2024.09.19
後追い営業を成功させるコツは?電話とツールを併用して効率的に
「どうせ断られる」「邪険にされる」という恐れや罪悪感から、後追い営業を苦手とする営業担当者は多いでしょう。
顧客の中にも後追い営業を嫌う人は少なくありません。
しかし、逆に考えると一度の商談で重要な決断ができるでしょうか。
顧客に情報を提供し、 納得してもらった上で成約に至るためには後追い営業が必要です 。
本記事では、効果的に後追い営業を行う方法や押さえるべきポイント、有効に活用できるツールなどを紹介します。
ぜひ読んで、後追い営業へのイメージを一新してください。
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目次
後追い営業とは
後追い営業とは、 顧客との商談後にフォローを行うことです 。
商談の場では、すぐに営業の結果が出ないことも多くあります。
顧客が商談の内容を検討し忘れてしまったり、他社と契約してしまったりする場合もあるでしょう。
確実に成果につなげるためには、後追い営業が重要です。
後追い営業の方法には、電話やメール、訪問などがあります。
「電話で簡潔に話したい」「いつでも読めるメールがいい」「不明点を対面でじっくり聞きたい」など、方法に対する考え方は顧客によって異なります。
顧客の考えや都合にあわせた方法で、効果的・効率的な後追い営業を行いましょう。
後追い営業が苦手な社員は多い
後追い営業に前向きなイメージを持たない営業担当者は多くいます。
1回目の商談で感触が悪かった場合には「どうせ断られるのではないか」と思ってしまうでしょう。
「商談で説明したのに、何度も営業を行うと邪険にされるのではないか」と恐れを抱くこともあります。
もし 断られそうな雰囲気があったり、意味がないと感じていたりすれば、後追い営業に苦手意識を持つことも無理のないことです 。
顧客にも後追い営業は嫌われる?
検討しているところなのにしつこく決断を迫られると、誰でも嫌になってしまうものです。
進展がないのに何度も時間を取られる場合も、顧客もわずらわしく思うでしょう。
しかし、これらは後追い営業の方法として適切ではありません。
顧客に 嫌われない方法で、後追い営業を行う必要があります 。
後追い営業が必要な理由4つ
「自分も気が進まないし、顧客にも嫌がられる」と、後追い営業に前向きに取り組めない人も多いでしょう。
しかし、 後追い営業を行わないことのリスクも多くあります 。
なぜ後追い営業が必要なのか、具体的に見ていきましょう。
1回の商談では成約につながらないことが多いため
1回の商談ですぐに成約となることは少ないものです。
多くの会社は、「一旦持ち帰って検討します」と答えるでしょう。
しかし、商談を終えた時点では前向きに検討するつもりでも、時間が経つにつれて「やっぱりいらないかな」という気持ちも出てくるかもしれません。
顧客の案件に対するモチベーションを保ったまま決断につなげるには、後追い営業を行って興味を持ち続けてもらうことが重要です。
成約につなげられなければ、せっかく行った商談も無駄になってしまいます。
たった 1回の商談に賭けるのではなく、後追い営業でフォローして成約につなげましょう 。
決断は先延ばしになりがちなため
顧客が複数の会社から営業を受けていれば、どこかと契約したら他は断らなければなりません。
顧客は、断る理由を聞かれたり、「そこを何とか」としつこく粘られたりするかもしれないと考えるでしょう。
決断後に考えられるこのような 面倒さから、決断を先延ばしにしている場合も多くあります 。
先に他社と契約される可能性があるため
顧客が他社との契約を選ぶことも十分に考えられます。
商品やサービスの内容が重要なのはもちろんですが、営業担当者の細やかなフォローが成約につながる場合もあります。
「親身になって話を聞いてくれた」「思わぬ課題に気付いて提案してくれた」と思ってもらえれば、信頼を得られるでしょう。
営業担当者が 早めのアクションを取ることで、他社と差を付けましょう 。
つながりを持ち続けることが重要なため
成約の獲得は後追い営業をする目的の一つですが、ほかにも目的はあります。
商談で情報を得た上で有益な情報を提供したり、困りごとを共有したりする中で、継続的な関係を築くことも、後追い営業をする目的の一つです。
成約という短期的なゴールだけでなく、 「何かあったら頼ってもらえる存在になる」という長期的な目的も見据えて後追い営業を行う必要があります 。
つながりを持ち続けることで信頼関係を構築し、顧客にニーズが発生したら最初に声をかけてもらえる存在を目指しましょう。
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後追い営業が失敗に終わりやすい3つのケース
後追い営業が失敗に終わるのは、以下のケースが考えられます。
- 進捗の確認のみで終わってしまう
- 顧客にストレスを与えてしまう
- 後追い営業に対して罪悪感を抱いてしまう
上記の3つは、 適切な後追い営業を行えていないケースと言えます 。
なぜ適切でないのか、詳しく見ていきましょう。
進捗の確認のみで終わってしまう
後追い営業が進捗の確認に終始してしまえば、話が前に進まず成約に至らないことが多いです。
商談で情報を得る一方で、顧客の方でも情報を収集しているでしょう。
その中で、疑問や不安がなくならない場合は、成約に至ることは難しいです。
後追い営業は 顧客に追加の情報を伝えて疑問や不安を解消するチャンス です。
しかし、進捗の報告のみで終わってしまえばチャンスを活かせません。
顧客にストレスを与えてしまう
進捗の確認をしつこく行うと、顧客にとってストレスやプレッシャーとなります。
自社は契約したくても、 顧客にとっては優先度が低い、契約するタイミングではないと思っているかもしれません 。
必要がないのにもかかわらずゴリ押しで営業されれば、顧客の心は離れるでしょう。
そうなると、「またせかされる」と、営業と会ったり連絡を取ったりすることが億劫になります。
結果的に断られたり、疎遠になって話が自然消滅したりすることもあるでしょう。
後追い営業に対して罪悪感を抱いてしまう
「顧客が嫌がるのではないか」「自分のために時間を使わせて申し訳ない」と感じている営業担当者もいるでしょう。
後追い営業に罪悪感を持ち、前向きになれないことも失敗する要因の一つです。
後追い営業の必要性を理解していても、気持ちを切り替えられないこともあるでしょう。
担当者が「成約の見込みがない」と思っている場合は、罪悪感を抱きやすくなります。
しかし、一度商談を行って感触が良くなかったからと言って、見込みがないと判断するのは時期尚早でしょう。
顧客にとっては、1回の商談で重要な決断を下すことはリスクが大きいものです。
そのリスクを小さくするために必要なのが、後追い営業です。
「どうせ成約にならないのに、時間を使わせて申し訳ない」と思うのではなく、 「顧客の役に立つために行っているのだ」と前向きな気持ちで取り組めるといいでしょう 。
後追い営業を成功に導く5つのコツを押さえよう
うまく後追い営業を行うにはコツがあります。
- 顧客にとって役立つ存在になる
- 判断するための材料を顧客に提供する
- 期限やスケジュールを伝える
- 断られた場合を想定しておく
- 顧客のストレスとならないコミュニケーションをする
これらは 顧客のことを考え、確実に判断してもらうために必要なことです 。
断られた場合のフォローまで考えておくと安心して後追い営業に臨めるでしょう。
顧客にとって役に立つ存在になる
ひととおり商談を終えて「後はこちらで考えます」と答える顧客もいるでしょう。
それにもかかわらず進捗確認のみを続けていれば、わずらわしく思われるのも無理はありません。
疎まれない後追い営業をするには、 顧客にとってコミュニケーションを行うメリットのある存在になる ことです。
例えば、以下のようなアクションがあります。
- 顧客が知りたいと思われる情報やデータをリサーチし、資料にして渡す
- 顧客の課題を解決するための新たなアイディアを提供する
顧客の役に立てる存在になれれば、信頼関係を構築できます。
困ったときに頼られることや、相談されることも出てくるでしょう。
「売りたい」という気持ちより、「顧客の課題を解決したい」というマインドで取り組むことが大切です。
判断するための材料を顧客に提供する
顧客が決断に至らないことには、疑問や不安が解消されていない、他社の話を聞いてみたいなどの理由があります。
知識が偏った状態で決断することにはリスクが伴います。
顧客は営業から聞く話だけでなく、具体的で客観的なデータも知りたいでしょう。
決断を行うにはさまざまな情報が揃わないと難しいと考えられます。
顧客に決断してもらうためには、せかすのではなく、決断に必要な材料の提供が大切です。
不明点や疑問があるようなら、追加の説明や紹介を行いましょう。
顧客が迷っているようなら、理由をヒアリングしてみるといいでしょう。
決断のために 必要としている情報を把握したら、それを補うような行動が必要です 。
期限やスケジュールを伝える
営業が「今日決めてほしい」と思っていても、顧客は「ゆっくり考えればいい」と思っているかもしれません。
営業はいつまでに決めてほしいのか、顧客はいつまでに決めるつもりなのか、期限やスケジュールの認識を共有することが大切です。
商談の内容はずっと有効なわけではなく、期限を過ぎると無効になってしまうこともあるでしょう。
商品やサービスによっては、時期が経つと効果がなくなるものもあります。
顧客の役に立つ機会を逃すことになるかもしれません。
ときには 顧客の背中を押すためにも、期限の設定が必要です 。
断られた場合を想定しておく
断られた場合の受け答えを考えておくと、何も準備せず臨むよりは安心して後追い営業ができます。
後追い営業の前に顧客とのやり取りをシミュレーションしておきましょう。
「こう言われたらこう切り返す」という内容を考えておくことをおすすめします。
別の方向や切り口から提案してみることも一つの方法です。
「断られて当たり前」というマインドを持つことも効果的です。
もし 今回断られても、接触を続けて信頼関係ができれば、困ったときに頼ってくれるかもしれません 。
「またお役に立てる情報があれば提供させてほしい」という旨を一言伝えておくといいでしょう。
今回の結果がすべてではなく、長期的に考えて後追い営業がプラスになると認識することが大切です。
客のストレスとならないコミュニケーションをする
しつこく状況を確認するのは、顧客のストレスにしかなりません。
商品やサービスの話ばかりしていては、顧客に「この人は売上や成約のことばかりだな」と思われるでしょう。
ビジネスに関する話から世間話まで 幅広い内容をカバーして、雑談を楽しめるようになるといいでしょう 。
雑談の中から思わぬニーズが見つかることも考えられます。
信頼関係を築いたうえで、話していると楽しい、ついつい本音を話したくなるというような存在を目指しましょう。
電話で後追い営業を行う際のポイント6選
電話はすぐに相手の反応を得られ、話を前進させやすいツールです。
顧客の 疑問や不安を拾いやすく、後追い営業にも役立ちます 。
ここでは、電話で後追い営業を行うために必要な、以下のポイントを紹介します。
- トークスクリプトを作る
- 顧客の反応を想定して準備しておく
- 有益な情報を提供し続ける
- 幅広いビジネス知識を身に付ける
- 無駄なく簡潔に話す
- PDCAサイクルを回して今後に活かす
トークスクリプトを作る
電話で後追い営業をする場合は、事前に話す内容やヒアリング事項をリストアップし、話の流れを考えてトークスクリプトを作っておくといいでしょう。
商談の際に答えられなかったことや新たな情報などを盛り込みます。
しかし、実際の通話はトークスクリプト通りに進む方が少ないでしょう。
流れをきっちり決めてしまうのではなく、 ざっくりとした流れや必ず話したい内容を押さえるにとどめるのが作成のコツです 。
通話では不自然に流れを切ったり一方的に話したりせず、顧客との臨機応変な対話を心掛けましょう。
顧客の反応を想定して準備しておく
顧客から質問されそうなことや、迷っていそうな点を想定し、回答を準備しておきましょう。
しかし、どれほど準備をしていても、顧客から想定していなかった質問を投げかけられることも十分考えられます。
質問にすぐ答えるために必要な資料や情報を手元に準備しておくことも大切です。
即座に 疑問や不安が解決されることで、話が前に進みやすくなるでしょう 。
有益な情報を提供し続ける
売りたいという自社の都合を押し付けず、顧客にとって有益な情報を提供することが大切です。
そのためには、顧客への理解やビジネス知識を身に付けておくことが必要です。
有益な情報を提供し続ければ、電話のときに顧客も身構えず、「どんな情報があるのか」と前向きな姿勢で電話に応じてくれるでしょう。
そして、「実はこんなことで悩んでいる」と悩みを打ち明けてくれるかもしれません。
困りごとがあったときに 「あの人なら何か知っているかも」と頼ってもらえるようになるでしょう 。
幅広いビジネス知識を身に付ける
売りたい商品やサービスがカバーしていない課題に気付くこともあるでしょう。
幅広いビジネス知識があると、その課題をどのようにカバーすればいいかがわかります。
他の自社商品やサービスに結び付けられる場合もあるかもしれません。
顧客の 何気ない一言やお悩みにすぐに対応できるよう、日頃から幅広いビジネス知識を身に付けておくといいでしょう 。
無駄なく簡潔に話す
電話での営業では、要点を簡潔にわかりやすく伝えることが大切です。
顧客は忙しい中で電話を取ってくれたのかもしれません。
相手の状況がわからないからこそ、 相手の時間を奪わない意識が大切です 。
話のわかりやすさは、信頼につながることもあります。
回りくどい話し方は、顧客に「何が言いたいのかわからない」「何かを隠して契約させようとしている」という気持ちを抱かせかねません。
何の件で電話したのか、要点は何か、無駄なく話しましょう。
PDCAサイクルを回して今後に活かす
電話での後追い営業を行っていると、顧客について多くの情報を得られるため、より深く顧客を理解できます。
また、よくある話の流れや多くの顧客が共通して抱く疑問などわかってくるでしょう。
通話で得た情報や知見を活かして、PDCAサイクルを回すことが大切です。
次回の後追い営業や他社への営業に活かしましょう。
そうすることで、 個々の顧客との信頼関係が深くなり、全体的な営業の質も上がるでしょう 。
効率的に電話で後追い営業をするならツールも活用しよう
電話と相性のいいツールは多く、後追い営業でも有効活用できます。
ここでは、後追い営業に役立つ3つのツールを詳しく紹介します。
- CRM(顧客関係管理機能)
- SFA(営業支援システム)
- CTIの顧客管理機能
CRM(顧客関係管理機能)
CRMとは、 顧客の情報や自社との関係性を蓄積できるツール です。
顧客の名称や氏名、住所や業種などの基本情報のほか、商品の購入や問い合わせ内容の履歴も一元管理できます。
細やかなカスタマーサポートや、顧客の傾向を反映したマーケティングに活かせます。
それぞれの顧客に関する情報を細やかに記録できるため、相手の立場に立った対応ができるでしょう。
多くの顧客が持つニーズや疑問点を蓄積して、新たな商品・サービスの開発やキャンペーンの企画、ホームページでの情報提供などもできます。
SFA(営業支援システム)
SFAとは、 顧客との関係性を商談やプロジェクトごとに管理できるツール です。
顧客に関する情報を扱う点でCRMと似ていますが、SFAは営業活動に特化したツールです。
顧客に関する基本情報のほか、商談の内容や案件の進捗状況、見積の内容などを共有できます。
それぞれの顧客に合った提案に活かしたり、より効率的・効果的な営業プロセスに改善したりできるでしょう。
CTIの顧客管理機能
CTIとは電話とコンピューターを結び付けるツールで、電話での後追い営業のほか、コールセンターでもよく使われます。
通話で得た 情報をリアルタイムで登録・反映できます 。
トークスクリプトを作成できるCTIもあるため、後追い営業に有効活用できるでしょう。
CRMやSFAと連携できるものを選べば、より便利に使えます。
電話やツールを使ってポイントを押さえた後追い営業を
敬遠されがちな後追い営業ですが、ポイントを押さえることで顧客の役に立て、営業の担当者も前向きに取り組めるでしょう。
後追い営業を行うには、顧客を第一に考えたアクションが必要です。
成約の獲得だけでなく、 長期的に良い付き合いができるよう、後追い営業に力を入れていきましょう 。
電話を使った営業には、CTIが便利です。
その中でもおすすめなのがList Navigator.です。
顧客の情報を確認し、そのままパソコン上からワンクリックで発信できるため、忙しい営業担当者も効率的に架電できます。
複数の顧客へ同時に発信することや、自動発信も可能です。
プロジェクトごとのヒアリング項目の管理やCRMとの連携にも対応しています。
ぜひ自社に合ったツールを活用して、効率的な後追い営業を行いましょう。
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