- 営業テック
- 2025.03.11
コールセンターシステムの仕組みとは?必要なツールとシステムの種類や機能を紹介

アウトバウンドコールやインバウンドコールに対応するコールセンターは、スムーズかつ的確な対応が求められる重要な部署です。
そのため、近年では多くの企業が「コールセンターシステム」を導入し、業務の効率化や顧客対応の質の向上を図っています。
とはいえコールセンターシステムにはさまざまな種類や機能があるため、 どのシステムを選ぶべきか迷っている企業担当者さまが多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コールセンターシステムの仕組みや必要なツール・導入によるメリットについて解説します。
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コールセンターシステムの仕組み
顧客情報の確認、顧客からの問い合わせへの応対など、多種多様な業務を行うコールセンターでは、複雑なフローを整理して効率化するために、コールセンターシステムが使われています。
コールセンターシステムは、中枢システムであるPBX・CTIを軸に、それと連携する複数のツールによって構成される仕組みになっています。ここでは、中枢システムのPBX・CTIと連携ツールについてご紹介します。
- コールセンターシステムの中枢「PBX・CTI」
- コールセンターシステムと連携するツール
コールセンターシステムの中枢「PBX・CTI」
コールセンターシステムの中枢となるのが、内線と外線をコントロールするPBXと、コンピューターと電話システムを結合するCTIという2つのシステムです。それぞれの役割や特徴をご紹介します。
PBX
PBXとは「Private Branch Exchange」の略で、 企業内で使用される電話交換システム です。構内交換機とも呼ばれていて、企業の電話対応を効率的に管理するための重要なツールです。
このシステムは、 外線と内線を接続したり、内線同士で通話ができるようにしたりする 役割をしています。また、複数の電話機から代表番号を使って発信することを可能にします。
CTI
CTIとは「Computer Telephony Integration」の略で、 コンピューターと電話システムを統合する技術 を指します。
CTIを活用することで、 オペレーターは電話対応をしながら顧客情報を画面上で確認できる ので、スムーズな対応が取れるようになります。
また、このシステムのおかげで、 着信履歴のリスト化や通話録音・自動応答の管理なども可能 になり、業務のスピードと精度が格段に上がります。
コールセンターシステムと連携するツール
PBXとCTIで構成されたコールセンターシステムは、以下のようなツールと連携することで機能性や利便性が高まります。なお、業務形態やコールセンターシステムの規模などによって必要な連携ツールは異なります。代表的な連携ツールとしては以下があります。
- CRM
- FAQシステム
- 通話録音装置
- SMS・SNS送信サービス
CRM
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、 顧客の個人情報や取引履歴などを管理するシステム を指します。
オペレーター個人が顧客情報を管理する方法の場合、業務が属人化しやすくなりますが、このシステムを活用すれば、 顧客情報を一元管理でき、共有もしやすくなります。
また、顧客の購入履歴や問い合わせ履歴を蓄積し、オペレーターが必要な情報を即座に参照できるようにすることで、よりパーソナライズされた対応が可能になります。
このほか、CTIと連携することで、着信時に顧客情報を自動表示するなど、よりスムーズな対応が実現できます。
FAQシステム
FAQシステムとは、よくある質問とその回答をデータベース化し、 オペレーターが即座に参照できるようにする仕組み です。
顧客の質問にすばやく回答できるようになるため、対応時間の短縮やオペレーターの負担軽減 につながります。また、経験の浅いオペレーターでも、一定の品質を維持した対応ができるようになります。通話録音装置
通話録音装置は、顧客との通話内容を記録するための装置です。録音された音声データは、 オペレーターの応対品質向上やトラブル対応に役立ちます。
また、音声をテキスト化する機能を搭載したシステムもあり、過去のやり取りを検索したり、データ分析に活用したりすることができます。
SMS・SNS送信サービス
近年、顧客とのコミュニケーション手段が多様化し、電話以外にもSMSや各種SNSを活用するケースが増えています。
コールセンターシステムとSMS・SNS送信サービスを連携させることで、 顧客とコミュニケーションが取れるチャネルが増え、顧客満足度の向上につながります。
なお、ここでご紹介したのは、連携ツールの一部にすぎません。実際の運用では、業務内容や企業のニーズに応じて、さらにたくさんのツールが組み合わされます。
コールセンターシステムの種類は?
コールセンターシステムはいくつかの種類に分けられます。その基準となるのが、提供形態と業務形態です。それぞれの種類について見ていきましょう。
提供形態
コールセンターの提供形態には、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。
・クラウド型
クラウド型は、インターネットを介して外部の専門業者のクラウドサーバーにアクセスし、必要な機能を利用する仕組みです。
さらに、 外部業者がメンテナンスやアップデートをしてくれるため、常に最新の環境で運用できる のも魅力です。ただし、フルスクラッチでの開発と比較するとカスタマイズの自由度はやや制限されることがあります。
・オンプレミス型
オンプレミス型は、自社内にサーバーやネットワーク機器を設置し、独自にコールセンターシステムを構築する方法です。
自社の業務に合わせた カスタマイズが可能で拡張性が高く、セキュリティ面でも信頼性を確保 できます。一方で、システム構築や運用にかかるコストが高く、導入までに時間がかかる点が課題となります。
業務形態
コールセンターの業務形態には、アウトバウンドとインバウンドの2種類があります。
・アウトバウンド
アウトバウンドとは、 顧客に電話をかける業務 を指します。
主な用途としては、テレアポやテレマーケティング、支払督促、アンケート調査、世論調査などが挙げられ、効率的な営業活動や顧客フォローの手段として活用されています。
このような業務に特化した機能を搭載したコールセンターシステムがアウトバウンド向けとなります。
・インバウンド
インバウンドとは、 顧客からの電話を受ける業務 を指します。
代表的な業務としては、カスタマーサポートやテクニカルサポート・通販の注文受付などがあり、顧客満足度の向上を目的として迅速かつ的確な対応が求められます。
このような業務に特化した機能を搭載したコールセンターシステムがインバウンド向けとなります。
コールセンターシステムに必要なCTI機能とは?
コールセンターシステムの中でも、業務効率化や生産性向上に大きな役割を果たすのがCTIです。ここでは、アウトバウンド(架電業務)・インバウンド(受電業務)に分けて、CTIに必要な機能を紹介します。
アウトバウンドコールセンターのCTIに求められる機能
アウトバウンドコールセンターでは、顧客への電話発信が中心となるため、架電業務の効率化が求められます。そこで、アウトバウンド向けのCTIには、以下のような機能が求められます。
- オートコール
- クイック発信
- ワンクリック発信
- トークスクリプト共有
- スタッフ分析
- ダッシュボード
- リスト別分析
- 複数プロジェクト管理
- モニタリング
- ウィスパー(ささやき)
・オートコール
オートコール機能は、 システムが自動的に電話を発信し、顧客につながった時点でオペレーターに接続する仕組み です。
オペレーターが手作業でダイヤルする手間が省かれるので、より多くの顧客に短時間でアプローチできるようになります。
・クイック発信
クイック発信機能は、 あらかじめ設定された電話番号リストから、オペレーターが素早く発信できるようにする機能 です。
電話をかけるまでの時間が短縮されるので、架電業務の効率がアップします。
・ワンクリック発信
ワンクリック発信機能とは、 顧客リストから電話番号を選び、発信ボタンを押すだけで電話がかけられる機能 です。
電話番号を手入力する手間がなくなるので、時間を大幅に削減できるだけでなく、かけ間違いなどのミスを防ぐ効果もあります。
・トークスクリプト共有
トークスクリプト共有機能は、 オペレーターが対応時にトーク内容を確認するための機能 です。
トークスクリプトを共有して話す内容を統一することで、対応品質の均一化やトラブル防止につながります。
・スタッフ分析
スタッフ分析とは、 スタッフごとの対応件数や成約率などのデータを集計・分析し、業務改善に役立てる機能 です。
スタッフのパフォーマンスを可視化することで、教育や指導の質を高めることができるでしょう。
・ダッシュボード
ダッシュボード機能はスタッフや成績などのデータを一覧で確認できる機能です。発信状況やオペレーターの稼働状況を管理しやすくなります。
・リスト別分析
リスト別分析は、 架電リストをもとに通話結果を分析し、より効果的なアプローチ方法を検討できる機能 です。
ターゲット層ごとの応答率や成功率を比較できるので、戦略的に架電業務をするための手助けになります。
・複数プロジェクト管理
複数プロジェクト管理は、 ヒアリング項目やステータス項目などを案件別・商材別に設定し、プロジェクトとして管理できる機能 です。案件や商材が複数あるコールセンターで役立ちます。
・モニタリング
モニタリングは、 管理者がオペレーターの通話をリアルタイムで聞くことができる機能 です。電話応対の品質管理やオペレーターへの指導に活用できます。
・ウィスパー(ささやき)
ウィスパー(ささやき)は、 電話対応中のオペレーターをリアルタイムにモニタリングし、必要に応じて管理者が助言をできる機能 です。
オペレーターが回答に困ってしまったときや、応対がうまくいかずクレームになりかねないようなときに役立ちます。
インバウンドコールセンターシステムのCTIに求められる機能
インバウンドコールセンターでは、顧客からの問い合わせに迅速かつ的確に対応する必要があります。そこで以下のような機能がCTIシステムに求められます。
- ポップアップ機能
- 電話制御機能
- 自動音声応答機能
・ポップアップ機能
ポップアップ機能は、 着信時に顧客の情報を画面上に表示するシステム です。顧客の過去の問い合わせ履歴や購入履歴などを即座に確認できるため、スムーズな対応ができるようになります。
・電話制御機能
電話制御機能は、 受信した電話を最適なオペレーターへ自動振り分けする機能 です。
特定の問い合わせ内容を担当するオペレーターに優先的につなげることで、より適切な対応が可能になります。また、特定のオペレーターに負担が集中しないよう、均等に振り分けることもできます。
・自動音声応答機能
自動音声応答機能は、IVR(Interactive Voice Response)とも呼ばれています。顧客からの電話に対して音声ガイダンスで案内を行うシステムです。
例えば、「○○の方は1番を、○○の方は2番を押してください」といった自動応答を流すことで、 問い合わせ内容ごとに適切なオペレーターにスムーズに接続 でき、業務の効率化が図れます。
なお、コールセンターシステムのCTIに求められるのは、アウトバウンドとインバウンドで異なるため、自社の業務形態に合ったものを選ぶことが大切です。また、ここでご紹介している機能はごく一部で、このほかにもたくさんの機能が搭載されたCTIがあります。
コールセンターシステムを導入するメリットとは?
では、コールセンターシステムを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?ここでは、企業がコールセンターシステムを導入するメリットについてご紹介します。
- 顧客満足度の向上
- スタッフ・オペレーターの負担軽減
- 新人教育の効率化
- 顧客満足度の向上
- 人件費の削減につながる
- 蓄積したデータを業務改善やマーケティングに活かせる
顧客満足度の向上
コールセンター業務では、対応品質を均一化することが重要なポイントとなります。
人によって対応品質に差があると、顧客満足度が低下しやすいばかりか、優秀な人や経験が長い人にばかり業務負担がかかってしまうこともあるでしょう。
例えばトークスクリプトの表示機能やFAQシステムを活用することで、 オペレーターの経験の有無に関わらず、一定の品質で応対できる ようになります。
また、問い合わせに対して迅速かつ適切な対応がしやすくなるため、顧客満足度の向上にもつながります。
スタッフ・オペレーターの負担軽減
コールセンターでは、オペレーターの負担を減らすことも重要な課題です。スタッフのストレスを軽減し、皆が安定して働けるようにするためには、適切なシステムを導入して業務に取り組みやすい環境を作ることが大切です。
例えば、 モニタリング機能は、管理者がリアルタイムでオペレーターをサポートできるため、特に新人オペレーターの負担を軽減 できます。
また、受発信業務や顧客情報の入力などのプロセスをシステム化すれば、オペレーターが手作業で行う業務が減少し、効率的に業務をこなせるようになります。
新人教育の効率化
通常、新人オペレーターの教育は時間とコストがかかるものですが、コールセンターシステムを導入することで、そのプロセスを効率化できます。
例えば、 自動録音機能を活用すれば、過去の対応事例を教材として利用でき、新人はリアルな会話の流れ を学ぶことができます。
また、音声のテキスト化機能を用いることで、会話の内容を振り返りやすくなり、より的確なフィードバックが可能になります。
さらに、トークスクリプトをマニュアルとして活用すれば、オペレーターのスキルに関わらず新人でもスムーズに業務を行えるようになります。
人件費の削減につながる
コールセンターの業務効率化は、オペレーターの業務負担を減らすだけでなく、人件費の削減にもつながります。
例えば、発信業務の自動化機能を活用すれば、オペレーターが手作業でダイヤルする必要がなくなり、 より少ない人数で効率的に業務ができます。
ほかにも、自動音声応答システムを導入することで、問い合わせ内容を適切に振り分けることができ、オペレーターが対応しなくても済むケースが増えます。こういった工夫により、人件費の削減が期待できます。
蓄積したデータを業務改善やマーケティングに活かせる
コールセンターシステムを導入することで、顧客対応のデータを詳細に記録・蓄積できるようになります。こうしたデータを活用すれば、 業務の改善点を明確にし、より効果的なPDCAサイクルを回すことができる でしょう。
例えば、SPH(対コール成約率)やCPA(獲得顧客単価)などの指標を分析することで、 オペレーターのパフォーマンス向上や営業戦略の最適化が可能になります。
また、蓄積された顧客の声を分析することで、商品開発やマーケティング戦略にも活かすことができます。
コールセンターシステムで電話業務の課題を解決!
今回ご紹介したように、コールセンターシステムを導入することで、電話業務の効率化・顧客満足度の向上が期待できます。特にPBXやCTI・CRMなどのツールを必要に応じて組み合わせることで、 業務がスムーズになり、オペレーターの負担軽減や対応スピードアップにつながります。
コールセンターシステムを導入する際には、クラウド型やオンプレミス型などの提供形態や、インバウンド・アウトバウンドといった業務形態に応じたシステム選定も重要です。自社に最適なシステムを選び、よりスムーズな顧客対応を目指しましょう。
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Written by株式会社Scene Live マーケティング部
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