2024.07.27
コールセンターのオペレーター教育に必要なこと|教育方法の種類も紹介
そのため、人材の教育はコールセンター業界全体の課題です。
新しい人材を採用してもすぐに辞めてしまうという現実もあり、なかなか解決の糸口が見出せないでいるのが現状です。
そこで本記事では、採用した人材の育成や、既存社員のスキル強化を目的とした教育・育成方法について紹介します。
「人材不足をスキルでフォローしたい」「現場の教育環境を改善したい」という方はぜひ参考にしてください。
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目次
コールセンターにおけるオペレーター教育の重要性
コールセンターは慢性的に人材不足におちいりやすい業種 です。
人材不足になると、その都度新しい人材を補充しなければならないため、従業員の平均スキルが低くなりやすい特徴があります。
そこで重要になるのが「オペレーター教育」です。
オペレーター教育を強化すれば既存社員のスキルが上がり、人材不足をフォローしやすくなります。
また、新しく採用した人材のスキル上達までのペースを早めることも可能です。
教育の強化は、具体的に以下の項目を意識して、マニュアルの改善や教育方法の変更を行います。
- 経験年数ごとに合わせた教育システムの構築
- 経験年数・スキルに合わせた目標値の提示
- 自身のスキル状況に不安・悩みを抱えないためのロードマップ
- オペレーターに過度なストレス・負担を与えない意識構築ができるメンタル教育
オペレーターの質やスキル状況に合わせて教育を行えば、オペレーター自身がストレスを解消しやすい環境を作れるので、離職率を低くすることにもつながります。
コールセンターにおけるオペレーター教育のメリット
オペレーター教育には、以下のメリットがあります。
- オペレーターによる応対品質の標準化
- 優秀な人材の確保
- オペレーターの定着率向上
それぞれ紹介します。
オペレーターによる応対品質の標準化
オペレーター毎に品質がバラバラだと顧客満足度 は向上しません。優秀なオペレーターが対応した人は、運がいいということになりますし、そうでない場合もあります。
例えば、よくあるクレーム対応で、故障した商品に関する問い合わせがあります。
すぐに交換に応じるのか、故障品を確認し不良だった場合に交換するのか、担当者によって回答が変わってしまうことは問題です。
対応方法がコロコロ変わると、顧客は不信感を持ち、その企業だけでなく商品のイメージも悪くなります。
オペレーターへの不満だけでなく、企業の顧客満足度に影響を与えてしまうということです。
誰が担当したとしても、一定の対応ができることを目指す必要があります。
優秀な人材の確保
現在、多くの業界で人手不足 がおきています。人材の確保そのものに苦労していますが、さらに優秀な人員をそろえることを考えると、時間とコストが大きく必要です。
また、外部から採用した場合は、戦力になるまで時間がかかる傾向にあります。
まずは、自社教育によって、優秀な人材を育成することが必要です。
具体的には、自社の勉強会や外部講習などを積極的に受けてもらうようにしましょう。
人材確保のために自社スタッフの成長を促し、優秀な人材になるよう投資することが大切です。
オペレーターの定着率向上
オペレーターを教育するには、会社による投資が重要 です。「会社から期待されている」と感じられれば、オペレーターのモチベーション向上にも貢献します。
教育の機会を増やし外部講師や新しい刺激を受けることで、コールセンター業務に役立てることも可能です。
教育することで、課題へのアプローチ方法の提案にも期待できます。
例えば、作業工数の削減のために自動化の取り組みを推進するような会社にとって有益な提案ができるようになります。
教育を実施することで、会社への愛社精神にも寄与して、オペレーターの定着率が向上するでしょう。
オペレーターに求められるもの
教育を行うにあたり、教育者はオペレーターに求められるものを的確 に把握しておく必要があります。
正しい方向へ教育を行い、オペレーターが悩みすぎないようフォローしてあげることが重要なので、以下の内容を参考に教育プログラムを組むことをおすすめします。
- 問題解決能力
- 共感力がある
- 自分でPDCAを回せる
それぞれ紹介します。
問題解決能力
オペレーターは毎日違う顧客と応対をし続けるので、さまざまな顧客の悩みを解決しなくてはなりません。
悩みを 素早く把握し、言語化してスピード感のある応対ができるようになれば、顧客満足度を高めることも可能になるでしょう。
共感力がある
クレーム対応もオペレーターに求められる業務のひとつです。
その際、 共感力がなければ顧客に寄り添った応対はできません。
クレーム対応というセンシティブな業務だからこそ、共感力は重要なポイントとして挙げられます。
自分でPDCAを回せる
オペレーターひとりに対して、常に指導係が付くわけにはいきません。
自立したオペレーターを育てる必要があります。
そのためには、 オペレーターにPDCAを理解してもらい自身で課題を見つけ出し、改善していけるように教育しなくてはなりません。
多くの人材を必要とするコールセンターだからこそ、一人ひとりが自走できるシステムを整えることが必要です。
また、コールセンターの優秀なオペレーターに求められるスキルとツールを活用した育成方法を解説!では、優秀なオペレーターを育てる上で重要なことやツールを使った教育方法について詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
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コールセンターにおけるオペレーター教育で必要なこと
コールセンターの教育システムを進めるにあたり、 オペレーターのどのような部分を向上・改善させていくべきかを事前に決めておく ことが重要です。
重要と捉えるべきオペレーターの向上・改善ポイントは、以下の通りです。
- 応対速度の向上
- 応対スキルの向上
- クレーム対応の習得
- オペレーターのストレスケア
- オペレーターのモチベーション維持
基本的なスキル習得はもちろんのこと、オペレーター自身が悩んだり落ち込んだりしすぎないようにフォローする教育環境を整えるのも、コールセンターには必要です。
教育環境を良質なものにするだけで、オペレーターの悩みが減り、離職率の低下も期待できます。
応対速度の向上
応対速度を向上させれば顧客の待ち時間を減らせるため、それに比例して顧客満足度が高くなる といわれています。「質問内容に対する素早い返答」「無駄な待ち時間の減少」によって相手の評価は良くなり、契約期待度も高くなるでしょう。
オペレーター業務の目的である「契約締結」が実現できれば、オペレーターに自信がつき離職率の低下も見込めます。
オペレーターの応対速度は、経験によって培われる部分があるのも事実です。
新人が応対速度を向上させていくためには、よくある質問事項をリスト化しておいたり、丁寧なマニュアルを準備したりして、機械的に応対できるようなシステムを作っておくと良いでしょう。
応対スキルの向上
応対速度が早くても、顧客が不快に思う応対をしてしまうと、会話を続けることすら難しくなる ので本末転倒です。応対速度を早める教育を進めるのと並行して、応対スキルを向上させる教育も実施することで、オペレーターの質を高めましょう。
「人によって話し方は違うので教育が難しい」といった悩みも少なくありませんが、そういった場合は以下のようなポイントを組み込んだ応対マニュアルの作成をおすすめします。
- 柔らかく聞こえるような語調
- 丁寧な応対に感じられる言葉遣い
- 相手が何を考えているか気遣い続けられる意識
- 自身の声が客観的にどのように聞こえるか研究する時間
- どのような声色で話すのが適切か
これらを意識して応対マニュアルを作れば、聞き手にとって柔和な印象を与えることを目指せるようになり、オペレーター全体の質も高まるでしょう。
クレーム対応の習得
オペレーター業務は、商品の説明をして購入・契約をしてもらうだけではありません。
商品に対するクレーム対応も業務のひとつ です。オペレーターによっては、クレーム対応で精神的な負荷を感じて辞職を希望する人もいます。
離職率を上げないためにも、クレーム対応に対する教育は重要となるでしょう。
クレーム対応こそ、落ち着いて冷静に応対することが求められる業務です。
それゆえに教育の段階では、さまざまなケースを想定した予習をしておくことが必要です。
また、「クレームが来た場合はこうやって対応する」「どうしても難しい場合はリーダーやSVを呼ぶ」などの奥の手や最終手段を用意しておくことで、オペレーターの負担を軽減させることも可能です。
オペレーターのストレスケア
オペレーターによっては、 クレーム対応や営業ノルマをクリアできないことにストレスを感じて、辞職してしまう 人も一定数います。
そういったストレスが原因となり、優秀なオペレーターが離職してしまうと、円滑に業務が進まなくなります。
そうしたオペレーターのメンタルケア・ストレスケアとして、アフターケアやメンタルサポート部門を設けるといった方法をとることも良案です。
なるべくストレスを与えない環境づくりを意識して、教育からアフターケアまでを取り入れた職場環境ができあがると、オペレーター全体の質が上がるでしょう。
オペレーターのモチベーション維持
ある程度の経験を積めば、 オペレーターは自分なりのモチベーションの保ち方を掴んでくるもの です。
しかし、新人のときは個人に合わせたノルマ設定が難しいこともあり、なかなか達成感が味わえずにモチベーションを低下させてしまうことは珍しくありません。
そこで、大切になるのが教育です。
教育を通して新人の能力を客観的に分析し、現在の成果が妥当なものなのかを見極めましょう。
新人の能力に合わせて適切なフォローを施し、モチベーション低下をもたらさないようにすることも教育の重要な役割です。
オペレーターひとりのモチベーション低下は、周囲の人をも巻き込んで悪影響を及ぼす可能性があります。
そうした悪影響の要因を解消するような教育システムを組むようにしましょう。
オペレーター教育の種類
オペレーターの教育は、主に以下の3段階に分けて行われます。
- 初期研修
- フォローアップ研修
- スキルアップ研修
オペレーターのスキルが上がるたびに教育の方法を変えていくことで、効率的なスキルアップを目指します。
初期研修で基本を知り、フォローアップ研修で実践のフィードバックをもらいます。
さらに、スキルアップ研修で業務の幅を広げることで、オペレーターの質が高まるという仕組みです。
初期研修
初期研修は新人が入社して最初に受ける教育 です。主に座学とロールプレイを用いた実践演習で、オペレーターの基本を学びます。
初期研修で行う具体的な研修方法は、以下の通りです。
- 商材の理解
- 会社概要の理解
- ソフトスキル(電話応対スキル)の習得
オペレーターは応対中にマニュアルを確認できるとはいえ、正確な回答をより早く顧客に提供するために、基本的な商材の知識をしっかりと把握しておくことが必要です。
そのためにも、商材についての理解は教育段階で徹底して行い、スムーズに応対できるように指導します。
そして、紹介する商材の知識と自社の概要を理解したら、実践で使える基本的な応対スキルを学びます。
主に話し方やヒアリングスキル、顧客の要望をスムーズに解決する手段を学び、実践で活かせるようにしていくのが、初期研修の目的です。
フォローアップ研修
フォローアップ研修は 初期研修後、実践に投入された新人にSVやリーダーがついてフォローしながらスキルを向上させていく研修期間 のことです。
基本的なことを初期研修で教わったといっても、足りない部分やもっと伸ばせる箇所などは、実践の中でしか判明しないこともあります。
そういった部分に対して的確なアドバイスを与え、新人ごとに最適な教育を施していくのがフォローアップ研修です。
基本的にはモニタリング機能を使って実際の応対を確認しながらアドバイスをします。
コールセンターによっては「スキルチェックテスト」を実施して、それに応じた追加研修を行うというパターンもあります。
つまり、オペレーターの不足する部分を補うために、上司がついて教育するのがフォローアップ研修です。
スキルアップ研修
スキルアップ研修は、 オペレーター業務をある程度こなせるようになった人が、新しいスキルを獲得するために行う研修 です。
新しいスキルを獲得することで業務の幅が広がり、リーダーやSVのような管理職の立場で活躍するための研修になります。
スキルアップ研修では、以下のようなスキルを獲得しようと考える人が多いです。
- リーダーが行うマネジメントスキル
- SVが行うマネジメントスキル
- メールなどの応対スキル
- 法人向けの応対スキル
- チャットサービスなどのシステム活用スキル
- 後輩育成の際に活かせるモニタリングスキル
実際にスキルアップ研修を実施する際は、スキルマップを活用するのがおすすめです。
スキルマップを活用すればスキルの可視化ができ、オペレーターが自信をつけるきっかけになってモチベーション維持にもつながります。
スキルマップについては、コールセンターにおけるスキルマップの活用方法|作成のポイントも紹介で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
オペレーター教育を行う際の注意点
オペレーター教育を効率的なものにするためにも、教育時の注意点は把握しておきましょう。
オペレーター教育を行う際の注意点は、以下の通りです。
- 教育マニュアルの作成
- フィードバックの徹底
- モニタリングの活用
- スキルマップの使用
特に、教育マニュアルはコールセンター全体の品質を安定させるために重要な役割をもっているので、念入りに作り上げましょう。
オペレーターを教育しコールセンターの実績向上をはかろう
オペレーター教育は離職率が高いといわれるコールセンターにおいて、必要不可欠 なものです。
オペレーターは問題解決能力・コミュニケーション力・自走力が求められる、比較的ハードな職種です。
教育システムが充実していないと、新人レベルから抜け出せる人材を生み出すのが難しくなります。
教育システムを充実させるためには、初期研修からスキルアップ研修までのすべてにおいて、「オペレーター教育で必要なこと」を意識した教育環境を作ることが求められます。
教育システムを充実させるには、Scene Liveが提供するインバウンド向けコールシステムの「OSORA」がおすすめです。
OSORAを活用すれば、新人であっても「統計レポート機能・通話分析機能」によって現状の能力を的確に把握できます。
能力を把握したら実際に「リアルモニタリング機能」を使って、「なぜそういう結果になっているのか?」を確認することもできます。
オペレーターの現状の応対を把握し、成果を知り、どういった教育をするべきかを検討するためのシステムとして、多くの会社で導入された実績もあるOSORAを活用してみてください。
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