2024.10.16
プレディクティブコールとプログレッシブコールとは?違いや特長を徹底解説
コールセンター運営には多くのコストがかかるため、効率化したいと考えている担当者は多いのではないでしょうか。
業務で大量に顧客へ架電したい場合、ダイヤルミスや番号の確認など手間のかかる作業が多く、時間やコストが大幅にかかってしまいます。
コールセンターでの効率化におすすめのシステムが、プレディクティブコールとプログレッシブコールです。
プレディクティブコール(Predictive Dialing)とプログレッシブコール(Progressive Dialing)は、どちらも自動発信システムです。
オペレータから顧客へ電話をかけるアウトバウンド業務によく使われます。
コールセンターやコンタクトセンターのシステムとして導入される機能です。
両者は自動で発信できる点において似ているシステムではありますが、いくつかの点で違いがあります。
本記事ではプレディクティブコールとプログレッシブコールのそれぞれの概要とメリット、注意点についての解説文です。
合わせて両者のコールシステムの違いやそれぞれ使える場面についても詳しく説明します。
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目次
プレディクティブコールとは
プレディクティブコールは複数への同時発信が可能なシステムです。
設定によってオペレーターの数以上に架電ができます。
オペレーターの発信業務を効率化し、架電数を飛躍的に増加できる点が特長です。
概要
プレディクティブコールは、 コールセンターの効率を向上させるために設計された高度な自動発信システム です。
自動予測発信とも呼ばれ、オペレーターが顧客リストに掲載された複数の電話番号への同時発信を可能とします。
プレディクティブ(predictive)は「予測的な」という意味で、自動予測発信と呼ばれる理由です。
システムは過去の通話データを分析、オペレーターの通話時間や応答率などに基づき、最適な発信タイミングを予測しながら自動で架電します。
仕組み
プレディクティブコールは、 複数の電話番号に自動で同時発信し、実際に応答があった通話のみオペレーターへ割り当てます 。
架電リストをもとに多数の回線で同時に発信し、つながった番号だけオペレーターに転送する機能です。
応答がない場合や留守番電話へ切り替わった場合は省略可能です。
プレディクティブコールは、アルゴリズムや統計手法などによってオペレーターが次の通話に対応可能となるタイミングを予測します。
顧客が電話に出てからオペレーターに接続し、不在であればその顧客のステータスを不在とします。
オペレーターが通話を終了したらすぐに、次の通話へ移行できるため非常に効率的です。
メリット
プレディクティブコールのメリットは、 オペレーターの待機時間を最小限に抑えられる点 です。
顧客に架電しても不在が続くと、オペレーターのモチベーションが下がってしまうのはもちろん、待機時間が長いと効率も悪くなります。
プレディクティブコールは、オペレーター数より多い発信数が可能です。
コールセンターの生産性を大幅に上げられるでしょう。
オペレーターは電話番号を手動でダイヤルせずに済むため、作業が楽になり会話に注力しやすくなります。
プログレッシブコールとは
プログレッシブコールは、コールセンターにおいて自動発信の方式の1つです。
オペレーターの効率性と顧客体験を改善するよう設計されています。
概要
プログレッシブコールは、顧客リストの電話番号に、システムが自動で発信や架電する仕組みです。
プログレッシブ(progressive)とは、「前進する」「進歩的な」という意味です。
プレディクティブコールとは、一度に発信できる数の上限に違いがあります。
プログレッシブコールは一斉に発信できる上限数がオペレーターの数までです。
オペレーターが現在の通話を終了するのを待ってから、リストの次の番号へダイヤル します。過剰な発信数によってオペレーターが対応できない事態を防げます。
仕組み
プログレッシブコールも自動で架電するという点ではプレディクティブコールと同様のシステムです。
無効な電話番号、不在、話し中などのつながらない電話を判別しながら、リストに沿って自動で架電します。
プログレッシブコールシステムは、 1度に1つの電話番号へ自動で発信し、通話が接続されたらオペレーターへと割り当て ます。
オペレーターが次の通話に対応できるようになったタイミングで、自動的に次の通話を開始するシステムです。
メリット
プログレッシブコールのメリットは、 オペレーターの生産性が向上し、コールセンター全体での効率化が実現できる点 です。
オペレーターが1人ひとりの顧客に集中して対応できるため、高品質な顧客対応が実現できるでしょう。
架電するペースをオペレーターの能力や状況に応じて、細かに調整可能であるため、柔軟に対応できます。
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プレディクティブコールとプログレッシブコールの3つの違い
プレディクティブは、オペレーター数よりも多い数の発信が可能で、大量の電話をかける必要がある場合に非常に効率的です。
1度に発信できる数や顧客体験、活用できる場面は異なってきます。
自社のサービスに合わせて使い分けてください。
1度の同時発信数
プレディクティブコールと、プログレッシブコールの大きな違いは 同時に発信できる上限 です。
基本的にプレディクティブコールは、オペレーター数を上回る発信数を設定できます。
一方、プログレッシブコールはオペレーターと同数の発信数が上限です。
プレディクティブコールは短時間でより多くの顧客へ架電が可能なため、生産効率はより高くなるでしょう。
プログレッシブコールは、オペレーターの数までの発信数であるため、過剰に発信することによりオペレーターが対応できないという事態を防げます。
量を重視したい場合にはプレディクティブコール、質を重視したい場合にはプログレッシブコールの使用が一般的です。
もちろん場合に応じて両者を組み合わせることも可能です。
顧客体験
プログレッシブコールは1つの番号に対してオペレーターが1人で対応するため、よりパーソナライズされた対応が可能です。
オペレーター数を上回る発信ができないため、応答した顧客は必ず会話が可能です。
顧客が待機する時間を短縮でき、 オペレーターは1人ひとりに集中した対応ができるため顧客体験の向上 につなげられるでしょう。
活用の場面
システムの性質上、活用に向いている場面は変わってきます。
プレディクティブコールの活用が向いている場面
- 大規模なアウトバウンドのテレマーケティング
- 見込み客に短時間で大量にアプローチする必要がある場合
- 応答率の低い可能性がある顧客リスト
プログレッシブコールの活用が向いている場面
- 見込み度が高い顧客や既存顧客へのフォローアップ
- パーソナライズされたアプローチや詳細な情報提供を必要とする場合
- 満足度を重視し、1対1対応を優先するサービス
プレディクティブコールは大規模なテレマーケティングや短期間で顧客へ多くの連絡を取りたい場合に適しています。
プログレッシブコールは顧客サービスを重視したよりパーソナライズされたコンタクトに望ましいです。
業務の性質に応じて考慮し導入を検討してください。
プレディクティブコールとプログレッシブコール共通の5つのメリット
プレディクティブコールとプログレッシブコールはどちらも自動で発信できるコールセンター業務に有益なシステムです。
メリットには以下の点が挙げられます。
- 架電数を増やせる
- 効率が上がりコストを削減できる
- 通話数を均一にできる
- オペレーターの業務量調整により負担を軽減できる
- 発信情報をデータ化し蓄積できる
これらを活用することでオペレーター業務を効率化し、生産性を上げられるでしょう。
架電数を増やせる
オペレーターの待機時間を減少させ、架電先の応答率を予測、効率的な通話が実現可能です。
アウトバウンドの成果は架電数と成約率によって決まるとされています。
その1つである架電数の増加を実現する大きな役割を果たすためです。
架電数を増やせるため、 コールセンターでのアウトバウンド業務全体で大きな成果を上げられる でしょう。
効率が上がりコストを削減できる
効率を上げることでさまざまなコストが削減可能です。
オペレーターの待ち時間を削減できるため、より多くの顧客へ連絡をとれます。
オペレーター1人あたりの通話数を増やせると、 同じリソースで多くの通話を処理できるため、人件費が削減可能 です。
特に大規模なテレマーケティングや、大量の顧客へリーチが必要な場合に効率的でしょう。
通話数を均一にできる
通話は特定の時間に集中しやすく、ピーク時には過剰な負荷がかかり、オフピーク時には待機時間の発生などの問題が生じます。
プレディクティブコールやプログレッシブコールの利用で、サービスレベルを維持でき、オペレーターの過剰な負担を避けられるでしょう。
通話数を均一化できれば、コールセンター業務を最適にし、品質を平準化する大きなメリット が得られます。オペレーターの業務量調整により負担を軽減できる
オペレーターの業務は多岐にわたり、負担は少なくありません。
オペレーターの負担軽減は、離職防止にも重要なポイントです。
人の手による電話発信は、さまざまな要因によってオペレーターごとに時間当たりで架電数は大きなばらつきが生じます。
ダイヤルの速さの違いや番号の押し間違い、オペレーターの心理的な負担などがあるためです。
自動化によって手動で電話番号をダイヤルする必要がなくなれば、オペレーター作業が軽減され業務効率が向上するでしょう。
また、プレディクティブコールやプログレッシブコールによる自動発信や通話分配の機能で問題を解消できます。
特定のオペレーターに通話が偏ると、一部の人だけに業務が集中し不満が生まれてしまいます。
システムの活用でオペレーターの業務量を管理できるため、負担を管理し軽減につなげられる でしょう。発信情報をデータ化し蓄積できる
発信の自動化によって、どの顧客にどの時間帯につながったかという情報を蓄積可能です。
近年はAIツールや分析ツールの活用が進んで、データ化して蓄積することはより重要視されています。
蓄積データの活用例として、顧客管理システムと応答がなかった不在データを組み合わせた分析があります。
つながりやすい曜日や時間帯を割り出せるため架電するタイミングが最適化でき、効率的に運用 が可能です。また、データを活用し、成約の可能性が高いがどうかの予測も可能です。
絞り込みの機能を活用し、目的に応じてピンポイントで架電すれば、コールセンターの効率的な運用や高い成約率を実現できるでしょう。
プレディクティブコールとプログレッシブコールの導入ポイント
コールセンターのオペレーター業務で導入するポイントには以下の点が挙げられます。
- 導入体制を整える
- サポート体制の確認
- オペレーターの心理的負担をサポート
- システムを導入
導入の際にはポイントを考慮することで、より一層システムを活用できるでしょう。
導入体制を整える
プレディクティブコールおよびプログレッシブコールの導入には、組織内の導入体制を整えることが不可欠です。
ツールを選定し、オペレーターへ使用方法の研修や教育、さまざまな作業を担当する役割を明確に定めましょう。
プレディクティブコールは、オペレーターの数以上に一斉架電ができます。
つまり電話がつながったにも関わらず、オペレーターの人数が足りなかったために電話が切断されてしまう「放棄呼」の恐れがあります。
放棄呼が多く発生してしまうと、企業評価にとっては大きなリスクです。
放棄呼を発生させないためには、発信できる倍率を適切に設定し、許容できる量を超えないよう注意 しましょう。サポート体制を確認する
コールセンターへシステムを導入する際には、提供する会社のサポート体制を確認しましょう。
長期的にシステムを活用し、業務効率や生産性を向上させるためには、トラブルやアフターサポートに迅速に対応してくれるか確認する必要があります。
使用していくうちに、使い方や設定に関する疑問が出てくるものです。
そのような場合にも、 サポート体制が充実していれば 安心して長期的にシステムを使い続けられ、業務の効率性や生産性も高まり ます。
導入の際には、運用後のサポート体制をシステム提供会社に確認しましょう。
心理的負担へのサポートをする
コールシステムを使用するオペレーターにサポートをすることも重要です。
自動的に架電するため、突然通話が開始する場合もあります。
システムが次から次へと通話を割り当てるため、無駄なく効率的に架電業務ができる一方で、オペレーターは一息つく時間が取れなくなる恐れがあるでしょう。
心の準備をするのが難しく、心理的な負担が高まる可能性があります。
オペレーターの心理的な負担が増えてしまわないように、架電の倍率設定やシフトの組み方、休憩の取り方に配慮 しましょう。システムを導入する
プレディクティブコールやプログレッシブコールの専用システムを導入します。
CTIと呼ばれる電話とコンピュータをつなぐ働きを持つシステムに機能として備わっています。
発信倍率を設定でき、許容量を超える通話が発生しないようにすることが望ましいです。
時間別の接続率やオペレーターの稼働状況を確認できると、発信倍率の設定も適切におこなえ ます。架電を効率化するならList Navigator.がおすすめ
おすすめのCTIツールはList Navigator.です。
プレディクティブコールの機能も充実しています。
多くの機能を備えています。
顧客が電話に出てからオペレーターに接続するため、待機時間を短縮できます。
不在の場合は自動で不在ステータスとなるので、業務効率を上げることができるでしょう。
プレディクティブコールとプログレッシブコールを活用してコールセンター業務を効率的に
プレディクティブコールとプログレッシブコールは、コールセンター内の業務を効率化し、生産性の向上に大きく貢献します。
プレディクティブコールのおすすめのシステムは、Scene Liveが提供しているアウトバウンド向けコールセンターシステムの「List Navigator.」です。
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