2024.07.27
テストクロージングとは?例文・やり方・有効なタイミングを解説
契約締結までに営業担当者が行うプロセスに、「テストクロージング」があります。
「テストクロージング」とは、 商談の途中で相手に契約(購入)の意思確認を行うこと です。
営業においてテストクロージングは重要なプロセスであり、適切に実施しなければ、どれだけ見込みのある顧客でも断られる恐れがあります。
しかし、テストクロージングで何をすればいいかわからない営業担当もいるのではないでしょうか。
テストクロージングのやり方がわからないままだと、成約率の向上は困難です。
本記事では、テストクロージングの重要性や効果、やり方とトーク例を解説します。
テストクロージングのノウハウをマスターすれば、成約率の向上も期待できるでしょう。
加えて、テレアポ・対面に限らず、営業全般に役立つ知識も解説します。
テストクロージングで苦戦している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
テストクロージングとは
クロージングが契約締結に移るための意思決定を行うプロセスである一方、テストクロージングは顧客に契約締結の意思確認をするプロセスを指します。
名前が長いため、場合によっては「テスクロ」と略されることもあります。
クロージングは失敗すると相手との信頼関係が崩れるリスクのあるプロセスです。
例えば、営業でクロージングを実施する際に無理に意思決定を迫れば、顧客との関係が悪化し断られるリスクが高まるでしょう。
一方でクロージングが不十分だと顧客が契約締結を決断できず、競合他社に乗り換えられる可能性もあります。
購入の判断を急かさず、かつ顧客との関係を壊さないためにも、テストクロージングを通じてこまめな意思確認を行わなければなりません。
つまり、テストクロージングは 顧客との関係性を良好に保ちつつ、契約締結へスムーズに進むための重要なプロセスです。
営業におけるテストクロージングの重要性
テストクロージングを実施すれば、成約の可能性を判断できます。
例えば、テレアポをかけている顧客にテストクロージングを実施すれば、今後の営業を継続するか判断できます。
見込みが薄い顧客なら、購入意欲が高い別の見込み顧客への営業に切り替えるなど、 確実性の高い営業活動が実現するでしょう。
このように、テストクロージングは相手の購入意思をくみ取り、その後のアプローチの変更を判断するうえで役立てられます。
見込みの薄い顧客にアプローチをかけても、契約締結が実現できないどころか、クレームの原因になりかねません。
また、テストクロージングを徹底すれば、オペレーターが見込みの薄い顧客から撤退しやすくなり、見込み顧客に営業をかける余裕を持ちやすくなります。
着実に成果を上げる効率的なテレアポを実践するうえでも、テストクロージングは役立つでしょう。
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テストクロージングがもたらす効果
テストクロージングには以下のような効果が期待できます。
- 見込み客の確度を判断する材料になる
- 購入意欲の高い顧客への営業活動に注力できるようになります。
- 顧客の購買意欲を高められる
- 購入後のイメージを持たせ、商品・サービスに対する購入意欲を高められます。
- クロージングの材料になる
- 購入意欲の高い状態で顧客の意思を確認し、スムーズにクロージングに移行できる点もメリットです。
テストクロージングはクロージングの前段階ですが、契約締結を決定づける機会でもあります。
なお、顧客の立場に立つと、テストクロージングは提案された商品・サービスについてより詳しく把握できるうえに、 不安や心配を解消できるきっかけになるフェーズです。
顧客にとってもメリットがあるフェーズのため、テストクロージングは適切に実践する必要があります。
テストクロージングが有効な営業
テストクロージングは重要ですが、 すべての営業活動において有効というわけではありません。
シチュエーションによっては、テストクロージングの効果がない場合があります。
例として、以下のケースであればテストクロージングが効果を発揮しますが、それ以外では実感できない場面もあるので注意しましょう。
- BtoC営業
- BtoBの中でも決裁権を持つ代表との商談
- テレアポのような即決してもらうような商品・サービスの営業
テストクロージングは、個人が相手のBtoC営業や、決裁権のある代表者への営業のような、個人が購入の意思決定を行う場面で有効な手法です。
とりわけテレアポのような対個人の営業であれば、テストクロージングは不可欠です。
しかし、複数担当者がいるBtoB営業では、 まとまりかけた商談でも社内会議で検討されてしまうため 、テストクロージングの効果が発揮されません。
テレアポの際は顧客が置かれているシチュエーションをチェックし、テストクロージングをすべきか必ず検討しましょう。
テストクロージングを行う有効なタイミング
テストクロージングは適切なタイミングで実行すれば、より高い効果を発揮します。
テストクロージングを行うべきタイミングは、以下の3つです。
- 商品・サービスの提案前後
- 金額を提示する前
- クロージングする前
上記のタイミングでテストクロージングを実施すれば、相手の購入意思や商品・サービスに対する印象をスムーズに確認できます。
顧客によっては、 いずれかのタイミングで1~2回テストクロージングを実行するだけでも十分効果がある でしょう。
それぞれのタイミングのポイントについて、順番に解説します。
商品・サービスの提案前後
顧客への商品・サービスの提案前後は、テストクロージングを実施するうえで有効なタイミングです。
商品・サービスの提案前であれば、あらかじめテストクロージングを実行すれば顧客の購入意思や、商品・サービスを購入するうえでの条件を確認できます。
顧客の意思を確認した状態であれば、提案する際のシナリオを微調整しやすくなり、 より相手のニーズに合わせた提案が可能です。
加えて、顧客の条件を網羅した提案を実現すれば、同意を得られやすくなり、商談がスムーズに進みます。
また、商品・サービスの提案後のテストクロージングは顧客の疑問や懸念を把握するうえで有効です。
テストクロージングを通じ、商品・サービスに対する印象を確認すれば、顧客が購入に際して求める条件に対処しやすくなります。
顧客の疑問や懸念を把握しているなら、交渉の過程で条件のすり合わせが円滑になるため、契約締結を実現する可能性が高まるでしょう。
なお、商品・サービスの提案前後に実施するテストクロージングは、あくまで顧客の条件の確認を目的とするものです。
無理に購入を確定させるようなトークをすると、かえって顧客の心証を悪化させかねません。
提案前後のテストクロージングは、あくまで今後の交渉をスムーズにするための布石だと捉えましょう。
金額を提示する前
金額を提示する前のテストクロージングは、顧客に商品・サービスの金額に納得してもらうために実施されるものです。
いかに提案する商品・サービスが魅力的でも、顧客は金額面で納得できなければ購入を決断できません。
そのため、金額を提示する前に顧客にテストクロージングを行い、金額面に対する印象を確認しましょう。
もし顧客が金額面でちゅうちょしているなら、 業界の相場を提示し、相場を共有したうえで商品・サービスの金額を提示すれば 、印象が変わる可能性があります。
クロージングする前
クロージングする前のテストクロージングは、契約締結をする前の意思確認を行う重要なフェーズです。
クロージングは契約締結に向けた意思決定を促すフェーズですが、顧客によっては契約締結直前まで商品・サービスへの疑問や懸念が解消されていない場合があります。
そもそも疑問や懸念が解消されていない状態だと、クロージングをかけても顧客が決断できず、契約締結が難しくなります。
もし契約締結を実現できたとしても、 疑問や懸念が放置されているとクレームやトラブルの原因になりかねません。
そのため、クロージング前のテストクロージングは、顧客の疑問や懸念の解消を目指します。
顧客がまだ商品・サービスへの疑問や懸念を抱いていたら、先方の質問に答えたり、あらためて商品・サービスの魅力を伝えたりしましょう。
疑問や懸念の解消に成功すれば、顧客が商品・サービスの内容に納得でき、契約締結をスムーズに実現できます。
他方で、交渉がクロージングの段階に入ると成約の可能性が見えてくるため、オペレーターによっては焦って契約締結にこじつけようとする場合もあるでしょう。
しかし、顧客の合意がない状態で無理に契約締結を実現すると、最終的に契約が短期間で決裂する恐れがあります。
必ずテストクロージングを実施し、着実に顧客から合意を得ましょう。
テストクロージングのやり方・例文付
本章では、以下のようなタイミング別に、例文を交えながらテストクロージングのやり方を解説します。
- 提案前におけるテストクロージングのやり方
- 提案後におけるテストクロージングのやり方
- 金額を提示する前にテストクロージングを実施する方法
- クロージング前にテストクロージングを実施する方法
テストクロージングは顧客の意思確認を行うフェーズですが、 実施するタイミングによってトークの構成は異なります。
テストクロージングを切り出すタイミングや顧客の様子を見ながら、適切に使い分けましょう。
提案前におけるテストクロージングのやり方
商品・サービスを提案する前のテストクロージングは、顧客との認識のすり合わせや、営業に対する警戒心の解消を重視してトークを構築しましょう。
提案前のテストクロージングは以下のようなトークが有効です。
例1「これから商品の説明をさせていただきますが、ご興味はありますか?」
例2「本格的な説明に入る前に、ご不明な点やご心配な点はありますか?」
いきなり購入の可否を問いただすのではなく、 先方が説明を受けるうえで感じていることにアプローチするトーク であれば、顧客の条件を確かめられます。
提案前にテストクロージングを成功させれば、顧客の営業への警戒心を解き、話を聞いてもらいやすい状態にできるでしょう。
また、疑問や懸念にある程度アプローチしておけば、提案内容を顧客のニーズに合わせた形に構築しやすくなります。
提案後におけるテストクロージングのやり方
商品・サービスの提案後のテストクロージングでは、顧客の疑問や懸念の確認が重要です。
提案後のテストクロージングでは、以下のようなトークを実践しましょう。
例1「以上で商品の説明を終了しますが、現時点でもご購入されたいと思われますか?」
例2「ご購入に際して、ご心配な点やご不安な点がありますか?」
顧客によっては、疑問や懸念を抱いていたとしても、自分から話さなかったり、うまく説明できなかったりする場合があります。
そのため、顧客が自主的に疑問や懸念を共有できるように、オペレーターからエスコートしましょう。
提案後のテストクロージングで顧客の疑問や懸念を確認すれば、 2回目以降の提案で解消する機会が得られます。
ていねいに疑問や懸念を解消すれば、クロージングまでスムーズに進められるでしょう。
金額を提示する前にテストクロージングを実施する方法
金額を提示する前のテストクロージングは、顧客の金額に対する印象を確認するフェーズです。
以下のようなトークであれば、顧客の金額に対する印象をチェックできます。
例1「もし条件がすべて整えば、購入したいと思われますか?」
例2「価格に対するご印象はいかがですか?」
提案した商品・サービスの価格に、顧客があまりよい印象を持っていない場合は、業界の相場や機能に対する妥当性を伝えましょう。
金額はネックになりやすいポイントであるため、顧客の予算を確認しながら、妥当な金額で提案してください。
なお、顧客によっては価格以外の要素で契約締結をためらっている可能性もあります。
もし顧客が金額面以外の疑問や懸念を持っているようなら、 あらためて商品・サービスの魅力を伝えるアプローチを実践しましょう。
クロージングする前にテストクロージングを実施する方法
クロージングを実践する前のテストクロージングは、相手の購入意思の最終確認にあたるフェーズです。
顧客の疑問や懸念を捉えるために、以下のようなトークを実践しましょう。
例1「契約締結にあたって、最後にご確認されたいことはありますか?」
例2「ご質問やご確認されたいことがなければ、ご契約に関するお話を進めてもよろしいでしょうか?」
クロージング時点で顧客の疑問や懸念が残っていると、契約締結の同意を得られない可能性が高まります。
また、オペレーターが契約締結を急いでいるそぶりを見せると、顧客から不信感を持たれるでしょう。
そのため、オペレーターはクロージング前であるからこそ、 冷静に顧客の真意に触れなければなりません。
顧客が納得して購入意思を提示できるように、疑問や懸念を入念に解消しましょう。
テストクロージングを行う際のポイント
本章ではテストクロージングを行う際のポイントを、3つ説明します。
以下の3点をしっかりと落とし込み、成約率アップにつなげましょう。
- テストクロージングを行う意味を理解する
- テストクロージングのポイントを押さえる
- 営業感を出さない
本章で紹介するポイントはテストクロージングだけでなく、 テレアポ全般にも役立てられるものです。
自身の営業を見直すきっかけにもなるので、ぜひ参考にしてください。
テストクロージングを行う意味を理解する
そもそもテストクロージングは、ただの意思確認ではありません。
テストクロージングは顧客から小さな「YES」、 つまり商品・サービスの購入意思につながる同意を獲得するための作業です。
いきなりオペレーターが目指すゴールを見せても、相手からすれば押し売りされた印象しか残らないため、契約に結び付かないでしょう。
オペレーターにとってテストクロージングは地道な確認作業ですが、その積み重ねのうえにクロージングがあります。
確実にクロージングを成功させるためにも、テストクロージングの意味を明確に理解しましょう。
テストクロージングのポイントを押さえる
テストクロージングは適切なタイミングで見込み顧客に意思を確認する作業です。
シチュエーションに応じた適切な質問をするためには、テストクロージングのポイントを押さえなければなりません。
テストクロージングを実施するなら、 顧客の疑問や懸念を着実に引き出す質問を考えましょう。
商品・サービスへの疑問や懸念が残った状態でクロージングに向かっても、見込み顧客は決断できません。
もし顧客が決断せず、社内に持ち帰ってしまうと、うまくクロージングに持ち込めないでしょう。
そのため、ポイントを押さえた質問とタイミングを意識し、顧客が決断しやすい流れを作る必要があります。
営業感を出さない
テストクロージングでは営業感を出さないことも重要です。
テストクロージングは契約締結のための意思確認ですが、それだけで商談が成立したわけではありません。
「見込みがある」と早合点し、営業感を出して畳みかけてしまうと、相手の心証を悪化させる恐れがあります。
無理に決断を迫らずとも、相手の疑問や懸念を解消しているなら、 適切なタイミングで必要最低限のテストクロージングを実施するだけで十分です。
商品・サービスへの顧客の興味を維持できているなら、契約締結に進めるでしょう。
テストクロージングは適切なタイミングで実施し営業を円滑に進めよう
テストクロージング自体は、直接的に商談成立に結び付くものではありません。
テストクロージングは契約締結を実現するための前段階であり、顧客の購入意思を確認し、 今後の営業の道筋を定めるうえで役立つものです。
しかし、テストクロージングは適切なタイミングで実施しなければ効果を発揮しないうえに、顧客の疑問や懸念を解消していなければ成功しません。
交渉の過程で最適なタイミングを計りつつ、顧客の購入意欲が高まるように商品・サービスの説明や質問への対応を徹底しましょう。
顧客の不安要素を解消すれば、テストクロージングはより効果を発揮します。
テストクロージングは営業全般に役立ちますが、特にテレアポのような決裁権のある対個人の営業で有効です。
テレアポの際には、ぜひテストクロージングを実施してください。
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