2024.12.24
コールセンターのアウトバウンド業務とは?成功のためのポイントを解説
コールセンターのアウトバウンド業務とは、企業から顧客に電話をかける架電業務を指す言葉です。
中には、インバウンドと混同してしまっている部分があったり、業務の詳細がわからなかったりする方もいるかもしれません。
そこで今回は、コールセンターのアウトバウンド業務の詳細や、アウトバウンド業務を成功させるためのポイントをご紹介します。
■合わせてよく読まれている資料
「コールセンターでのデータ活用による営業効率アップノウハウ」も合わせてダウンロードいただけます。
目次
【基礎知識】インバウンドとアウトバウンドの違い
同じコールセンターでも、インバウンドとアウトバウンドでは業務が大きく異なります。
本章であらためて定義を確認しましょう。
アウトバウンドとは
アウトバウンドとは、内から外に出ていく流れや方向のことを指す言葉です。
コールセンターでいうと、企業側から顧客に電話をかける架電業務が該当します。
具体例としては、テレアポや電話営業、インサイドセールスのほか、支払督促・アンケート調査・世論調査などもアウトバウンド業務の一種です。
インバウンドとは
インバウンドはアウトバウンドの逆で、外から内へと入っていく流れや方向のことを指します。
コールセンターでいうと、顧客からの電話を受ける受信業務がインバウンドに該当します。
具体的な業務としては、カスタマーサポート・問い合わせ対応・通販受付などがあります。
コールセンターにおけるインバウンドとアウトバウンドの違いとは?
アウトバウンドとインバウンドの違いを簡単に解説すると、「電話をかける=アウトバウンド」「電話を受ける=インバウンド」ということができるでしょう。
コールセンターというくくりで、これらを混同してしまっている方もいるかもしれませんが、発信・受信と目的が大きく異なるため、それぞれのコールセンターにも異なる機能が必要になります。
この違いを理解していないと、コールセンターシステムを構築する際のトラブルにつながるため、しっかり押さえておきましょう。
■合わせてよく読まれている資料
「コールセンターでのデータ活用による営業効率アップノウハウ」も合わせてダウンロードいただけます。
アウトバウンドのコールセンターの業務とは?
アウトバウンドのコールセンターでは、以下のような業務が実施されます。
- テレアポ(テレフォンアポイントメント)
- テレマ(テレマーケティング)
- インサイドセールス
- 電話調査
- 督促
- 事務作業全般
それぞれの業務について、順番に解説します。
テレアポ(テレフォンアポイントメント)
テレアポとは、新規顧客に架電し、関係性を構築したうえで商談のアポイントメントを取る業務です。
テレアポは架電後に行う対面の商談の機会を作ることを重視する業務です。
新規顧客を開拓し、ニーズ喚起をしたうえで営業部門につなげれば、成約率の向上に貢献できます。なお、テレアポを実践するオペレーターは、商品・サービスに関する専門的な知識を持っているわけではありません。
テレアポで直接交渉を行うのは営業部門の従業員であるため、オペレーターはあくまで商談の機会を生むことに注力します。
テレマ(テレマーケティング)
テレマは、顧客へのアンケートなどによるマーケティング活動や、商品の販促などを実施する業務です。
テレアポと似ていますが、テレマは電話でのコミュニケーションを重視しているため、対面での交渉を行うことはほとんどありません。
マーケティング活動が電話で完結するケースがほとんどです。
また、 テレアポは新規顧客を対象にするケースが多いのに対し、テレマは既存顧客を対象にするケースが多い傾向があります。
そのため、テレアポと比べるとテレマの方が成功率が高く、売上向上につながる可能性が高い施策です。
インサイドセールス
インサイドセールスとは電話やメールなどのツールを使う内勤型の営業手法です。
テレマと同様に電話で完結する非対面式の営業手法ですが、中長期的に実施する点が異なります。
インサイドセールスは電話だけでなく、メールやチャットなど、さまざまなツールを活用して実施する点が特徴です。さまざまな角度でアプローチを繰り返すことにより、顧客との関係性を構築したうえで営業と連携して成約を目指します。
電話調査
電話調査とは、企業や団体が顧客に電話をかけて、アンケートを取ったり市場調査を行ったりする業務のことです。
企業による電話調査は、顧客のニーズや市場の動向、商品やサービスに対しての反応を把握し、マーケティング戦略や顧客サービスの向上に活かすために行われます。
企業以外の団体が行う電話調査としては、政府や行政が行う世論調査などがあります。
督促
督促もアウトバウンドのコールセンターで行われる主要な業務です。
クレジットカードや各種料金の支払い・ローンの未払いなどを促すために実施されます。
顧客が対応を拒否したり、つながりにくかったりするなど、督促は手間がかかりやすい傾向があります。
架電すべき対象者が増加するほどオペレーターの負担が増えるため、顧客につながりやすいように工夫しなければなりません。また、対応を誤るとトラブルに発展するリスクが高いため、オペレーターの技量も重要です。
事務作業全般
アウトバウンドに関連する事務作業も重要な業務です。アウトバウンドで必要になる業務としては、通話記録の入力・成果レポートの作成・架電リストの作成・スケジュール管理・CRMやSFAなどの営業ツールへの情報入力・顧客への提案内容の整理など、多岐にわたります。
アウトバウンドのコールセンターの課題
アウトバウンドのコールセンターには、以下のような課題がつきものです。
- 成果の維持が難しい
- 人手不足に陥りやすい
- 人材育成に時間がかかる
- 属人化によるスキルのばらつき
コールセンターの存続に関わる課題もあるため、管理者は意識しておきましょう。
成果の維持が難しい
アウトバウンドのコールセンターにおいて、成果の維持は重大な課題です。
しかし、業務の成果はリストの精度やオペレーターの技量などによって左右されるため、安定させることは簡単ではありません。
督促や世論調査の場合、顧客が対応を拒否することが多いため、思うように業務が進まないケースは珍しくありません。
また、 テレアポやインサイドセールスのような営業を行うコールセンターの場合、売上を確保するためにも、成約率を維持する必要があります。
業務の成果はコールセンターの運営や、オペレーターのモチベーションに影響を与える要素です。
安定的に成果を上げるには、営業手法やオペレーターの育成体制など、さまざま施策を行う必要があります。
人手不足に陥りやすい
以前よりコールセンターは人手不足に陥りやすい部門でした。
特にアウトバウンドは、顧客から理不尽な対応をされたり、結果を求められるプレッシャーがかかったりするため、オペレーターが定着しにくい傾向があります。
人手不足に陥ると、架電数の確保や見込み顧客への対応が困難になり、残ったオペレーターに負担がかかります。その結果、さらにオペレーターが離職するリスクが高まるでしょう。
人手不足は新規採用を繰り返すだけでなく、オペレーターを定着させる施策を実行しなければ根本的に解決しません。
働きやすい環境作りや、オペレーターのケアなど、コールセンターの職場環境を改善する取り組みが不可欠です。
人材育成に時間がかかる
アウトバウンドのコールセンターの売上を支えているのは、顧客にアプローチするオペレーターです。
しかし、オペレーターの育成は時間がかかるものです。
ビジネスマナー・商材の知識・臨機応変な対応力など、オペレーターが身につけるべきスキルは多種多様です。そのため、新人のオペレーターが安定的に稼働できるまで、一定の時間を要します。
コールセンターにおいて、スムーズにオペレーターを育成できる体制は不可欠です。
特定の個人に依存するのではなく、オペレーター全員が均一的に成果を上げられる状態なら、離職者が出たことによる成約率への影響を抑制できます。
属人化によるスキルのばらつき
アウトバウンドコールセンターでよくあるトラブルとして、属人化によるスキルのばらつきがあります。
これは、マニュアルやトースクリプトが不十分なときに生じやすい現象で、センスや経験の有無によって、成約率が高い人となかなか成約率が上がらない人に分かれてしまいます。コールセンター全体の成約率を向上させるには、このようなスキルのばらつきを均一化する必要があります。
アウトバウンドのコールセンターの課題解決方法
アウトバウンドのコールセンターにありがちな課題は、以下の解決方法が有効です。
- 商品やサービスへの理解を深める
- トークスクリプトを整備する
- 充実した研修を行う
- 適切なターゲットとKPIの設定
- テレアポリストを作成する
- スタッフ・オペレーターの負担を軽減する
- アウトバウンドに適したCTIを導入する
アウトバウンドのコールセンターの課題を解決するには、インバウンドと異なるアプローチをしなければなりません。
商品やサービスへの理解を深める
商品やサービスへの理解を深めることは、成約率や顧客満足度を向上させる第一歩です。
商品やサービスの理解を深めれば、自社の強みを把握しやすくなり、顧客にアピールすべきポイントが見えてきます。さらに顧客からの質問にも対応しやすくなるため、顧客との信頼関係を構築するうえでも有効です。
トークスクリプトを整備する
アウトバウンドのコールセンターにおいても、トークスクリプトの整備は重要な施策です。
冒頭のアプローチ・ニーズ喚起に有効なトーク・想定問答・クロージングの流れなどをトークスクリプトに記載しておけば、経験が浅いオペレーターでも成果を上げやすくなります。
実績があるオペレーターのテクニックも折り込めば、より効果が期待できます。
トークスクリプトを整備する際は、商品やサービスの変化や、過去にあった案件を参照し、定期的に内容を更新しましょう。ディティールをブラッシュアップすれば、トークスクリプトの効果をさらに向上させられます。
充実した研修を行う(ロールプレイングの実施)
より優れたオペレーターが必要なら、充実した研修を実施しましょう
商品やサービス・営業スキルを学ぶ座学・実践を想定したロールプレイングなど、さまざまな育成方法を行えば、オペレーターの成長につながります。
さらに、営業中にモニタリングやウィスパリングを行い、オペレーターをサポートすれば、新人でも成果を上げる可能性が高まります。
充実した研修はオペレーターのスキルアップだけでなく、モチベーションを向上させるきっかけにもなる取り組みです。スキルアップできる機会を設ければ、オペレーターが定着しやすくなります。
適切なターゲットとKPIの設定
適切なターゲットとKPIの設定を行うことも大切です。
業務の目的を改めて整理し、電話をかけるターゲット層にズレがないかどうか、自社に合致したターゲット層は誰かを精査しましょう。
また、成約率を高めるためには、ターゲット層の設定に合わせて、適切なKPIなどの目標を設定することも大切です。発信回数・コンタクト率・成約率・SPH(※)・DPH(※)などのKPIを設定し、アウトバウンドコールによる成果を適切に評価し、改善に活かせる体制を整えましょう。
(※)SPH
SPHは「Sales Per Hour」の略で「オペレーター1人の1時間あたりの成約数」のことです。
(※)DPH
DPHは「Dial Per Hour」の略で「1時間でどれだけ架電したかを示す数値」のことです。
テレアポリストを作成する
テレアポやテレマは、ただ無作為に顧客へアプローチしても成果につながりません。
ターゲットを絞り込んだテレアポリストを作成することで、効率的な架電が可能です。
傾向・ニーズ・業界などの情報ごとに顧客を分類しリスト化すれば、実践すべきアプローチやトークの組み立て方が明確になります。精度が高いテレアポリストの作成は、無駄な架電を減らし、オペレーターの負担を軽減させるうえでも有効です。
スタッフ・オペレーターの負担を軽減する
コールセンターが慢性的に抱える離職率の高さは、電話業務の心身への影響の大きさを示しています。
高すぎる目標を設定したり、休憩をはさまずに連続で架電をさせたりすると、心身のストレスが大きくなり、パフォーマンスの低下はもちろん、 モチベーションの低下や離職を招いてしまいます 。スタッフ・オペレーターの心身の負担を軽減できるように、「スキルに合わせた目標設定をする」「休憩や休みをしっかり取る」などの対策を行いましょう。
アウトバウンドに適したCTIを導入する
アウトバウンドに適したCTIの導入も、成約率の向上につながります。
なかでも、List Navigator.はアウトバウンドの
コールセンターに適したCTIであり、多くの企業で導入されています。
効率的な架電を実現し、精密な分析をするうえで大いに役立ちます。
また、List Navigator.はクラウド型のCTIであるため、インターネットに接続できれば、どこからでもアクセスできます。
リモートワークにも対応できるなど、使い勝手の良さも魅力です。
アウトバウンドのコールセンターシステムに必要な機能は?
最後に、アウトバウンドのコールセンターシステムに必要な機能についてご紹介します。
- ワンクリック発信機能
- オートコール機能
- プレディクティブコール機能
- プログレッシブコール機能
- リスト管理機能(見込み管理機能)
- トークスクリプト共有
ワンクリック発信機能
ワンクリック発信機能とは、リストから電話番号を選択するだけで、ワンクリックで顧客に発信できる機能のことです。発信業務を効率化できるほか、番号入力が不要なため、かけ間違いなどのケアレスミスの予防にもつながります。また、打電と比較して発信効率が1.5~2倍(※)もアップできるなど、ワンクリック発信機能を活用することで発信効率の改善効果も期待できます。
(※)
List Navigator.のワンクリック発信を導入した場合
オートコール機能
オートコール機能は、架電を自動化する機能です。「架電リストを元にシステムが連続発信→通電した番号をオペレーターに転送」という仕組みで、 発信業務を完全に自動化 できます。オペレーターを増員することなくアプローチ量を増やすことが可能になり、発信効率の大幅な改善が期待できます。
プレディクティブコール機能
プレディクティブコールとは、「架電リストに 多回線で 一斉に自動発信→通電した番号を待機しているオペレーターに転送」という、発信効率の向上と待機時間の削減を両立できる機能です。つながった番号だけをオペレーターに転送することで、待機時間を大幅に削減し、常に会話ができる状態を作ることができます。また、つながらなかった番号を自動で不在ステータスに入力できるモデルもあり、オペレーターの業務負担の軽減にもつながります。
プログレッシブコール機能
プログレッシブコール機能は、待機しているオペレーターの人数に対して発信倍率を設定し、自動で電話をかける機能のことです。通電する可能性が高いリストにまとめて自動発信ができ、通電後、待機しているオペレーターにすぐにつなげられるので、通電率を高められるほか、待機時間の削減にも効果が期待できます。
リスト管理機能(見込み管理機能)
リスト管理機能とは、コールセンターシステム上で作成した架電対象リストを管理する機能のことです。「架電結果ステータスやリサーチ情報などから顧客を絞り込める検索機能」「見込みがあると判断した顧客に再架電する日時を設定・通知できる見込み管理機能」などが搭載されており、機会損失を防ぎ、アウトバウンドコールの業務効率を向上できます。また、架電禁止登録などが可能なモデルもあり、クレーム対策やオペレーターのストレス軽減などにも効果的です。
トークスクリプト共有
トークスクリプトとは、顧客と話す内容や流れをまとめた台本・マニュアルのことです。トークスクリプトを参照しながら顧客を会話することで、オペレーターは迷うことなく、適切なトークを展開できるようになります。トークスクリプト共有機能があるシステムを導入することで、属人化によるスキルのばらつきを防ぐことができるほか、顧客の反応に合わせて最適なトークスクリプトをオペレーターに表示できるため、成約率の向上も期待できます。
アウトバウンドのコールセンター業務を効率化しよう
コールセンターにおけるアウトバウンドとは、企業から顧客に電話をかける業務を指す言葉です。
アウトバウンドのコールセンターシステムには、発信効率・通電率・成約率の向上が期待できる多種多様な機能が搭載されており、対応するスタッフやオペレーターの業務負担の軽減にも役立ちます。
業務改善や業績を高めるのに欠かせないシステムのため、アウトバウンド業務に何かしらの課題を抱えている方は、システムのリプレイス、または導入を検討してみてください。
■アウトバウンド特化のコールシステム List Navigator.は、株式会社Scene Liveが販売するCTIシステムです。
などなど、架電営業・テレアポ・インサイドセールスの課題を解決する豊富な機能を搭載。 アウトバウンド向けのCTIをお探しの方はこちらから詳細をご確認ください。 |
■合わせてよく読まれている資料
「コールセンターでのデータ活用による営業効率アップノウハウ」も合わせてダウンロードいただけます。