2024.08.09
VOCとは?コールセンターを活用して収集し成長につなげよう
顧客と話ができるコールセンターは、VOCが多く集まる場所の1つです。
VOCの重要性は理解しつつも、収集や活用に注力できていない企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、 VOCの活用によってできることを紹介し、必要なステップやポイント、活用の具体例を解説します 。
VOCへの理解を深め、事業に活かして成長する取り組みにつなげましょう。
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目次
VOCが集まりやすい場所や手段
VOCとはVoice Of Customerの略で、「お客様の声」を意味します。
- 商品を使った感想
- 買ってよかったという喜びの声
- 満足できなかったという不満
- 顧客への対応に対する満足度
- 不明点の問い合わせ
こういった 顧客からの反応は、すべてVOC といえます。
コールセンターは顧客から生の声を聞けるため、詳細なVOCを収集できるでしょう。
しかし、VOCは企業に直接寄せられるものだけでなく、一般に公開されているものからも得られます。
VOCを集められる具体的な場所や手段には、以下のものがあります。
- ECサイトのレビュー
- SNS
- メール・チャット
- アンケート
場所や手段によって、得られるVOCやターゲット層は異なります。
そのため、多くの企業が複数のチャネルを併用して多角的にVOCを集めています。
まずはVOCの集まる場所や手段を押さえ、特徴を理解しましょう。
コールセンター
コールセンターでは顧客と通話できるため、 一方的でなくお互いに意思疎通ができます 。
通話の内容はもちろん、話し方や声のトーンから読み取れた相手の感情もVOCの1つといえるでしょう。
急ぎの問い合わせなど優先度の高いVOCが入りやすいことも特徴です。
コールセンターへ問い合わせをする人の年齢層は、他の手段よりも高い傾向にあります。
自社にコールセンターがあれば、VOCを迅速に把握して施策に活かせるでしょう。
そのため、派遣や外部委託でなく、正社員を雇って社内にコールセンターを持つ企業が増えています。
ECサイトのレビュー
ECサイトのレビューからは、購入者の使用感や満足度、顧客対応に対する評価などのVOCを得られます。
商品の購入を検討するときに、ECサイトや口コミサイトで商品の評価を調べたことのある人は多いでしょう。
レビューは個人が特定されないことが多いため、 正直な意見や感想を見られる可能性が高い です。
購入者でなければレビューを書けないものなら信ぴょう性もあります。
そのため、顧客にとって本当に「買い」なのか判断するときに役立つでしょう。
これらは企業にとっても貴重なVOCです。
商品の良かった点や改善点、顧客対応やパッケージ・説明書のわかりやすさや印象など、さまざまなVOCを把握できるでしょう。
SNS
SNSの投稿では、顧客からのリアルなVOCを得られます。
発信のハードルが低く、気軽に投稿できるSNSでは本音を出しやすいからです。
さらに拡散機能によって、 よい情報も悪い情報も拡散されやすい という特徴があります。
インフルエンサーが紹介した商品が爆発的に売れることもあり、他の顧客に対する影響力も強いです。
ただし、自由に投稿できるため、意図的に操作された情報も出回ることがあります。
安易に信じすぎず、ときには発信者の投稿をさかのぼって信ぴょう性を確認することも大切です。
メール・チャット
メールやチャットは、企業へ直接コンタクトを取る手段です。
顧客にとっては ハードルが高いものの、あえて問い合わせをする内容は重要度の高いVOC だと考えられます。
メールやチャットは時間を問わず利用できるため、昼間忙しい人でも問い合わせしやすい手段です。
内容が文字で残り、時間が経っても確認しやすいという特徴があります。
画像などのファイルもやりとり可能なため、必要に応じて柔軟に利用できます。
質問に自動的に答えるチャットボットも便利です。
顧客は気軽に問い合わせができるため、ささいな疑問や確認などのVOCも拾えるでしょう。
アンケート
アンケートは企業から顧客に向けて質問し、VOCを得る方法です。
企業の 知りたいことをダイレクトに質問できます 。
商品に対して感じていること、商品のイメージ、使っている頻度、なぜ選んだかなど、他の方法からは読み取りにくいVOCをピンポイントで得られるでしょう。
満足度を数字で評価してもらう方法もあります。
顧客にとって、企業へ問い合わせをするハードルは高く感じるでしょう。
自分で調べて解決する人や、不満や不明点が解決しなければアクションを起こさず離れる人もいます。
わざわざ問い合わせをしてくる顧客は少ないため、多くの企業が情報を補うためにアンケートを実施しています。
コールセンターで収集できるVOCの活用によってできる4つのこと
「VOCが大切なのはわかったけど、実際どのようなことに役立つの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
VOCの活用によってできることは、主に以下の4つが挙げられます。
- 商品の品質向上
- 顧客における満足度の向上
- マーケティングへの活用
- 客観的な評価の把握
時代や社会情勢による価値観の変化に伴い、VOCも変わります。
VOCを 継続的に把握することで、状況に合った適切な対応ができる でしょう。
商品の品質を向上できる
VOCを商品に反映すれば、品質を上げられます。
顧客の声を活かすことで、顧客の求める商品に近づけられるでしょう。
企業がよいと思って開発した商品でも、顧客にとってのミスマッチがあるかもしれません。
顧客の客観的な反応であるVOCを取り入れることで、 より細やかな顧客のニーズに応えられる ようになります。
逆に、企業の気づいていなかった強みが見つかる可能性もあります。
強みをさらに強化すれば、他社との差別化にもつなげられるでしょう。
顧客の満足度を向上できる
VOCを反映して商品の品質を上げられれば、 顧客は「自分たちの声を聞いてくれる」と感じ、満足度も向上する でしょう。
その結果、リピーターや新規の顧客が増え、売上アップにつながります。
クレームも少なくなり、オペレーターのモチベーションや応対の品質にも好影響を与えるでしょう。
マーケティングに活用できる
VOCから商品のどのようなところが評価されているか、どのような層に人気かなどがわかると、マーケティングに活かすこともできます。
マーケティングとは、売れる仕組みを作ることです。
リサーチや販売戦略の策定、広告宣伝など、業務内容は幅広い範囲にわたります。
VOCの把握によって、 今後どのような施策を取るべきかのヒントを得られる でしょう。
客観的な評価を把握できる
顧客の受け取り方が、企業が想定するものと違うことは少なくありません。
ただ 社内で考えるだけでは顧客の声を正確に捉えきることは難しい でしょう。
そこで、顧客の客観的な評価であるVOCが役立ちます。
思わぬところが評価されることもあれば、よかれと思って取り入れたものが不評なこともあります。
商品が企業の自己満足にならないよう、継続してVOCを取り入れましょう。
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VOCを有効活用するために必要な5ステップ
VOCを活かしてできることがわかれば、さっそく活用したいと考える方も多いでしょう。
具体的な方法に入る前に、VOC活用に大切な以下の 大まかな流れを理解する必要があります 。
- 目的を定める
- 記録方法や記録する基準を決める
- 集計・分析をする
- 関係部署で共有する
- 具体的な施策を行う
効率的にVOCを活用するために、以上の5ステップを押さえましょう。
VOCを活用する目的を定める
まずはVOCを活用する目的を定めましょう。
やみくもにVOCを集めても、目的が曖昧ではモチベーションも上がりにくく、業務の負担が増えるだけになることもあります。
「売上を増やしたい」「顧客満足度を上げたい」「使いにくい点を改善したい」など、VOCを活用してどうしたいのかをまず明確にしましょう。
目的がはっきりしていれば、 実現のためにすべきことがつかみやすくなります 。
記録方法や基準を決める
集めるVOCの内容や記録方法、記録の基準を決め、社内の体制を整えましょう。
同じ事象でも、オペレーターによって記録のしかたが異なる場合があります。
細かい事象やささいなことについて決まりがなければ、オペレーターによっては記録しない人もいるかもしれません。
どれくらいささいな情報まで記録するかは難しい問題ですが、ある程度の基準がなければ貴重なVOCを逃すこともあります。
記録する項目を決めておく、文章ではなく度合いを設定して数字で記録するなど、 記録しやすい工夫 を必要に応じて行いましょう。
また、入力の方法を統一すれば後で見返しやすくなります。
例えば、クレームであれば最初に【クレーム】と入力するように統一するなどの方法です。
集計・分析をする
VOCは記録するだけでなく、集計や分析を行うことが大切です。
集計することで、VOCの傾向がわかります。
さらに顧客の層や購買日・時間など他の情報と関連させることで、例えば以下のような分析ができるでしょう。
- 40代の顧客から同じ点に対するクレームがよく入る
- ある時間帯に特定の商品だけよく売れている
データを取るだけでなく、 規則性や傾向を見つけられれば売上を増やすためのヒントとなる でしょう。
さまざまな項目と関連させることで新たな発見があるかもしれません。
部署間で共有する
収集したVOCは、部署間で共有しましょう。
同じ事実でも、 立場や視点が変われば気付くことも変わります 。
コールセンターの視点、営業の視点、製造の視点など、視点が多いほど気付きは多くなります。
各部署の気付きを共有する仕組みや、日頃から部署間で交流する機会も必要に応じて設けましょう。
VOCをもとにした施策を検討する
集計・分析をしたVOCから、「こうすればもっと売れるのではないか」「顧客の満足度が上がるのではないか」などの仮説を立てましょう。
仮説に基づいて、具体的にどのような施策を行うべきかを考えます。
施策を実施したら、結果や新たなVOCを集め、分析します。
さらに 仮説を立てて施策に反映させるというPDCAサイクル を回すことが大切です。
コールセンターでVOCを収集するポイント3つ
VOCを活用するイメージがつかめてきたのではないでしょうか。
以下の ポイントを押さえておけば、VOCをさらに有効に活用できる でしょう。
- VOCの内容を絞る
- 手段やタイミングを精査する
- VOCに対する社内の認識をそろえる
VOCは目的に沿って内容を絞ると、効率的に集められます。
内容によって適切な手段やタイミングを選ぶことで、役立つVOCを効率的に得られるでしょう。
さらにVOCへの認識をそろえることで、顧客の目線を持った組織づくりができます。
収集する内容を絞る
VOCを集める目的を果たすために、どのようなVOCを集めればいいかを絞りましょう。
以下に具体例を挙げます。
- 商品の良いと思うところ
- 商品の改善すべき点
- 商品に抱くイメージ
- 使いにくい点
- 商品の満足度
- コールセンターの対応
他にもさまざまなVOCがあるため、すべて集めると膨大な量になります。
通常の業務に加えてVOCを収集するとなれば業務量が増えます。
時間がないことや、人員が足りないことが理由でVOCを活かしきれていない企業も多いでしょう。
そのため、 ポイントを絞って効率的にVOCを集めることが必要 です。
施策に反映することや目的を達成することを考えて、集めるVOCのポイントを絞りましょう。
収集する手段やタイミングを精査する
VOCを集める手段やタイミング を考えることも大切です。ある項目について詳しく聞きたい場合は、電話であれば臨機応変に話を聞けるでしょう。
多くの人からVOCを集めたい場合は、メールやDMで顧客にアンケートを取る、アンケートに答えてもらうキャンペーンを実施するなどの方法があります。
コールセンターの応対について聞きたい場合は、応対の直後に顧客へアンケートのメールを送るなど、鮮度の高いVOCを確実に得るためのタイミングも大切です。
自動で収集・分析するVOCツールを導入するなど、効率面を考慮した方法も検討できます。
人材や時間は限られているため、従業員の負担が少ない手段も検討しましょう。
「コールセンター業務もVOCに関する業務も中途半端になってしまった」という事態は、避けなければなりません。
無理なく継続できる方法でVOCを集めましょう。
VOCの重要性について認識をそろえる
VOCを集める目的やVOCが大切な理由など、社内のVOCに対する認識をそろえましょう。
VOCへの意識が高まることで、貴重な顧客の声を逃しにくくなります。
普段から 顧客の視点を意識するようになる でしょう。
コールセンターに集まるVOCを活用する具体例
VOCを活用することで、既存の商品を改良したり、新たなニーズから新商品を開発したりできるでしょう。
売上アップのために、広告宣伝やパッケージなどを変えることもできます。
商品を通してだけでなく、企業から提供する情報がサポートの役割を担うことで、顧客の満足につながるでしょう。
どのような施策につなげられるのか、 具体例を交えながら紹介します 。
商品の改良・リニューアルを行う
VOCを活かすことで、既存の商品を改良できます。
企業の気づかなかった使いづらさが指摘されていることもあるでしょう。
「開封しにくい」という声があればパッケージを改良したり、「使い方が複雑」という声があれば操作を簡単にしたりしましょう。
少しずつ改良するのではなく、 改良したものを「リニューアルしました」と宣伝すれば、顧客へのインパクトも高まります 。
新商品や新サービスを開発する
すでにある商品へのVOCから別のニーズを見いだせれば、新たな商品やサービスを作ることもできます。
商品のレパートリーが増えれば、 異なる顧客層に購入してもらえる可能性も高まります 。
顧客の求めるものを販売するために、VOCを有効に活用しましょう。
マーケティング方法を変える
VOCからより適切なマーケティング方法を探れる場合もあります。
例えば、実際の購買層が企業の想定よりも高い年齢層であった場合を考えます。
実際の購買層が読者となっている雑誌に広告を出すなど、宣伝の媒体を変えるという対策ができるでしょう。
さらに、キャッチフレーズを変える、文体を砕けた感じから洗練された感じに変えるなどの方法もあります。
強みやおすすめするポイントも再検討の必要が出てくるかもしれません。
パッケージやデザイン、配色などの変更も検討できるでしょう。
以上のように、 より多くの人に買ってもらうための方法を考えられます 。
問い合わせが多い内容をFAQとして公開する
顧客からの問い合わせに多い内容を、あらかじめHPで伝えることもできます。
例えば、HPにFAQコーナーを作って載せる、パッケージや説明書の文章に追加するなどの対策ができるでしょう。
頻繁に問い合わせがあるということは、それだけ多くの人にとって気になる内容だといえます。
先回りして伝えることで 問い合わせの手間を省き、顧客からの満足度や信頼につながる でしょう。
顧客が「わからないからもういいや」と離脱することを防止する効果も期待できます。
コールセンターでVOCを集めるために役立つCTIの機能4選
コールセンター業務に不可欠な CTIは、VOC収集に役立つ強い味方 です。
以下のようなCTIの機能を活かすことで、VOCを集めやすくなります。
- 自動録音機能
- 音声認識機能
- 分析機能
- 顧客管理機能
CTIの便利な機能を有効に活用して、VOCをさらに役立てましょう。
自動録音機能
自動録音機能は通話の音声データを自動的に録音できる機能です。
顧客の話し方や声のトーンなど、 文字やメモだけではわからない情報 が詰まっています。
オペレーターの応対内容も録音されているため、応対の品質向上や研修の材料などに役立てられるでしょう。
音声認識機能
音声認識機能によって通話内容を文字起こしできます。
内容がテキスト化されれば、商品名やキーワードを見つけやすく、顧客の興味などがわかるでしょう。
また、テキストから特定の単語を抽出したり、複数の単語における相関関係を分析したりできる テキストマイニングを活用すれば、さらに細かく分析できます 。
分析機能
CTIには分析機能を持つものも多く、顧客の感情や沈黙の秒数・回数、キーワードなどさまざまな面から分析してくれます。
AIを搭載したものもあり、 人間には難しい内容の分析も可能 です。
顧客情報管理機能
顧客情報管理機能を搭載したCTIでは、顧客の基本的な情報や過去のやり取りをスムーズに把握できます。
応対するオペレーターが前回と違っても、顧客は円滑に話を進められるでしょう。
VOCの 背景となる事項がわかる ため、分析にも活用できます。
コールセンターはVOC収集の重要な窓口
VOCを集めるにはさまざまな方法があります。
中でも コールセンターは顧客と通話する中で細かなVOCを集められる場所 です。
CTIを使えばコールセンター業務はさらに効率化できます。
さまざまな機能を有効に活用してVOCを集め、成長につなげましょう。
VOC収集に役立つCTIの1つが「List Navigator.」です。
アウトバウンド業務に特化しており、上で挙げた機能はすべて搭載しています。
機能面だけでなく、オペレーターや管理者にとって使いやすいUIも特徴の1つです。
ぜひ活用してコールセンター業務でVOCを集め、成長につなげてください。
■合わせてよく読まれている資料
「10,000コールの分析からわかった!効率的にアポが取れる曜日と時間帯」も合わせてダウンロードいただけます。