2024.10.01
リードナーチャリングとは?意味や成功事例、方法6ステップを紹介
リードナーチャリングとは、メルマガ配信やDM(ダイレクトメール)、フォロー架電、自社セミナーなど、既に獲得した見込み顧客を成約に繋げる施策を指します。
効果的なリードナーチャリングを行うことで「見込み顧客を得たものの、アポ獲得につながらない」「資料請求は来るものの成約に結び付かない」といった悩みを解消できます。
本記事では、 リードナーチャリングの概要やメリット、リードナーチャリングの成功事例や成功に結び付ける方法について解説 します。
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目次
リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、 自社サービスをある程度認知している潜在顧客や見込み顧客に対してアプローチすること を指します。
以下の様なケースにおいては、リードナーチャリングの施策を活用できます。
具体的なアプローチ方法としては、メルマガ配信・DM(ダイレクトメール)やフォロー架電などがあり、これらのリードナーチャリング領域における施策や対策が十分でないと、最終的な成約につなげられない可能性があります。
反対に、メルマガ配信やDM送付、架電のタイミングを間違えない・効果的な文面や言葉遣いを用いるなど、リードナーチャリング領域において効果的な施策を実行すると、顧客の成約率は大幅に上昇します。
リードジェネレーション・リードクオリフィケーションとの違い
リードナーチャリングに類似する言葉に「 リードジェネレーション 」や「 リードクオリフィケーション 」があります。
これらは成約までの過程を考えるとき、セットで用いられる単語となるため、併せて覚えておくべき単語です。
過程 | 目的 | 使用媒体 |
リードジェネレーション領域 | 見込み顧客の創出 |
Web広告 展示会 コンテンツマーケティング |
リードナーチャリング領域 | 見込み顧客の育成 |
メルマガ配信 DM配信(ダイレクトメール) フォロー架電 自社セミナー |
リードクオリフィケーション領域 | 見込み顧客の分類 |
分析 シナリオ設計 スコアリング インサイドセールスアプローチ |
リードナーチャリングはあくまでも上記全体の一部分にすぎませんが、中でも重要なプロセスであり、最終的な成約には欠かせない存在です。
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リードナーチャリングが求められる背景
リードナーチャリングが求められる具体的な背景には、以下の項目があげられます。
以下より、背景の詳細について解説します。
顧客が購入にいたるまでの期間が長期化している
BtoB領域においては、 見込み客の購入までのプロセスが長期化する傾向 にあります。
取引の長期化を防ぐためには、徹底したオートメーションによる効率化が必要不可欠です。
オートメーションの観点から、成約数の向上を見込んだ場合に肝となるのが「リードナーチャリング」です。
適切なリードナーチャリングを施すことで、営業に対する効率はさらに向上できるでしょう。
新規顧客の獲得に必要なコストが高い
新規顧客の獲得にコストがかかりやすい業務においては、コスト削減のために、リードナーチャリングを始めとした施策を積極的に導入していく必要があります。
日本の企業におけるリード獲得の平均費用、すなわちCPL(Cost Per Lead)は、8,000円~13,000円となっています。
新規顧客のリード獲得費用はさらに高く、ほとんどのケースで高額な広告費が必要となります。
リードナーチャリングは、 獲得済みの休眠顧客へのアプローチが可能 なため、前段階であるウェブ広告や展覧会への出展にかかる費用を大幅に抑えることが可能です。
顧客のニーズにあわせた情報提供が求められている
意図しない営業や広告が行われると、顧客のモチベーションは下がります。
このため、顧客が取った行動をフォローする形で、 適切にリードナーチャリングなどの施策を展開する必要 があります。
顧客のニーズをつかんだ営業スタイルを定着させることができれば、企業全体を安定して成長させることができるでしょう。
リードナーチャリング実施のメリット
リードナーチャリングを実施する主なメリット は、以下の通りです。
以下より、主なメリットの詳細について解説します。
営業効率を上げられる
リードナーチャリングとは、メルマガ配信やDM送付などの、既に自社商品を認知している顧客に向けて行われる営業活動を指します。
そして、リードナーチャリング施策では、そのような活動を効率よく実施できるようにするため、さまざまな方法で自動化をおこないましょう。
優れたリードナーチャリングを実施できれば、 適切な顧客に適切な提案が自動的になされ、最終的な契約率が向上 します。
関心の薄い顧客をホットリードに変えられる
資料請求は行ったが、関心がない、または興味が湧いたが実際の契約は行っていないなど、 直接の成約に結び付かない顧客 に対しても、メルマガ配信などのリードナーチャリングで効果的にアプローチできます。
関心が薄いものの、継続して効果のあるウェブコンテンツの更新やメルマガ配信を行っていけば、ふとした瞬間に契約に結び付くこともあるでしょう。
企業の信頼度を高められる
メルマガ配信やウェブコンテンツ配信、セミナー開催などの施策が実行できている組織は、より成熟した企業として顧客や他社から認められやすくなります。
特にBtoBの領域においては、 組織化・自動化されたコンテンツやサービスに対して、潜在的な安心感を抱く ようになります。
このため可能な限り、顧客にアプローチする宣伝や広告・配信などの活動は、一定のクオリティを保った状態で自動化することが好ましいでしょう。
主なリードナーチャリングの手法
主なリードナーチャリングの手法 は、以下のものがあげられます。
以下より、主な手法の詳細について解説します。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、見込み客にとって役立つ資料のことで、例えば、提供企業による調査レポートや自社商品・サービスの魅力を伝えるために構成された資料のことを指します。
用紙のサイズには16:9が用いられ、プレゼンのような形で 製品情報や調査結果などの情報が掲載 されます。
自社が運営するオウンドメディアや営業活動などを通して見込み客へ発信することができ、企業としての信頼性を向上させる重要な役割を果たします。
メールマーケティング
メールによるマーケティング活動も、休眠顧客の創出に向けておすすめの施策です。
メルマガ配信を効果的に、なおかつ継続して行うことで、ふとした瞬間に成約へ結び付きやすくなります。
施策の自動化を試みる場合は、 メール配信サービスの利用を検討 してみましょう。
特に大手企業との取引実績がある配信サービスでは、成果がわかる効果測定の機能や分析機能など、リードナーチャリングには欠かせないサービスが充実しています。
SNS
XやFacebookなどのSNSを用いたリードナーチャリングも盛んです。
SNSは老若男女問わず、多くのユーザーへリアルタイムで情報を発信できることが最大のメリットでしょう。
ただし、専門分野を扱うBtoB領域におけるリードナーチャリングでは、必ずしも一定の成果があげられるわけではないという点に注意が必要です。
専門分野を効率よく発信したい場合は オウンドメディアの運用を併せて検討 してみましょう。
セミナー・ウェビナー
セミナーやウェビナーの開催も、 リードナーチャリング手法の一つ です。
主に商品やサービスへの認知のない潜在層へ、時にはより商品への理解を深めたい顧客も含め、幅広い顧客がターゲットとなります。
セミナー・ウェビナーの開催は、SNSやオウンドメディアなどの方法よりも、より深い情報提供が可能です。
インサイドセールス
インサイドセールスは、客先へ直接出向くことが難しい場合に、 電話やビデオ通話などの手段を用いて行われる営業活動 を指します。
類似する手法として、テレフォンアポイントメント(テレアポ)が挙げられますが、こちらはインサイドセールスよりも架電数が多く、1人の顧客にかける時間も短いです。
このため、見込み顧客をターゲットとしたリードナーチャリングよりは、リードジェネレーションに分類される傾向があります。
オウンドメディア
オウンドメディアは、 企業HPなどにコラムや業界記事をアップし、検索流入を向上させる施策の1つ です。
自社に沿ったキーワードを盛り込み、有用性のあるコラムや記事を蓄積することで、検索エンジンからの評価を高められます。
ただし、運用には膨大な時間や人的コストが必要なため、外注するのがおすすめです。
また、類似するSNS発信やメルマガ配信のサービスとバランスよく検討しましょう。
リードナーチャリングの手順を6ステップで紹介
リードナーチャリングの具体的な手順は、以下の通りです。
ここからは、上記リードナーチャリング施策の手順を詳しく解説していきます。
顧客理解を深める
自社がターゲットとしている顧客の潜在ニーズは何なのか、何を導入して何を達成したいのかが見えてこなければ、最終的な成約には結び付きません。
BtoB領域においては、顧客の状況や行動パターンを自社内で共有できるよう、 図表を用いて把握しておく ことが重要です。
ペルソナを設定する
リード獲得の手段が多様化した昨今、的確なペルソナの設定は欠かせません。
以下にペルソナの一例をあげます。
項目 | 設定・内容 | 推奨される領域 |
年齢・性別 | 30代・男性 | |
役職・職務 | 総務部部長 | BtoB領域 |
性格・考え方 | 業務で物を購入する際は、必ず現物を確認したい。 | BtoCサービス |
趣味や嗜好 | 週末はフリーマーケットで買い物を楽しむ。 | BtoCサービス |
特に自社の提供する商品やサービスとミスマッチの顧客を誤って誘導してしまうと、顧客を獲得できなくなるだけでなく、企業全体に対する満足度が低下してしまう傾向があるため注意が必要です。
上記の表はあくまでも、一例に過ぎませんが、商品やサービスにあった顧客選定ができるよう、 厳格な決裁プロセスを確立しておく必要 があるでしょう。
カスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客の行動・意識・感情・理想の体験を言語的に把握できます。
自社の目的に合わせて、効果的なマップを作成 してみましょう。マップの作成によって、顧客の心情や潜在ニーズ、アクションなどを分かりやすく言語化することができます。
これらのマップをさらに深掘りして記載していくことで、必要な施策や対策が一目で把握できるようになるでしょう。
購入にいたるまでの段階を設計する
カスタマージャーニーマップを基に、 顧客がサービスや商品を購入するまでの段階を設計 していきます。
この段階設計を行うことで、リードナーチャリングで必要とされる具体的な施策を一目で把握できます。
リードナーチャリング施策を決定する
施策決定の段階は、適切なリードナーチャリングを実行するうえで非常に重要です。
ここでも、上記ジャーニーマップを基に有効な施策を擦りあわせていきます。
マップに記載されている顧客の心情や行動をベースにタッチポイントを考える ことで、段階ごとに必要な施策を把握できます。リストの整理を行う
メールマーケティングを行う場合は、メールを送付する顧客リストの確認を行います。
また、セミナーを開催する場合は参加者リストの管理を、架電を行う場合はアポイントメントリストの整理・作成を行います。
リードナーチャリングの成功事例
ここからは、適切なリードナーチャリングを実施したことにより、案件化率やリード件数などの営業成績が飛躍的に向上した事例についてご紹介します。
人材・広告企業
政府・大学・大手企業などの幅広いネット調査によるオンラインリクルーティングを行う企業では、調査力と営業力が強みであり、創業から数十年弱の期間で大幅に事業が拡大しました。
拡大に併せて、自社が独自で開発した顧客管理ツールの導入も進めてきましたが、作成したツール間での連携が課題となっていました。
また、これらのツールを用いた営業活動での新規顧客の獲得には限界を感じ始めていたため、自社システムの改修と合わせた、有効なマーケティング施策の実施も検討がなされました。
管理ツール連携などのリードナーチャリング施策を行った結果、 MAツールのみでの情報の可視化 が可能となり、効果測定が十分に行えるようになったことで、 アプローチ可能な顧客数は約1年で2倍以上に なりました。
ビデオリリース制作・配信企業
次に、総合PRを事業内容としている会社では、企業の動画を1~3分の広告として配信するサービスを提供しておりました。
優れた営業活動により、毎年前年比で数十%増の驚異的なスピードで成長を遂げてきましたが、リードの整理や販促活動効率化などの施策の実行については後回しの状態が続いており、本格的なマーケティング戦略は打ち出すことのできない状態が続いていました。
状態の改善を図るため、マーケティング組織の立ち上げと同時にMAツールを導入。
休眠顧客や見込み顧客の掘り起こしに成功 し、リードナーチャリングの施策によって 約4倍の案件化率を達成 しました。電機メーカー
ある電機メーカーでは、従来、リードに対して部署ごとに電話でアプローチを行ったり、リードナーチャリングの実行を外部に委託するなどの対策が取られていましたが、営業活動を統合することの重要性を鑑み、自社内のリードへの対応を集約させる取り組みを始めておりました。
その後、全社プロジェクトとしてのインサイドセールス体制が確立され、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーション領域のすべてを担当できるようになりました。
また、 インサイドセールスで獲得した顧客の引継ぎ も適切に行われており、クロージングによって 効率的なマーケティング体制が構築 されています。
オンラインサービス運営企業
次に、イベントの運営で必要となるイベント作成や参加者管理をオンライン上で完結できるイベントに特化したプラットフォームを運営している企業の例です。
そのプラットフォームでは、無料版の基本機能と有料版のプレミアム機能があり、多くの機会においてプレミアム機能を有する有料版の販促を逃していました。
リードとのタッチポイントの機会を設けるため、カスタマージャーニーマップ内に「情報段階」を新たに追加することで、リードとのコミュニケーション機会を増やすことに成功しました。
また、自社オウンドメディアとしてブログを開設し、目的とする顧客の心情をサービスの利用ではなく、とりあえず話を聞いてみたいという興味関心へシフトチェンジも行っています。
この結果、企業に対する問い合わせが急増し、 見込み客数はブログの開設前と比較して、10倍弱 となりました。
マーケティング業
BtoB領域のSNSを管理するプラットフォームを提供している企業では、サービスの販促においては、MAツールやテレマーケティングを導入しており、恒常的な受注率を向上させる取り組みを行っています。
メール配信においては、自社サービスのトライアル版を利用しているリードを使用前と使用中・使用後の3つに分類し、 MAツールを用いることで適切なコンテンツ配信がなされるシステムを構築 しています。
またその他の取り組みとしては、製品資料などのホワイトペーパーの発信やフォロー架電などのリードナーチャリング施策があげられます。
リードナーチャリング成功のポイント
リードへのナーチャリングを成功させるコツやポイントとしては、以下の3つがあります。
目標を明確にする
より効果的なリードナーチャリングを実行するには、 適切なKGI(重要目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)の設定が必要不可欠 です。
以下の項目を意識しながら、タッチポイントや導入ツールを正しく選定しましょう。
評価指標 | 意味合い | 用いられる指標 | 指標の表現例 |
KPI | 中間指標 |
|
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KGI | 最終目標 |
|
ホットリードの基準を明確にする
適切なリードナーチャリング施策を実施するには、 ホットリード(見込み客)の明確な基準 を設けましょう。
リードの判別を行う方法としては、MAツールのスコアリング機能の活用やSNS分析、デモグラフィック情報の分析などがあります。
リードに関する情報を一元化する
リードに関する情報を一元化できるよう、 MAツールや顧客管理のシステム(CRM)を導入 しておきましょう。
企業の成長段階に合わせて導入を進めていくことで、適切なタイミングでの販促やアプローチが可能となり、最終的な受注率やリピート率を飛躍的に向上させることが可能となります。
顧客に必要な情報を的確なタイミングで伝えて成約につなげよう
本記事では、リードナーチャリングとは何かや、より効果的なリードナーチャリング手法について解説しました。
リードナーチャリングを正しく進めるには、顧客が何を考えているのか、それに合わせた適切なタッチポイントとは何かを考えることから始まります。
顧客が必要としている情報を的確なタイミングで届けることができるよう、 適切なリードナーチャリング体制を構築 していきましょう。
また、Scene Liveが提供しているアウトバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」を活用すれば、的確なユーザーへ最適なアプローチが可能です。リスト管理機能やCRM(Customer Relationship Management)ツールとの連携も可能で、リードナーチャリングの質の向上に大きく貢献するでしょう。
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