2024.07.25
コールセンターにおけるモニタリングとは?評価基準や方法も解説
コールセンターにおける モニタリングとは、オペレーターと顧客の応対のやり取りを記録 することを指します。
モニタリングをうまく活用すれば、効率よくオペレーターの教育ができるだけでなく、コールセンターの商品販売に対する方向性の改善などにつなげることも可能です。
本記事ではモニタリングの重要性と、現状で課題とされているモニタリングの実施回数の改善に向けたシステムの紹介をしています。
コールセンター業務を効率化したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
コールセンターにおけるモニタリングとは
コールセンターにおけるモニタリングとは、オペレーターの応対をモニターで記録することを指します。
モニタリングは オペレーターの業務の質をチェックする際に使われる機能 です。
オペレーターの業務の質とは、具体的に以下のようなことを指します。
- どのくらいのトークスキルを有しているか
- トークスクリプトに基づいた対応ができているか
- 顧客の要望に適切な対応ができているか
- 最初の10秒を意識した応対ができているか
コールセンターにおいてオペレーターの重要度は、非常に高いです。
応対が悪ければ顧客は興味を示してくれませんし、商品の正しい説明ができなければ魅力を伝えることもできません。
だからこそ、モニタリングを活用してオペレーターの質を向上させることが、コールセンターにとっては重要です。
コールセンターでモニタリングを行う目的
モニタリングを行う一番の 目的は、「品質管理」 です。
品質管理をすることはオペレーターの質を向上させるだけにとどまらず、コールセンター全体の生産性向上や安定した品質の確保にもつながります。
定期的にモニタリングを実施して、品質の向上・維持を続けることをおすすめします。
コールセンターでは、応対数・通話時間・成約数など数値的にオペレーターの技量を測れるものも多いですが、応対スキルに関しては定量的に算出できません。
そのため、モニタリングを活用することで、オペレーターの課題を見出すことが重要です。
また、定期的にモニタリングを実施することで、オペレーターも「自身の応対を確認されている」という意識をもつようになり、自主的に業務の改善に取り組むことが期待され、自走できる人材を育成することにもつながります。
コールセンターでモニタリングを行う際の課題
モニタリングはオペレーターの質を直接的に改善指示できたり、自走を促すきっかけになったりしますが、課題とされる部分もあります。
具体的には以下の通りです。
- 評価基準が設定されていない
- モニタリングする時間がない
- 運用方法が設定されていない
それぞれ紹介します。
評価基準が設定されていない
そもそも、「オペレーターの応対」は定量的に判断できるものではありません。
話し方・説明方法・雰囲気などをもとに判断するため、評価する人の主観が入りやすいという課題があります。
主観で判断するからこそ評価にムラが表れやすいため、 明確な基準を作ってオペレーターを客観的に評価 することが重要です。
各コールセンターにおいて、使用している指標や目標の数値など、数値化していく必要があります。
評価基準を設定し、ムラのない評価をするようこころがけましょう。
モニタリングする時間がない
人手不足の状況が続いている昨今、モニタリングする時間と余裕はアポインターやコールセンターにはない でしょう。モニタリングで評価を下すSVのような担当者のほとんどが、コールセンターにおける業務の多くを兼任している場合が多くあります。
そのため、モニタリングのための時間を確保できないという課題を抱えている企業も多いでしょう。
毎月モニタリングできていたら優秀であり、たいていは3~6か月に1回の頻度でしか実施できていないところがほとんどです。
ましてや、オペレーターの人数が増えれば、なおさらモニタリングの実施は難しくなります。
専門部署を用意して、モニタリング専門のスタッフを準備するという施策が必要でしょう。
運用方法が設定されていない
モニタリングするスタッフがおり、評価基準が設定されているだけでは不十分です。
運用方法を設定することが必要 です。
モニタリングした数値を確認して、値に乖離がある場合は、改善策を考えます。
施策を実施した場合は、前回から数値がよくなっているかどうか、確認します。
トークスクリプトの改善をおこなった場合に、アポイントの獲得率があがったかどうか目標数値と照らし合わせることも大切です。
月毎に数値をチェックしましょう。
改善の効果や手法を確認しながら、運用していくことが必要です。
モニタリングを実施することで期待される効果
モニタリングを実施することで、 オペレーターの応対を改善 できます。
応対は定量的なモノではないにしても、相手の受け取り方、伝わりやすさは客観的にある程度判断がつくため、改善も可能です。
そして、応対品質が改善されていくと以下のような効果が期待できます。
- 顧客満足度の向上
- オペレーター自身のモチベーション向上
- 問題点の可視化
コールセンターで特に重視される顧客満足度の向上が図れるだけでなく、適切な評価を下すことで、オペレーターのモチベーションを向上・維持することにもつながります。
オペレーター中心で回る業務だからこそ、モニタリングの実施には価値があります。
顧客満足度の向上
モニタリングを実施することで 各オペレーターのスキルレベルが明確になり、適切なアドバイス ができます。
コールセンター全体の質が向上し、自然と対応を受けた顧客の満足度が高まるでしょう。
また、応対品質が上がることで成約率の向上も見込めるため、オペレーターが体感的に成長を実感できるようになります。
オペレーターが自信をもてると、さらに質が高まる相乗効果が期待できます。
オペレーター自身のモチベーション維持
モニタリングは、 オペレーターのモチベーション向上・維持 につながります。
例えば、モニタリングを通してオペレーター自身の長所や課題が明確になれば、何を目指して業務にあたればいいかがはっきりするため、目標を立てやすくなります。
そうすることで、その目標に対してオペレーターは業務に集中できるようになり、モチベーションを維持しやすくなります。
ただ漠然と「成約率を上げるため」、「顧客満足度を上げるため」と思いながら業務にあたるよりも、明確な目標があることでオペレーターのモチベーションを維持でき、改善効率も高まるでしょう。
問題点の可視化
モニタリングを定期的に実施することで、 コールセンターの業務プロセスやトークスクリプトなどの問題点を発見 できます。
コールセンターの運営状況は基本的にモニターにはっきりと映し出されます。
運営ルールやトークスクリプトに問題点がある場合は、オペレーターの対応にも顕著に表れます。
そのため、コールセンター業務を改善したい場合は、モニタリングを活用することが効率的です。
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コールセンターでモニタリングを行う方法
コールセンターでモニタリングを行う際は、正しい方法で実施しましょう。
定量的な数値で評価をできないモニタリングだからこそ、基準に沿って実施することが大切です。
モニタリングの方法は以下の通りです。
- モニタリングを行う目的を明確にする
- チェックシートを作成する
- 評価基準を決める
- 評価・フィードバックを行う
基本的にモニタリングを行う際は、目的や評価の方法を明確にして実施しましょう。
特に、評価の部分はオペレーターの質を安定させるために、必ず基準を設けたいポイントです。
モニタリングを行う目的を明確にする
モニタリングを行う際は 「業務の効率化」、「品質の安定化」といった漠然とした目標のもと実施するのではなく、明確な目的を設定 して実施してください。
具体的には以下のような目的を立てると、モニタリングの質が向上します。
- モニタリング内容から改善点を見つけ、オペレーターを育成する
- 適切にオペレーターを評価・査定する
- クレーム対応の補助として役立てる
- VOCの抽出に役立てる
- FAQやチャットボットなど支援ツールの改善に役立てる
モニタリングの目的を明確にした上で、評価基準やサンプルを決定しましょう。
次第にオペレーターの質が安定し、顧客満足度も向上します。
チェックシートを作成する
オペレーターの質を的確に判断するためには、チェックシートを作る のがおすすめです。また、チェックシートの項目は細かく決められているほど、より詳細な判断が可能になります。
以下の例を参考に自社に適したチェックシートを作成してください。
- 基本的なマナーが守られているか
- 顧客のニーズを把握しているか
- 共感をしながら会話を進められているか
- 会話の流れがわかりやすいか
- 話の掘り下げがスムーズにできているか
- 顧客の問題点は解消されたか
- 質問に対する回答のスピード感は適切か
- ムラなく一貫性のある対応ができているか
以上の項目を参考にしつつ、自社でオペレーターに重視してもらいたい項目があれば活用してください。
評価・フィードバックを行う
チェックシートや基準をもとにオペレーターの評価をしたとしても、「スコアはいいが、顧客満足度は低い」という矛盾が生じる場合 があります。モニタリングの評価項目が顧客目線ではない可能性が高いです。
言葉遣いやマナーの項目ばかり増やすと、淡々とした受け答えで機械的なオペレーターが増えてしまうことも考えられます。
あくまでも顧客満足度を意識した応対ができるような、運営方針を組むことが大切です。
顧客目線のコミュニケーションを意識した項目を追加しましょう。
また、フィードバックも顧客目線に立って実施することが重要です。
担当者目線でフィードバックを行わないように注意しましょう。
具体的には以下の順序でフィードバックを実施すると、オペレーターも指摘に対して受け止めやすくなるためおすすめです。
- 通話記録を一緒に聞く
- オペレーターの自己評価を確認する
- SV(スーパーバイザー)が考えるよい点と課題を伝える
- 課題に対し、今後どのようにアプローチするかオペレーター考えてもらう
- 4.に対し、SVからアドバイスする
コールセンターでモニタリングを行う際のポイント
モニタリングは 客観的かつ公正に評価が下せないと、実施する意味がありません。 また、長期的な目線で実施しないとコールセンターの体制を整えられません。
そのため、モニタリングを行う際は、以下のポイントを意識することを推奨します。
- 評価は一般的な対応をサンプルにする
- 評価を客観的なものにするために、一般的な対応をサンプルとして取り入れましょう。
担当者の主観的な評価が組み込まれては、オペレーターの品質が不安定になります。
- 定期的に評価・フィードバックをする
- モニタリングの成果を確認するために、定期的なモニタリングを実施してスコアの推移を確認しましょう。
前回のフィードバックが伝わっていたかどうかも確認できる上に、品質の向上を視覚的に判断できます。
- 複数人でモニタリングを実施する
- 複数人で実施すれば、主観的な意見でまとめられる可能性も低くなるため、客観的な意見を抽出できます。
コールセンターのモニタリングを実施し、業務を改善しよう
コールセンターのモニタリングとは、オペレーターの応対を記録すること を指します。
モニタリングをすることでオペレーターの改善点や顧客の要望をチェックでき、コールセンターの品質向上へとつなげることも可能です。
ただし、モニタリングは客観的に評価できてはじめて効果を発揮します。
チェックシートを作成したり明確な評価基準を作ったりして、正しくモニタリングしましょう。
「顧客満足度の向上」や「オペレーターのモチベーションの維持」といった、コールセンターにとって大きなメリットを得られます。
また、モニタリングをより効率的に行うために、以下のシステムを活用することがおすすめです。
コールセンター業務を自社で行いたい場合には、Scene Liveが提供しているインバウンド向けコールセンターシステムの「OSORA」と、アウトバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」の導入が役立ちます。
両製品とも機能が充実しており、コールセンター業務の効率化に貢献します。
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