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2022.06.27更新

コールセンターのACW効率化で期待できる効果|注意点や成功事例も紹介

ACWは平均後処理時間と言って、コールセンターにおける応対終了後の記録入力などにかかる時間のことを言います。ACWの時間を意識することで、顧客一人にかかるコスト、時間を削減できるため一日の総架電数を増やすことができます。

また、ACWは顧客に左右されにくい時間なので、効果を早い段階で確認できるメリットがあります。なので、コールセンターにおいて業務効率、架電数の向上を求めている場合は、まずACWに焦点を当ててみることをおすすめします。

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ACWとは

ACWとは『After Call Work』の略称で平均後処理時間のことを言います。つまり、コールセンターのオペレーターが顧客との応対終了後に行う『応対記録』、『VOC記録』、『その他顧客からの要望に対する情報処理』などにかかる後処理の平均処理時間のことです。

また、ACWはAHT(Average Handling Time)と呼ばれる『平均処理時間』を構成する要素の一つで、ATT(Average Talk Time)『平均通話時間』と合わせて利用されることが多く、『ATTの時間+ACWの時間』でAHTを算出します。

ACWとAHT、ATTの違い

コールセンターにおいてACWと併せて良く使われる用語に、『AHT』と『ATT』というものがあります。それぞれの詳細は以下の通りです。

  • AHT(Average Handling Time):『平均処理時間』を意味しており、電話応対のスタートから案件に関わる雑務をこなして、次の電話をとるまでにかかる平均時間のことを言います。
  • ATT(Average Talk Time):『平均通話時間』を意味しており、電話応対のスタートから電話を切るまでの顧客との通話時間の平均のことを言います。

AHTは『ATT(平均通話時間)+ ACW(平均後処理時間)』で算出し、コールセンターの業務効率を定量的に分析するために利用できます。そのAHTを構成する要素の一つとして、ACWがあります。

もし、AHTの時間短縮を図って業務効率化を目指すのであれば、ACWはATTと比べて顧客に左右されにくい時間なので、ACWの時間短縮を優先的に進めていくことが良いとされています。

コールセンターにおけるACWの重要性

コールセンターにおけるACWは、AHTを構成するもう一方の要素であるATTに比べて主体的要素が強いため、オペレーターのスキル向上や処理方法の最適化によって、直接的に顧客満足度やコスト、業務効率へ影響を与えることが可能です。

そのため、業務効率化の目安として測りやすいAHTの時間を短縮したい場合は、ACWを短縮させることで早い効果が見込めるので、コールセンターはACWを重要な要素として考えています。以下の業務はACWに相当し、業務効率化を図る具体策として、これらをどのように改善していくかが重要となってきます。

【ACWにあたる業務】

  • 応対記録
  • 顧客からのご意見ご要望のとりまとめ
  • 商品・サービスの注文処理

上記のような業務は基本的に自動化できる部分が多く、オペレーターの手間の最小化を実現できる業務となっているので、Scene Liveが提供している『List Navigator.』のようなシステムを導入すれば、素早く時間短縮が見込めます。

ACWの効率化で期待される効果

ACWの効率化を図るということは、つまり『応対記録』や『注文処理』といった後処理にあたる業務を効率化させることを意味します。また、これらの業務を効率化させることで、以下のような効果が見込めます。

【ACWの効率化で期待される効果】

  • 生産性の向上
  • コストの削減
  • 顧客満足度の向上

ACWの効率化を図ることで、業務量・業務時間が軽減されるのでコスト削減に繋がったり、軽減した時間を業務に充てることで架電数が増え、生産性の向上に繋がったりします。

生産性の向上

ACWの時間を短縮することができれば、短縮した分だけ次のアプローチへ時間を費やすことができるので、架電数が増え生産性が向上します。

例えばACWにおいて、情報データを入力する際に他部署への連携が必要な情報だったり、入力項目が複数あったりする場合、一つひとつオペレーターが打ち込んでいたら、かなりの時間を要することになります。しかし業務効率化のツールを利用すれば、連携作業を一つのシステムで簡易化できたり、入力項目を選択式にして最短で打ち込めるようにできたりするなど、ACWの時間を大幅に減少させることが可能です。

コストの削減

ACWを効率化して時間短縮に成功すればオペレーターの生産性が向上するので、それに付随してコストの削減が実現します。

例えば、コールセンターのノルマ300に対して30件架電できるオペレーターが10人いた場合、生産性が向上して1人あたり50件架電できるようになれば6人のオペレーターだけで済むようになるので、4人分の人件費を削減することができます。

これはあくまで計算上の話ではありますが、現状コールセンターに効率化を実現するシステムを入れていないのであれば、そういったシステムを入れることで稼働率を2~4倍にできることを謳っているシステムもあるので、システムを導入するだけでもコストの削減は十分に実現可能と言えるでしょう。

顧客満足度の向上

ACWを効率化することで、オペレーター1人あたりの対応できる人数が増えます。そうすると、オペレーターに繋がるまでの時間を短縮することができるので、その分顧客の待ち時間が減り、顧客満足度の向上に繋げることが可能です。

顧客はコールセンターに電話をした際、待ち時間が長いほどストレスを感じやすくなります。この待ち時間は、最初のオペレーターへ繋がるまでの時間だけでなく、情報確認のための保留時間や説明に要する時間も含まれているので、これらの時間すべてを以下で示すように短縮することができれば、顧客満足度の向上を図れます。

  • 最初の待ち時間→生産性の向上により、オペレーターの対応人数を増やして待ち時間を減少させる
  • 確認のための保留時間→効率化ツールの導入によって情報を一元化・簡素化することで、データの検索・確認の時間を速め保留時間を短縮させる
  • 説明時間→トークスクリプトの質を向上させてオペレーターの製品・サービスに対する認知度を高めることで、説明時間の短縮を図る

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コールセンターでACWを効率化させる際のポイント

ACWの効率化は『どのように実施すべきか』というポイントを具体的に知っておくことで、より時間短縮の効果を生み出せます。各ポイントをまとめたので、実際に実施できる順序を決めて取り組んでいきましょう。

システムを導入する
コールセンターの業務を効率化させるシステムを導入すれば、単純な業務の自動化や顧客への対応スピードの向上を図ることができます。特に、打ち込み作業はオペレーターの時間を大幅に割いてしまう業務なので、システムを利用して簡易化できれば、大幅な時間短縮が見込めます。
オペレーターを教育する
オペレーターを教育すれば、情報の処理能力やタイピングスピードの改善を図ることができるのでACWにかかる時間を短縮することが可能です。
運用ルールを見直す
新人が入ってきた時に業務内容が複雑だと、それだけで大幅な時間ロスが出てしまいます。なので、打ち込み業務や商品の手配方法などを簡易的で単純なものに見直すことで、新人参入によるACWの増加を防げます。

ACWを効率化させるために実施していることが、連鎖的にATTの効率化に繋がることもあるので、ACWだけを効率化させようとするのではなく、幅広い視野でATTの効率化も見据えられると、上記のポイントの価値がより高まります。

コールセンターでACWを効率化させる際の注意点

ACWの効率化を図るための『システム導入』や、『オペレーターの教育』は重要なポイントですが、それらと併せて注意点も確認しておきましょう。全体の時間短縮が実現できたとしても、思わぬミスなどによって大幅な時間のロスが出てしまっては本末転倒です。

【ACWの効率化を図る際の注意点】

ヒューマンエラー
オペレーターの教育をして情報データの入力スピードを早めることが可能になれば、ACWの時間短縮が可能です。しかし、時間ばかり注目しすぎるとオペレーターは入力を急ぎ過ぎてしまい、ヒューマンエラーが起こる可能性が高くなります。結果として、『入力スピードのUP』と『ヒューマンエラーの増加』が同時に起きては何の意味もないので、確実性を維持できる教育をすることが重要です。
ACWの評価基準
『ACWの効率化=時間短縮』という構図に、縛られすぎるのも良くありません。なぜなら、顧客の要望や注文内容によって、対応に要する時間が異なってくるからです。なので、コールセンターとしては個々のオペレーターに対するACWばかりを気にするのではなく、どんな顧客対応かによっても理想の短縮時間を定めるなどして、柔軟に評価をしていく必要があります。

コールセンターにおけるACW効率化の成功事例

コールセンターにおけるACW効率化の成功事例を確認して、実際にどのように効率化を図っているのかイメージできるようにしましょう。それができるのと、できないのとでは、最終的な目標への到達スピードが大きく変わります。

コールセンター Aの場合
施設の修理を行う業者の『修理手配』を代行するコールセンターでは、入電で固定電話機が一斉に鳴り出すため、一部のオペレーターに業務が偏ってしまい、ACWの業務にも偏りが出て大幅な時間ロスが発生する問題がありました。そこで、コールセンターAはシステムを導入することに。
これにより、着信を全オペレーターへ均等に配分することができるようになりました。結果、業務の偏りが減り、情報入力などの後処理にかかる時間も均等に振り分けられ、無駄にかかっていた処理時間を減少させることを可能にしました。
コールセンターBの場合
コールセンターBでは、指導係によってオペレーターの対応力に差が出てしまうという問題がありました。これにより、後処理業務がオペレーターによって差が出るため、ACWが安定しませんでした。
ですが『教育に関する運用ルール』を見直してマニュアル化、簡易化することで各オペレーターの後処理業務にかかる時間の差を、最小限に減らすことに成功しました。

コールセンターのACW効率化におすすめのシステム

コールセンターのACWを効率化するためのシステムは、様々な商品が市販されていますが、その中でも特におすすめのシステムは以下の2種類です。

  • アウトバウンド向けコールシステムの『List Navigator.』
  • インバウンド向けコールシステムの『OSORA』

両方ともACWの効率化を図るためにおすすめのシステムですが、以下の紹介内容を確認のうえで自社の業務内容とマッチするか照らし合わせて、導入を検討してください。

アウトバウンド型なら『List Navigator.』


引用:List Navigator.

アウトバウンド向けのシステムである『List Navigator.』は、誰でも操作が簡単になるシンプルな画面や顧客のあらゆる情報を一元管理できるシステムなどを備えており、顧客対応後の後処理業務を大幅に効率化してくれます。様々な機能を備えており、ACWだけでなくATTの効率化もできるシステムとなっているので、AHTの短縮を重視している企業には特におすすめです。

以下は『List Navigator.』で、ACW効率化を図るために特に注目していただきたい機能です。

『見込み管理・再コール日時』機能
見込みレベルの設定と、再コール日時の設定が可能になる機能です。また、設定した日時に通知が来るため、かけ忘れを防げます。これにより、架電後の見込み客の管理が利便化されて、次回の架電時の選別にかかる業務時間を短縮できます。
『リストクリーニング』機能
新規事業などで同じリストを使う際、必要に応じて内容消去が可能となる機能です。次回以降の架電に対して不要な顧客のリストを削除できる機能なので、無駄に架電をする時間を短縮できます。
『全通話録音』機能
すべての外線通話を自動的に録音する機能です。証拠データやメモ代わりや教育資料にもなり、過去の録音を簡単に検索することも可能。顧客の種類によって音声データを保管するようにすれば、無理に情報整理をして保管する必要もなくなるので、情報入力時間を短縮できます。
『架電禁止登録』機能
個別に架電禁止の登録ができるので、架電禁止先に誤ってかけてしまうミスも防げます。これにより、クレームなどの発生リスクを減らし、クレーム内容の情報整理をする業務が減るのでACWの時間短縮ができます。

これらの機能を活用してACWの時間短縮を試みたいと思われた方はぜひ一度、以下から『List Navigator.』を確認してみてください。
アウトバウンド向け『List Navigator.

インバウンド型なら『OSORA』


引用:OSORA

インバウンド向けのシステムである『OSORA』は、社内で利用しているビジネスツールと連携ができる特徴があるため、顧客の情報共有が容易になりデータの管理がしやすくなるメリットがあります。データの管理がしやすくなれば、電話応対後の情報入力も簡単になるので、入力作業時間の短縮を図ることが可能です。

また、他にもOSORAにはACD(自動分配機能)という機能があり、この機能は社内の方針に合わせて自由にルール決めが可能で、ルールに沿って各オペレーターへ着信の分配をしてくれます。これにより、各オペレーターへの着信の偏りを防ぐことができるため、応対後の入力作業などの偏りも防ぐことができます、

インバウンド型のコールセンターの場合はぜひ『OSORA』を確認して導入を検討してみてください。
インバウンド向け『OSORA

まとめ

ACWは『平均後処理時間』と言って、オペレーターが応対後に行う『応対記録』、『VOC記録』、『その他顧客からの要望に対する情報処理』などにかかる後処理の平均時間のことを指します。

ACWの効率化を進めることで、1回の応対にかかる全体の時間を短縮することができるだけでなく、『生産性の向上』『コスト削減』、『顧客満足度の上昇』も期待できる特徴があります。また、ACWは顧客からの影響を受けにくい業務でもあるので、企業的にも改善に取り組みやすく、早い段階で効果を実感することが可能。

そのため、コールセンターの業務効率化を測りたい場合はまず初めに、ACWに注目するのがおすすめです。

もし、ACWの効率化を進めるのであれば、『オペレーターの教育』などを実施する方法もありますが、基本的には『システムの導入』が一番効果を感じやすい上にスピード性も感じられるので、『List Navigator.』や『OSORA』といった、コールセンターに最適のシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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