378

テレマーケティング業界の最新情報をお届け

コラム- COLUMN -

2024.09.11

アポ率向上がマーケティングと営業活動の鍵に 具体的方法と注意点

テレアポなどのアウトバウンド営業において、アポ率の向上は成約率に直結します。

企業活動にとって重要な指標ですが、苦手としているアポインターも少なくありません。

本記事では、アポ獲得の重要性をふまえ、アポ率を向上させるための施策・8選と注意すべき点3つを解説します。

■合わせてよく読まれている資料
テレアポクロージングトーク」も合わせてダウンロードいただけます。

テレアポクロージングトーク

アポ率を向上させる重要性とは

営業活動においてアポ率の向上は極めて重要です。

アポ率は商談の確約数÷アプローチ数×100で計算でき、アポ率を向上させることはより多くの商談の獲得につながります。

アポ率が低ければ商談や成約につながらず、当然企業の売上が上がりません。

アポとは

アポとは「アポイントメント」の略で、 ビジネスシーンでは商談のための約束 を意味します。

アポ獲得の重要性

営業の分野においては「アポなし・飛び込み」の営業もあり、現在でも有力な営業方法の一つになっていますが、多くの場合商談の前にアポ獲得を目指します。

営業活動でアポ獲得を目指す理由としては、顧客に確実に話を聞いてもらえる状況をつくり、受注までスムーズに話を進めるためです。

高額な製品・サービスの契約やBtoBの受注においては、商談を行って仕様などを確定した上での契約が基本です。

そのため、 新規顧客の開拓をしていく場合は、商談のアポ獲得が必須の工程 になります。

商談の相手が決裁権限を持つ人であれば、自社製品・サービスの仕様や価格などを具体的に提案でき、成約につながるチャンスも増えるでしょう。

BtoB営業における平均的なアポ率

ビジネスの電話をかけるために電話番号をダイヤルしている男性の手のクローズアップ

成約率を上げるためにはアポ率の向上が欠かせませんが、実際にアポ率はどの程度なのでしょうか。

ここでは、BtoB営業における平均的なアポ率を紹介します。

メールをクリックした企業への架電

 自社の営業メールに対してクリックした企業へ後から架電した場合のアポ率は、平均5%である とされています。

営業メールを開封し、クリックした時点である程度は自社の製品・サービスに興味がある顧客です。

つまり、この時点で一定のターゲティングが行われているため、アポ率もやや高くなります。

アポ率を向上させるためには、相手の興味・関心を高める施策が重要といえます。

名刺交換した企業への架電

 企業イベントや合同展示会などで名刺交換をした企業担当者へ架電したときのアポ率は、平均10% とされています。

企業イベントで名刺交換するほどの関係であれば、自社の製品・サービスに関心を持ってもらう可能性が高く、他のアポ獲得方法と比べて高いアポ率になっています。

名刺交換自体が一つのターゲティングになっているのです。

さまざまな機会で企業担当者と直接会えるのであれば、ぜひとも名刺交換をして、関係性を構築しておきましょう。

問い合わせフォームからの営業

 問合せフォームに記入してくれた顧客へ架電するアポ率は、平均1%である とされています。

100件送って1件成功する確率ですので、アポを獲得する難易度は高いといえるでしょう。

ただ、問合せフォームへの返信自体はそれほど手間のかかるものではありませんので、問い合わせ件数が増えてくればアポ獲得も比例して増えてくると予想されます。

FAX・メールでの営業

 FAX・メールによるアポ率は1%から5%である とされています。

確率的には低いものの、一斉送信が可能であるため、テレアポなどに比べて営業担当者にそれほど負担はかからないでしょう。

文章を通じての訴求となりますので、アポ率を向上させるにはセールスライティングの技術が必要になります。

短い文章のなかに、顧客の利益が伝わるように文面を工夫しましょう。

新規営業先へのテレアポ

 新規営業先へのテレアポのアポ率は、わずか0.3%から0.5%くらい とされています。

数ある新規開拓の手法の中でも低い水準で、もっともハードな手法だといえるでしょう。

大きな理由は、決裁権限者に電話をつなげてもらえないからです。

企業の代表電話や窓口センターでは、決裁権限を持つ担当者が電話を取ることはないため、受付の人と話を進めて決裁権限者に電話をつないでもらう必要があります。

この段階で営業電話がシャットアウトされるケースが多いため、商談のアポにまで到達するのが難しくなるのです。

それでも、テレアポに習熟してくるとアポ率は向上していきます。

テレアポ上級者になると、アポ獲得の成功率は2%から5%程度にまで上昇するとされています。

上級者は、どの企業にどのような話題を提供すれば良いかを考えます。

また、決裁権限者につないでもらうためにどう話せば良いかもイメージするのです。

成功率が低く、非効率と思われがちなテレアポも、アポインターの習熟度合いによって確実にアポ率の向上は可能です。

成約数を伸ばし、企業の売上を向上させるためには、テレアポの場面でのアポ率向上が鍵を握っているといっても過言ではありません。

テレアポでアポ率を向上させるための施策8選

テレアポにおけるアポ率を向上させるための施策として、以下の8つを紹介します。

  • 担当者の都合が良い時間に電話する
  • 顧客の会話のトーン・テンポに合わせる
  • 短時間で商品情報を伝える
  • 興味・関心を惹きつける
  • 心理学テクニックを応用する
  • アポ日程は複数提案する
  • トークスクリプトを改善する
  • 営業支援ツールを使う

担当者の都合が良い時間に電話する

テレアポでアポ率の向上を目指すのであれば、 担当者が電話に出やすい時間帯に架電すると効率的 です。

電話営業では、相手がいないと営業ができません。

時間帯を意識するだけで、テレアポのアポ率が変わります。

また、テレアポは相手の時間を奪ってしまうものなので、相手の時間に都合を合わせる配慮も必要です。

テレアポをするうえで避けるべき時間帯としては、以下のものがあります。

  • 始業前・始業直後
  • 休憩時間
  • 終業直前・終業後
  • 相手の繁忙時間帯や繁忙期

業種、業界、会社内の部署、仕事の内容などによっても、つながりやすい時間帯が異なります。

顧客の業務内容を考慮した時間帯にテレアポをするようにしましょう。

顧客の会話のトーン・テンポに合わせる

相手に好印象を与え、話を聞く気持ちになってもらうには、声のトーンや話すときのテンポが重要です。

テレアポではお互い初めて話す相手となるので、たいていは警戒されてしまいます。

アポインターが緊張して声のトーンが低くなったり、元気のない話し方で暗い印象を与えてしまったりすると、すぐに切られてしまいます。

声のトーンは自然で、落ち着いた調子にするのが重要です。

また、 相手に好印象や親近感をもってもらうために、会話のトーンやテンポ、使う用語は相手に合わせる のがおすすめです。

例えば、早口な相手には早口気味で、ゆっくり口調の相手にはゆっくりめに話します。

そうすると、会話のトーンやテンポが自然と合致するので、違和感なく話し続けられます。

短時間で商品情報を伝える

テレアポにおいては、いかに短時間で商品の魅力を伝えるかが重要です。

初めての相手に架電しているので、当然相手との関係性は築かれておらず、商品説明のために時間をかける暇はありません。

短い時間で相手に興味を持ってもらう言葉を連ねる必要があります。

 冒頭の短時間に、どのような要件で電話したのか、どんな商品を紹介したいのか、なぜ会って話したいのかを伝えられるように セールストークを用意しておきましょう。

興味・関心を惹きつける

テレアポでは一方的に話すことはせず、相手にメリットがあると思わせる情報伝達を意識します。

 テレアポの目的は売り込みではなく、興味・関心を惹きつける ことです。

意識すべきはプッシュ(押す)ではなく、プル(引く)です。

製品・サービスについて興味・関心がわいていないのに、一方的にセールストークをされても人の心は動かないでしょう。

逆にいうと、人は興味・関心が高まれば「会って話を聞いてみよう」と思うものです。

いかに興味・関心を惹きつけるかを意識して、会話をするようにしましょう。

心理学テクニックを応用する

テレアポのトーク内容に心理学を応用することで、成果を出せる可能性が高くなります。

心理学を応用したテクニックには、以下のものがあります。

  • 好意の返報性
  • ハロー効果
  • バンドワゴン効果

それぞれ解説します。

好意の返報性

 好意の返報性とは、相手から好意や親切を受けたときに、お返しやお礼をしたくなる心理作用 を指します。

これは返報性の原理の一種で、好意の返報性の反対に敵意の返報性もあります。

返報性の原理とは、相手から受けた好意・敵意などのアクションに「お返しをしたい」と感じるナチュラルな心理のことをいうのです。

好意の返報性の実践は難しくありません。

何気ない会話のなかでも、相手への好意、相手への尊敬の念を示せばいいのです。

しかし、わざとらしい「おべっか」では逆効果になりますので、注意しましょう。

ハロー効果

 ハロー効果とは、対象の特徴的な部分や功績に着目し過ぎてしまい、評価に偏りが生じる心理現象 のことを指します。

例としては、有名タレントが出演するCMを見て、その製品が良いものと思い込むなどがあります。

セールスしたい自社製品・サービスがテレビCMなどを打っていたら、「◯◯のCMでおなじみの△△です」と自己紹介をしましょう。

製品・サービスの情報を事細かく説明するよりも、説得力がある場合があります。

バンドワゴン効果

 バンドワゴン効果とは、多くの人が支持している物や事象がいっそう支持が大きくなる現象 を指します。

簡単にいうと「勝馬に乗る」という心理状況です。

テレアポのセールストークでバンドワゴン効果を応用するなら、以下のような言い回しがありえるでしょう。

「こちらは現在売り上げNo.1の〇〇です」
「こちらの商品は△△大学の□□教授もその効果を認めています」

商品の価値を他人も支持しているように聞こえ、安心感を高められます。

アポ日程は複数提案する

アポイントの日程は、 具体的に複数提示するのが有効 です。

「ご都合が良い日時を教えてください」という聞き方は、相手にスケジュール調整を強いる行為になるので、失礼に当たります。

こちらから提示した日程から都合の良い日時を選ぶだけにすることで、相手の負担を減らせます。

提示する日程が一つだけだと、都合が悪いと断られます。

候補日は3つほど提案しておくと、断られにくくなるでしょう。

トークスクリプトを改善する

トークスクリプトとは、テレアポにおいて「どのような話題を話すのか」「どんな流れで話を進めるのか」を事前にまとめた会話の台本です。

実際のテレアポはこのトークスプリクトに沿って進めるのですが、トークスプリクトは常に見直しや改善を行う必要があります。

 顧客の反応や現場の営業担当のフィードバックをもとに、スクリプトをより効果的にするための微調整 が求められるのです。

成功したケースの会話内容を取り入れることで、ノウハウを共有することにもつながります。

営業支援ツールを使う

マーケティング・営業活動の生産性を向上させ、 アポ率を上げるためには、業務をサポートする営業ツールの導入が推奨 されます。

効率的なテレアポを実施するには、CTIツールが有効です。

CTIとは「Computer Telephony Integration」の頭文字をとった言葉で、パソコンと電話・FAXを統合させたシステムを指します。

多回線で同時に発信し、つながった番号だけをオペレーターに転送するプレディクティブコール機能や、効果的なトークスクリプト作成の手助けとなる音声分析などの機能を有しています。

アポ率を向上させるための3つの注意点

アポ率を向上させるためには、注意点すべき点が3つあります。

  • 準備を怠らない
  • 質の良い架電リストを用意する
  • 強引な営業にならないようにする

順番に解説します。

準備を怠らない

アポ率を向上させるためには、事前準備を怠らない姿勢が大切です。

事前準備によって心に余裕が生まれ、テレアポにおける相手との会話がスムーズになります。

準備すべきものは以下の4つです。

  • 架電リスト
  • トークスプリクト
  • 製品・サービスの知識
  • 詳細な顧客情報

架電リスト、トークスプリクトは当然として、重要なのは自社製品・サービスの知識と詳細な顧客情報を事前に頭に入れる工程です。

自社の製品・サービスの知識がおぼつかないと、相手のニーズに合わせた提案ができません。

また、 「業種」「従業員数」「売上規模」などの顧客情報が事前にわかる場合は、そうした詳細な情報を頭に入れ、トークスプリクトを応用 しましょう。

トークスプリクトの活用といっても、ただの台本の棒読みでは機械音声と変わらなくなってしまいます。

事前に入手している顧客情報や相手のリアクションに合わせて、臨機応変に会話内容を展開できるかが成功のカギとなります。

そして、臨機応変な会話を可能にするものこそ事前の準備なのです。

質の良い架電リストを用意する

架電するターゲットリストの質の良し悪しは、テレアポの結果に直接反映します。

架電リストの質が悪いと、アポインターがどんなに努力してもアポ率の向上は見込めません。

 時間・費用を浪費する結果となり、マーケティング・営業活動を著しく非効率なもの にしてしまいます。

良質な架電リストの活用は、無駄な時間や経営資源を費やさずに見込みの高い顧客にアプローチできるため、営業の効率性・生産性を向上させます。

ターゲットが明確であれば、製品・サービスの魅力を効果的に伝えられ、アポ率を向上させられるでしょう。

強引な営業にならないようにする

テレアポでは、無理なセールス、押しつけがましい営業トークになっていないか意識するようにしましょう。

相手にニーズがない場合は、いくら話し込んだとしてもアポに結びつく確率は低く、時間を無駄にしてしまうだけです。

相手にも悪い印象を持たれ、最後は感情的に「ガチャ切り」をされることもあります。

相手に感情的な態度を取られると、アポインターのモチベーションも下がります。

相手の貴重な時間をお借りしているのだという謙虚な気持ちを持ち、 ヒアリングを中心にして相手の悩み・ニーズを聞く姿勢が大切 です。

アポ率を向上させて売上を伸ばそう

 アポ率の向上は営業成績に直結し、企業の売上を伸ばせます 

8つの施策と3つの注意点をふまえて、アウトバウンド営業のアポ率を向上させましょう。

アポ率の向上にはITツールの導入が有効です。

例えば、効率的なテレアポ業務の推進のためには、CTI(Computer Telephony Integration)ツールが活用できます。

株式会社Scene Liveが提供する「List Navigator.」はコールセンター業務・テレアポ業務の生産性を向上させるCTIツールです。アウトバウンドコールでの営業に関して、パフォーマンスの高いトークとそうでないトークを音声解析し比較するなど、成果の高いトークを明確にできます。

List Navigator.」はクラウド型なので、インターネット環境さえ用意できれば導入が可能です。

導入を検討される事業者さまは、お気軽にご相談ください。

■合わせてよく読まれている資料
テレアポクロージングトーク」も合わせてダウンロードいただけます。

テレアポクロージングトーク
株式会社Scene Live マーケティング部

Written by株式会社Scene Live
編集部

コラム、セミナー、お役立ち資料を通して電話業務や営業活動を効率化させる実践的な情報を配信しています。ツールの使い方や業界の動向など、最新情報を発信し続けることで電話業務に携わるすべての人にとって信頼できる情報源になることを目指しています。