2024.08.01
新規開拓営業を効果的におこなうコツとは?手法の種類やポイントを解説
ビジネスの拡大に欠かせない新規営業ですが、難しさや辛い面も存在します。
相手との関係が構築できていない状態でアプローチをしなければならないので、誤った営業活動をおこなってしまうと、成果が上げられないどころか、相手企業に悪印象を与えかねません。
今回は新規顧客を開拓する営業について、手法の種類から効率的に活動をおこなうコツまで詳しく解説していきます。
新しいビジネスを始めた企業や個人はもちろん、新規営業の仕事に新しく配属された方もぜひご参考ください。
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目次
新規開拓営業とは
まず始めに、「新規開拓営業」とは、新しい顧客を獲得するためにおこなうものであり、 取引がまったくない顧客にアプローチをすること です。
新しくビジネスを始めた場合はもちろん、既存のビジネスをさらに拡大させたいときや、既存の顧客が離れていくことによる業績低迷のリスクに備える意味でも必要な活動です。
業種や業界によっては、不測の社会情勢や天災により、ビジネスの状況が一転してしまうということも大いにあり得ます。
また、大口顧客であっても、企業の内情によって突然仕事を切られてしまう可能性もないとは言い切れません。
大口の顧客数社のみを相手にしていると、突然の事態に対応できなくなってしまうため、業績低迷や最悪の場合には倒産のリスクも考えられます。
日頃から新規顧客を開拓し、売上を分散して作れる環境を整えておくことで、こうしたリスクを軽減できるでしょう。
新規開拓とルート営業
営業の種類は大きくわけると「新規開拓営業」と「ルート営業」の2つです。
新しい顧客にアプローチをおこなう新規開拓営業とは逆に、既存顧客のフォローをおこなう営業活動をルート営業といいます。
ルート営業は、すでに取引がある企業に対しておこなう営業活動であり、 定期的に顧客の現状やニーズをヒアリングしながら、その時々に合った戦略の提案 をおこないます。
相手企業との信頼関係を深める意味でも重要であり、今後の契約継続もかかっている大事な仕事と言えるでしょう。
新規開拓営業とルート営業は、役割や目的が異なるため、どちらも事業を拡大・継続していくために重要な仕事であり、どちらがより大切といったことはありません。
また、仕事に携わる人という観点で見ても、それぞれ必要とされるスキルや意識しておくべきポイントが異なると言えます。
新規開拓営業の難しさ
新規営業は、初対面相手に営業活動をおこなわなければならないという点が、大きな難しさともいえます。
初対面であるため、相手企業は一見しただけでは自社が何をしている企業なのか、信頼できる企業なのかを瞬時に判断することができず、なかなか信頼を獲得することができません。
とはいえ、相手企業も通常業務をおこなっているので、ゆっくり話を聞いてくれる余裕がなく、説明すらできないということも日常茶飯事です。
新規開拓営業の種類
新規開拓営業にもアウトバウンドとインバウンドの2種類に分けられます。
アウトバウンドは、 こちらから相手企業に積極的に営業活動を働きかけること を指し、具体的な活動は、テレアポや飛び込み営業などです。
相手企業の関心度に関わらず幅広い営業活動をおこなうため、比較的に成約率が上がりにくい傾向があると言えます。
しかしながら、どの企業でもすぐに着手できる手法でもあり、認知の拡大も目指せるというメリットもあります。
インバウンドは、 自社に興味を持った企業側から自社に連絡をしてもらう 営業方法です。
SNSやWebサイト、広告など、自社が提供しているコンテンツを見た顧客が興味を持ち、自ら問い合わせをしてくるようなケースを指します。
問い合わせをもらっている時点で相手企業はある程度の関心を持っているため、アウトバウンド営業に比べて、高い成約率を目指せます。
しかし、SNSやWebサイトの認知を広げるためには一定の労力と時間が必要であり、また広告を打つ場合にもある程度の費用が必要です。
新規開拓営業の手法
新規開拓営業の手法には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
メリットやデメリット、特性も踏まえながら、様々な営業手法を解説します。
どの手法が絶対に良いということはありません。
自社が扱っているサービス・商材によることはもちろん、相手企業の事情によっても適している営業方法は異なるため、幅広い手法を熟知して、いつでも取捨選択できるようにしておきましょう。
飛び込み営業で直接訪問する
「新規開拓営業」というと一番にイメージする人も多い、飛び込み営業。アポイントがない状態でありながら、会社を一社一社、直接訪問する営業活動です。
直接顔を合わせて話せるため、 伝えられる情報量も多く、人柄を買ってもらえる可能性 もありますが、一日に訪問できる会社の数が限られてしまうため、少ない人数であたる場合には特に非効率と言えるでしょう。
また営業先は忙しくしている時期や時間帯は特に相手にしてもらえません。
それどころか、タイミングを考えずに訪問してきたことを不快に感じる顧客もいるでしょう。
飛び込み営業をおこなう際は、相手の都合を考えながら、見込度合いが比較的高い営業先に限っておこなうこともコツの一つです。
電話でアポイントを取る
いわゆるテレアポです。見込み客と思われる企業に電話をして、アポイントや資料送付を取り付ける営業方法です。 直接会うよりも話を聞いてもらえる可能性が高く、資料送付であれば気軽に受けてくれる企業も多い でしょう。
またテレアポに特化したCTIなどのシステムを使うことで、さらに架電効率も上げられ、少ない人数でも効率的な営業活動が可能です。
特に適切なリスト管理や、架電先情報の共有や管理の面でも、テレアポシステムは非常に有効です。
少数規模のテレアポセンター開設の際に使用できるシステムもあるため、テレアポをメインの営業方法にしようと考えている場合は、システムの導入も積極的に検討してみるとよいでしょう。
メールやFAXを送る
問い合わせメールやFAX宛てにテキストベースで案内を送る手法です。
送付内容を転用しやすいということもあり、限られたリソースでも気軽におこないやすい営業方法でもあります。
特にメールであれば特別な予算がなくても誰でも簡単に送れるため、 新規ビジネスを立ち上げた際や費用・人材が限られている場合にもおすすめ です。
FAXも同様に一度に同じ内容を複数社に送れる手法ではありますが、近年ではFAXをあまり利用していない企業も多く、手に取ってもらえる可能性が低いと言えます。
メールも流されてしまいがちではありますが、タイミングや需要が合えば開封してもらえることも少なくありません。
お金もかからない点を考慮すると、とりあえずメールで新規開拓営業を始めてみることもおすすめです。
問い合わせフォームから自動で営業メールを配信してくれるサービスもあるため、費用を出せるのであればさらに効率化することも可能です。
ダイレクトメール(手紙)を送る
はがきや封書で見込客に手紙を送る営業方法です。
一定の費用は必要ですが、その他の郵便と一緒に見てもらえる可能性も高く、たくさんの情報を届けられるメリットもあります。
取り扱っている商材によっては サンプルを一緒に送付できるため、受け取り側の興味を惹ける可能性 も期待できます。
実際に商品を手に取ってもらうことで、質の良さや技術力の高さを実感してもらいやすいと言えるでしょう。
物として手に取れるような商材を扱っている企業にとっては、相性の良い営業方法かもしれません。
勉強会やセミナーを開催する
自社ならではのノウハウや知識を勉強会・セミナーとして広く提供することで、見込み客を集める手法です。
ある程度興味や関心を持っている企業が集まってくれるため、確度の高い営業活動ができます。
セミナー参加にあたって、 参加する企業名や担当者名を集められるので、その後の営業活動でもしっかり担当者にアプローチができます。
最近ではオンラインでセミナーを開くことも珍しくありません。
セミナー内容の精査や資料作成、告知などある程度の労力は必要となりますが、費用を抑えながら効率的にインバウンド営業をおこないたい企業にはおすすめです。
セミナーや勉強会を通じて自社の知識やノウハウを提供することは、実績の証明や技術力の担保にも繋がり、信頼度が高まる可能性もあります。
全く知らない企業よりは、セミナーを通じて知った企業の方が、信頼感が安心感を感じられるため、有事の際に検討してもらいやすくなるかもしれません。
オウンドメディアを運営する
自社で取り扱っている商品やサービスに関連した記事を掲載するオウンドメディアの作成も、インバウンド営業の一つです。
紙媒体などもオウンドメディアの一種ですが、Webでメディアサイトを立ち上げることで、オンラインマーケティングとしても活用ができます。
Webメディアの立上げ・運営には、検索ニーズに合わせてSEO対策をおこなう必要があり、スキルや知識が必要となりますが、 作成したWebメディアは半永久的に残るため、集客を自動化できる とも言えます。
またサイトに訪れたユーザー数やサイト内での動向なども数値で明確に知れるため、効果を計測しやすいメリットもあります。
広告を活用する
お金をかけることで、認知を広められる便利な手法である広告も営業方法の一種です。
広告を出稿できる場所は、雑誌や新聞、テレビ、交通機関、看板、Webなど多岐にわたり、費用も大きく異なるため十分な検討が必要です。
近年では、少ない費用でも広い認知を獲得しやすいWeb広告やSNS広告が主な手法となってきています。
オンライン広告であれば 数万程度から出稿できる広告も多数ある ため、予算を抑えたい企業や個人事業主でも気軽に試しやすいと言えます。
SNSやYoutubeを運営する
Instagram、Twitter、YoutubeなどのSNSで自社アカウントを運営することで、見込み客の関心を集めることが可能です。
SNSのアカウント自体は無料で作成できるため、どの企業でも気軽に始められる 反面、大きなフォロワーの獲得や確かな成果を得るためには継続的な運用が不可欠です。
トレンドの移り変わりも激しいため、自社で運用するには人材の確保や独自の工夫が必要です。
外注することも選択肢の一つですが、長期的な費用が必要となるため、どのように運営していくかは十分な検討をおこなうべきでしょう。
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新規開拓営業を上手く進めるコツ
新規開拓の方法は多岐にわたります。どの手法でおこなうにしても、成果を得るためには事前の準備や戦略も必要です。
やみくもに営業活動をおこなうのではなく、しっかりと戦略を考え、適宜修正・調整を行いながら新規営業を進めていきましょう。
営業の目的・目標を明確にする
まずは営業の目的を整理します。
もちろん新規営業なので、新しい顧客を獲得することが最終的な目標ではありますが、 「新しい認知を得る」「見込み客の担当者を知る」といったことも段階的な目標である とも言えます。
新規営業の目標を明確化するとともに、その具体的な数値まで決定できると良いでしょう。成約件数だけを目標数値とするのではなく、成約に至るまでのマイルストーンも可視化することで、営業マン全員が進捗度合いを実感できるようになります。
営業リストを準備する
見込み客と想定される営業リストの整備は、新規開拓営業の基本です。
入念にリサーチをおこない、営業をおこなうべき企業を選定・整理しましょう。
このとき、ただ相手企業を羅列するだけでは非効率です。
地域や見込みの度合い、業種や業界など、後々の営業活動が効率的におこなえるような基準を持って、リストを整理する ことが重要です。
特に複数名の営業マンで営業をおこなう場合には、それぞれに担当を割り振る必要があるため、営業マンのマッチング度合いも考慮しながらリスト整備をおこなうとより効率化できます。
営業先を分析して課題を想定する
やみくもにこちらが言いたいことばかり伝える営業では、顧客がサービスや商品の必要性を感じることができず、成約には繋がりません。
またどの営業手法においても、伝えられる情報量や時間は限られているため、企業ごとに的確に刺さる情報を厳選する必要があります。
営業先である企業の状況や取り巻く業界をリサーチし、相手の課題を想定してみましょう。
「○○という課題を、自社サービス・商品を使用して、このように解決できます」といったアプローチを意識する ことで、相手企業は必要性を感じ、関心を持ってくれるかもしれません。
いかに相手の立場になって考えられるかも、営業においては重要な観点と言えるでしょう。
相手の課題に合ったメリットを明確に訴求する
相手の課題に合わせた具体的な訴求があってこそ、成約に繋がる営業ができます。
営業先の企業や業界の課題を調査することはもちろん、その内容を 提案資料や広告・コンテンツにおける訴求やビジュアルに落とし込む ように意識しましょう。
広告やDMなどの媒体によっては、文字数や画像枚数もたくさん掲載できず、情報量も限られてしまいます。
どの媒体を使うのかに合わせて、その先の顧客を想定し、それぞれに合った訴求内容を検討しましょう。
的外れな内容をいくら露出しても、成果には繋がりません。
自社の言いたいことを告知するのではなく、見込み顧客が求めていると思われる内容をしっかり調査・吟味して、コンテンツを作ることが重要です。
営業先に合わせた手法でアプローチする
営業先企業によっては、あまり出社していない・Webには精通していない、など担当者や業界の動きにも特性が偏りがある場合もあります。
例えばWebに精通していない企業や業界相手にWeb広告を打っても思うような成果は挙げられません。
営業先の企業や業界の傾向に合わせて営業手法を選ぶ ことでより高い成果を目指せるでしょう。
そのために念入りな事前調査はもちろん、営業成果をしっかり分析し、営業方法にズレはないか、適宜確認したり調整したりすることも大切です。
様々な営業手法を併用する
どの営業手法にしろ、一種類のみをおこなっていてもアプローチできる企業が限られてしまいます。
先述の通り、営業手法によってアプローチしやすい営業先も変わってくるでしょう。
幅広く新規顧客にアプローチしたいのであれば、複数の手法を実行するべきです。
ただし、一つひとつの営業手法を効果的に実行するにも一定の労力がかかります。
手あたり次第に色々試すのではなく、 営業先の特性と自社のリソースを考慮した上で、効果があると思われるものをいくつか実行 してみましょう。
実際に営業活動をしている中で、効果が高いものとそうでないものがわかることもあります。
営業成果によって手法を吟味しながら、自社サービスや商品と相性の良い営業方法を検討しましょう。
得られた顧客情報を適切に管理して次回に活かす
営業活動の結果、成約がとれなかったからといって失敗ではありません。
見込み顧客と接触したことで得られた情報があるはずです。
こうした 相手企業の情報をその場で終わりにするのではなく、しっかり管理して次の営業活動に活かす ことを心がけましょう。
新規開拓営業は、相手の時間的猶予によって結果が左右されることも大きく、たまたま時間がなかったが故に話をきいてもらえなかったというケースも多々あります。
それでも営業活動の中で知り得た企業の情報や担当者の情報などを適切に管理し、時間をおいて再度営業をかける際に活かせば、今回よりもスムーズに接触できることもあり得ます。
成約の有無だけに着目するのではなく、付加的に知り得た情報も大切に取り扱うこともコツと言えるでしょう。
成果を分析して改善する
営業活動が上手くいっていない場合には、戦略の再考が必要です。
計画した戦略や予測に誤りはなかったのか、営業の成果は順調に出ているのか、といった考察を都度おこなってみましょう。
何か営業活動をおこなう際は、やりっぱなしではなく、活動に対する反響を計測することが重要です。
特にWeb関連の営業活動であれば、すべての成果が数値化できるので、必ずチェックして効果を分析しましょう。
テレアポなども専用ツールを使用することで、活動状況や成果を簡単に数値化できます。
すべて手でデータ化することは非常に手間と時間がかかるため、 必要な部分ではツールやシステムを活用しながら、営業活動が正しくおこなえているか計測する こともコツの一つです。
いまいち営業成績の向上を感じられない場合には、何が誤りであるのかを特定し、戦略の修正や改善が必要です。
新規営業のコツは顧客の課題にいかに的確にアプローチできるか
新規営業は、相手とのリレーションシップが構築されていないところから、自社を売り込まなければならないので、精神的負荷も大きく、成約も簡単ではないと言えるでしょう。
しかしながら、事業を拡大したり、不測の事態に備えたりする意味では絶対に欠かせない重要な業務でもあります。
新規開拓営業の方法に共通の正解はなく、企業それぞれが扱う商材やサービス、顧客の状況や業界・市場の動向によって、適している営業方法も異なります。
成約に繋げるためには、 事前の調査からしっかりとおこない、より顧客の課題にアプローチ出来る方法を選定 しなくてはなりません。
また一つひとつのコンテンツ作りも、顧客の課題に合わせた的確な訴求が求められます。
なんとなくやるのではなく、こちらで紹介した手法やコツを踏まえながら、しっかりと自社の戦略を持って営業活動をおこないましょう。
また、定期的に活動を振り返り、軌道修正をおこなうことも忘れてはいけません。
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