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コラム- COLUMN -

2024.10.16

AI音声解析とは?仕組み・テレアポや営業での活用事例も解説

コールセンター業務やテレアポ営業などでは、電話での声によるコミュニケーションが一般的です。

インターネットが普及し、メールやメッセージアプリなどでのテキストによるコミュニケーションが広まるなかでも、電話を使った音声によるやり取りはまだ多くのビジネスで活用されています。

しかし、現場で多くの通話が交わされる中で、音声の内容を正確に記録し分析することは非常に難しいことでした。

その中で活用が広まっているのがAIによる音声解析です。

音声解析システムの導入で課題を解決できます。

本記事では 音声解析のしくみや機能、コールセンターで使うメリット を解説します。

おすすめの音声解析システムをいくつか紹介するので導入の参考にしてください。

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導入時3つのチェックポイント

AIによる音声解析とは


AI(人工知能)による音声解析システムは、人間の発話を解析した音声データから意味や感情、キーワードなどを把握する技術を指します。

AIはコンピュータやソフトウェアが人間の活動を模倣する技術や研究の分野です。

近年ではAIにまつわる技術が急速に発展しており、さまざまな業界や分野で利用が活発となっています。

コールセンターやテレアポなど、電話を介した顧客とのやりとりの業務にもAI技術が多く使われるようになりました。

なかでも注目を集めているのが、AIを活用した音声解析です。

音声解析は 音声データを解析してテキストデータに変換したり、背景にある情報を抽出したりといった技術 を指します。

例えば、通話内容の感情分析や、キーワードやトピックを自動的に抽出し分析します。

AI音声解析の仕組みを詳しく解説


AIを活用した音声解析のしくみはディープラーニングの技術をベースに、音声の波形データや音声認識によって得られたテキストデータの分析をおこないます。

音声認識と音声解析は基本的には異なる処理です。

しかし、音声解析には音声認識で得られたテキストデータを参照しながら進めるプロセスもあります。

他にも音声の波形データから感情を特定したり、話者を識別したりといったことが可能です。

多くのシステムで複数の言語をサポートしており、通話の内容を効果的に解析できます。

「音声認識」と「音声解析」の違いは

「音声認識」と「音声解析」は、どちらも音声データを対象とした技術で、多くの場面で連携して使用されます。

音声認識と音声解析とでは目的と機能が異なります。

音声認識の目的は、音声データをテキストデータに変換することです。

一方で音声解析の目的は、 音声データの情報やパターンを把握し分析することで、感情分析や話者識別、トピックの特定などが可能 です。

音声解析にも音声認識で得られたテキストデータを活用した解析もあります。

AIを用いた音声解析の原理としくみ

AIを用いた音声解析はディープラーニング(深層学習)の技術がベースです。

まず、音響分析と呼ばれるステップです。

波形としての音声データから特徴量を抽出して、コンピュータが理解しやすいようなデータへと変換します。

特徴量には、「音の強弱」「周波数」「音と音の間隔」「時系列」といったものがあります。

音声が持つ特徴やパターンの数値化が可能です。

音響モデルは入力された音声から抽出された特徴が、どの「音素」に近いか見つけてテキスト化します。

言語モデルは発音辞書と照らし合わせて連結し、単語に変換する過程です。

 音声解析はここからさらに音声認識で得たデータや、特徴量などから音声の内容を特定 します。

AI音声解析システムの特徴

システムの特徴として以下の点が挙げられます。

通話内容を自動的に解析し、情報を抽出して分析するためのシステムです。

ディープラーニングモデルやニューラルネットワークを利用することで、従来の音声解析よりも高い精度での解析が期待できます。

リアルタイムでの音声データ解析も可能であるため、 遅延なくスムーズな対応が可能 です。

音声のトーンや抑揚、スピードなどから話者の感情を分析可能です。

複数人が同時に話す場面でも、話者を識別し正確に解析でき、システムの中には複数の言語をサポートしているものもあります。

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導入時3つのチェックポイント

AI音声解析の活用事例|コールセンター業務で利用するメリット5つ


AIを活用した音声解析システムは、通話中のリアルタイムでのフィードバックや、オペレーターのスキルの定量的な評価が可能です。

従来の感覚や経験に頼った定性的なものよりも的確な評価が得られます。

また、VOC分析で顧客の声をより深く理解し、サービスの向上が図れます。

営業にかかる時間やコストの削減も期待でき、オペレーターの研修や育成にも大いに役立つでしょう。

オペレーター支援に役立つ

オペレーター支援の面で、通話中に顧客の状況をリアルタイムでのヘルプやアドバイス、フィードバックが可能です。

 顧客の問題解決やクレーム対応がスムーズになる でしょう。

さらに、顧客の声から感情をリアルタイムで分析し、オペレーターにその場でフィードバックできれば、クレームへの発展を防止できます。

コールセンター業務を効率的にするだけでなく、顧客へのサービス品質も大幅に向上させる効果もあります。

オペレーターのスキルを定量化し適切に評価できる

音声データを定量的に可視化し、オペレータースキルを適切に評価できます。

従来は、オペレーターのスキルの評価は、感覚や経験に頼った定性的なものが一般的でした。

しかし定性的な評価は、的確な教育や判断が難しくなってしまいます。

通話中のオペレーターの音声データを取り入れ、声のトーンや感情といった評価軸で分析します。

 コミュニケーションスキルやエンゲージメントの度合いを具体的に評価可能 です。

VOC分析ができる

VOC(Voice of the Customer:顧客の声)分析は、顧客の声を収集・分析しニーズや要望、不満点などを理解する手法です。

具体的には、コールセンターの通話データや市場調査などから顧客の声を収集・分析し、品質向上や製品開発に役立てます。

ビジネスやサービスの向上が目的であり、日々の通話データをもとに、AIを活用した音声解析によるVOC分析は非常に有効です。

AIの高度な解析技術により、 顧客の声を深く解析することが可能で、サービス品質の向上 が期待できます。

営業の時間やコストを削減できる

音声解析システムは、時間やコストの削減に貢献します。

営業にかかる時間やコストの削減は、多くの企業にとって重要な課題です。

例えば、通話内容を自動的にテキスト化する機能は、オペレーターや営業の担当者が手入力での記録にかかる時間を大幅に削減できます。

さらに、通話品質やオペレーターの状態を自動で監視できる機能があれば、人手による監査や品質チェックの頻度を減らせるでしょう。

営業活動の 効率性を向上させられるため、時間やコストを大幅に削減 が期待できます。

研修に活用できる

オペレーターの育成や研修に、AIを活用した音声解析システムの導入は非常に効果的です。

音声解析を通じて、各オペレーターの通話スキルや対応の特性を詳細に分析できます。

それぞれの オペレーターが持つ強みや改善が必要な点を明確に特定できるため、効果的なアドバイスや研修プログラムの作成が可能 です。

AIを活用した音声解析は、オペレーターの育成や研修の質を高められる強力なツールとして機能するでしょう。

短期間でオペレーターのスキルアップが望め、コールセンター全体での品質向上の実現も期待できます。

音声解析システムを選定する際に見るべき3つのポイント


AIを活用した音声解析システムは多くの企業が開発や販売を手がけています。

その中から自社にあったシステムを選定したいと考えたときに見るべきポイントを解説します。

見るべきポイントは、「解析の機能」「音声認識の精度」「サポート体制とセキュリティ」です。

必要とする解析機能の種類

音声の解析機能にはいくつかのものがあります。

自社のコールセンターで必要なものを精査し、導入を検討しましょう。

機能には主に以下のものが挙げられます。

  • 通話内容のテキスト化
  • 感情分析
  • 話者識別
  • キーワード、トピックの抽出
  • リアルタイムでのフィードバック
 自社のコールセンターが抱える課題や、システム導入の目的を明確 にしましょう。

ニーズに合わせた必要な機能が見えてくるため、最適なシステムの選定が可能です。

音声認識の精度

音声データの認識精度は解析をする上でも重要な点です。

音声解析のプロセスには、音声をテキストデータに変換する音声認識が含まれます。

音声認識の精度が低ければ、変換されるテキストに誤りが多くなってしまうため解析の精度も低下しかねません。

音声解析システムの根幹となる部分が音声認識であるため、 精度はシステム全体での性能や信頼性に大きく影響する でしょう。

音声認識の精度は重要であると言えます。

システムのサポートとセキュリティ

システムを導入する上で、サポート体制がしっかりしているか、セキュリティ対策は万全であるかについて確認しましょう。

 システムの持続的な運用やデータの安全性を確保 するために重要です。

導入したあとも、トラブル時に迅速な対応が受けられるかや、疑問が発生した際に的確なサポートをすぐに受けられるかなどを確認します。

音声データは機密情報を含む場合もあるため取り扱いは特に慎重な対応をしなければなりません。

データの暗号化、アクセス制限、サーバーのセキュリティ施策といったデータのセキュリティのためのしくみが整っているか確認が不可欠です。

AIによる音声解析が可能なおすすめシステム5選


おすすめのAI音声解析システムを5つ紹介します。

システム名と特長を簡単に下の表にまとめました。

システム名 特長
Smash 音声解析「Voice Analytics」を用いて、オペレーターと顧客の会話を分析し可視化
MiiTel IP電話とAI音声解析を組み合わせ、話し方の解析や通話内容の文字起こしが可能
ForeSight Voice Mining AI技術でコールセンターの運営を効率化
感情分析では冷静な怒りも識別可能で、満足の感情も定量的に測定分析できる
Voice Contact リアルタイムで音声データの解析とテキスト変換が可能で、VOC分析の自動出力や業務改善のサポートが行える

Smash

Smash(2024年9月時点)
引用:Smash

株式会社Smashは、 企業と顧客の間の「解約」というタッチポイントから、企業の課題を把握して強みへと転換し、顧客のロイヤルティを強化する サービスの提供をしています。

その一つのサービスが音声解析「Voice Analytics」で、AIを利用しオペレーターと顧客との会話を分析し可視化することが目的です。

機能にはトークスクリプト改善や、オペレーター評価、VOC分析などがあります。

分析手法は、深度分析・ポジネガ分析・ピッチ分析の3種類です。

深度分析は、トークスクリプトの内容と紐づけて会話の深度をAIが自動で特定し、トークスクリプトの改善に役立ちます。

ポジネガ分析は、感情変化を時系列で数値化し、高いパフォーマンスを発揮するオペレーターに共通する感情の変化を可視化することです。

ピッチ分析は、話者の声の高低を時系列で可視化します。

MiiTel

MiiTel(2024年9月時点)
引用:MiiTel

株式会社RevCommが提供している音声解析AI電話「MiiTel」は、IP電話とAIによる音声解析を組み合わせたサービスを提供しています。

独自のAIを活用した音声解析システムで、 話し方の解析や通話内容の文字起こしが可能 です。

話し方の解析については、スピード・声の抑揚・ラリー回数などの取得機能があります。

営業やコールセンターでの応対を可視化し、商談数の増加や品質の向上、ノウハウの蓄積が期待できます。

ForeSight Voice Mining

ForeSight Voice Mining(2024年9月時点)
引用:ForeSight Voice Mining

「ForeSight Voice Mining」はNTTテクノクロス株式会社が提供している音声解析ソリューションです。

AI技術を活用してコールセンターの運営を効率化して、業績を向上させる目的で利用されており、金融系や大規模コールセンターでの実績があります。

特に音声認識の技術は高精度です。

 感情分析で識別できるのは、怒鳴っている怒りだけでなく、日本人特有の怒り方である静かで冷静な怒りも識別が可能 です。

会話リズムや言葉遣いによって、怒りだけでなく満足の感情を定量的に測定分析できる機能もあります。

Voice Contact

Voice Contact(2024年9月時点)
引用:Voice Contact

Hmcomm株式会社の「Voice Contact」は産総研発の特許技術に基づいて開発されたAIのコールセンター向けシステムです。

音声解析の技術は多くの業界やシーンでの利用を想定し、音声認識の精度も高水準を誇ります。

リアルタイムで音声データは解析され、テキストデータへ変換します。

 VOC分析を自動で実行し結果を出力できるので、レポート作成の負荷を削減可能 です。

また、客観的に分析できるようになり業務改善も進められます。

AI音声解析をコールセンターで活用して業務の効率化に役立てよう


AIによる音声解析は近年性能が向上し、コールセンターの業務に役立ちます。

本記事では、コールセンターでの活用メリットやおすすめの音声解析システムを紹介しました。

コールセンターでの業務やテレアポなどの営業活動で電話を多用する仕事で、AIを用いた音声解析システムは大いに効果を発揮するでしょう。

また、発信効率や分析精度に課題を持っているコールセンターやテレアポチームは、アウトバウンド向けコールシステムのList Navigator.がおすすめです。

プレディクティブ発信コールなど複数回線を活用した大量架電機能と、架電結果をステータス別に可視化・振り返りできる機能が搭載されています。

発信効率に課題をお持ちの方は、ぜひ導入をご検討ください。

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株式会社Scene Live マーケティング部

Written by株式会社Scene Live
編集部

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