多いかと思います。

多すぎては人件費が勿体無いですし、少なすぎては顧客の入電に対応しきれずに待たせてしまいます。

当記事では、各コールセンターにとって『適正とされる人数』の算出方法と、算出する際の注意点について詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

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コールセンターにおける人数の考え方

 コールセンターの人数をどのくらい配置すべきかを考える際は、『実働人数』と『在籍人数』の2つの視点で考える必要があります。 
実働人数
実際に顧客対応を行うオペレーターの数
在籍人数
研修など顧客対応以外の業務についているスタッフを含めて集計した人数

顧客対応を行うのはオペレーターですが、実際にコールセンターの仕事を円滑に回そうとしたら実働人数だけでは足りません。なぜなら、オペレーターの業務以外にもコールセンターでは、『雑務』、『アクシデント時(オペレーターの体調不良など)の交代要因としての待機』なども考慮しなければならないからです。

ですので、コールセンターにおける適正人数を算出する場合は、『実働人数』と『在籍人数』の双方を考慮する必要があるのです。

コールセンターで適正人数を把握する重要性

 自社のコールセンターの適正人数を把握しておかないと、人数が少なかった時に運営が円滑に進まない問題が発生します。逆に人数が多かったとしても、人件費が余計にかかってしまいます。 

つまり人数による問題を発生させないためには、コールセンターの適正人数を把握し、限りなくその人数に近づけて運営しなくてはならないのです。

また、以上の内容は業務量を主体とした考え方ですが、逆の考え方をすることもできて、適正人数を把握していれば人数に対して業務量をどのくらいに調整すれば良いのかを、算出することもできます。

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コールセンターにおける適正人数の算出方法

 コールセンターの適正人数は、『アーランC式』という計算式を用いて算出します。 

アーランC式は『コールセンターに必要なオペレーター数』を求めるために用いる式で、複雑な計算式を使用しますが式自体を理解する必要はなく、概要を理解して計算式を使えば算出できる、ということだけ理解しておきましょう。

【アーランC式の数式】

この式を見てすぐに計算ができる人は、そう多くはないと思います。計算が難しいと感じた場合は、無料で試算できるサイトもあるので『アーランC式 自動計算』と検索して、使いやすいものを活用してみてください。

適正人数を算出するために必要な数値

 アーランC式は、コールセンターにおける3つの数値を使って計算します。これらを調査しておかないと計算ができないので、これから計算しようとしている人は数値を調べておいてください。 

【アーランC式を利用するために必要な数値】

  • AHT(平均処理時間)
  • 30分の間で寄せられるコールの数
  • ASA(平均応答速度)

AHTはオペレーターが、顧客の入電から問い合わせを処理するまでの時間の平均で、『ATT(平均通話時間)+ACW(平均後処理時間)』で算出することができます。

ASAは、顧客が電話をかけてからオペレーターとつながるまでにかかった時間のことを指します。この数値は繁忙期と閑散期では大きく差が出やすい数値なので、長期間分の数値を出して平均値を出すようにしましょう。

コールセンターの適正人数を算出する際の注意点

 アーランC式を活用すれば適正人数が算出できますが、これはあくまでも計算上の話で、現場の環境やオペレーターのスキルレベルなどは計算に影響を与えていません。 

ですので、アーランC式を利用しても現実的に必要な人数とズレが生じる可能性があったり、実働人数と在籍人数に差異が出る可能性があったりするので、その点を加味して最終的に適正人数を調整する必要があります。

まずはそれぞれの可能性に対する注意点を把握して、アーランC式で算出した人数が完璧でないことを前提にしましょう。

現実的に必要な人数とズレが生じる可能性がある

 アーランC式は、オペレーターにつながる前に顧客が切断してしまった分は含まないで計算します。 

つまり放棄率0%という前提で計算されてしまっているので、放棄率の大小で必要となるオペレーターが変動することは加味されていないのです。

例えば、放棄率が高い場合はオペレーターが入電数に対して足りてないことを意味するので、アーランC式で必要人数10人と算出されたとしても、放棄率が高ければ実際は15人、20人といった必要人数が現実的な数字なのかもしれません。

もちろん、放棄率を余裕でフォローできる人数を配置してしまった場合は、逆に人数が多すぎることにもなりかねないので注意が必要です。

実働人数と在籍人数には差異が出る可能性がある

 アーランC式は、問い合わせを処理するのに最適な人数を算出する計算式なので、基本的には必要となる実働人数を割り出すために使われます。 

ですので、アーランC式の計算が完了したら、それとは別で在籍人数をどのくらい配置しておくべきか検討する必要があります。

現実問題、実働人数だけでは業務は回りません。なぜなら、オペレーターが体調不良になった時の交代要員や研修生、雑務担当など、様々な役割を持つ社員がいて初めてコールセンターの運営が成り立つからです。

このことを踏まえて、アーランC式で必要な実働人数を算出したのち、自社に合わせて必要とされる在籍人数の配置を行いましょう。

コールセンターの適正人数を把握する際のポイント

 コールセンターの適正人数を算出するには、アーランC式と合わせて放棄率や在籍人数を加味することが重要である旨を、上記では解説しました。 

もちろんこれで、ほぼ理想的な適正人数を算出することができますが、可能であれば以下で示すようなポイントを意識してもう一工夫することで、企業の業務形態に柔軟に対応できる適正人数を算出することができます。

【1年間常に適正人数を配置できるようにするためのポイント】

  • 稼働率を考慮する
  • 呼量予測を行う

以上の2つを意識すれば繁忙期、閑散期なども加味した、適正人数を算出することができるので、より理想的な数値を算出することが可能です。

稼働率を考慮する

 コールセンターにおける稼働率とは、オペレーターの就業時間のうち顧客対応にあてられた時間の割合を示すものです。 

つまり、就業時間のすべてが顧客対応にあてられていれば稼働率100%、一度も顧客対応をしなかったら稼働率0%ということになります。

コールセンターにおける業務は顧客対応だけではないので、100%という数値は基本的に出せません。そのことを踏まえたうえで理想的な稼働率80~85%を実現できるように、人数の調整をすることが重要です。

考え方として、稼働率が少なければ顧客対応以外の業務に時間を使いすぎている可能性があるので、雑務などをこなす在籍人数が足りていない可能性があります。逆に稼働率が90%以上など高すぎる場合は、在籍人数が多すぎないか確認する必要があります。

呼量予測を行う

 コールセンターの問い合わせは、時間帯、季節、トレンドによって大きく変動します。 

なので、呼量予測を行って人員が必要な時期と、そうでない時期を見定めることが必要です。

例えば新商品が出たり、一定の時期にのみ売れやすい商品を扱っていたりする場合、その時期だけは呼量数値は高くなります。そのため、それらの時期には一般的な適正人数以上に、人員を確保しなくてはならないでしょう。逆に、閑散期と呼ばれる1年間のうち比較的忙しくない時期は、適正人数ほど人員が必要ないので調整をすることが必要になるでしょう。

もちろん、その都度人員を増やしたり削ったりというのは現実的な話ではないので、あくまでも繁忙期の放棄率をどのくらいまで抑えられるかを意識して、1年間における理想的な適正人数を見極めることが大切です。

まとめ

コールセンターの適正人数は、アーランC式という計算式を利用すれば算出することができます。しかし、注意点としてアーランC式の場合、コールセンターにおける実働人数の適正値しか算出できないという点があります。

そのためコールセンターにおける適正人数は、アーランC式の他に『実働人数と在籍人数のバランス』、『放棄率』、『稼働率』を加味して、適正人数を見極めることが重要です。さらには年間の呼量予測をして、繁忙期と閑散期で必要な人数を算出できると尚良いですが、そこまでやると人員を流動的に入れ替える必要があるので、呼量予測をもとに検討する場合は、現実味のある範囲で吟味してください。

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