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コラム- COLUMN -

2024.08.08

リードクオリフィケーションとは?段階、手順、成功のポイントを解説

リードクオリフィケーションは、マーケティングと営業の橋渡しとなる重要なプロセスです。

本記事では、リードクオリフィケーションの概要をふまえ、リードクオリフィケーションに至るまでの段階、実施の具体的手順、質を高めるためのポイント、サポートするツールなどについて解説します。

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リードクオリフィケーションとは


リードクオリフィケーションとは、さまざまなマーケティング・営業手法で獲得した見込み顧客(リード)から自社商品やサービスを購入する可能性の高い顧客を選別することです。

見込み案件の創出・発掘活動全般をデマンドジェネレーションと呼びますが、その過程でもリードクオリフィケーションは重要なポジションを占めます。

獲得されたすべてのリードが実際に購入・成約に至るわけではありません。

獲得されたすべてのリードに対して、ランダムに営業をかけても効率の良い結果が出るとは限らないのです。

 膨大なリードのデータをフィルタリングし、自社商品・サービスを購入する可能性の高いリードからアプローチするほうが合理的です 

その意味でリードクオリフィケーションは、デマンドジェネレーションにおいて極めて重要なプロセスになります。

リードクオリフィケーションまでの段階


デマンドジェネレーションには段階があり、その仕上げがリードクオリフィケーションです。

デマンドジェネレーションには、以下の3つの段階があります。

  • リードジェネレーション
  • リードナーチャリング
  • リードクオリフィケーション

それぞれの段階について、詳しく解説します。

第1段階:リードジェネレーション

まずは見込み顧客であるリード獲得の段階です。

リード獲得の活動はリードジェネレーションと呼ばれますが、 見込み顧客獲得のために最初に取り組む活動です 

潜在顧客をリードに転換する方法は、オフラインとオンラインに大別されます。

オフラインでリードを獲得する主な方法は、次のとおりです。

展示会

展示会を開催、またはブース出展により集客し、リードを獲得する方法です。

交流会

交流会は関係者が集まり、親睦や交流、情報交換を目的に開催されるイベントです。異なる業種で新たな人脈を築けるため、新規顧客開拓につなげられる点が特長です。

テレフォン・アポイントメント

「テレアポ」と省略して呼ばれるテレフォン・アポイントメントは、見込み顧客に対して電話をかけて訪問や面談のアポイントを取る活動です。テレアポは、顧客のニーズや課題を直接聞き出せるため、それに合わせた効果的な対応をすることができます。その一方で、スキルが属人化しやすいことが特徴といえます。

飛び込み営業

飛び込み営業は、事前のアポイントメントをとらずに企業・個人宅を訪問し、自社商品やサービスをセールスする方法です。

以上、オフラインでリードを獲得する方法を紹介しました。その他にも、郵送のダイレクトメール、屋外広告、交通広告などがあります。

一方でオンラインのリード獲得方法は以下の通りです。

Web広告

Web広告は、Webを媒体として出稿され、主に次の広告があります。

  • 各種Webサイト上に掲載されるディスプレイ広告
  • Google・Yahoo!などの検索エンジンに掲載されるリスティング広告
  • XやFacebookなどのソーシャル・ネットワーキング・システムに掲載されるSNS広告

SNS

SNSプラットフォームでアカウント運用してフォロワーを獲得するのもおすすめです。フォロワーが増えると、SNSで自社商品・サービスの情報を発信した際に多くの人に魅力をアピールできます。拡散された場合、大きな宣伝効果を生む可能性もあります。

ウェビナー

ウェビナーはセミナーのWeb版で、比較的コストをかけずに自社への関心の高いリードを獲得できます。

第2段階:リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、 リードジェネレーションで獲得された見込み顧客の購買意欲を高め、より成約・受注に近づけるためのマーケティング活動です 

リードナーチャリングは英語では「lead nurturing」と表記します。「nurture」とは育成するという意味で、リードナーチャリングを訳すと顧客育成となります。

見込み顧客からの成約・受注につなげるためには、リードナーチャリングを通して自社プロダクトへの理解を深めてもらい、購買意欲を高める必要があります。

リードナーチャリングによって見込み顧客の取りこぼしを少なくでき、マーケティング活動のコストパフォーマンスを高めます。

リードナーチャリングの手法としては、以下が考えられます。

サンキューレター

サンキューレターとは、その名の通り顧客に感謝の気持ちを伝える手紙です。

展示会や異業種交流会での名刺交換、テレアポ・飛び込み営業などで獲得した見込み顧客に対する最初のアプローチとして活用されます。

デジタル時代だからこそ、あえて紙媒体でメッセージを送ると、相手に強い印象を与える効果があるでしょう。

販売促進の手紙よりも、純粋に感謝の言葉を綴るほうが相手の心に届きやすいといえます。

フォローの電話

フォローの電話は、獲得したリードに直接電話をかける方法です。プロダクトへの関心度や購買意欲の高いリードには効果のある方法です。

セミナー

オフラインで開催する自社セミナーは、実際に顧客と対面できる貴重な機会です。

自社の商品・サービスの購入を検討しているリードから直接フィードバックをもらえるため、プロダクトの改善にも役立ちます。

潜在顧客とリードの両者が興味を示すようなセミナーを開催すると、リードジェネレーションとリードナーチャリングを兼ねた効率的なマーケティング施策につながります。

第3段階:リードクオリフィケーション

デマンドジェネレーションの仕上げとして、リードクオリフィケーションを実施します。

 リードクオリフィケーションはリードの中から購入の可能性が高く、成約する確率が高い顧客を選別することです 

定量的・定性的な分析のもとにフィルタリングをかけ、優先的に営業すべき顧客のリストを作成します。

できあがったリストを営業部門に引き継ぎ、次のステップへと進みます。

リードクオリフィケーションの具体的な手順


それでは、ここからはリードクオリフィケーションの具体的な手順を解説します。

リードクオリフィケーションの手順は以下の通りです。

  • リードをセグメントする
  • カスタマージャーニーマップを作成する
  • シナリオを設計する
  • スコアリングを設計する
  • 営業部門への引き渡し

順番に解説します。

リードをセグメント化する

リードクオリフィケーションの工程では、まずリードをセグメントします。

セグメントは「区分」とか「断片」という意味ですが、ここでは ターゲットであるリードを特定の条件のもとにグループ分けするプロセスを指します 

グループ分類の条件としては、人口動態変数や地理的変数、心理的変数、行動変数などが挙げられます。

人口動態変数

人口動態変数は、リードを属性によって分類する変数です。項目としては、年齢や性別、所得、職業、家族構成などが挙げられます。

BtoBのリードでは企業の業種や業態、担当者の役職などの企業情報を項目に設定します。

地理的変数

地理的変数は、地理的な条件でグループ分類するときの変数です。項目としては、国や地域・地方、気候、人口密度、宗教・生活文化などがあります。

心理的変数

心理的変数はリードの心理に照準を当てたグループ分類の方法です。リードの性格や志向、価値観、ライフスタイル、趣味などの要素をもとに分類します。

行動変数

行動変数はリードの商品に対する反応を評価する変数です。例えば購買行動、ロイヤルティなどに着目した変数が挙げられます。

カスタマージャーニーマップを作成する

次に、セグメントごとにカスタマージャーニーマップを作成します。

 カスタマージャーニーとは、顧客が自社商品・サービスを認知し、そこから購入・成約に至るまでの過程です 

また、リードが購入・成約に至るまでの工程を可視化した資料はカスタマージャーニーマップと呼ばれます。

リードは以下のような行動フェーズをたどるのが一般的です。

  • 課題の認知:自社の商品・サービスを認知する段階
  • 情報の収集:商品・サービスはどのような機能があるかなど情報を集める段階
  • 比較・検討:他社の商品・サービスと比較して、検討する段階
  • 決定・導入:商品・サービスを購入・成約する段階

各フェーズにおけるリードの行動変容、感情の変化、それに対する自社の対応などをマップに落とし込みます。

シナリオを設計する

カスタマージャーニーマップが完成したら、マップをもとにシナリオを設計します。

シナリオとは、 マーケティング戦略の展開や見込み顧客の行動、成約に至るまでの過程を示した一連のストーリーです 

シナリオ設計の具体例として、自社サイトを複数回閲覧しているにも関わらず、問い合わせ・資料請求には至っていないリードに対して、資料請求のダウンロードを促すようなアクションが考えられます。また、自社セミナーに参加したロイヤルティの高いリードに対しては、限定クーポンを発行するなどの施策が考えられます。

スコアリングを設計する

シナリオ設計と同時に、スコアリングを設計します。

スコアリングとは、 購買意欲を定量的に評価するために、リードの属性や行動をスコア化することです 。営業アプローチの優先順位を見極めるために役立ちます。

シナリオに沿ってリードを評価する場合、担当者の主観的な判断や定性的な評価だけでは客観的な分析になりません。

リードの属性・行動を数値化するスコアリング設計は、マーケティング施策に客観性を与え、マーケティング部門と営業部門の連携強化につながります。

スコアリングを実施する場合は、主に属性と行動の2領域に分けて点数をつけるのが一般的です。

属性に関するスコアリングの例として、リードの役職が決済者に近づくに従い加点する方法が挙げられます。

また行動に関するスコアリングの具体例として、自社サイトへの訪問回数で加点する方法が考えられます。

営業部門への引き渡し

一定のスコアに到達したリードがプールされてきたら、定期的にリスト化して、営業部門へ引き継ぎます。

営業担当者は、 引き継がれたリストをもとに営業戦略を立て、効果的なアプローチ方法を考え成約を目指します 

リスト作成は、週1回や月1回など実施するスケジュールを決めておくと作業がスムーズです。

定期的に分析と改善を実施する

リードクオリフィケーションを実施する場合、 定期的に歩留まりを分析して、改善すること が大切です。

セグメント分類、カスタマージャーニーの策定、シナリオ設計、スコアリング設計、すべての工程に分析を入れ、内容を再検討します。

思ったような成果が出ない場合、その都度リードクオリフィケーションを見直すようにします。

リードクオリフィケーションに完全な正解はありません。企業、業種、業界ごとに定義も設計も異なります。

改善の積み重ねが、よりよきリードクオリフィケーションへとつながるのです。

リードクオリフィケーションの重要性


リードクオリフィケーションが重要な理由は次の通りです。

  • コストの最小化と効果の最大化
  • マーケティング部門と営業部門との連携
  • 顧客満足度の向上

以上3点を詳しく解説します。

コストの最小化と効果の最大化

マーケティング部門にしても営業部門にしても、人員は限られます。

 限られた経営リソースの中で効果を最大化させるためには、営業活動を効率化させるほかありません 

リードジェネレーションを通じて獲得したリードには、属性や興味関心、活動状況においてさまざまなタイプが含まれています。

リードの選別が不十分な場合、コールドリード(自社商品・サービスへの興味関心が薄く、購買の可能性が低いリード)も多く含まれるため、一様に営業アプローチをかけても失注が増え、ムダな営業活動につながります。

事前にフィルタリングを行うと、ホットリード(自社商品・サービスへの興味関心が強く、案件化する可能性が高いリード)に優先してアプローチができるため、営業の効率化につながるのです。

マーケティング部門と営業部門の連携

リードクオリフィケーションがされておらず、顧客情報に乏しいリードリストが営業部門に引き継がれると、成約率が落ちます。

営業部門の中には、 質の悪いリードリストを引き渡したマーケティング部門への不平不満も生じるでしょう 

リードクオリフィケーションを行うと、マーケティング部門と営業部門との関係を良好に保てるのです。

顧客満足度の向上

リードクオリフィケーションを実施すると、購入意欲の高い顧客に対して自社商品やサービスを提案できるため、顧客満足度の向上が期待できます。

一方でリードクオリフィケーションを実施せずに営業活動を行うと、購入意欲の低いリードに自社商品やサービスを提案するケースが増えます。 需要が顕在化していない状態でアプローチするため、顧客の不満につながる恐れがあります 

リードクオリフィケーションの質を高めるためのポイント


リードクオリフィケーションの質を高めるためには、以下の3点が重要です。

  • セグメント分けの粒度を最適化する
  • 適切なシナリオ設計を行う
  • PDCAサイクルを回す

それぞれ解説します。

セグメント分けの粒度を最適化する

 リードクオリフィケーションをセグメントごとに分類するためには、粒度を最適化する必要があります 

粒度とは、データの細かさ・粗さの程度を示す基準です。

リードクオリフィケーションのセグメント分類の精度を上げようとして、粒度を細かく設定するケースがあります。しかしセグメント分類を過度に細分化すると、あるリードに届いた情報が別のリードには届かなくなる現象が生まれたり、特定のリードに情報が重複して届いてしまったりします。

運用負担の面でも、コストパフォーマンスの悪化が予想されます。

セグメント分類における粒度を意識することによって、マーケティング施策のミスマッチを回避できるのです。

適切なシナリオ設計とスコアリング設計を行う

シナリオ設計とスコアリング設計の適正化も重要です。

設計されたシナリオ・スコアリングが適切でないと、十分な成果は得られません。

シナリオの設計には仮説と検証の繰り返しが求められます。仮説を立てるためにはデータの裏付けが必要で、データの積み上げがシナリオの精度を向上させます。

適切なスコアリングも重要です。属性スコアにおいて、企業規模の大きいリードに高い点数をつけていたが、結果が出なかったという事例もあります。

シナリオにしても、スコアリングにしても、 間違った設計をするとリードクオリフィケーションの精度が著しく低下する ため、適切な判別が求められるのです。

PDCAサイクルを回す

リードクオリフィケーションの設定後は、 Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のPDCAサイクルを回し、繰り返し改善することが大切です 

セグメント分類、カスタマージャーニーマップの作成、シナリオ設計、スコアリング設計といった工程に絶対的な正解はありません。

企業の業態・業種・規模、リードの属性、時代の変化などの変数によって、リードクオリフィケーションの工程は変化し続けます。

リードクオリフィケーションをサポートするツール


質の高いリードクオリフィケーションを推進するためには、適切なツール選びも重要です。

リードクオリフィケーションをサポートするツールとしては、以下のものがあります。

  • CTI
  • SFA
  • CRM
  • MA

それぞれのツールの特徴を紹介します。

CTI

CTIとは「Computer Telephony Integration」の頭文字をとった言葉で、 パソコンと電話・FAXを統合させたシステムです。

CTIの主な機能は次の通りです。

機能名 内容
リスト管理 リードリストを共有・管理できる機能
オートコール リストをもとに応答があるまで1件ずつ自動発信する機能
プレディクティブコール 多回線で同時に発信し、つながった番号だけをオペレーターに転送する機能

デマンドジェネレーションでは、主にリードジェネレーションで活用されるツールですが、リスト管理機能があるため、リードクオリフィケーションにも活かせます。

SFA

SFAとは英語の「Sales Force Automation」の略語で、営業支援システムの総称です。

SFAには次のような機能が備わっています。

機能名 内容
顧客管理 顧客・企業の基本的な情報をはじめ営業にかかわる情報全般を可視化する機能
案件管理 案件ごとの進捗状況や詳細情報を管理・把握する機能
予実管理 売上予測と実績を可視化する機能

SFAは営業担当者への総合的な営業支援を行うツールです。

このシステムの導入によって、営業担当者の業務が効率化し、業務の属人化を防いでくれます。

CRM

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では顧客関係管理といいます。

CRMには主に次のような機能があります。

機能名 内容
顧客管理 属性の基本情報や購買日・購買金額・購買頻度の行動履歴などの管理機能
顧客分析支援 顧客データベースをもとに多角的な分析の支援

MA

MAとは「Marketing Automation」の略で、マーケティング活動全般の可視化と自動化を推進するためのツールです。

MAには次のような機能が実装されています。

機能名 内容
顧客管理 顧客・企業の基本的な情報をはじめ営業にかかわる情報全般を可視化する機能
スコアリング 設定した情報に基づいてスコアリングを自動的に算出する機能
シナリオ作成 リードの動きに対する行動を作成する機能

MAツールを導入すると、リードクオリフィケーションの自動化と効率化を図れます。

リードクオリフィケーションで効率的な営業活動を


限られたリソースで効果を最大化するためには、営業活動の効率化が不可欠です。

リードクオリフィケーションは、効率的で戦略的な営業活動をサポートするための取り組みです。

リードクオリフィケーションには以下の工程が欠かせません。

  • リードのセグメント分類
  • カスタマージャーニーマップの作成
  • シナリオ設計
  • スコアリング設計

以上を効率化するためのツールとして、CTIツールやMAツールなどが挙げられます。

リードクオリフィケーションで効率的な営業活動を考えている方は、CTIツールの「List Navigator.」の導入をぜひ検討してください。

アウトバウンド特化のコールシステム「List Navigator.」には、テレアポにおいて、パフォーマンスの高いトークとそうでないトークを音声解析し比較するなど、成果の高いトークを明確にでき、テレアポスキルの属人化の課題解消にも貢献します。

また、充実した架電リスト管理機能も標準搭載されており、ブラックボックス化しやすい架電結果の管理を徹底することで、リードクオリフィケーションに欠かせないセグメント分類にも柔軟に対応できますので、ぜひ導入をご検討ください。

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株式会社Scene Live マーケティング部

Written by株式会社Scene Live
編集部

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