2024.10.16
新規顧客開拓のアプローチ方法とポイントを解説|新規顧客を増やすには
企業活動の発展において、新規顧客の開拓は欠かせない要素です。
しかしながら、多くの営業担当者にとって新規顧客開拓は難しいと感じている領域でもあります。
本記事では、新規顧客を開拓するためのアプローチ方法や重要なポイントについて紹介します。
新規顧客開拓で用いられるプッシュ型営業・プル型営業の具体的手法、新規顧客開拓のプロセスまで解説しますので、ぜひ最後まで読んでください。
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目次
新規顧客開拓の概要と重要性
新規顧客開拓とはどういうものなのでしょうか。
新規顧客開拓の重要性を含めて解説します。
新規顧客開拓とは
新規顧客開拓とは、これまでに取引をしたことがない顧客に対して行う営業活動を指します。
ゼロから接点を作り出す作業なので、営業活動のなかでも難易度の高い領域です。
自社に対する認知がない状態から開始する営業活動のため、まずは認知してもらうところから始める 必要があります。また、同業他社の製品・サービスをすでに利用している可能性もあるので、その状況から成約まで至るのは並大抵のことではありません。
新規顧客開拓の重要性
企業が成長していくためには、新規顧客開拓のアプローチは欠かせない取り組みです。
企業にとっては既存顧客の維持も大切な取り組みであり、既存顧客へのフォローアップによって、リピート率アップやアップセルが可能になります。
しかし、既存顧客は少しずつ減少していくのが自然で、完全に維持するのは現実的には不可能です。
既存顧客の維持だけでは、現状維持すら難しくなる でしょう。新規顧客開拓には経営資源の投入がともないますが、企業の成長にとって避けては通れない道といえます。
新規顧客開拓で用いられる手法
新規顧客開拓で用いられる営業手法は、大きく分けてプッシュ型営業とプル型営業があります。
プッシュ型営業とプル型営業にはどのような方法があり、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。
プッシュ型営業
プッシュ型営業は、 企業側が顧客に対して能動的にアプローチをかけて成約につなげる顧客獲得手法 です。
売り手が自社の製品・サービスを積極的に売り込む方法で、別名「アウトバウンド型営業」とも呼ばれます。
具体的な手法としては以下のものが代表的です。
- テレアポ
- 飛び込み営業
- ダイレクトメール送付
それぞれ詳しく解説します。
テレアポ
テレアポとはテレフォンアポイントの略で、電話で営業訪問や商談などのアポイントを取る営業活動です。
テレマーケティングとして昔から使われている営業手法ですが、企業側から能動的にアプローチし直接相手と会話ができるメリットがあり、現在でも代表的な営業方法の一つです。
架電リストが用意され、順番に電話をかけていって、自社の製品・サービスの購入をすすめます。
テレアポを行うスタッフをアポインターと呼びます。
近年では 営業・マーケティングのDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進み、CTIツールを活用することで効率的なテレアポが可能 です。
飛び込み営業
飛び込み営業とは、事前にアポイントを取らずに直接家庭や企業を訪問し、商談につなげる営業手法です。
飛び込み営業は古典的な手法で、 「足で稼ぐ」スタイルですが、今でも代表的な営業手法の一つ となっていて、即断即決のような成功例もあります。
メールや電話のような事前のやりとりがなく、「出たとこ勝負」の側面がありますが、うまくいけば顧客との直接のコミュニケーションが可能です。
相手に顔を覚えてもらいやすく、一気に信頼関係を構築できるという側面もあります。
ただし、当然ながら断られる確率は高く、つらいと感じる営業担当が多くいるのも事実です。
ダイレクトメール送付
営業手法としてのダイレクトメール(DM)は、郵送と電子メールの2種類あります。
企業活動のデジタル化にともなって、現在は電子メールのダイレクトメールが有力ですが、 昔ながらの郵送によるダイレクトメールは開封率が高く、反響も期待 できます。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会によりますと、2023年の調査で開封率が 75.1%、ネットで調べたなど何らかの行動を起こした人が19.7%にのぼりました。
出典:一般社団法人日本ダイレクトメール協会 「DMメディア実態調査2023」調査報告書要約版
プッシュ型営業のメリット
プッシュ型営業のメリットとしては、 確度が高いと思われる顧客にターゲットを絞って注力すれば大きな実績につながる 点が挙げられます。
企業側から能動的に情報発信するので、リリースしたての製品・サービスでも知名度を上げる効果が見込めます。
プッシュ型営業のデメリット
プッシュ型営業のデメリットとしては、営業プロセスの非効率性を指摘できます。
肉体的・精神的に営業担当の負担が大きく、顧客に拒否された際のダメージは相当のものがある でしょう。プッシュ型営業は、営業担当の「勘や経験」といった属人性に依拠する側面が強く、トップセールスのノウハウが営業部署に蓄積されにくいデメリットもあります。
プル型営業
プル型営業とは、顧客側から問い合わせや資料ダウンロードなどの行動をしてもらい、そこで収集した情報をもとに営業をかけていく顧客獲得手法です。
「インバウンド型営業」とも呼ばれ、近年注目されている営業手法でもあります。
顧客の興味を段階的に引き出してニーズを探る手法のため、 効果が出るまで一定の時間がかかりますが、ニーズのある顧客にアプローチできるため効率的な営業活動 ができます。
具体的な手法としては以下のものが代表的です。
- オウンドメディア運営
- SNS活用
- セミナー開催
それぞれ順番に解説します。
オウンドメディア運営
オウンドメディアとは、主に企業が自社保有するWebメディアです。
GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンから、ユーザーを誘導し、メディア内のコンテンツを見てもらうことで興味・関心を形成 していきます。メディア内での資料請求のバナーや問い合わせボタン、メルマガ登録、イベント招待などを訴求し、リード獲得へとつなげます。
SNS活用
X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、YouTube、TikTokなどのSNSを活用し、情報発信をします。
SNSの活用のメリットとして、低予算で始められる点が挙げられます。
主要なSNSは、基本的にアカウント登録や投稿が無料です。
使用する機材もスマートフォンから始められ、撮影・編集・投稿まで無料アプリでできます。
文字情報による情報提供だけでなく、視覚的な訴求力も優位な点です。
近年、 SNSで流行しているショート動画コンテンツは視覚的な訴求力が高く、圧倒的な拡散力 を持っています。
これまでアプローチが難しかった層に対しても、SNSの活用によってリーチが可能になるでしょう。
セミナー開催
セミナー開催は、プル型営業のなかでも、顧客との信頼関係を構築し経験を共有できる絶好の機会です。
顧客とリアルに対面するセミナーとWebで完結するウェビナーがあります。
とくに リアルのセミナーに参加してくれる顧客は、エンゲージメントが高く購入・成約までの距離が近い といえるでしょう。
セミナー・ウェビナーでは、顧客が直面する課題の解決に役立つ情報を提供することが何よりも重要です。
セミナー当日は時間の関係で深く話せなかった顧客に対しても、フォローアップやアフターケアを通じて関係構築をするようにしましょう。
プル型営業のメリット
プル型営業のメリットとしては、 興味・関心の高い顧客との接点が生まれるため、効率的なマーケティング・営業活動ができる 点が挙げられます。
また、オウンドメディア運営やSNS活用、セミナー開催実績などの営業活動自体がコンテンツとなり、貴重な資産として積み上がっていくのが大きな強みとなるでしょう。
プル型営業のデメリット
プル型営業のデメリットとしては、 「受け身の営業」となるため、効果が出るまで時間がかかる 点です。
新しくリリースする製品・サービスの場合、知名度自体が皆無に等しいので、新規顧客の発掘までは道のりが非常に遠くなります。
新規顧客へアプローチするプロセス
プッシュ型営業、プル型営業のどのアプローチ方法にしても、新規顧客開拓の基本的なプロセスは同様です。
新規顧客開拓の基本的なステップは、次の流れとなります。
- ターゲット選定
- ファーストアプローチ
- ヒアリング
- 提案
- フォロー
ステップごとのポイントを解説します。
ターゲット選定
第1ステップとして、アプローチするターゲットの選定が重要です。
市場を類似のニーズや特性を持つグループにセグメント分けし、細分化したセグメントから自社が実際に狙うべき市場がどこなのかを特定 しターゲットを選定します。ターゲット像を明確にするとアプローチ方法が決めやすくなり、効率的な営業活動が行えます。
絞り込む市場は、自社の製品やサービスの強みが活かせる市場です。
また、企業イメージやブランディングにに沿った市場を選びます。
ターゲットの選定を誤ると、営業活動をおこなっても成果が上がりにくくなります。
自社製品・サービスとマッチする顧客はどのようなものか細かく分析して、ターゲットを定めることが重要です。
ターゲット選定では、次のようなマーケティング手法を用います。
集中型マーケティング | 特定のセグメントのみに絞ることで、シェアの獲得を目指す |
差別型マーケティング | 複数セグメントに対し、それぞれのニーズに適した製品やサービスを提供する |
無差別型マーケティング | セグメントに関わりなく、多様なターゲットに同じ製品やサービスを提供する |
ファーストアプローチ
ターゲットが決まったら、アプローチ方法を選定します。
プッシュ型営業とプル型営業のメリット・デメリットをふまえつつ、よりターゲットと接点をつくりやすいアプローチを選びましょう。
営業手法を一つに絞る必要はありません。
いくつかの手法を組み合わせて実践するのが効果的です。
テレアポでの一斉架電を実施しながら、オウンドメディアやSNSのコンテンツを充実させる複合戦略を推進する のも有効です。ヒアリング
ターゲットへのアプローチが成功し、商談が実現したらヒアリングを実施して顧客の悩みや課題を把握します。
対面したら、いきなり提案を始めるのは避けましょう。
営業色を出しすぎず、緊張を和ませるための雑談や業界の情報提供などを織り交ぜつつ、顧客のヒアリングを行います。
営業におけるヒアリングとは、顧客の悩みを聞き出し、課題を把握することです。
しっかりとしたヒアリングは、 顧客自身が曖昧になっている悩みや課題についても明確 にできます。
顧客が営業担当の質問に答えているうちに、自身が抱えている悩みや課題を言語化していくのです。
ヒアリングで得た情報をもとにして、営業担当は具体的な提案を準備します。
提案
第4のステップは、自社製品・サービスの提案です。
事前に準備した提案資料をベースにして、自社製品・サービスが顧客の課題を解決できることをプレゼンテーションします。
ヒアリングによって明確になった顧客の課題に沿って、自社製品・サービスの優位性を説明しつつ、顧客の共感を得ます 。実物を実際に見てもらうのも効果的で、製品であれば、サンプルを持っていって手に取って確かめてもらいましょう。
Webサービス・システムなどの場合は、パソコンでデモ画面を見せ、実際にワークするところを見てもらうと購買意欲を高めます。
商談の終わりは、契約するかどうかを決めるクロージングの場面です。
クロージングは最適なタイミングで切り出しましょう。
条件が整えば、めでたく成約へと至ります。
フォロー
第5のステップとして意識すべきは、商談後のフォローアップです。
商談では成約へ至らないケース、場合によっては提案すらできないケースも考えられます。
商談後のフォローアップによって、顧客との長期的な関係が構築 できます。それにより、次のチャンスをつかめるのです。
商談後も顧客の動向を常に気にかけ、適宜、新たな情報や提案を送りましょう。
顧客を取り巻くビジネス環境の変化や状況の変動によって、提案を受け入れてくれるかもしれません。
また、商談のフィードバックをまとめ、今後の営業プロセスに反映させるようにします。
新規顧客開拓を成功させるポイント
新規顧客開拓を成功させるポイントとして、以下の3点を意識する必要があります。
- 良質なターゲットリストを作成する
- 効果測定と改善を繰り返す
- 定期的に再アプローチする
それぞれ詳しく解説します。
良質なターゲットリストを作成する
良質なターゲットリストの活用により、営業活動の焦点を効果的に絞ることができます。
無駄な時間や経営資源を費やさずに、見込みの高い顧客にアプローチできるため、営業の効率性・生産性の向上が可能です。
ターゲットが明確であれば、製品・サービスの魅力を効果的に伝えられ、アポ率を向上させられます。
また、 良質なターゲットリストを使用することで、マーケティングメッセージが顧客に的確に伝わり、営業活動での成約率も高まります 。
逆にターゲットリストの質が悪いと、アポインターがどんなに努力してもアポ率の向上は見込めません。
時間・費用を浪費する結果となり、マーケティング・営業活動を著しく非効率なものにしてしまいます。
良質なターゲットリストを作成するためには、自社製品・サービスにマッチしたセグメント分類、ターゲット選定が求められます。
効果測定と改善を繰り返す
新規顧客開拓のためのアプローチ方法を改善させていくためには、KPI(重要業績評価指標)の設定が必要です。
テレアポであれば、架電数、応答率、アポ獲得数、アポ率、顧客満足度などがKPIとなるでしょう。
また、 定期的にマーケティング・営業活動の効果測定を実施し、得られたデータに基づいたアプローチ手法の調整で、より効果的な新規顧客開拓が可能 になります。
計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、計画に反映(Act)というPDCAサイクルを回し、継続的にアプローチ手法の改善を進めましょう。
ときには、現場での営業担当者から直接フィードバックをもらい、顧客の反応やアプローチの有効性について把握します。
定期的に再アプローチする
新規顧客を開拓するためには、一度断られた顧客にも適宜再アプローチすることが大切です。
再アプローチに関しては、顧客(リード)の関心度に応じた優先順位の設定が必要です。
これをマーケティング用語で「リードクオリフィケーション」と呼びます。
リードクオリフィケーションにおいては、 スコアリングシステムを導入し、顧客の関心度に応じて優先順位 をつけます。
スコアが高いリードには、積極的に再アプローチして、前回とは異なる視点を提供したり、新製品・サービスを提示したりなど新たな価値を提案します。
場合によっては、限定価格を提示するなど新たな情報によって、再び興味や関心を喚起するのです。
セミナーやイベントを企画しているのならば、招待するのも有効です。
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新規顧客開拓には経営資源が割かれ、時間と費用がかかります。
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新規顧客開拓は、企業成長のために必要な取り組みです。
プッシュ型営業とプル型営業のメリット・デメリットをふまえつつ、アプローチ手法を複数組み合わせて新規顧客の開拓 を目指しましょう。コールセンター業務やテレアポ、インサイドセールスにはCTIツールの導入が有効です。
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