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コラム- COLUMN -

2024.10.16

コールセンターの応対品質とは?管理方法から改善案まで徹底解説

多くのコールセンターでは、応対品質を重視しています。

とはいえ、顔の見えない相手の感情を扱うため、定義があいまいでデータの取得が難しいのも応対品質の特徴です。

「応対品質の向上を目指しているものの、どのような施策があるのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、 コールセンターにおける応対品質を向上させるポイント をわかりやすく解説します。

ぜひ業務改善の参考にしてください。

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コールセンターにおける応対品質とは


そもそも応対品質とは、どのようなものなのでしょうか。
応対品質とは顧客満足度を数値化したものであり、コールセンターにおいて重視すべき指標のひとつです。

応対品質を向上させるポイントを紹介する前に、コールセンターにおける応対品質の役割や重要性について確認しましょう。

コールセンターにおける応対品質の役割

コールセンターにおける応対品質とは、 顧客がコールセンターの応対にどれだけ満足しているかを数値化したもの です。

コールセンターに着信が入ってから、オペレーターが終話するまでのパフォーマンスやクオリティを示します。

応対品質の指標はコールセンターの種別によってもさまざまです。
企業によってはQA(Quality Administrator)と呼ばれる専門の担当者を置いて、応対品質の維持・向上を目指しています。

コールセンターにおける応対品質の重要性

応対品質はコールセンターにおいて、もっとも重要視すべき指標のひとつです。

応対品質の高いコールセンターは、 企業のイメージを向上させ、リピーターやロイヤルカスタマーなどの優良顧客の獲得に貢献 します。

また、応対品質が向上すれば、コールセンター全体の業務の効率化やコスト削減にもつながります。

さまざまな評価方法を使ってデータを取得することで、オペレーターの応対レベル向上だけでなく、評価・指導の質を高める効果も期待できるでしょう。

また、マネージャーや管理者にとっても、センター全体の課題を洗い出す貴重な材料となります。

応対品質の高いコールセンターとは

応対品質の高いコールセンターとは、具体的にどのようなコールセンターを指すのでしょうか。

応対品質の高いコールセンターは、 顧客が電話応対に求めるニーズを十分に満たしています。 

  • コールセンター全体としてのパフォーマンス
  • 個々のオペレーターのクオリティ

上記、両方のニーズを満たすことで、応対品質を高められます。

コールセンター全体に求められる応対品質

コールセンター全体として求められる応対品質には、 電話のつながりやすさや誘導のわかりやすさ が挙げられます。

  • 待ち時間が短くつながりやすい
  • 自動音声や番号入力の階層がシンプル
  • チャットやメールの返事がすぐに返ってくる
  • 人間のオペレーターと話せる経路がわかりやすい
  • オペレーターの応対レベルにあまりムラがない

具体的には、上記のような条件を満たしていれば、応対品質の高いコールセンターといえるでしょう。

オペレーターに求められる応対品質

個々のオペレーターには、 基礎知識やビジネスマナーのほかに、言葉遣いや共感力、傾聴力、提案力 なども求められます。

  • 明るくハキハキと話す
  • 滑舌が良く聞き取りやすい
  • 言葉遣いが丁寧で好感が持てる
  • 商品やサービスに関する十分な知識がある
  • 理解力が高く問題解決が早い
  • 話が簡潔でわかりやすい
  • 専門用語を多用しない
  • 話をさえぎらず親身に聴いてくれる
  • マニュアル頼りでなく柔軟に対応できる

具体的には、上記のような条件を満たすオペレーターが多いほど、応対品質の高いコールセンターといえるでしょう。

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コールセンターの応対品質を向上させるポイント5つ


コールセンターにおける応対品質を向上させるポイントを5つご紹介します。

  • オペレーターの教育・研修
  • オペレーターの業務サポート
  • 評価の導入
  • KGI、KPIの設定
  • システム面の改善

自社の環境に合わせて適切な方法を活用してください。

オペレーターの教育・研修

1つ目のポイントは、 オペレーターの教育や研修を充実させる ことです。

コールセンターを支えているのは一人ひとりのオペレーターです。
個々のオペレーターの質が高まれば、それだけコールセンター全体の応対品質も向上します。

着台前研修、着台判定テスト

コールセンターでオペレーターが実際に着台して顧客の対応をする前には、基礎知識や応対マナーに関する研修が必要です。

着台前の研修を1日~数日で終える企業もあります。
しかし、大手のコールセンターでは半月~1か月程度の研修期間を設け、判定テストに合格するまで着台できない場合もあります。

そこまでのリソースを割く余裕がなくても、 実機を使ったりわかりやすい資料を用意し、できる限り充実した研修を目指しましょう。 

OJT

OJTとは、On the Job Trainingの略で、実際の業務をやりながら知識や技術を身につけていく実地研修です。

コールセンターにおける一般的なOJTは、ベテランのオペレーターが新人の横についてトーク内容をモニタリングしながら、改善点のアドバイスを行います。

OJTは教わる側だけでなく、 教える側の知識や技術のブラッシュアップにもつながり、 コールセンター全体における応対品質の向上も期待できます。

定期的なモニタリング、フォローアップ研修

コールセンターの教育や研修は、オペレーターが着台したら終わりではありません。

チームリーダーが定期的にトーク内容をモニタリングして、良い点を褒めたり、 改善点をアドバイスしたりする ことが大切です。

また、新製品が発売されたりサービス内容が変更されたりした場合には、実機を使ったフォローアップ研修を実施して、知識の定着を図りましょう。

オペレーターの業務サポート

2つ目のポイントは、 オペレーターの業務サポートを充実させる ことです。

オペレーターにとって働きやすい環境を整えれば、応対のモチベーションが高まるため、結果的に顧客満足度や応対品質の改善が見込めます。

フロアを巡回するトレーナーの配置

大規模なコールセンターでは、チーム単位のSVのほかに、 フロアを巡回してオペレーターの応対を補助するトレーナーやサポーター を配置しています。

ある程度、経験を積んだ人材を配置すれば、オペレーターも安心して業務ができるでしょう。

トークスクリプト、FAQの充実

応対内容ごとの詳細なトークスクリプトや、オペレーターが参照できるFAQを充実させることも、応対品質の改善に有効でしょう。

トークスクリプトやFAQは、 現場の声を吸い上げながらつねに改善する ことが重要です。

検証機材、書籍・資料の充実

 検証機材(実機)や書籍、各種資料を充実させて、オペレーターが自ら学ぶ機会を作る のも良い方法です。

また資格手当や書籍購入制度などの福利厚生を用意して、働きやすい環境をつくることもオペレーターのモチベーションアップにつながります。

評価の導入

3つ目のポイントは、 評価の導入 です。

下記のような評価や表彰制度の導入によって、応対品質の向上が期待できます。

モニタリング

 SVや管理者によるモニタリングは、コールセンターにおける代表的な評価方法のひとつです。 

モニタリングには、下記の2つの方式があります。

  • リアルタイムモニタリング
  • 録音モニタリング

通話の前後も含めて状況を把握しやすいのはリアルタイムモニタリングですが、オペレーターのプレッシャーとなる恐れもあります。

オペレーターの性質や環境に応じて、リアルタイムと録音を使い分けるのが良いでしょう。

自己評価

セルフチェックによる自己評価も、応対品質を高める有効な手段のひとつです。

自分の トーク音声をモニタリングしたり、SVの評価とのギャップを埋めたりする ことで、改善点の発見や意識の改革につながります。

お客様アンケート

お客様アンケートは、コールセンターにおける重要な評価指標のひとつです。

ただし、顧客によっては嫌悪感を抱く場合もあるため、無理強いはせず、 なるべくシンプルなアンケートを用意する のが良いでしょう。

ミステリーコール・診断サービス(アセスメント)

リソースが足りず自社での評価が難しい場合には、下記のような外部サービスの力を借りましょう。

  •  一般の顧客を装って電話をかけるミステリーコール(覆面調査) 
  •  専門機関がコールセンターの現状を調査・分析する診断サービス(アセスメント) 

また、個別の顧客へのインタビュー調査やサンプリング調査などを実施する方法もあります。

通話データの分析による定量的評価

コールセンターシステムによる 分析機能を活用して、定量的評価を導入する のもおすすめです。

すべてを自動化するのではなく、一部を自動化したり、手動での評価に役立てたりすることで、SVや管理者の業務負担を減らせます。
例えば、株式会社Scene Liveが提供するList Navigator.には、大量架電機能と、架電結果をステータス別に可視化・振り返りできる機能が搭載されています。

受付突破・担当者接触・クロージングなど、どのステータスにボトルネックが存在しているのかを分析可能で、担当者に合わせた課題の特定と改善につなげられます。

表彰制度の導入

それぞれの 評価をもとにした表彰制度を設ける のも有効でしょう。
特別な物品やインセンティブは必要ありません。

ほかのオペレーターや社員の前で「あなたの○○がすごい」「あなたの優れている点は○○です」と褒められるだけでも、自己肯定感が満たされて、業務へのモチベーションが高まります。

KGI、KPIの設定

4つ目のポイントは、 KGI、KPIの設定 です。

KGIとKPIは近年、マーケティングの現場でよく使われるビジネス用語です。

KGIの設定

KGIとはKey Goal Indicator(重要目標達成指標)の略で、 企業が達成すべき最終目標 を表します。

  • 顧客満足度を○○%改善する
  • 運営コストを○○%削減する
  • 売上高を○○%上昇させる

コールセンターでは、上記のようなKGIを設定することが一般的です。

KPIの設定

KPIとはKey Performance Indicator(重要業績評価指標)の略です。
 KGIを達成するための中間目標として、複数のKPIを設定 します。

具体的な数値目標の達成を目指すことで、業務改善やコスト削減に役立ちます。

  • モニタリング・フィードバック実施率
  • 優良オペレーターの確保率
  • ありがとう率
  • クレーム率
  • 応答率

コールセンターでは、例えば上記のようなKPIを設定できるでしょう。

自社のコールセンターの状況に応じて適切なKPIを設定し、応対品質を向上させましょう。

システム面の改善

5つ目のポイントは、システム面の改善です。

以下で紹介するシステムの導入により、 顧客の満足度やオペレーターの働きやすさが高まり、応対品質が大きく向上する 可能性があります。

IVRの導入

IVR(Interactive Voice Response)は、 コンピューターが自動音声で応答して問い合わせ内容を振り分け、適切なオペレーターにつないでくれるシステム です。

多くのコールセンターや宅配便受付などで導入されています。
IVRについてはIVR(電話自動応答システム)とは?おすすめのツールを紹介で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

AIによる自動化

最近では、AIを使った便利なシステムも登場しています。

従来のIVRでは録音音声を使うのが一般的でしたが、 AIがチャットや音声で自然な応対をしてくれる ため、顧客のストレスを軽減できます。

CTIシステムの導入

これまで紹介したIVRやAIなどを含め、コールセンターに必要な機能をパッケージングしたものがCTIシステムです。

単独の機能を導入するより、より大きな効果が期待できます。

CTIシステムを導入する場合には、 自社のコールセンターの目的にあった製品を選ぶのがポイント です。

Scene Liveでも、アウトバウンド向けの「List Navigator.」、インバウンド向けの「OSORA」と、それぞれの業務に最適化されたコールセンターシステムを提供しています。

導入してから後悔することのないよう、「自社に必要な機能が搭載されているか?」「自社のコールセンターの規模とコストが見合っているか?」などをじっくりと検討しましょう。

CTIについてはCTIとは?システムの仕組みと導入のメリットで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

適切なシステムでコールセンターの応対品質を向上させよう


本記事で紹介したように、コールセンターの応対品質を向上させるには、さまざまな方法があります。

「どの方法が適切か?」は企業ごとの環境やニーズによっても変わります。

まずは、 自社のニーズをコールセンター運営に精通した専門家に相談する のが良いのではないでしょうか。

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株式会社Scene Live マーケティング部

Written by株式会社Scene Live
編集部

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