2024.10.09
コールセンターにおけるFAQの作り方|効果や作成のポイントも紹介
FAQとは、簡単に言えばQ&A(よくある質問)と呼ばれるナレッジのことです。
コールセンターと併用すれば、顧客満足度を高められる可能性があるとされています。
ただし、FAQシステムとコールセンターとの連携を考える上では、注意点もあると言えるでしょう。
本記事では、 コールセンターとFAQの関係や、具体的な作り方や作成手順 について解説します。
顧客満足度向上を目指すなら、コールセンターとFAQを見直してみるといいかもしれません。
■合わせてよく読まれている資料
「コールセンターでのデータ活用による営業効率アップノウハウ」も合わせてダウンロードいただけます。
目次
コールセンターでFAQが必要なシーン
FAQとは、コーポレートサイトやサービスサイトにおける 「よくある質問」 のことです。
今までに寄せられた質問を蓄積して回答を作成し、該当の質問内容を検索できるようにしたものを「FAQシステム」と呼んでいます。
FAQは、以下の3パターンに分類されます。
- 顧客向けのFAQ
- 自社サービス・商品の購入希望者やユーザーが対象のFAQ。
顧客のリテラシーレベル(解釈できる度合い)を想定してFAQを構築する必要がある。
- オペレーター向けのFAQ
- 電話応対するオペレーターが参照するためのFAQ。
CRM(顧客管理システム)やCTI(コールセンターシステム)と連携することで、電話応対の補助的な役割を果たす。
- 社内ヘルプデスク向けのFAQ
- 社内の事務処理やシステムトラブルに対応したFAQ。
社内ヘルプデスクの負担軽減が目的であり、現在導入を進める企業が多い。
コールセンターでは特に、オペレーター向けのFAQを拡充することで、顧客満足度の向上につながるといわれています。
また、一般向けFAQを事前に設置しておくことで、コールセンターに問い合わせることなく疑問を解決できるため、問い合わせ件数の軽減が期待できます。
その結果、 オペレーターの業務負担軽減や架電率向上 も可能です。
コールセンターでFAQを利用することで得られる効果
コールセンターでFAQを導入すると、次のような効果が期待できます。
- 応対品質の向上
- 一般向けFAQを設置することで、 顧客からの疑問にいつでも答えられる環境 が整備できる。
また、オペレーター向けFAQを整備することで、問い合わせに対して適切な回答をすぐに呼び出し、誰でも一致の知識レベルで対応できるようになる。
- 顧客満足度の向上
- 一般向けFAQでユーザーが疑問を自己解決できる機会が増えるため、電話する手間が省ける。
問い合わせ数が減ることで電話の待ち時間も削減できる上、 質問に対する回答も素早く返ってくる ため、満足度が向上する。
- オペレーターの負担軽減
- 対応する電話数を削減できる。
経験の浅いオペレーターでもすぐに回答を呼び出せるオペレーター向けFAQ があれば、質問内容を確認する手間も少なくなる。
「成功事例から見るテレアポのコツ」を解説した資料も合わせてダウンロードいただけます。
■合わせてよく読まれている資料
「コールセンターでのデータ活用による営業効率アップノウハウ」も合わせてダウンロードいただけます。
コールセンターにおけるFAQの作り方
具体的なFAQの作り方は、以下の3ステップです。
- 情報を収集する
- Q(質問)を洗い出す
- Qを基にA(回答)を作成する
一見すると簡単そうなフローですが、FAQを作る上ではこの手順を踏まないと、効果のないFAQになってしまう可能性があります。
ひとつずつ丁寧にクリアしていきましょう。
情報を収集する
FAQを作成する上で必要なのが情報です。
過去に寄せられた質問が蓄積されていれば、その資料を参考にしてもいいでしょう。
また、顧客やスタッフにヒアリングをおこなって、新たに情報を収集することも効果的です。
あるいは、商品やサービスを知らない人に実際に使ってもらうことで、どこがわかりにくいのかをシミュレーションすることでも情報収集できます。
収集する必要のある情報は、 商品やサービスの情報とそれに関連する質問のほか、過去に寄せられた疑問やクレーム です。
ここで集める情報は、必ずしも質問である必要はないため、とにかく頻繁に問い合わせを受ける情報がどういった内容であるかを洗い出しましょう。
質問を洗い出す
収集した情報の中から、質問化できるものを抽出します。
優先度の高いものは、質問や問い合わせされた回数が多いもの です。
問い合わせと言えば聞こえはいいですが、寄せられた質問は一歩間違えればクレームの原因になった可能性もあります。
顧客の多くが同じ質問をしているという結果は、その質問が優先度の高い質問であると言えるでしょう。
集めた情報を緊急度の高い度合いでカテゴリー分けをし、その後質問に相当するものを探してもいいかもしれません。
深刻なものからすぐに解決できるものまでをカテゴライズし、頻度の高い問い合わせから順に回答を用意していきましょう。
質問を基に回答を作成する
質問を抽出できたら、それに対応する回答を作成します。
完成したFAQは一覧にし、第三者によるチェックを依頼しましょう。
作成した人がチェックをしてしまうと、「できている」という先入観から見落としや情報の抜けが発生する可能性もあるため、 フラットな視点を持った、FAQ作成に関与していない人物 に依頼するといいでしょう。
完成後は自社サイトやチャットボットに掲載したり、オペレーター向けFAQに登録したりして、実際に運用を開始します。
しかし、FAQは改善が必要となるものであり、一度完成したから終わりではありません。
新たに寄せられるようになった質問を基に新たな回答を作成することはもちろん、既存のサービスや商品に変更が出た場合にも見直しが必要です。
FAQの効果を最大限に高めるには、定期的な見直し体制を作っておくことが理想です。
それぞれのコールセンターで定期的な見直しが図れそうであれば、期日を設定して体制的に見直す文化を作ってもいいでしょう。
コールセンターでFAQを作成する際のポイント
コールセンターでFAQを作成するときには、次の3点が重要です。
- どんな顧客にも伝わる回答を心がける
- オペレーターが使いやすい仕様にする
- FAQの分析や更新を継続しておこなう
FAQはあくまでも、顧客のために作成するものであり、オペレーター側が使いやすいだけでは意味がありません。
オペレーターと顧客、双方が使いやすく、かつ適切な回答を呼び出せる必要があります。
顧客との重要な接点になるものと捉えて、FAQを作成しましょう。
どんな顧客にも伝わる回答を心がける
顧客向けのFAQ作成にあたっては、どんな人でも理解できるようなFAQ作りを心がけましょう。
顧客の属性や知識は人によってまちまちです。
難しい表現や専門用語を避けるなどして、 どんな人でもわかりやすい文章表現 を意識しましょう。
わかりにくいFAQは、顧客の疑問を解決できないことはもちろん、なかなか利用が普及しません。
せっかくFAQを用意しても利用してもらえない状況が続けば、コールセンターへの問い合わせ数も減らせず、現状を改善できません。
第三者に内容を確認してもらうことも有効です。
顧客向けFAQであれば、管理部門など、より顧客の心情に近い人に依頼することで、現実的なフィードバックを得られるかもしれません。
オペレーターが使いやすい仕様にする
オペレーター向けのFAQでは、使い勝手のよさが大切です。
いくらFAQやナレッジを蓄積していても、オペレーターが使いにくい仕様であれば、実務に活かせません。
コールセンターにおいては、迅速な受け答えが必要であるため、 瞬時に情報確認ができることや、必要な情報を容易に探し出せること が求められます。
使い勝手の部分も考慮した上で、運用方法を考えましょう。
また、FAQの文章が冗長である場合も、オペレーターにとっては情報が確認しにくいはず。
実際に業務を担当するスタッフの意見も取り入れながら、使いやすいFAQを模索していくことがおすすめです。
FAQの分析や更新を継続しておこなう
顧客向けFAQであっても、社内向けFAQであっても、情報の更新は欠かせません。
情報の変更や更新があれば修正する、新しい質問があれば追加する、 といった作業は怠らないようにしましょう。定期的にFAQを見直すルーティンを作ることも効果的です。
情報の誤りは、最悪の場合クレームの原因にもなり得ます。
作って公開したという状況に満足せず、常にFAQの使用状況や問い合わせ内容を分析しながら、よりよいFAQ作りを目指しましょう。
コールセンターにおけるFAQの管理方法
FAQの管理方法は、Excelなどを用いて管理する方法と、FAQシステムを導入して管理する方法の2種類があります。
いずれもメリットとデメリットがあるため、自社にあった管理方法で管理しましょう。
Excelなどのデータで管理する
Excelなどで管理すると、誰でも編集しやすいというメリットがあります。
質問と回答を横並びで作成できる 点も強みであり、コールセンターでも規模が小さい場合によく使用されるものです。
しかし、コールセンターの規模が大きくなるとExcelでの管理そのものが難しくなります。
検索機能が高くないため、問い合わせを受けた質問に対する回答を探すのに手間取ってしまう可能性があり、コンテンツそのものの更新がしにくかったり、人によっては使いづらさを覚えたりすることも少なくありません。
規模が大きくなりはじめたら、FAQシステムへの移行を検討しましょう。
なお、ExcelからFAQシステムに移行する場合は、移行が完了するまで破棄せず保存しておきましょう。
FAQシステムを導入する際の貴重な情報源になります。
FAQシステムを利用する
FAQシステムは、 情報にたどり着きやすい仕様に整えられている ため、オペレーターの回答スピードが上がります。
自身で検索をかけながら回答を用意できるため、いちいち電話を保留にして情報を探したり、上長などに確認をとったりする必要もありません。
オペレーターが対応するための手間や労力も減るため、業務効率化やオペレーターの離職の防止にも一役買うでしょう。
ただし、導入にあたっては初期費用が発生します。
また、Excelでの管理と同様、FAQの整理・見直しをおこなっていく必要があることに変わりはありません。
手間は大幅に削減できる可能性が高いため、導入コストさえクリアできれば、ぜひ導入したいシステムです。
おすすめのコールセンター向けFAQシステム
コールセンターの規模が大きくなれば、FAQシステムで管理するほうが効率的であり、オペレーターの業務効率化にも効果的です。
コールセンター業務に適したおすすめのFAQシステムを紹介します。
FAQシステム | 特徴 |
sAI Search | 独自のAI搭載したFAQシステム |
PKSHA | 顧客向け・社内向け、両方に対応するFAQシステム |
sAI Search
引用:sAI Search
sAI Searchは独自AIが搭載されたFAQシステムで、 検索せずともタグを選んでいくだけで回答にたどり着ける 点が特徴です。
手持ちのFAQデータをアップロードするだけで、自動でタグが付与され、FAQが整理されるため、運用開始時の手間もありません。
用途や目的に合わせて使い勝手のよいデザインパッケージを提供しており、コールセンターにも特化したデザインを利用できます。
コールセンター型では、「上司への申し送り」や「スクリプトの表示」など、あると便利な機能が搭載されており、オペレーターの業務を多角的にサポートしてくれる点も魅力です。
顧客ページ型もあるため、コールセンター内だけでなく、顧客向けFAQとしても利用が可能です。
PKSHA
引用:PKSHA
11年連続、国内シェアNo.1を誇るPKSHA。
メガバンクを始めとする800社以上の企業が導入する安心のサービスです。
顧客向け・社内向け、どちらにも利用できるFAQシステムで、マルチサイト作成やAIチャットボット連携も可能。
FAQ以外にも、 業務をサポートするさまざまな機能が搭載されている 点も魅力です。
FAQページは、SEO対策も万全に取られているため、顧客向けページでは、Webサイトの強化にも役立ちます。
電話・メールによるサポートだけでなく、無料トレーニングや専門担当者による運用アドバイスなども充実しており、初めてFAQシステムを導入する企業や、どのように使いこなせばよいのか迷っている企業にもおすすめです。
FAQを上手く活用してコールセンターの運営を効率化しよう
FAQは単体でも効果が高く、顧客満足度を向上させることに貢献します。
整備するまでに時間と労力がかかり、なおかつ保守や管理も必要ではあるものの、コールセンターと組み合わせれば、より高い効果を見込めるでしょう。
Scene Liveでは、 コールセンター業務におけるFAQ作成に効果的なシステム「OSORA」 を提供しています。
全通話録音機能が搭載されているほか、CRMとの連携も可能で、連携することで顧客情報から最適な回答を導き出せます。
クラウド型で、導入コストもリーズナブル。
また、常にアップデートし続けているため、いつでも最新の機能を利用できます。
■合わせてよく読まれている資料
「コールセンターでのデータ活用による営業効率アップノウハウ」も合わせてダウンロードいただけます。