2024.09.26
IP電話の音質をよくする方法とは?メリット・デメリットも解説
IP電話のメリットは、固定電話と比べて低コストで導入できる点です。
しかし、音声を比較すると、固定電話のほうが音質がよく、IP電話は劣ってしまいます。
「IP電話の音質をよくしたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。本記事では、IP電話の音質をよくする方法やメリット・デメリット、選び方を詳しく解説します。
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目次
IP電話とは
IP電話とは、電話番号050から始まるネット回線を利用したインターネットプロトコルという仕組みで通話する方法です。
また、固定電話の電話番号は「市外局番+市内局番+加入者番号」により構成されています。
IP電話では「050+IP電話事業者+加入者番号」で電話番号が構成されるため、発信地を特定されません。
IP電話を提供しているのは、基本的にネット回線のプロバイダであり、携帯電話機と固定電話機の両者で利用できます。
さまざまなシーンに適切な導入が可能であり、コストパフォーマンスに優れたサービスが多いです。
一方、IP電話と固定電話の音声品質を比べると、IP電話の音声は劣ってしまいます。
なぜなら、IP電話はネット回線を介して音声データをデジタル変換し送信するため、ネット回線の状況を大きく受けるからです。
例えば、ネットを多くの方が利用している時間帯の場合、回線ないが混雑してしまい遅く感じるといったことがあります。
また、容量の大きいデータを扱う作業をするとネットが重たいと感じることがあるでしょう。
ネットを多くの方が利用している場合や大容量のデータを扱う場合には、ネット回線の状況が一時的に悪くなり、IP電話の音声品質が下がります。
注意点もありますが、低コストで利用できる点やプロバイダにとらわれない「プロバイダフリー」やLINEやSkypeといった「IP電話アプリ」などのサービスもあるため、多様な用途に対応できます。
IP電話の音質をよくする方法
IP電話の音声は、固定電話の音声に比べると品質が劣りますが、低コストで多様な場面で利用できます。
そのため、固定電話よりIP電話を利用したいとお考えの方も多いことでしょう。
IP電話を利用する際に次の方法で対策することで、通話音質をよくできます。
- インターネット回線を見直す
- データ・ファイルの送受信を確認する
- 周波数を見直す
- 接続方法を有線に変更する
- システムを見直す
- 契約を見直す
IP電話の音質をよくする方法を詳しく解説します。
インターネット回線を見直す
ネット回線を見直すことで、IP電話の音声品質をよくできます。
なぜなら、IP電話はネット回線を介して音声をデジタル信号に変換し、通話しているため、ネット回線の影響が大きく影響するからです。
具体的には、多くの人がネット回線を利用している時間帯では、ネット回線が混雑するため、IP電話の音声品質が悪くなりやすくなります。
特に、 低速のネット回線を利用している場合の影響は大きく、音声品質の低下や通話中のタイムラグの発生につながりやすいです。
高速のネット回線を利用することで、タイムラグの少ない高品質なIP電話になります。
また、後述する有線接続で利用することで、外部の影響を受けにくく、ネット回線が安定し、IP電話をより高品質で利用できるためよいでしょう。
データ・ファイルの送受信を確認する
ネット回線が混雑していない状況で音質がよくないと感じる場合は、IP電話の通話中に大容量のデータ・ファイルの送受信を行うことが原因の可能性が高いです。
大容量のデータ・ファイルを送受信すると、ネット回線に大きな負荷がかかり、IP電話の音声品質に影響します。
IP電話を利用している場合には、 大容量のデータ・ファイルの送受信を避けることで、音声が低下しにくくなり、品質を高く維持できます。
また、ネット回線の容量を増やすのもひとつの手です。
大容量のデータ・ファイルの送受信しながら通話をしなければならない場合には、回線の容量を増やすとよいでしょう。
周波数を見直す
ネット回線の影響を受けるIP電話の音声品質をよくするためには、利用しているネット回線の周波数を見直すことも重要です。
IP電話を無線接続によって利用している場合、電波の状況が音声品質に直結します。
電波は、周波数が高いほど高速な通信が可能になりますが、物理的な障害物があると影響を受けてしまい届きにくい特徴があります。基本的に、ネット回線の周波数は、5GHzか2.4GHzで利用されています。
IP電話で通話をする端末とネット回線に接続するルーターの間に障害物や電波を発するものがないか確認しましょう。
5GHzの電波は物理的に障害物が多いと電波が届きにくくなり、IP電話の音声品質を低下させます。
2.4GHzの電波を発する電子レンジやBluetooth機器などは直接電波に干渉してしまい、IP電話の音声品質を低下させます。
特に、電子レンジを利用した時に影響を受けやすいため、電子レンジの配置には注意してください。
無線接続でIP電話の音声品質をよくしたい場合は、物理的な障害物を少なくし、電波に干渉する機器を近くに設置しないようにしましょう。
また、アクセスポイントを複数利用している場合も音質に悪影響を及ぼすため、利用を制限することが重要です。
接続方法を有線に変更する
IP電話の音声品質をよくする方法として一番効果的な方法が接続方法を有線に変更することです。
無線接続の場合、障害物や電波干渉などさまざまな影響により、障害が起こりIP電話の音声品質を低下させやすいです。
特に、 無線接続では電子レンジやBluetooth機器による電波干渉をもろに受けやすく、音声品質が低くなってしまいます。
また、無線接続の場合、ルーターのアクセスポイントの不具合やコンピューターウイルスなどさまざまなトラブルが原因で、ネット回線に不具合が発生することもあるため、トラブル追及が大変です。
このようなことから、電波干渉の影響を受けにくく、トラブルも減少させられる有線接続でIP電話を利用することがよいでしょう。
ルーターと利用端末を有線LANケーブルで直接つなぐだけであるため、接続方法はとても簡単です。
システムを見直す
IP電話アプリを利用している場合は、システムを見直すことで音声品質をよくできます。
IP電話アプリの音声品質は、システムの性能自体が大きく影響するため、システムが悪ければIP電話アプリ自体を変えるとよいでしょう。
システムの品質を確かめる方法として、「総務省IPネットワーク設備委員会技術検討作業班資料」によるIP電話の音声品質評価基準を参考にすると、次のようになっています。
IP電話の音声品質評価基準 | クラスA(固定電話並) | クラスB(携帯電話並) | クラスC(IP電話並) |
総合伝送品質率(R値) | >80 | >70 | >50 |
エンドトゥエンド遅延 | <100ms | <150ms | <400ms |
接続品質 | ≦0.15 | ≦0.15 | ≦0.15 |
また、利用する端末自体が悪い場合や端末とシステムの相性が悪い場合でも、音声品質が低下します。
契約を見直す
契約した内容によってはIP電話の音声品質が低下してしまいます。
契約している内容がネット電話でない場合は、音声品質が低くなりやすいため、ネット電話の「050電話」に変更するだけでも改善されます。また、ネット回線を光回線に見直すことでも音声品質が大きく変わる場合もあります。
音声品質を求めるのなら、クラウドPBXに契約を変更するとよいでしょう。
クラウドPBXは、IP-PBXサーバーを設置する必要がなく、初期コストがかからず、メンテナンスも不要です。
このクラウドPBXを利用する企業も増加しており、前述したシステム品質のクラスAのサービスが多いため、音声品質向上が見込めます。
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IP電話のメリット
IP電話には、次のように多くのメリットがあります。
- 通話料金が安い
- 050の電話番号同士なら無料
- 電話回線が不要
- テキストや画像の送受信が可能
- システムと連携しやすい
通話料金が安い
1つ目のメリットは、通話料金が安いことです。
IP電話の通話料金は3分間で8円程度で固定電話は2分間で21円程度です。
比較すると、1分間の通話料金は、IP電話のほうが8円程度安くなります。
IP電話を利用した業務を行っている場合、数十分の通話を行うことが多くなることでしょう。
そこで、 IP電話を利用していると、通話料金を安く抑えられるため、コスト削減が見込めます。
また、基本料金もIP電話のほうが500円程度安くなっており、機器設置や配線工事などが不要であるため、少ない初期費用で導入できます。
050の電話番号同士なら無料
050の電話番号同士での通話なら無料という点も、IP電話のメリットのひとつです。
また、契約しているプロバイダが同じ場合であっても無料で通話できます。
なぜなら、ネット回線が同じであるため、接続料金がかからないからです。
このメリットを活かし、会社の連絡用電話をIP電話にすることで、社内連絡を無料で行えます。さらに、固定電話を利用している場合であっても、IP電話と併用できるため、重要な電話用に固定電話を設置し、その他をIP電話で対応するといった利用方法も可能になります。
電話回線が不要
固定電話では、NTTの電話加入権の購入が必要であるため、初期費用や運用費用が高くなりやすいです。
しかし、IP電話は電話回線が不要なため、固定電話に必要なモジュラージャックや専用機器などを設置しなくて済みます。
電話加入権の購入に加えてレンタル契約料金が発生する 固定電話と異なり、電話加入権が無くても050番号を取得し、低コストで運用できます。
また、ネット回線を利用するため、電話機ではなくPCやスマホなどの端末があれば通話できます。
電話回線が不要な分、簡単に低コストで運用できる点は、IP電話の大きなメリットです。
テキストや画像の送受信が可能
IP電話は音声通話だけでなく、テキストや画像の送受信が可能です。
固定電話では、音声通話のみのコミュニケーションになるため、タイムリーに必要資料を送受信できません。
しかし、 IP電話ではテキストや画像を送受信できるため、通話をしながら必要な資料をタイムリーに確認でき、コミュニケーションが取りやすくなります。
また、テレビ電話やビデオ通話にも対応しているサービスも多いことから、リモートワークやWeb会議などの柔軟な働き方に対応できます。
システムと連携しやすい
録音機能や電話帳管理機能などにより、情報を一元管理でき、システムとアプリとの連携が行いやすいこともメリットといえるでしょう。
具体的には、IP電話に搭載された留守番電話や録音機能、電話帳管理機能などにより、通話に関わるさまざまな情報を一元管理できるようになり、連携した別のシステムやアプリで扱えます。
システムやアプリと連携しやすくなることで、複数拠点での情報共有が可能になり、多様な形の電話業務を実現できます。
特に、 LINEやSkypeのようなIP電話アプリは、他のシステムやアプリとの連携が行いやすく、比較的簡単に利用できることから、多くの方にシェアされています。
IP電話のデメリット
IP電話のデメリットは次の通りです。
- フリーダイヤル・緊急電話への発信が不可能
- 固定電話に比べ音質が悪い
- 停電時に利用できなくなる
IP電話のデメリットを詳しく解説します。
フリーダイヤル・緊急電話への発信が不可能
IP電話では、フリーダイヤルや緊急電話への発信はできません。
なぜなら、フリーダイヤルと緊急電話はNTTが提供しているサービスで、電話回線を利用していることが利用条件だからです。
ネット回線を利用する IP電話の場合はフリーダイヤルではなく、有料の専用番号に発信する必要があります。
しかし、「0AB-J型」の一部のプロバイダであれば、110番や119番への緊急連絡が可能です。
固定電話に比べ音質が悪い
固定電話に比べると音声品質が低いことも、IP電話のデメリットのひとつであるため、注意が必要です。
音声品質が悪い原因として、 ネット回線の状況や車や電車などで高速に移動していることが挙げられます。
ネット回線の状況は、無線接続を有線接続に変更することで、よくなる可能性が高いです。
高速に移動しているとネット回線が安定しないため、移動時にIP電話を利用することは不向きです。
また、固定電話は音声をアナログ信号で直接送れるため、タイムラグが発生しにくいですが、IP電話は音声をデジタル信号へ変換する必要があるため、そこで不安定になりタイムラグが発生しやすくなります。
IP電話の音声品質を高めるためには、高速のネット回線を選択し、極力移動しないで利用することがよいでしょう。
停電時に利用できなくなる
停電してしまうと電源供給ができなくなり、インターネット回線が落ちてしまうことで、IP電話を利用できません。
停電時でも利用するためには、 無停電電源装置(UPS)を導入し、停電時でも電力供給が行えるようにしましょう。
ただ、無停電電源装置はバッテリーのようなもので、停電が長い場合、途中で電力供給ができなくなる可能性もあるため、注意しましょう。
IP電話の選び方
IP電話を選ぶ際は、次の点を考慮してください。
- 導入コスト
- 音声品質やサポート体制
- 機能や連携可能なシステム
導入コスト
導入コストでIP電話を選ぶ場合、初期費用がかかるのかや月額制か時間課金制のどちらのプランなのかなどの項目を考慮し選択しましょう。
初期費用がかかる場合は、 無料トライアルがあるものを利用してみてから導入するとよいでしょう。
また、利用シーンによって適切な料金プランを展開しているサービスを選ぶと導入効果を高められます。
音声品質やサポート体制
音声品質や利用端末との相性をチェックすることで、導入後のミスマッチを未然に防止できます。
IP電話は 低コストで導入できるものが多いため、実際に数回利用した上で本格的に導入することもよいでしょう。
また、利用中のトラブルに対してどの程度までサポート可能なのか、サポート体制のチェックも忘れずに行いましょう。
機能や連携可能なシステム
機能や連携可能なシステムで選ぶ方法は、留守番電話や録音、プッシュ通知機能など必要な機能が搭載されているかや連携できるシステム・アプリはどの程度あるかなどの項目を満たしているかで選びます。
業務をイメージすることで、 利用シーンに必要な機能を搭載したシステムを選択できます。
また、システム・アプリと連携することで、効果的に業務を進められるため、業務で利用しているシステム・アプリとの互換性の確認も忘れずに行いましょう。
環境を見直してIP電話の音質向上を図ろう
本記事では、IP電話の音質をよくする方法やメリット・デメリット、選び方を詳しく解説しました。
IP電話は、固定電話に比べると音質が劣ってしまいますが、次の方法により、音声をよくできます。
- インターネット回線を見直す
- データ・ファイルの送受信を確認する
- 周波数を見直す
- 接続方法を有線に変更する
- システムを見直す
- 契約を見直す
低コストで導入・運用できるため、実際に数回利用したうえで本格的に導入するか選択できます。
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コールセンターシステムを導入することで、架電業務の効率をアップさせることが可能です。
家電業務の見直しを検討している場合は、ぜひList Navigator.も選択肢に加えてください。
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