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2026.02.10

クラウドPBXの録音機能で業務を効率化!メリットと押さえるべき注意点を解説

ビジネスの現場において、電話対応は顧客との信頼関係を築くための重要な接点ですが、一方で「言った言わない」のトラブルや、応対品質のバラつきといった課題に直面することも少なくありません。

日々の電話業務がブラックボックス化し、 新人教育やトラブル対応に多大な時間と労力を費やしているとお悩みの方も多いのではないでしょうか。 

本記事では、クラウドPBXの録音機能がもたらす具体的なメリットから、導入時に把握しておくべき注意点、さらには録音データの効果的な活用方法までを詳しくご紹介します。

電話対応の効率化や教育コストの削減、確実な証拠保持を実現したいと考えている方は、ぜひご確認ください。

クラウドPBXとは


クラウドPBXとは、従来オフィス内に設置していたPBX(構内交換機)の機能を、クラウド上のサーバーを通じて提供する電話サービスです。

物理的な交換機が不要になるため、導入コストの削減や省スペース化を実現します。インターネット回線を利用して通話ができるので、専用の電話機だけでなく、 従業員が使用するスマートフォンやPCにアプリをインストールするだけで、会社の番号での発着信が可能になります 

これにより、外出先や在宅勤務といったテレワーク環境でも、オフィスにいるのと同様に電話業務を行えます。また、 拠点間の内線通話を無料化したり、離れた拠点へのスムーズな電話転送を実現したりと、多様な働き方に柔軟に対応できるのが大きな利点 です。

ここではクラウドpbxの録音機能について紹介します。

関連記事:PBXとは?レガシー・IP・クラウドそれぞれのメリットとデメリット

クラウドPBXの録音機能とは


クラウドPBXの録音機能とは、顧客や取引先との通話内容を音声データとして自動的に録音し、クラウド上のサーバーに保存する機能です。

多くのクラウドPBXサービスで標準機能として提供されており、特別な機器を追加することなく利用を開始できます。録音された音声データは、インターネット環境があればPCやスマートフォンからいつでもどこでもアクセスでき、再生やダウンロードが可能です。

データには音声だけでなく、通話相手の電話番号、通話の日時、担当者といった情報も紐づけて保存されるため、 「いつ、誰が、誰と、どのような話をしたか」を正確に把握できます。  これより、トラブルが発生した際にも該当のデータを迅速に検索し、客観的な事実確認を行えます。

サービスによっては、全通話を自動で保存するだけでなく、必要な通話だけを手動で録音するオンデマンド録音も選択できます。

近年では、保存した音声データをAIが解析し、自動で文字起こしや要約、感情分析を行う高機能なサービスも登場しています。

クラウドPBXで通話内容を録音するメリット


クラウドPBXの録音機能を導入することは、企業にとって多様なメリットをもたらします。

単に通話内容を記録として残すだけでなく、そのデータを活用することで、守りと攻めの両面から企業活動を強化できます。

具体的には、顧客との「言った言わない」といったトラブルを未然に防ぐリスク管理、実際の通話内容を教材とした効率的な社員教育、そして通話内容の分析を通じたサービス品質の向上などが挙げられます。

これらのメリットは、 企業のコンプライアンス体制を強化し、最終的には顧客満足度の向上と信頼獲得に繋がる重要な要素です 

次項から、これらのメリットについてそれぞれ詳しく解説します。

監査・証跡として記録を残せる

クラウドPBXの録音機能は、社内のコンプライアンス体制を強固にするために欠かせない役割を担います。

電話はメールなどの文書と比較して、本来は客観的な証拠が残りにくい連絡手段です。そのため、契約条件の相違や納期の聞き間違いといった「言った言わない」のトラブルが起こりやすい傾向にあります。

しかし、全通話を自動で記録し、証跡として保存しておくことで、 万が一問題が生じた際にも事実関係を正確に把握できるようになります 

また、録音の事実は従業員による不正の抑止力としても機能します。

例えば、強引な勧誘や虚偽の説明による不適切な営業活動、さらには社内情報の漏洩や業務の怠慢といった問題行動を未然に防ぐ効果があります。全従業員に対して、外線通話が全て録音されていることを周知すれば、一人ひとりの意識が向上し、より誠実な顧客対応が徹底されます。

このように、 透明性の高い運用を行うことは、結果として組織全体の内部統制を強化し、企業としての社会的信頼を維持することに直結します 

教育・研修の質を上げられる

録音機能は、新人教育や社員研修の質を飛躍的に向上させる教材となり得ます。

従来のロールプレイングや座学だけでは、実際の顧客対応で求められる細かなニュンスや臨機応変な対応力を身につけるのには限界がありました。

しかし、クラウドPBXで 録音された実際の通話データを活用することで、より実践的な教育が可能 になります。

例えば、優秀な成績を収めているベテラン社員の応対を「お手本」として新人に聞かせることで、顧客の信頼を得るための話し方や効果的なセールストークを具体的に学べます。

逆に、クレームに発展してしまった応対を「失敗事例」として共有し、 その原因や改善点をチームで議論することで、組織全体の対応スキルを底上げできます 

また、新人自身が自分の応対を客観的に聞き返すことで、話し方の癖や改善点を自覚し、 主体的なスキルアップを促すことも可能 です。

このように、録音機能は教育担当者の負担を軽減しつつ、マニュアルだけでは伝えきれない 「生きたノウハウ」を効率的に継承するための強力なツール となります。

応対品質の改善につなげられる

録音機能の活用は、直接的に顧客満足度の向上に貢献します。

電話応対中に、顧客が伝える重要な情報や複雑な依頼内容を聞き漏らしてしまい、何度も同じことを聞き返してしまうと、顧客にストレスを与え、不信感を抱かせる原因となります。

録音データがあれば、通話終了後に正確な内容を再確認できるため、 一度の電話で要件を確実に把握し、スムーズで質の高い対応を実現できます。  特に、クレーム対応においてはその真価を発揮します。

顧客が感情的になっている状況でも、録音された内容を冷静に分析することで、表面的な言葉の裏にある真の要望や問題の本質を正確に捉え、適切な解決策を提示することが可能です。

さらに、蓄積された膨大な通話データを分析することで、顧客からの問い合わせが多い内容や不満点を特定し、FAQの改善、製品やサービスの改良、業務プロセスの見直しへと繋げられます。

 担当者ごとの対応品質のばらつきも録音データの比較分析によって明確になり、組織全体のサービスレベルを平準化できます。 

このような対応品質の違いを無くし、継続的に改善していく取り組みが、顧客からの長期的な信頼獲得に不可欠です。

クラウドPBXで通話内容を録音する際の注意点


クラウドPBXの録音機能は多くのメリットをもたらしますが、その導入と運用にあたってはいくつかの重要な注意点が存在します。特に、「相手の同意なく通話を自動録音することは違法ではないか」という点は、多くの企業担当者が懸念するポイントです。結論から言うと、自社の業務目的で行う通話録音は、一般的に違法とはなりません。

しかし、法律上の問題がないからといって、無配慮に運用してよいわけではありません。顧客のプライバシーへの配慮や、録音データという機微な情報を扱う上でのセキュリティ対策は、企業の信頼を維持するために不可欠です。 これらの点を疎かにすると、かえって顧客とのトラブルを招いたり、情報漏洩という重大なリスクに繋がったりする可能性があります。 

録音データの保存期間・容量の管理

クラウドPBXを導入して通話録音を開始する際、運用担当者が最も注意すべき実務的なポイントが、録音データの保存期間とストレージ容量の管理です。クラウドPBXサービスによって、標準料金内で保存できる期間やデータ容量には明確な制限が設けられています。

一般的なサービスでは、保存期間を「1ヶ月」「3ヶ月」「6ヶ月」などと定めているケースが多く、この期間を過ぎたデータは古いものから順に自動で削除される仕組みが主流です。例えば、トラブルが発生して3ヶ月前の通話内容を確認しようとした際に、保存期間を1ヶ月に設定していたためにデータが消失していたという事態になれば、録音機能の本来の目的を果たせません。そのため、 自社の業務サイクルやトラブル対応の平均期間を考慮し、適切な保存期間をあらかじめ設定しておく必要があります。 

また、保存容量についても注意が必要です。全通話を録音する場合、通話量が多いコールセンターや営業部門では、予想以上のスピードで容量を消費します。容量制限を超えると、新しい通話が録音されなくなったり、追加料金が発生したりするリスクがあります。

対策としては、定期的に重要な音声データをローカル環境や外部ストレージにダウンロードしてバックアップを取る運用ルールを策定するか、必要に応じて容量拡張オプションを契約することが挙げられます。録音データの形式やビットレートによっても消費容量は変わるため、導入前に自社の月間平均通話時間から必要な容量を算出しておくことが、安定した運用を続けるための鍵となります。

個人情報・プライバシーへの配慮

通話録音を運用する上で、企業が最も慎重に検討すべきなのがプライバシーの問題です。

日本の法律においては、通話の当事者が会話を録音することは、相手の同意がなくても直ちに違法とはなりません。業務上の正当な目的、例えば応対品質の向上やトラブル時の事実確認のためであれば、録音は合法と解釈されるのが一般的です。

しかし、法律上の問題がないことと、顧客が抱く心理的な印象は別問題として捉える必要があります。何の断りもなく自分の声が記録されていることを後から知った顧客は、不快感を抱くだけでなく、企業のプライバシー管理体制そのものに不信感を募らせる可能性があるからです。

こうした無用なトラブルを回避するため、日本コールセンター協会が策定する「コールセンター業務倫理ガイドライン」では、録音情報の利用目的を具体的に特定し、本人への通知や公表を行うよう定めています。これに基づき、多くの企業では通話開始時に「サービス向上のため録音させていただきます」といった自動ガイダンスを流す方法を導入しています。

7.通話録音情報の保護・開示等

(1)コールセンター業務を行う者は、個人情報である音声を収集し、これらを利用するに当たっては、収集する情報の利用目的をできる限り具体的に特定するとともに、できる限り広く公表するか、または本人に通知しなければならない。

引用元:コールセンター業務倫理ガイドライン|一般社団法人日本コールセンター協会

 ガイドラインに沿った適切な告知と運用を徹底することが、顧客との良好な関係を維持するために不可欠です。 

事前に録音の目的を明示することは、顧客に安心感を与えるだけでなく、企業の透明性や誠実な姿勢を示すことにも繋がります。音声データは重要な個人情報であるという認識を持ち、適切な管理体制を整えましょう。

録音データのセキュリティ対策

録音データの管理においては、厳格なセキュリティ対策が不可欠です。

クラウドPBXで保存される通話データは、単なる音声ファイルではなく、 顧客の氏名や連絡先、場合によっては住所やクレジットカード番号といった極めて機微な個人情報を含む可能性があります 

これらの情報が万が一外部に漏洩した場合、企業の信用失墜や顧客への損害賠償といった深刻な事態を招きかねません。

そのため、クラウドPBXサービスを選定する際には、 ベンダーがどのようなセキュリティ対策を講じているかを十分に確認することが重要 です。

具体的には、通信や保存データの暗号化、不正アクセスを防止するファイアウォール、アクセスログの監視体制、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などの第三者認証の取得状況などが評価のポイントとなります。

また、社内においても、録音データへのアクセス権限を必要最小限の従業員に限定する、データの保存期間を明確に定め期間が過ぎたデータは適切に削除する、といった運用ルールを策定し、徹底することが求められます。

その他の通話録音システムの選択肢

通話内容を記録する手段はクラウドPBXの標準機能に限りません。自社の組織規模や導入の目的、既存の電話設備の状況によっては、別のソリューションが適している場合があります。

種類 特徴
後付け録音デバイス 既存の電話機に後付けして録音できる(低コスト・小規模向き)。
コールセンター向け録音システム 通話音声を保存・蓄積し、品質改善や分析に活用しやすい。
CTIシステム 電話とPCを連携し、録音を含む発着信・顧客情報などを一元管理できる。

まず、最も手軽な手段として、既存のビジネスフォンに専用のアダプターやICレコーダーを接続する物理的な方法があります。これは装置を電話機と受話器の間に設置するだけで録音が可能になるため、特別なシステム構築が不要で、初期費用を大幅に抑えられる点がメリットです。ただし、データの共有や検索性に欠けるため、特定のデスクでのトラブル対策など、小規模な個別運用に向いています。

一方で、より高度な運用を目指すなら、コールセンター向け録音システムやCTIシステムの導入が有力です。専用の録音システムは、大量の音声データを「顧客の声」として蓄積し、感情分析やテキストマイニングに活用することに特化しています。また、CTIシステムは電話とPCを連携させ、顧客管理システム(CRM)と紐づけて通話履歴を一元管理できるのが特徴です。

このように、コストを重視して部分的に導入するか、業務効率化やデータ分析まで見据えてシステム化するかによって選択肢は変わります。 各手法の特徴を比較し、自社の運用フローに最適なものを選定することが重要です。 

録音システムについては「コールセンター向け録音システム比較10選|選び方や開示義務や保存期間などの注意点を解説」で詳しく解説しています。

録音システムを導入する際の注意点やおすすめのシステムについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ クラウドpbxの録音機能を活用して業務を効率化しよう


クラウドPBXに備わっている録音機能は、単なる通話の記録という役割を超え、企業の成長を支える多角的な価値を提供します。

コンプライアンスの強化によるリスク管理はもちろん、実際の応対データを教材とした実践的な人材育成、さらには言った言わないのトラブル防止による顧客満足度の向上など、そのメリットは非常に多岐にわたります。導入に際しては、顧客のプライバシーへ配慮するための事前アナウンスの実施や、情報漏洩を防ぐための厳格なセキュリティ対策を講じることが運用の成功を左右します。

現在、多くのクラウドPBXサービスでは録音機能が標準搭載されており、導入のハードルは以前よりも格段に下がっています。中には、実際の使用感を確かめられる無料トライアル期間やデモ利用を設けているベンダーも少なくありません。

まずは自社の電話業務におけるブラックボックス化や教育コストといった課題を具体的に洗い出し、その解決策として録音機能がどのように機能するかを試してみることが良いかもしれません。

Written by 株式会社Scene Live マーケティング部
Written by株式会社Scene Live マーケティング部

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