2024.10.09
ビジネスホンの主装置とは?仕組み・価格・主装置なしの場合など解説
しかし、「ビジネスホンや主装置のことがよくわからない」「導入や設置のプロセスがわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、以下の内容を解説しています。
- ビジネスホンを導入するメリット
- ビジネスホンの主装置について
- ビジネスホンを導入する流れ
- ビジネスホンを主装置なしで導入する方法
また、おすすめのビジネスホンメーカーやサービスも紹介します。
ビジネスホンや主装置への理解を深め、導入の参考にしてください。
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目次
ビジネスホンとは?
ビジネスホンとは、主装置と専用電話機の組み合わせからなるシステムのことです。
他にも、ビジネスフォンやオフィス電話機、ビジネス用電話機、業務用電話機などと呼ばれることも。
主装置を介して複数の回線と電話機を制御するシステムで、複数の外線と内線を共有できるため、多くの企業やコールセンターなどで導入されています。
ビジネスホンで管理できる電話機や回線の数は、主装置によって異なります。
他にも、留守電や通話録音の機能を追加することや、FAXといった他のシステムと連携することも可能です。
ビジネスホンと家庭用電話機の違い
ビジネスホンが家庭用の電話機と大きく違うのは、1つの電話番号で複数の電話機を同時に接続できる点です。家庭用の電話機は1回線契約が基本となっており、たとえ子機があったとしても、ひとつの電話機が使用中であれば他の電話機は使えなくなります。
一方のビジネスホンは、すべての回線が主装置に集約されるため、同じ電話番号で複数の電話を同時に利用できます。
また、ビジネスホンで使える内線通話や保留の転送なども、家庭用の電話機にはない機能です。
他にも、ビジネスホンは専門の業者やメーカーから購入する必要があり、設置方法も家庭用の電話機とは異なります。
ビジネスホンと家庭用電話機の違いに関しては、ビジネス用電話機(ビジネスフォン)と家庭用電話機の違いを徹底解説の記事でも詳しく解説しています。
ビジネスホンを導入するメリット
ビジネスホンの導入には、以下のような多くのメリットがあります。
- 1つの電話番号で複数の電話機を使って外線電話ができる
- 内線電話を活用できる
- 保留転送でどの電話機でも取り次ぎができる
主装置を介することで複数の着信にも対応できるため、話し中で電話がつながらないといった状況を回避し、相手を待たせずに済むでしょう。
ビジネスホンの機能によってはスマートフォンに電話を転送することもできるため、外回り中の担当者が電話対応することも可能です。
また、内線での通話は無料で行えるので、通話料金のコスト削減にもつながります。
通話回数や時間を気にする必要がないため、違う部署への電話も利用しやすく、社内コミュニケーションの円滑化が期待できるのではないでしょうか。
オフィスにおいて 2台以上で同時に電話する可能性がある場合は、ビジネスホンの導入をおすすめします。
ビジネスホンに必要な主装置とは?仕組み・価格など
主装置は、外線と内線または内線同士をつなぎ、共有や制御を行う交換機です。
ビジネスホンを利用する際に必要な機器のひとつで、構内交換機やPBX(Private Branch eXchange)とも呼ばれています。
ビジネスホンの主装置は、以下の3つのタイプに分けられます。
- 主装置内蔵型のビジネスホン
- 通常型のビジネスホン
- クラウド型のビジネスホン
主装置内蔵型のビジネスホンは、電話機の中に主装置が入っているタイプで、小規模の事務所のような1、2回線程度しか使わない場合に利用されているものです。
そして、近年特に注目されているのが、クラウド型のビジネスホンです。
主装置をクラウド化することで物理的な機器が不要になるため、初期費用や運用の費用を抑えられるといったメリットがあります。
また、契約台数の変更もしやすく、スマートフォンやタブレットとの連携も可能です。
クラウドPBXに関しては、pbxのメリットは?機能や仕組みを紹介でも詳しく解説しています。
主装置の仕組み
主装置には「ユニット」と呼ばれる基板が組み込まれており、内線通話や保留の転送などの機能が使えるようになっています。また、外線や内線のすべての発着信が主装置を介して行われる仕組みです。
社外からFAXが届くときも主装置を介して行われます。
この「ユニット」を増設すれば、導入初期にはなかった機能を追加できます。
また、主装置と専用電話機やコードレスホンアンテナ、複合機といった通信機器は、電話回線やインターネット回線などで接続されています。
モジュラーケーブル、LANケーブルを配線し各電話機とつなげると、ビジネスホンとして利用可能です。
主装置が正しく動作しなければ、オフィス業務に大きな支障をきたしてしまいます。
担当者は仕組みを理解して、メンテナンスを行いましょう。
主装置はNTTの場合、接続できる電話端末や回線の数によって3つのクラスに分けられます。
クラス | 電話端末 | チャンネル |
Sクラス | 10台まで | 回線4チャンネルまで |
Mクラス | 30台まで | 回線12チャンネルまで |
Lクラス | 80台まで | 回線24チャンネルまで |
主装置ごとに接続の上限が定められているため、超える場合には入れ替えや増設が必要です。
主装置とユニットの関係
主に使用されるユニットとしては、以下の6種類があります。
ユニット | 特徴 |
外線ユニット | 社外との発着信を制御する |
内線ユニット | オフィスの内線を制御する |
電源ユニット | 主装置に電力を供給する |
他機能ユニット | ビジネスホン以外の周辺機器とビジネスホンを接続する |
単独電話機ユニット | FAXや固定電話機を接続する |
拡張ユニット | 基本機能以外の機能を追加する |
ビジネスホンの基本となる内線、外線の切り替えやFAX機能、そもそも主装置を動かすためにもユニットは重要な役割を担っています。
ユニットはビジネスホンに機能を追加する基盤であり、主装置はユニットを動作させるための装置という関係です。
つまり、 ビジネスホンの機能は、ユニットによって決まります 。
加えてユニットによって主装置に接続可能な電話機の台数も変動します。
繁忙期も視野に入れ、ユニット収容数には余裕を持たせるようにしましょう。
収容する回線数についても、1日当たりの架電回数や電話機の台数を考慮して選定する必要があります。
また、ユニットと主装置は、基本的には同一メーカーのものを使用しましょう。
互換性のある状態でなければビジネスホンが正常に動作しないため、注意が必要です。
主装置の役割や機能
主装置の役割は、外線と内線または内線同士をつなぐことです。また、主装置の有している機能が、ほとんどそのままビジネスホンの機能となります。
- 電話の発着信
- 留守番電話機能
- 自動応答メッセージ機能
- 保留機能
- 転送機能
- 自動音声機能
- モニター機能
モニター機能とは、つながっている電話の内容を別の電話機でも聞ける機能です。
さまざまな機能を取捨選択して、必要な機能を利用するためのユニットを主装置に組み込むことで、ビジネスホンに搭載できます。
主装置の価格
新品で購入する場合、Sクラスのもので20万円~が目安となります。ただし、主装置のみで使用するシチュエーションは少ないため、電話機とセットで価格設定されている場合が一般的です。
基本的にはSクラス、Mクラス、Lクラスの順で高額になります。
Lクラスのように大規模な主装置が必要であれば、30万円以上することも少なくありません。
販売店や機種、組み込む機能などにより価格設定が異なるので、個別に価格を確認しましょう。
中古で購入することも可能ですが、主装置とビジネスホンにはそれぞれ対応機種があるため、以下のリスクが発生します。
- 主装置を購入したものの、適合するビジネスホンの電話端末が手に入らない
- 主装置が故障した場合に、販売が終了していて電話端末と合わせて一式を購入しなければいけない
中古で購入する場合は、業者や機種を見極める必要があります。
また、一般的に中古価格の相場は、新品価格の4分の1から5分の1程度といわれています。
リスクとコストを考慮し、優先度を見極めて導入を検討しましょう。
初期費用を押さえてビジネスホンを利用したい場合には、リース契約もおすすめです。
リース契約では、期間中に毎月定額リース料金を支払い、新品のビジネスホンを使用できます。
リースの場合も導入に際しては工事が必要です。
導入費用を極力抑えたいときは、契約と工事費をまとめて割引になるプランや、キャンペーンを実施しているリース業者を探す方法もあります。
主装置の耐用年数
主装置の 法定耐用年数は、新品の場合、6年 と定められています。
法定耐用年数とは「減価償却資産」のことをいい、どれくらいの年数、資産価値があるかどうかを示すものです。
そのため、主装置の部品は製造終了から7年までしか供給されないことがほとんどです。
ただし、経理上の資産価値が6年で0になるというだけで、寿命によって使えなくなるという意味ではありません。
10年以上同じビジネスホンを使っている例もありますが、逆に6年は故障せずに使い続けられるというわけではないことも理解しておきましょう。
耐用年数を過ぎたり、長く使い続けたりした場合、以下のリスクが高まります。
- 劣化による不具合や故障が発生する
- 部品の供給や修理サポートが終了する
テレワークの導入により、働き方が変わり続けているので、システムが時代に追いつかないことによる機会損失や非効率化の恐れもあるでしょう。
耐用年数の6年が近づいたタイミングで、買い替えを検討する交換するなど、一度業者に相談することがおすすめです。
また、新しいモデルのビジネスホンは、性能が大幅に向上していることがほとんどです。
導入から時間が経過している、あるいはリース期間の満了時には、別のビジネスホンシステムへの変更を検討するのも方法の1つといえます。
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ビジネスホンを導入する流れ
ビジネスホンを導入するには、2つの工程が必要です。
- 主装置と電話端末の設置
- 主装置と電話端末の設定
まずは、電話回線の引き込み口からケーブルを引き、主装置に接続させます。
配線の方法には、以下の2種類があります。
配線 | 特徴 |
スター配線 | 主装置から電話端末に1本ずつ配線 |
バス配線 | 主装置から1本の配線を枝分かれさせた配線 |
それぞれ、スター配線にはケーブルを交換しやすい、バス配線には配線数が少なくすっきりした見た目になるといったメリットがあります。
設置の後は、実際に電話を使えるように主装置の設定が必要です。
以上のように、 ビジネスホンを導入するのには専門知識が必要であり、設置のための工事には「工事担任者」の国家資格も必要なため、専用の業者に頼むのがよいでしょう。
ビジネスホンを導入する際の注意点
主装置の購入や設置の工事費などもかかるため、家庭用の電話機と比べるとビジネスホンの初期費用は高くつきます。
また、専用業者とのスケジュール調整を含め、導入にはある程度の時間がかかることを認識しておきましょう。
購入して すぐに使えるわけではないので、時間に余裕を持って導入する必要があります。
ただし、クラウドPBXであれば、設置する手間が省けるためすぐに導入することが可能です。
また、物理的な主装置を必要としないため、初期費用や運用費用を抑えることもできます。
今後ビジネスホンの導入を検討されている方には、クラウドPBXがおすすめです。
主装置の選び方
現在の利用状況のみで判断して主装置を選ぶと、事業規模を拡大した場合に端末や回線、機能などを追加する必要に迫られ、余計に費用がかかる恐れがあります。
そのため、使用する電話端末の台数や必要な機能を事前に十分検討しましょう。
主装置の設定や機能、価格は、メーカーによって大きく異なります。
無駄な出費を抑えるためには、将来必要になると思われる機能を予測し、メーカーごとに比較した上で選択することが重要です。ビジネスホンを主装置なしで導入は可能なのか?
ビジネスホンに必要不可欠に見える主装置ですが、次のどちらかを活用すれば主装置を使用せずにビジネスホンを導入できます。
- 主装置内蔵型ビジネスホン
- クラウドPBX
2つに共通するメリットとしては、 主装置を置くスペースがいらないため、狭いオフィスや事務所でも快適に使える点です。
それぞれの特徴を解説します。
主装置内蔵型ビジネスホン
従来ビジネスホンを使うには、主装置を別に用意する必要がありました。
対して、主装置内蔵型ビジネスホンはその名のとおり主装置をすでに内蔵しているビジネスホンです。
接続台数や機能は主装置外付けタイプのものより劣るものの、 機器や複雑な配線、設置にかかる工事が不要で、導入コストを大幅に削減できます。
接続できる台数は1~4台ほどで、小規模な企業や自宅と事務所を兼ねている個人事業主などに向いています。
注意しなければならないのは、接続台数が増えることによるリスクです。
接続数が推奨数より増えてしまうと、着信の遅延や通話のタイムラグが起こりやすくなり、顧客との円滑なやり取りができなくなります。
導入に際しては、使う回線数に注意しましょう。
将来的に増員して企業規模を拡大する見込みがあれば、コストを優先しての導入はおすすめしません。
クラウドPBX
クラウドPBXは 主装置の主な機能をクラウド上に構築し、インターネット回線を介して主装置にアクセス、これによりビジネスホン機能を利用可能にする仕組み です。
クラウドPBXでは、スマートフォンやパソコンといったデバイスをビジネスホンとして使用可能です。
主装置が不要な点では主装置内蔵型ビジネスホンと同様ですが、クラウドPBXは主装置がクラウド上にあるため、主装置内蔵型よりも多くの機能を使用できます。
また、物理的な主装置に比べて、回線や機能追加が簡単かつ低価格でできることもメリットといえます。
追加した機能は管理画面上で確認できるので、ビジネスホンに現状どのような機能が備わっているかがひと目で把握できるのも便利な点です。
これらの利点から、リモートワーカーや在宅勤務制度を導入している企業を中心に注目を集めています。
ただし、導入に際しては審査条件を満たさなければならない点に注意しましょう。
審査が設けられている理由は、クラウドPBXが詐欺に利用されるケースが増えている背景があるためです。
導入時は使用者の住所や氏名の確認はもちろん、次のような項目を審査されます。
- 法人・個人事業主に実体があるか
- 自己破産の経歴の有無
- 未払いの借金はないか
審査は実施する通信事業者により前後しますが、早くて数時間、長くても2営業日ほどで完了します。
また、クラウドPBXはインターネット環境により品質が左右するため、業者選びは慎重に行いましょう。
おすすめのビジネスホンメーカー
どのメーカーを選ぶかによって、業務の効率やコストが大きく左右されます。しかし、多くのビジネスホンメーカーが存在するため、どのように選べばよいかわからない方というも多いのではないでしょうか。
本記事では、以下の3つのメーカーをおすすめします。
メーカー | 特徴 |
Scene Live | すぐに導入できるクラウドPBX |
NTT | 通信事業の最大手 |
saxa | 高い技術力とコストパフォーマンス |
それぞれ特徴や使用できる機能を詳しく解説しますので、参考にしてください。
Scene Live
引用:Scene Live
Scene Liveはクラウド型コールシステムを提供しているメーカーです。
中でも、 拡張性が高くさまざまなシステムとも連携できるクラウドPBXの「OSORA」がおすすめです。
OSORAはインバウンドに特化したコールシステムで、顧客からの問い合わせが発生する業務に向いているサービスです。
以下の機能が搭載されています。
- 全通話の録音や履歴の管理
- 自動音声への切り替えや着信時のアナウンス設定
- 誰からの着信かわかるポップアップ機能
- コール状況を確認できるモニタリング機能
- 受電地域の分布や応答時間などによる統計レポート機能
- 発信数や通話時間、応答率などの通話分析
- 着信拒否
- 短縮ダイヤル機能
- 三者間通話
- 拠点間転送
スマートフォンや離れた場所にある電話機も内線化できるので、外出中の担当者への取り次ぎも可能です。
1台月額1,000円(※2024年1月時点)からと低コストで、手軽に導入できる点も魅力です。
NTT
引用:NTT
NTTは言わずと知れた日本の通信事業の最大手で、圧倒的なブランド力を誇っているメーカーです。
あらゆるニーズに対応したビジネスホンを提供されており、 最大で576台が接続できる拡張性と、リーズナブルな料金設定が特徴です。
小規模事業者に向けたビジネスホン「SmartNetcommunity αZX Home」も用意されています。
- コードレス
- スマートフォン内線機能
- 電話とコンピューターを連携させるCTI連携機能
- ボイスメール機能
NTTのひかり電話サービスにも対応しており、インターネット回線を含むトータルサポートも受けられるので、安心して利用できるのではないでしょうか。
saxa
引用:saxa
saxaはビジネスホンの業界ではNTTに次ぐブランド力を持っているメーカーです。
総合電機メーカーとして、 情報通信ネットワークに関連した製品を製造・販売しており、技術力に定評があります。
技術力は業界内でも高く評価されているため、NTTを含む他社からも端末の製造を依頼されており、販売も行われています。
セキュリティ機器も製造されているメーカーなので、以下のような他にはない機能が充実しているのが特徴です。
- 侵入者を検知する機能
- ネットワークカメラとの連携
- 地震の発生時にお知らせする機能
基本的には小・中規模の企業向けのビジネスホンに特化しており、中小企業であればNTTよりもコストを抑えて導入できるでしょう。
大きくて見やすいディスプレイや操作しやすい十字キーなどで、どなたでも使いやすいビジネスホンです。
主装置を理解し業務に適したビジネスホンでコストを削減しよう
ビジネスホンを導入することで、通信費のコストを削減できます。
自社に適したビジネスホンを選ぶためには、主装置の種類や機能、特徴、導入の流れなどを理解することが大切です。
まずは、メーカーやサービスごとに異なるさまざまな機能を理解しましょう。
特に、Scene Liveが提供しているOSORAは、すぐに導入できてコストも抑えられるおすすめのクラウドPBXです。
ビジネスホンの導入を検討されている方は、システムパンフレットからぜひ詳細を確認してください。
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