2024.10.09
コールセンター向け音声認識サービス4選!事例や選定ポイントも解説
「コールセンター向けの音声認識サービスが気になる」
「音声認識サービスを導入すると、どのような効果があるのだろう?」
上記のようなお悩みはありませんか?
音声認識サービスは、コールセンターと相性の良いツールです。
業務効率化や顧客満足度の向上など、さまざまな導入効果を得られます。しかし、「選定ポイントや導入時の注意点など、十分に理解してから導入したい」と考える人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コールセンター向けの音声認識サービスに関する以下の内容を解説します。
- コールセンターに音声認識の導入が効果的な7つの理由
- 音声認識サービス導入時に意識したい3つの注意点
- 音声認識サービスの選定ポイント5つ
サービス比較や活用事例にも触れますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
そもそも音声認識サービスとは?
音声認識サービスとは、 音声データをテキスト化するサービスのことです。
とりわけ現代ではAI技術が発展したことにより、音声認識の精度も高まっています。
音声認識サービスはさまざまなシーンで活躍していますが、中でもおすすめなのがコールセンターへの導入です。
応対品質の向上につながるだけではなく、オペレーター教育やコンプライアンスチェックの効率化など多くのメリットが得られます。また、クレーム防止につながる機能も搭載されているため、オペレーターの精神的な負担を軽減するツールとしても活用できます。
コールセンターが抱える課題2つ
コールセンターが抱える課題は、以下の2つです。
- 慢性的な人手不足の状態にある
- お客様が求めるサービスレベルが高まっている
それでは、ひとつずつ解説します。
【課題1】慢性的な人手不足の状態にある
コールセンターは、人手不足が深刻化している業界の1つです。
若者の電話離れや他業界の時給高騰なども相まって、新たな人材を確保するのが難しくなっています。人手不足が原因で十分な教育体制を構築できず、電話応対に不慣れな新人オペレーターが業務を開始するケースも少なくありません。
結果的にクレームを招いてしまい、精神的な負担から離職につながる悪循環も発生しています。
【課題2】お客様が求めるサービスレベルが高まっている
便利なサービスが世の中に溢れ、何かと忙しい現代人は、コールセンターに求めるサービスレベルも高まっています。
加えて現在は、SNSをはじめとするインターネットサービスを通じて誰もが自由に発言できる時代です。
コールセンターの応対品質が低ければ、悪い噂がすぐ広がる可能性もあります。オペレーターには、これまで以上に高い精度が求められているのです。
コールセンターの課題については、コールセンター業界の課題とは?解決するための方法やシステムを解説でも詳しく解説しています。
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コールセンターに音声認識の導入が効果的な7つの理由
コールセンターに音声認識の導入が効果的な理由は、以下の7つです。
- 業務効率化につながる
- 応対品質が向上する
- データ分析ができる
- オペレーター間での応対の差を縮小できる
- コンプライアンス対策ができる
- 対応履歴を教材資料として活用できる
- オペレーターの離職率低下を期待できる
どのようなメリットがあるのか、ひとつずつ見ていきましょう。
【理由1】業務効率化につながる
通話音声のテキスト化(自動文字起こし)により、コールセンターでのさまざまな業務を効率化できます。
例えば、オペレーターにとって応対履歴の手入力は煩雑な業務の1つです。
会話の内容が自動でテキスト化されれば、手入力に費やす時間を大幅に減らせます。スーパーバイザーが応対品質をチェックする際も、録音データを全て聴く必要はありません。
会話テキストを確認すれば概要がわかるため、再生時間の削減につながります。
中には自動で顧客対応できる音声認識サービスもあり、自動応答に任せることでオペレーターの負担を軽減できます。【理由2】応対品質が向上する
音声認識サービスには、 お客様との通話内容に関連した資料を画面表示できる機能があります。
この機能は、新人オペレーターの知識不足を補うのに効果的です。
また、オペレーターやお客様の音声から感情を解析できるものもあります。
感情解析を活用することで、お客様を怒らせてしまった場合にスーパーバイザーがすぐフォローに入るなどの対応が可能です。【理由3】データ分析ができる
データ分析は、音声認識サービスを活用する大きなメリットの1つです。
コールセンターではお客様の生の声を直接聞けるため、データを活用することで顧客ニーズの発見にもつながります。もちろん好意的な意見ばかりではありませんが、ネガティヴな意見も商品・サービスの改善に役立てることが重要です。
音声認識サービスでは通話内容がテキスト化されるため、データ分析しやすい環境が作れます。
【理由4】オペレーター間での応対の差を縮小できる
顧客情報をデータ化すれば、オペレーター間でのリアルタイム共有が可能です。
音声認識サービスとFAQシステムを連携することで、会話内容から探し出したFAQ候補を画面に表示できます。
特定のキーワードに対する回答のバラつきを減らせるため、オペレーター間での応対の差が縮小されて顧客満足の向上につながります。【理由5】コンプライアンス対策ができる
コールセンターでは、コンプライアンスに違反した発言がないかチェックする作業が必要です。
録音した通話を聞き直すのは多くの時間を要するため、従業員の大きな負担になってしまいます。
そこでおすすめなのが、音声認識サービスによるコンプライアンス対策です。
音声認識サービスには、オペレーターが発言すべきでない言葉を検知する機能があります。事前に設定したNGワードが出た瞬間に管理者へアラートで知らせることができるため、コンプライアンスチェックの効率化が可能です。
【理由6】対応履歴を教材資料として活用できる
新人オペレーターにとって、貴重な教材資料の1つになるのが先輩オペレーターの対応です。
音声認識サービスを導入すれば、 ベテランオペレーターの対応履歴をテキストと音声で確認できます。
テキストを確認しながら、大事なポイントだけ録音を聞くといった活用の仕方も可能です。
このように、音声認識サービスを活用すれば、多くの時間を割かなくても効率的な教育が実施できます。
【理由7】オペレーターの離職率低下を期待できる
ここまでお伝えしてきた通り、音声認識サービスは業務効率化や応対品質の向上に効果的なツールです。
クレーム削減につながればオペレーターにかかる負担も軽減できるため、離職率の低下を期待できます。人手不足で教育体制が不十分な企業にとっては、新人オペレーターを教育するツールとしてもおすすめです。
離職率が低下すれば、結果的に人材コストも削減できます。
音声認識サービスの活用事例:ヤマトコンタクトサービス
画像出典:ヤマトコンタクトサービス株式会社
ヤマトコンタクトサービス株式会社は、ヤマト運輸のコールセンター業務を担っている企業です。
大手運送会社での顧客対応を任されていることもあり、電話を受ける本数は年間数千万件に及びます。
同社は、「コールセンターに届くお客様の声を活用して顧客体験を改善したい、顧客接点を再構築したい」という課題を抱えていました。
そこで、クラウド型の音声認識サービスを導入します。
導入後は応対品質のスコアが平均10%向上し、お客様からの問い合わせを解決する速度の短縮にもつながりました。またテキスト化された通話内容をオペレーター自身が確認することで、余計な会話の削減に役立っています。
音声認識サービスのベンダー4選!AIによる自動応答型も紹介
ここからは、おすすめの音声認識サービスを4つ紹介します。
- BIZTEL
- COTOHA Voice Insight
- ロボット自動受付
- AI Messenger Voicebot
AIによる自動応答型も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
BIZTEL
画像出典:BIZTEL
BIZTELは、コールセンターの在宅化を実現するクラウド型テレフォニー(電話)サービスです。
オペレーターの稼働状況がひと目でわかるため、在宅勤務であってもオフィスと変わらない対応ができます。多彩な機能が標準搭載されており、電話サポートは24時間365日対応であることから万が一のトラブルにも安心です。
拡張性が高く、導入企業の希望に沿った快適なコールセンターを実現することが可能です。
BIZTELは2006年にサービスを開始したクラウドPBXのパイオニアで、導入社数は2,000社を超えました。月額利用料は15,000円からで、デモを依頼することもできます。
COTOHA Voice Insight
画像出典:COTOHA Voice Insight
COTOHA Voice Insightは、コンタクトセンター向けの音声データ活用サービスです。
NTT研究所で40年以上研究・開発してきた独自の音声認識エンジンを活用し、コンタクトセンターの高度化を支援します。
3つのプランが用意されており、目的や規模に合わせて好みのプランを選ぶことが可能です。
例えば、音声マイニングプランには、お客様の発話から感情を分析する機能や、オペレーターの話し方を自動評価する応対分析機能などが搭載されています。他にも注目ワードアラートやFAQ連携など、現場を支援する機能が豊富にあることが特徴です。
COTOHA Voice Insightは、プランごとに利用料金が異なります。
ロボット自動受付
画像出典:ロボット自動受付
ロボット自動受付は、コールセンターの受電業務を自動化できるAI自動電話応答システムです。
定型業務を自動化することで、オペレーターの人材不足を解決します。
事前に応対対話シナリオを作成すれば、お客様の名前や希望商品などを対話形式でヒアリングすることが可能です。
オペレーター1人分のコストで300体規模のロボット応対ができるため、採用コストを大幅に削減できます。ロボット自動受付サービスの月額費用は、350,000円からです。
AI Messenger Voicebot
AI Messenger Voicebotは、独自開発のAI技術で電話応対業務をDXするボイスボットサービスです。
コールセンターでオペレーターがおこなっていた会話のほとんどを自動で完結できます。
回線に制限がないため、急に入電数が増えた場合でも応答率は100%です。定型的な質問や情報のヒアリングなどを任せることで、コスト削減や業務効率化に役立ちます。
AI Messenger Voicebotの月額費用は、300,000円からです。
音声認識サービス導入時に意識したい3つの注意点
音声認識サービス導入時に意識したい注意点は、以下の3つです。
- 音声を正しく認識できる環境が必要になる
- 導入コストが発生する
- 認識精度の向上には一定の期間を要する
音声認識サービスはコールセンターで大活躍するツールではあるものの、現状の課題をしっかり把握しておくことが重要です。
それでは、ひとつずつ解説していきます。
【注意点1】音声を正しく認識できる環境が必要になる
AI技術の発達により、音声認識のレベルが高くなっていることは事実です。
ただ、雑音環境下での音声認識は現在でも難しい側面があります。他にも、複数人が同時に会話する場合や方言で話す場合など、状況によって認識精度が下がってしまう点に注意が必要です。
録音環境を整えたり複数人が話している場所では個別のマイクを使ったりして、対策を図りましょう。
【注意点2】導入コストが発生する
音声認識サービスの利用には、初期費用やランニングコストが発生します。
具体的な金額はサービス提供会社によってさまざまですが、 重要なのは費用対効果です。
いくら高機能なサービスでも、自社で使いこなせなければ意味がありません。
まずは目的を明確にして、自社に必要な機能は何なのか、どのサービスが適しているかなど複数社で比較検討することが大切です。
想定される利用期間から逆算し、トータルで必要なコストをあらかじめ把握しておくことも重要なポイントになります。【注意点3】認識精度の向上には一定の期間を要する
AIを活用した音声認識サービスは、学習すればするほど精度が向上する仕組みです。
認識精度を高めることで、業務効率化や顧客満足度の向上などさまざまなメリットを期待できます。
ただ、高いレベルの認識精度を求めるのであれば、AIが学習するための期間と素材が必要です。AIが搭載車音声認識サービスは、自動で成長する優れものではあるものの、認識精度の向上には一定の期間を要することを理解しておきましょう。
音声認識サービスの選定ポイント5つ
音声認識サービスを選ぶ際のポイントは、以下の5つです。
- 音声の認識率は十分であるか
- データ分析の機能が充実しているか
- チューニング機能は搭載されているか
- メンテナンスに必要なコストはいくらか
- セキュリティ機能が充実しているか
導入後に後悔することがないよう、事前に選定ポイントをおさえておきましょう。
【ポイント1】音声の認識率は十分であるか
音声認識サービスを選ぶ際に最も意識したいのが、音声の認識率です。
認識率は話し方によっても異なるとされており、丁寧に話したほうが認識率が高くなる傾向にあります。
AIが搭載された音声認識サービスであれば、利用すればするほど認識率も向上するのでおすすめです。より精度の高いテキスト化を求める方は、AI搭載の音声認識サービスを検討してみてはいかがでしょうか。
【ポイント2】データ分析の機能が充実しているか
いくら音声認識サービスで通話をテキスト化したとしても、データを分析して活かさなければ意味がありません。AIが搭載された音声認識サービスのなかには、テキスト化したデータの効果的な活用方法をアドバイスしてくれるものも存在します。
他にも、お客様の感情を読み取って分析する機能やキーワードを抽出できる機能など、音声認識サービスでデータ分析に活かせる機能はさまざまです。
キーワードの出現頻度を分析すれば、どの単語と一緒に使われやすいのか把握することも可能です。【ポイント3】チューニング機能は搭載されているか
チューニング機能とは、AIが自動学習をおこなうことでテキスト化の精度向上につなげるものです。
ディープラーニングと呼ばれる技術が搭載されたサービスでは、学習のたびに音声認識の精度が向上します。ただ、ディープラーニングが搭載されたサービスの方が金額は高くなりがちです。
自社の予算も踏まえつつ、どこまでの精度向上を求めるのか慎重に検討しましょう。
【ポイント4】メンテナンスに必要なコストはいくらか
サービス導入後も継続して高い認識率を維持するためには、定期的なメンテナンスが重要です。クラウド型では、一般的にベンダー側がチューニングメンテナンスを実施します。
メンテナンスにかかるコストはサービス提供会社ごとに異なるため、いくら必要なのかを事前にチェックしておきましょう。
なお、オンプレミス型のサービスではメンテナンスも自社でおこなう必要があり、負担が大きくなってしまいます。
【ポイント5】セキュリティ機能が充実しているか
コールセンターでの通話は、お客様の個人情報がたくさん飛び交います。
個人情報が流出すると大問題に発展するため、セキュリティ面が強化されたサービスを選定することが重要です。オンプレミス型のサービスであればより安全性を期待できますが、その分高額な費用が発生します。
今ではクラウド型でもセキュリティ機能が充実したサービスが出ていますので、サービス比較する際のポイントにしてみてください。
まとめ:コールセンターに音声認識を活用して業務効率化につなげよう
コールセンターに音声認識サービスを導入すれば、業務効率化や顧客満足度の向上が期待できます。
ただし、音声認識サービスは種類が多く、導入コストや機能もベンダーによってさまざまです。
自社の課題を整理して、目的にあった音声認識サービスを導入しましょう。
Scene Liveでは、インバウンド向けコールセンターシステムの「OSORA」を提供しています。
OSORAは業界最安値水準を実現し、導入から運用まで低コストであることから、多くの予算を確保できない企業にもおすすめです。無料で自動アップグレードをおこなうため、より使いやすく現場のニーズに答えられるサービスへと成長します。
導入前の端末の設定から運用方法まで知識豊富なスタッフが徹底してサポートするため、初めて音声認識サービスを利用する企業も安心です。
営業時間外での着信に対しては、自動音声への切り替えやアナウンス対応などを設定できます。
着信時に顧客情報を特定してポップアップ表示する機能や、通話中の音声を聞きながらアドバイスを同時に伝えられるモニタリングなど、充実した機能が満載です。■合わせてよく読まれている資料
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