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コラム- COLUMN -

2024.08.08

ナーチャリングの基本とは?メールと電話で信頼関係を作る方法を解説

マーケティングや営業の分野において、ナーチャリングは重要な役割を果たします。

ナーチャリングとは、潜在顧客や既存顧客との関係と信頼を深め、最終的には購入やリピーターとして行動を促すプロセスです。

ナーチャリングにはさまざまな手段が用いられますが、特にメールと電話は非常に効果的です。

本記事ではナーチャリングにおけるメールと電話の活用方法を詳しく解説します。

ナーチャリングとは


「ナーチャリング(Nurturing)」とは、リード(見込み顧客)や既存顧客と関係を深めながら育てることを指します。

潜在的な顧客を見込み顧客へと育成し、最終的には商品の購入やサービス契約をしてもらえる顧客へと導く一連のプロセスです。

 顧客との関係性を構築しながら、自社の製品およびサービスに対する興味や購入意欲を高めてもらう ことを目的とします。

リードの興味や関心に応じて、適切な情報提供をして、コミュニケーションを重ねることが重要です。

一時的な関心を持っている見込み顧客を、商談や購買のフェーズに進めるためには欠かせません。

また、顧客ロイヤリティを育むための重要な戦略でもあり、ナーチャリングは現代のビジネスにおいてますます重要性を増しています。

ナーチャリングが重要である4つの理由


ナーチャリングはマーケティングにおいて、非常に重要です。

理由としては以下の4つが挙げられます。

  • 情報収集の手段が変化した
  • 価値観が多様化した
  • 成約までに時間を要する
  • 潜在顧客の掘り起こしが必要である

顧客の情報収集の手段が大きく変化したから

インターネットが普及し、顧客が情報を収集する手段は大きく変化しました。

スマートフォンやタブレットなど携帯できるデジタルデバイスが広く普及し、顧客はいつでもどこでも情報の収集が可能です。

レビューサイトやSNS、企業の公式ウェブサイト、ブログなど多様な情報源へとアクセスできるようになりました。

製品やサービスに関する情報をさまざまな媒体から収集できるため、顧客は購入を決定する前に詳しく調査できます。

そのため、 自社の商品やサービスを単に紹介するだけではなく、ナーチャリングを通してプラスアルファの情報提供が求められます。 

例えば、顧客の課題を顕在化させたり、購買意欲を高めたりするような情報を提供して、購買意欲の向上を図ることが重要です。

顧客の価値観が多様化したから

現代のユーザーは、個々の価値観やライフスタイルに基づいた多様なニーズを持っています。

顧客の購買プロセスを可視化する手段として用いられるカスタマージャーニーは複雑化し、購買に影響を与える要因が多岐にわたります。

例えば、ユーザーが意思決定をする過程で次の点を重視するケースが見られます。

  • 環境への配慮
  • 価格
  • 品質
  • ブランド価値
 企業は一様なマーケティング戦略を実行するのではなく、ターゲットごとにアプローチの方法を変える 必要があります。

顧客層に応じてカスタマイズされた情報提供ができれば、効果的なナーチャリングが可能です。

成約までに時間を要するから

顧客の成約までのプロセスは複雑で長期化する場合があります。

特にBtoBビジネスでは、 購入決定に際して複数のステークホルダーの合意が必要であったり、詳細な比較検討や予算の確保が求められたり するため、即決が難しくなります。

また、情報収集の手段が変化し価値観が多様化したため、製品やサービスの選択に多くの時間を割くようになりました。

このような状況に対応するためには、戦略的なナーチャリングで顧客との関係を維持する必要があります。

潜在的な顧客の掘り起こしが必要だから

潜在的な顧客の掘り起こしもナーチャリングに求められる役割の一つです。

多くの潜在顧客は、初めから企業が提供する商品やサービスに関心を持っているわけではありません。

そのため、まずは 企業や製品の存在を知ってもらい、価値を理解してもらう必要 があります。

ナーチャリングにより潜在顧客に対して段階的に情報提供をすると、商品やサービスへの関心を引き出せます

ビジネスを拡大するためには、潜在顧客を掘り起こして、多くのリードを獲得することが不可欠です。

ナーチャリングの目的3つ


ナーチャリングの目的は、顧客が最終的に購入や契約に至るように適切な情報や価値を提供し続けることです。

主に「情報提供」「信頼関係の構築」「関係性の維持」がナーチャリングの目的です。

顧客への情報提供

商品やサービスに関する情報を提供し、顧客に価値を理解してもらうことが目的の一つです。

購入の意思決定を促すために、 商品に関するホワイトペーパーやユースケース、FAQなどのさまざまな情報をリードに提供 します。

購買プロセスに基づいて適切なタイミングで、必要な情報をリードに提供すると、ナーチャリングの効果を高められます。

購買プロセスをもとに顧客が求める情報を整理すると、次の通りです。

  • 序盤:製品やサービスの概要
  • 中盤:他の製品との比較やより詳細な製品やサービスに関する情報
  • 終盤:購入に関する手続きやサポートに関する情報

リードが必要とする情報を適切なタイミングで提供することが重要です。

顧客との信頼関係の構築

ナーチャリングは、企業とリードの関係性を深める手段です。

定期的な コミュニケーションを通じて、リードが抱える問題やニーズに対して適切に解決策を提示することで信頼 を得られます。

顧客との継続的なコミュニケーションを図ることで、企業は顧客と信頼を築いて良好な関係を育めます。

信頼関係の構築が長期的なビジネスの成功にもつながります。

顧客との関係性の維持

リードに忘れられないよう、常にブランドを意識してもらうこともナーチャリングの目的です。

 リードの購買サイクルに合わせた情報提供やフォローアップをおこない、一度の購入で関係を終わらせず、長期的な顧客関係を築くこと が重要です。

購入後も継続的に顧客とコミュニケーションを取り、価値ある情報の提供やサポートを続けることで、顧客はリピート購入や追加購入を検討するでしょう。

ナーチャリングの基本の流れ


ナーチャリングのステップは「リードをセグメントに分ける」「コンテンツの配信」「クロージング」の順です。

それぞれのプロセスを効果的に実施することで、ナーチャリングをスムーズに進められるでしょう。

リードをセグメントに分ける

リードに関する情報を収集し、適切に分類して評価します。

 リード一人ひとりによって課題やニーズが異なるため、それを理解するためにもセグメントに分けること が必要です。

例えば以下の項目をもとにセグメントします。

  • 担当者情報:年齢、性別、役職など
  • 企業情報:企業の規模、業界、収益、従業員数、位置情報など
  • 行動データ:ウェブサイトの訪問履歴、メールの開封率、ダウンロードした資料の履歴
  • 心理データ:興味や価値観、購買意欲

コンテンツ配信

各セグメントごとに、最適化されたコンテンツを作成し配信します。

 リードの興味やニーズに合わせたコンテンツや、購買プロセスの段階ごとに適した情報を提供 しましょう。

例えば、商品やサービスを認知したばかりの段階であれば、業界トレンドに関する情報やブランディングにつながるコンテンツを配信します。

一方で興味が高まっている段階であれば、ユースケースや詳細な製品情報などを提供します。

ビジネス層がターゲットであれば、レポートやホワイトペーパーもターゲットごとにカスタマイズしましょう。

クロージング

ナーチャリングの最終段階でクロージングがおこなわれます。

クロージングでは、 リードが抱える懸念や疑問を払しょくできるような提案や情報提供を行うことがポイント です。

例えば、トライアル版の活用を提案したり、成功事例や価格情報、カスタマーレビューなどのプロダクト情報を提供したりするとよいでしょう。

クロージングのタイミングを見極めて、リードに対して積極的なアプローチを取ることが、成約率を高めるコツです。

またクロージングを成功させるためには、巧みなトークスキルも求められます。

クロージングの効果を高めるトークスキルについては、以下のホワイトペーパーに詳しく記載されているため参考にしてください。
(トーク系ホワイトペーパーへのリンクを差し込む)

ナーチャリングの主な手法


ナーチャリングの成功確立を高めるためには、リードとのコミュニケーションが欠かせません。

ナーチャリングのコミュニケーション手法には、主にメールと電話が使われますが、近年ではインバウンドセールスも用いられるようになりました。

ここではメールや電話、インバウンドセールスについて詳しく解説します。

メール

メールを活用してリードの関心を高める方法が「メールナーチャリング」です。

メールナーチャリングは、 定期的にアプローチできる点や、リードに対して適切なタイミングでアプローチできる点 がメリットです。

リードからのリアクションによって購買のタイミングを把握でき、リードの購買意欲の高まりを察知できます。

またメールの内容をそれぞれのリードに合わせてパーソナライズすることで、より関心を引きやすくなるでしょう。

電話

電話によるナーチャリングは従来より実施されている手法です。

メールやチャットと異なり電話は リアルタイムで会話できるため、感情やニュアンスを伝えやすい 特長があります。

リードとの信頼関係をより強固なものとします。

また、リードの反応をその場で直接確認できるため、即座に対応策を講じることも可能です。

電話でのやり取りを通じて、リードが抱える課題やニーズを把握し、解決策を提案することでより深い関係を築けるでしょう。

インバウンドセールス

メールと電話以外の手法も、最近では積極的に活用されています。

その中でもインバウンドセールスがよく使われています。

インバウンドセールスとは、 顧客が自発的に問い合わせをしてくる営業手法で、資料請求やホワイトペーパーなどを通じて有益なコンテンツを提供し、リードを育成すること が特長です。

役立つ情報を提供しながらナーチャリングを進め、契約につなげます。

メールでのナーチャリング


メールでのナーチャリングは一般的によく活用される手法です。

メールナーチャリングは、一度に多くのリードへメッセージを送信できます。

また、低コストで広範囲に情報を届けられる点が大きなメリットです。

リードのデータに基づいて、パーソナライズされたコンテンツを送信できるため、リードの関心を引きやすくなります。

メールの開封率やクリック率をトラッキングすれば、リードの関心の高さや購買意欲の把握も可能です。

メールナーチャリングのステップ

 メールナーチャリングは以下の手順 で進めます。

  • ターゲットリストの作成:リードの顧客データベースをもとにリストを作成する
  • パーソナライズされたコンテンツの作成:リードの行動履歴や属性データに基づいてコンテンツを作成する
  • リアクションの分析:送信後のリアクションを分析し、リードの購買意欲を評価する
  • 最適なアプローチの見極め:一連のステップを繰り返しながらリードごとに最適なアプローチを見極める

効果的なメールのポイント

 効果的なメールの内容は以下のポイント を踏まえましょう。

  • 件名:リードの関心を引く件名を設定し、開封率を向上させる
  • 本文:有益な情報を簡潔に伝える(各段落は短く読みやすく構成し、重要なポイントを強調)
  • 行動を促す内容:リードが次に取るべきステップを明確に示す(例:リンクをクリックして詳細情報を確認、ウェビナーに参加など)

具体例

メールナーチャリングの具体例として、「メールマガジン」「セグメントメール」「ステップメール」が挙げられます。

メールマガジン

 メールマガジンを定期的に配信すると、顧客との接点を増やしつながりを維持する 効果が期待できます。

また、メールマガジンを通じて、企業の存在を意識してもらえるため、リードと企業との関係を深められるでしょう。

さらに、最新の製品情報や業界のトレンド、企業のニュースなどを提供することで、リードの興味を引き、エンゲージメントを高めることができます。

セグメントメール

セグメントメールは、リードの行動や属性に基づいてパーソナライズされたメールを送信する手法です。

 ニーズや関心に合わせた情報提供により、より高いエンゲージメントを獲得できる でしょう。

例えば、特定の商品に関心を示したリードには、その商品に関する詳細な情報やユーザーレビューを含むメールを送ることで、購買意欲を高められます。

ステップメール

ステップメールは、 リードの購買プロセスの段階に応じて、メールを送信する手法 です。リードの行動や状況に応じた適切な情報提供で、効果的にリードを育成できます。

例えば、初めてウェブサイトを訪れたリードにはウェルカムメールを送り、その後の行動に応じて製品情報や導入事例を順次送信することで、リードの関心と購買意欲を高めます。

電話でのナーチャリング


電話を使ったナーチャリングは広く使われている手法です。電話はリードと直接コミュニケーションができ、すぐにフィードバックを得られるため、その場で対応ができます。

電話のメリットとして、リードと直接対話することで細かなニュアンスや感情を伝えやすい点があります。

また、リードの反応をその場で確認し、即座に対応することが可能です。

さらに、電話を通じてリードの具体的なニーズや課題を聞き出し、それに応じた適切な提案を行うことで、信頼関係を築くことができます。

このような直接的なコミュニケーションは、リードの購買意欲を高める上で非常に効果的です。

電話でのナーチャリングのステップ

 電話でのナーチャリングのポイントは、相手のニーズを聞き出すこと です。

リードをリストアップし、購買意欲が高い顧客に対して優先的にアプローチします。

事前にトークスクリプトを準備し、リードに対して適切なアプローチができるよう計画しましょう。

準備したリストに基づいて架電し、リードの具体的なニーズや疑問を聞き出します。

さらに電話でのナーチャリングを実施した後は、リードに対するアプローチが適切かどうかを分析して、改善することも大切です。

そのためにも、分析機能を実装したコールシステムを導入するのも1つの手段です。

コールシステムを使って話速やトーン、沈黙秒数などの定量的なデータをもとに分析すると、それを担当者へのアドバイスに効果的に活かせます。

顧客とのコミュニケーションの取り方について、定量化したデータをもとに結果の良し悪しを判断できるので、担当者も課題を把握しやすくなるでしょう。

メールと電話を組み合わせたナーチャリング


メールと電話を組み合わせたナーチャリングは、大きな相乗効果を発揮する場合があります。

組み合わせるメリット

メールと電話を組み合わせることで、多角的なアプローチが可能となり、リードの関心を引きやすくなります。

例えば、メールで提供した情報を電話で補完することで、リードがより深く理解できるようになります。

 複数の接点を持つことで、リードのエンゲージメントを強化 することができ、より効果的なナーチャリングが可能です。

この方法は、リードの購買意欲を高める上でも非常に有効です。

具体例

具体例として、初回コンタクトはメールで行い、その後にフォローアップの電話をする方法があります。

 初回のメールでは製品紹介やウェビナーの案内などの初期情報を提供し、リードがメールに反応したらフォローアップの電話をして、リードからの具体的な質問に対応 します。

さらに、リードのニーズや購買意欲を深掘りし、適切な提案をおこないましょう。

追加のメール配信を通じて、リードに新たな情報や特典を提供すると、関心を高く維持できます。

ナーチャリングのポイント


ナーチャリングを成功させるためには、次のポイントを踏まえる必要があります。

  • リードの視点に合わせた情報提供
  • マーケティングや営業など他の部署との連携を円滑に
  • 各種指標をスコアリング

リードの視点に合わせた情報提供をする

リードの視点に合わせた情報提供が重要です。

 リードのニーズや購買プロセスを理解し、「どのような課題を抱えているか」「どのような情報を求めているか」を把握する ことが求められます。

課題やニーズを察知し、リードが必要な情報を適切なタイミングで提供できれば、リードの関心を引きやすくなるでしょう。

リードごとの課題やニーズに対応するためには、それぞれにパーソナライズされたコンテンツが必要です。

他部署との連携を円滑にする

ナーチャリングを担当している部署以外との連携を円滑にする点も大きなポイントです。

 マーケティングや営業、カスタマーサポートなどの各部署間で情報共有し、リードの情報を一元管理 しましょう。

これにより、リードに対する一貫したアプローチが可能となり、ナーチャリングの効果を最大化できます。

定期的なミーティングや情報共有ツールを活用して、各部署との連携を強化しましょう。

指標をスコアリングする

リードスコアリングを導入し、管理をしやすくします。

リードスコアリングは、各リードにスコアを付け、優先順位を決定するプロセスです。

 見込み度が最も高いリードに集中してリソースを投入でき、営業活動の効率化や生産性向上につなげられます 

スコアリングは行動データや属性などによって計算します。

例えば、ウェブサイト訪問頻度、資料のダウンロード数、メールの開封とクリック率などの基準を使用します。

適切な手段で効果的なナーチャリングを目指そう


リードナーチャリングは、獲得したリードを育成し、購入者に導くために欠かせない施策です。

リードのニーズに合わせた情報提供を行うことで、より大きな効果が得られます。

多様な手法を組み合わせ、リードとの関係を継続的に育むことで、最終的な成果が得られます。

メールや電話を活用することで、顧客との関係を深め、コンバージョンの促進に有効です。

メールは、広範囲のリードに対して低コストでアプローチでき、個別にカスタマイズしたメッセージ送信が可能です。

 一方、電話は直接的なコミュニケーション手段として、リードのニーズや課題に対して迅速に対応できます 

電話によるナーチャリングを効果的にするためには、アウトバウンドコールで顧客と良好な関係を築くことも大切です。

そのためには、アウトバウンド特化のコールシステム「List Navigator.」の導入もおすすめです。

List Navigator.は、電話ナーチャリング時(アウトバウンドコール時)の質の向上と効率化に貢献します。トーク内容を音声解析する機能では、電話ナーチャリングにおいて次のアクションに繋がる誘導ができたトークとそうでなかったトークを比較するなど、成果の高いトークを明確にできます。

ナーチャリングの担当者も音声分析によって定量化されたデータをもとに課題を把握できるため、話し方の改善点がすぐにわかります。

電話でのナーチャリングを効果的に実施したい場合は、ぜひ導入をご検討ください。

株式会社Scene Live マーケティング部

Written by株式会社Scene Live
編集部

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