2024.09.26
顧客管理を台帳に手書きするのは危険?デメリットと解決策を解説
顧客の基本情報やステータスなどをまとめておく顧客管理は、どのビジネスにおいても非常に重要です。
企業の中には、台帳に手書きをして顧客管理をおこなっているというケースもあるかもしれません。
しかしながら、台帳による顧客管理は さまざまなリスクをはらんでおり、機会損失の危険もあり得ます。
本記事では、顧客管理を台帳でおこなうことの危険性と台帳管理に代わる便利な方法を解説します。
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目次
顧客管理の重要性
まず、顧客管理の重要性について改めて考えましょう。
顧客管理で管理すべき内容やどのように活かせるのかを理解できると、おのずとどのような方法で顧客情報を管理すべきかわかるはずです。
顧客それぞれに合わせた営業・マーケティングができる
顧客はBtoBであってもBtoCであっても、さまざまな対象がおり、一辺倒の営業やマーケティングが通じなくなっています。
企業であれば規模や経営方針、場合によっては業種や業界が異なるでしょう。
消費者であっても年齢や性別、収入、好みなど、顧客の属性や傾向は多岐にわたります。
確かな購買につなげるためには、それぞれのニーズに合ったアプローチが効果的です。
相手の境遇や心情に合った内容で営業やマーケティングをおこなう ことで、顧客の購買意欲も上がります。
企業一つひとつ、あるいは個人一人ひとりに合わせたアプローチをおこなうためには、それぞれの情報をしっかりと管理することが重要です。
顧客情報を綿密に管理しておけば、同じ属性のターゲットを区分し、まとめてアプローチできるなど、より効率的な業務にもつながります。
顧客満足度の向上につながる
個々に合わせた提案ができるということは、顧客の満足度が高まる可能性もあります。
「自分の需要に合っている」と顧客に感じさせられれば、企業に対する信頼度や興味関心も高まるでしょう。
逆にまったく顧客をセグメントせず、誰彼かまわず同じ情報提供や提案をおこなっていると、顧客の興味がそそられないだけでなく、 「こちらを全く理解していない」と見なされ、信頼感が下がる危険性 もあります。
それぞれの趣向やニーズに合わせた継続的なアプローチは、リピート購買にもつながります。
安定的な顧客満足や売上のためにも、顧客情報の徹底した管理は非常に有効と言えるでしょう。
タイムリーなアプローチができる
現代はさまざまな情報であふれており、流行やニーズの変化もとても早いと言えます。
そんな世の中においてビジネスを安定的に続けていく上で重要なのは、タイムリーな行動ではないでしょうか。
顧客の 動向や心情を素早く察知して、求められるものを的確に提示 できれば、購買につながりやすくなります。
そのためにも日頃から、一人ひとりの顧客の動向や、全体的な市場変化を注視しておく必要があるでしょう。
顧客管理を徹底していれば、顧客の状況変化をいち早く感じとれ、タイムリーに応対できる可能性が高まります。
必要なときに必要な物を提供するためにも顧客管理は重要です。
顧客管理を台帳の手書きでおこなうデメリット
顧客管理の重要性を踏まえると、台帳での管理があまり望ましくない状況が理解できるのではないでしょうか。
手書きで顧客管理をおこなうデメリットについて具体的に考えましょう。
スタッフ間での共有が難しい
台帳で顧客管理をおこなうとなると、多くの場合、一冊を複数の従業員で管理するのではないでしょうか。
物が一つしかないということは、誰かが使用している間は他の人は利用できないということです。
そのため、 同時の閲覧や編集が難しく、業務効率が下がる 恐れが考えられるでしょう。
また、複数の場所で閲覧することもできないため、その場でしか共有できず、有事の際や緊急時の対応が難しくなります。
スピード感を持って確認・管理したい場合、台帳での管理では、それがかなわないと言えるでしょう。
複数の台帳で管理しようとしたとしても、同じものを複製したり、同じ情報を間違いなく追記したりする作業は非常に手間がかかります。
台帳を紛失する恐れがある
台帳自体が紛失してしまう可能性も考えられます。
台帳一冊ですべての顧客情報を管理している場合、それがなくなってしまえば、今後すべての業務が滞ってしまう危険性があります。
厳重に保管しているから問題ないと考えていても 盗難に遭ったり、火事や災害などに見舞われたりといった可能性 もゼロではありません。
万が一、盗難されたり悪用されたりする事態になれば、個人情報や機密情報の流出にもつながり、企業としての信頼を脅かす事態にもなりかねません。
台帳の紛失は頻繁にあることではないかもしれませんが、もしもの場合には相当のリスクがあると言えるでしょう。
顧客情報を検索できない
台帳で顧客情報を管理していると、 閲覧したい情報をすぐに取り出しにくい と言えるでしょう。
例え目次を付けたり、あいうえお順などで管理したりしていても、検索して情報を引き出せないため、情報量が多くなればなるほど、業務効率が下がります。
情報をまとめて管理するにあたっても、例えばあいうえお順や業種ごとなど、少ない条件でしか括れません。
また、状況が変わって括り方や順序を変更したいと思っても手書きであれば、非常に膨大な業務になってしまいます。
情報を探すのに手間取ってしまうようだと、日々の業務にも支障をきたすでしょう。
たくさんの情報を管理しにくい
顧客の情報の管理は、基本的な名前や住所だけでなく、本来であれば見込度合いや興味・関心、営業進捗など、さまざまな情報を管理しなくてはなりません。
それでこそ、個々にあった的確な営業やマーケティングに活かせるからです。
手書きで台帳管理をしていると、 どうしても管理できる情報量に限りがある と言えるでしょう。
顧客との関係が長くなればなるほど、また顧客が増えれば増えるほど、情報量も比例して増加し、管理が大変です。
膨大な情報の管理は情報の閲覧のしやすさにも影響し、日々の業務を圧迫する原因になります。
今は台帳で事足りている企業でも、顧客が増えてくれば、顧客情報の管理方法を見直さなければならないタイミングが生じるでしょう。
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台帳への手書き以外の顧客管理方法
台帳による管理は日々の業務効率を下げる要因になったり、思いもよらぬ大惨事を引き起こしたりする原因になりかねません。
それでは、手書きによる台帳管理以外に、どのような方法で顧客情報を管理できるのでしょうか。
会社規模や業務内容によっても、適切な方法は異なりますが、ここでは代表的な方法を紹介します。
エクセル
エクセルは情報を整理して管理するのに便利な代表的なツールです。
顧客管理もエクセルでおこなえるでしょう。
フレキシブルに見た目を整えることもできるため、自社で管理した情報を使い勝手良く整理できます。
また、共有や検索も容易にできるため、日々の業務も台帳に比べて格段にしやすくなるでしょう。
その他の業務でも頻繁に使用するソフトであるため、 費用をかけず取り組みやすい 点もメリット。
とりあえず顧客管理をデジタル化したい場合や、顧客数が膨大でない場合におすすめです。
しかしながら、誰でも編集しやすいため、データを削除してしまったり、ファイルを削除してしまったりといった人為的なアクシデントには注意が必要です。
また、情報量が膨大になると、バグを起こしたり読み込みが遅くなったりすることもあるため、規模があまり大きくない場合のみ有効と言えるでしょう。
会計ソフト・請求ソフト
日々の請求や支払いを管理する会計ソフトでもある程度、顧客情報の管理が可能です。
基本的な相手の情報に加え、金銭的なやり取りも管理できるため、非常に効率的と言えます。
また、外部ソフトであれば、エクセルとは異なり、情報量を気にせず運用ができます。
相手先の数が増えても動作に影響しにくいため、日々の運用もスムーズにできる でしょう。
しかしながら、必ずしも会計ソフトや請求ソフトによる管理が適切でない企業や業種もあります。
また、そもそも顧客情報を管理するためのソフトではないため、管理できる情報も非常に少ないです。
多岐にわたる情報を管理したい場合には向いておらず、あくまで簡単な顧客情報鹿管理できないと理解しておきましょう。
CRM
CRMは、Customer Relationship Managementの略で、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。
一般的には、顧客管理に特化したシステムのことを指し、さまざまな情報を一元管理できるため、本格的な顧客情報の管理には必須であると言えるでしょう。
CRMでは 基本的な顧客情報に加え、営業進捗や趣向、ステータスなど、幅広い情報を管理でき、営業やマーケティングに活かしやすい というメリットがあります。
また、業界や業種に特化しているシステムも多く、システムを導入するだけで、使い勝手の良い管理環境を構築できます。
しかしながら、利用には費用が必要であり、顧客数や管理情報の量が少なければ費用対効果が悪く感じられてしまう場合もあるでしょう。
本格的に顧客管理をおこないたい場合には必須と言えますが、運用体制が整っていない場合にはオーバースペックと言えるかもしれません。
台帳の手書きに限らず適切に顧客情報を管理して売上向上につなげよう
顧客情報の管理はビジネスの成功がかかっているとも言え、どの企業にとっても例外なく重要な業務の一つです。
もちろん手書き台帳で事足りている場合であればよいですが、ビジネスが大きくなっていけば必ずその限界はやってきます。
手書き台帳は ただでさえリスクを抱えた管理方法でもあるため、少しでも不便を感じている場合には、改善を検討すべき でしょう。
本格的な顧客管理には、やはりCRMの利用が有効です。
営業支援ツールと合わさったシステムや、コールセンターシステムと合わさったシステムなど、それぞれの業務や業界に特化したCRMも多数あります。
いずれにせよ適切な顧客管理が、業務効率にも売上にも良い影響をもたらすことには変わりありません。
顧客情報の管理方法を今一度見直し、ビジネスに活かせる運用方法を実施しましょう。
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