2024.09.26
VOC(顧客の声)の重要性とは?収集方法や分析手順を詳しく解説
どんなビジネスにおいても、お客様の声をしっかりとキャッチし、商品やサービスに活かすことが重要です。
この”お客様の声”をVOCと呼ぶこともあります。
本記事ではVOCの重要性をはじめ、収集や分析の具体的な方法について解説します。
VOCの活用に注力することで、よりよい製品・サービス作りができることはもちろん、 リピーターの増加もねらえる でしょう。
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目次
VOCとは
VOCとは、「Voice of Customer」の頭文字を取った言葉であり、「顧客の声」を意味します。
VOCの概念には クチコミなどの評価はもちろん、要望やクレーム、問い合わせなど、幅広い顧客の声 が含まれます。
このように企業や商品に対して顧客から寄せられる意見や感想には、商品やサービスをより良く改善するヒントが多く詰まっていると言えるでしょう。
迅速に顧客の要望を取り入れて、期待に応えるためにもVOCの分析や活用は重要です。
マーケティング戦略の立案や検証にも役立つVOCの分析は、近年では業種や業界を問わず、重要視されています。
VOC(顧客の声)を分析するメリット
VOCの分析や活用はどの企業においても重要な施策ではありますが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
どの場合でも共通するVOCの大きなメリットを紹介します。
顧客の不満を素早く解消できる
VOCに耳を傾けることで、顧客が感じている不満をキャッチできます。
特にクレームは顧客が感じやすい不満の最たるものであり、同じような苦情が寄せられている場合には、早急な改善が求められていると言えるでしょう。
また、問い合わせからも顧客の不満を理解できます。
顧客が問い合わせるということは、わからない点がどうしても解消できなかったということの表れです。
つまり、情報発信が不十分だったり、適切な箇所に情報が記載されていなかったりといった可能性が考えられます。
このようなクレームや問い合わせから、顧客の不満や不便を理解でき、一つひとつ解消に向けた取り組みを実施できます。
コールセンターなどを運営している場合には、オペレーターだけで問い合わせ内容を管理するのではなく、 社内で幅広く共有し、VOCを分析する取り組みをおこなうとよい でしょう。
顧客のニーズに合ったサービス・商品を展開できる
近年では、クチコミの重要性が上がっています。
企業も顧客にクチコミを書いてもらうべく、さまざまな取り組みをおこなっていることでしょう。
クチコミには、「もっとこうだったらよかった」「こういうものもあればもっといい」といった顧客の希望や要望が書かれることがあります。
こうした顧客の希望をしっかり集めることで、次の商品開発やサービス作りに活かせるでしょう。
また、VOCの分析とVOCを活かした商品・サービス作りを継続しておこなっていると、「前はこうだったことが改善されてよくなった」「前の方がよかった」といったコメントが寄せられることもあります。
商品作りの結果、 顧客にどのように評価されているのかといった検証ができる 点もメリットです。
顧客満足度の向上につながる
顧客からのマイナスなコメントは、不満であると同時に、「改善してほしい」といった企業に対する意思表示や期待でもあります。
その期待に応える姿勢を企業努力として評価してくれる顧客も数多くいるでしょう。
不満点が解消されたり、要望がかなえられたりすることで、商品やサービスに対する満足度が上がることはもちろん、 顧客の声に応えようとする姿勢自体に好感を持ってもらえる可能性 が期待できます。
企業に対する顧客の好感はリピート利用にもつながり、売上にも貢献します。
VOC分析は、長く愛される商品作りや企業作りにも役立つと言えるでしょう。
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VOC(顧客の声)を分析するステップ
売上や企業の成長に重要なVOC。
具体的にはどのような手順でVOC分析をおこなえばよいのでしょうか。
正しい準備と手順によりVOC分析をおこなうことで、顧客の声を的確にビジネスに活かせるでしょう。
VOC分析の目的を明確にする
まずは、分析をおこなう目的を明確にしましょう。
さまざまな効果が期待できるVOC分析ですが、闇雲に集めるだけでは、とりまとめが困難になり、的確に活かせません。
VOC分析の目的には以下のようなものが考えられます。
- 特定の商品に対する不満点の解消
- サービスに対するクレームや不便の解消
- 新しい商品作りにおける情報収集
- 特定の商品リリース時の反応チェック
VOCの収集方法を整備する
VOCの集め方には、さまざまな方法があります。
効果的にVOC分析をおこなうためには、どのようなチャネルでVOCを集めるのか、厳選する必要があります。
それぞれのチャネルによって、特性やユーザーの属性が異なるため、前のステップで決めた 目的に合ったチャネルを選定することが重要 です。
目的に合わないチャネルでVOCを集めても、意図に合わない顧客の声ばかりで、次の分析になかなか活かせない可能性があります。
VOCを集めて課題を整理する
十分なVOCが集まったら、実際にコメントの内容を精査して、課題を明確にしましょう。
このとき、ただコメントを羅列するのではなく、 ある程度カテゴリを分けたり、同じような意見がどれくらい集まっているかを計測したりする ことで、分析や施策の計画がしやすくなります。
VOCの内容は、複数の人や部署と共有しながら活用するべきものであるため、わかりやすいレポートとして残しておくことがおすすめです。
課題や要望に対した施策を計画・実施
集計結果や分析レポートの内容を踏まえて、どのような施策をおこなうべきなのか計画します。
最初に決定した目的を達成すべく、いくつかの施策を立案し、できるものから実施しましょう。
あまりに多くの施策を一度に実施することは、後々どの施策による成果なのかわからなくなってしまうため、あまりおすすめできません。
施策ごとの成果を確認できるよう、 ある程度独立して計測できる内容の施策を同時進行すべき でしょう。
その後のVOCを観察
施策を実施した後には、その効果を分析することが重要です。
まず一つの方法として、 その後のVOCを観察することで、改善施策が顧客にどのような影響をもたらしたのか理解できる でしょう。
施策後のVOCを再度収集し、また次の改善や施策に活かします。
他にも、成約した数や購買された数、Webサイトの閲覧数など、さまざまなデータによって、施策効果を計測できます。
目的に合った数値分析で、VOC分析の効果を計測しましょう。
VOC(顧客の声)の集め方
VOCの集め方には、さまざまな方法があり、それぞれによって特性が異なります。
目的にあったチャネルを利用してVOCを収集することで、効率的にVOC分析を実施できます。
チャネルごとにどのような特性や違いがあるのかをあらかじめ理解しておき、その都度目的にあったチャネルを選定することが重要です。
カスタマーセンター
顧客のサポートをおこなうカスタマーセンターやヘルプデスクでは、顧客の問い合わせやクレームを集められます。
どちらかというとネガティブな意見が集まる傾向があるため、 現時点での課題を理解して、不足点を改善したい場合 に役立ちます。
不満の改善は、顧客満足度に直結するので、早急にロイヤルティを改善したい場合には、優先的に対応したいチャネルとも言えるでしょう。
ただし、本来は顧客が直面している問題を解消するための部門であるため、顧客の声がうまく集められない可能性があります。
VOCとして情報を管理・共有するためには、ツールを利用するなどして、情報を収集したり活用したりするための能動的な行動が必要不可欠です。
SNS
近年では、SNSもクチコミを書いたり共有したりする場として広く活用されています。
SNSと親和性が高いビジネスをおこなっている場合には、十分にVOCを集めるツールになり得るでしょう。
SNSは、 特定の商品に対する評価やレビューを理解したい場合 に向いています。
自社でSNSを開設している場合には、日頃から顧客に投稿を促す活動をしていると、よりVOCが集めやすくなります。
分析できるほどのVOCをSNSで集めるためには、ある程度の知名度を持っていたり、日頃からユーザーに関連する投稿を促したりといった努力が必要です。
また、即時にクチコミが集まる場ではないため、VOCを集めるにはある程度の時間がかかるでしょう。
クチコミサイト
クチコミサイトや比較サイトがある業界であれば、このような外部サイトが最もVOCが集まりやすい場と言えるでしょう。
クチコミサイトでは、ポジティブな意見からネガティブな意見まで、幅広く集まる傾向があるため、 商品の改善を目的とした場合はもちろん、改善施策をおこなった結果を理解する際 にも役立ちます。
物販であれば、モール系の販売サイトのクチコミも似たような場として活用できるでしょう。
クチコミサイトに自社の店や商品を掲載している場合には、ユーザーからの投稿を日頃から促すことでVOCが集まりやすくなります。
一つひとつのクチコミに対し、コメントをしっかり返すことで、顧客の満足度も上がり、別のユーザーがクチコミを投稿しやすい場を作れます。
アンケート
具体的な商品やサービスに対してのVOCを集めたいときには、アンケートが効果的です。
特定の製品のみにフォーカスして、こちらが聞きたい設問を用意できるため、 収集情報をコントロールしやすい 点も大きなメリットです。
アンケートを取るというと労力がかかると思われがちですが、工夫次第で手軽にVOCを集められるツールでもあります。
Web上で実施したり設問を2~3問程度に絞ったりすれば、答える側のハードルも下がり、VOCが集まりやすくなるでしょう。
アンケートでVOCを集める場合には、あまり欲張りすぎず、核心的な内容に絞ってじっしすることがおすすめです。
VOCを活かして顧客満足度や売り上げの向上につなげよう
VOC分析は顧客の不満解消や、新製品作りに役立ちます。
どの企業にとっても重要なことであり、工夫次第で大きな費用をかけなくても実施できる活動です。
また、本来VOCを集める目的でおこなっていないものであっても、自然にVOCが集まる場になっている場合もあり得ます。
日頃から顧客の声に耳を傾けることを意識することが重要です。
物やサービスがあふれている現代において、 顧客の不満をスピーディーに解消したり、顧客が望むものを形にしたりすることが他社との差別化 にもつながります。
適切な方法でVOCを集めて管理し、製品やサービス作りに活かしましょう。
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