2024.10.16
コールセンターのCPHとは?重要性や改善するためのポイントを解説
コールセンター運営における重要な指標の1つにCPHがあります。
CPHとは「オペレーター1人が1時間あたりに対応したコール数」のことです。
本記事では、 コールセンターにおけるCPHの計算方法や重要性、改善するポイント も紹介します。
コールセンターの品質向上を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
コールセンターのCPHとは
CPHとは Call Per Hourの頭文字をとった言葉で、オペレーター1人が1時間あたりに対応したコール数 のことです。
CPHの数値が大きいほど効率的な運用ができていることを示しており、CPHからはオペレーターの能力や評価、コールセンター全体の生産性の高さがわかります。
CPHは主に受電による顧客対応についての指標となるので、コールセンターの中でもインバウンド業務がメインの場合に役立つ指標です。
なお、インバウンド業務が中心なら、 インバウンド業務に特化したツールの導入が必須 でしょう。
おすすめのCTIツールについては「CTIツールのおすすめ10選!選定ポイントもあわせて解説」を参考にしてください。
CPHの計算方法
CPHはオペレーター1人が1時間あたりに対応したコール数なので、 オペレーターが1日に対応した件数を稼働時間で割る ことで算出できます。
例えば、1日の稼働時間が8時間で、その中で100件対応した場合の計算式は次の通りです。
CPH=100÷8=12.5件
1時間あたり12.5件の対応をしたことを表します。
また、 CPHはオペレーターごとではなくコールセンター全体についても算出可能 です。
コールセンター全体のCPHは、1日の合計対応件数を稼働時間で割ったあと、稼働しているオペレーターの人数で割って算出します。
稼働時間が1日8時間、オペレーター計5名で合計1,000件対応した場合の計算式は次の通りです。
1,000÷8=125件(全体)
125÷5=25件(1人あたり)
オペレーター1人につき1時間あたり25件対応したことを表します。
CPHは、コールセンター全体について算出して平均を把握すると、平均数値をもとにオペレーターごとの業務効率の良し悪しを判断できます。
CPHとしてカウントされるコールセンター業務
CPHとしてカウントされるコールセンター業務は、主に次の3つです。
- 顧客からの受電
- 電話による顧客対応
- 対応後の作業
1時間あたりの対応件数といっても、 電話対応だけに注目するわけではありません。
対応後の作業まで含めて算出することで、よりコールセンター業務の効率化につなげやすくなるでしょう。
CPHを改善する重要性
CPHを改善する重要性は、 コールセンター全体の品質向上 にあります。
CPHはオペレーター1人あたりの対応件数です。
CPHが低いということは対応できている件数が少ない、つまり業務効率が悪いことを意味します。
もちろん、顧客の要望をかなえるために対応時間が長くなってしまうこともあるでしょう。
とはいえ、対応時間は少なからず短縮できる可能性があり、1人あたりの業務効率が悪ければ、その分コールセンターに電話がつながりにくくなります。
電話がつながりにくい印象を与えてしまえば、顧客満足度が低下しかねません。
CPHを把握し改善することは、コールセンター全体の品質向上のために重要です。
CPH以外のコールセンターにおいて重要なKPI
重要業績評価指標という意味で、目標達成の度合いを計測するために設定する定量的な指標であるKPI(Key Performance Indicator)という言葉があります。
CPH以外にコールセンターで重要なKPIを4つ紹介します。
- ATT(Average Talk Time)
- ACW(After Call Work)
- AHT(Average Handling Time)
- 稼働率
ATT(Average Talk Time)
ATT(Average Talk Time)とは、 1コールを処理するのに必要な平均通話時間 のことです。
オペレーターの対応時間を合算し、全体の対応件数で割ると算出できます。
例えば、あるオペレーターの対応件数が5件、それぞれの対応時間が30秒・120秒・40秒・20秒だった場合の計算式は次の通りです。
ATT=(30+120+50+40+20)÷5=52秒
上記の場合、オペレーターの平均通話時間が52秒ということがわかります。
ATTは、短ければよいものでも、長くすればよいものでもありません。
もちろん1件あたりの対応時間が短いほど対応件数を増やせますが、対応内容に対して適切な時間であることが重要です。
あくまでも 顧客のニーズを満たすために必要な時間かどうか 確認する必要があります。
そのため、ATTは指標として単体で利用せず、ほかのKPIや実際の対応内容とあわせてチェックするとよいでしょう。
ACW(After Call Work)
ACW(After Call Work)とは、 対応終了後に行っている作業時間 のことです。
オペレーターの作業時間を合算し、対応件数で割ることで算出できます。
あるオペレーターの対応件数が5件、それぞれの対応終了後に行った作業時間が30秒・120秒・50秒・40秒・20秒だった場合、ACWの計算式は次の通りです。
ACW=(30+120+50+40+20)÷5=52秒
ACWの数値は、対応終了後の時間で何をするかによって異なるため、オペレーターごとに差が出やすいでしょう。
基本的に、ACWが短いほど効率的に業務ができているといえるものの、作業内容が充実していなければ意味がありません。
単に時間の短さだけでなく、対応終了後にどのような作業をしているのか具体的に把握しましょう。
AHT(Average Handling Time)
AHT(Average Handling Time)は、 ATTとACWを足した時間で、通話対応開始から通話後の作業終了後までの平均時間 を表します。
あるオペレーターの対応件数が5件で、それぞれの対応時間が40秒・30秒・50秒・110秒・20秒だとしましょう。
また、対応終了後の作業時間がそれぞれ30秒・120秒・50秒・40秒・20秒だった場合、AHTの計算式は次の通りです。
AHT={(40+30+50+110+20)+(30+120+50+40+20)}÷5=102秒
もしくは、ATTとACWを別で算出して足した場合も値は同じで、ATTやACWを指標として活用するためには、それぞれを別で計算してから足す方がよいでしょう。
AHTは、一連の業務における作業時間のため短いほどよいものの、その中身も重要です。
AHTの数値はあくまでも参考として押さえ、対応や業務内容も確認しましょう。
稼働率
稼働率は、 オペレーターが出勤してから退勤するまでの間、どれだけの時間を応対業務に充てているか を示す指標です。
稼働率は次の計算式で求められます。
稼働率=(通話対応時間+対応後作業時間+その他)÷(勤務時間-離席時間)
稼働率は、一般に80〜85%が目安とされており、80%を大きく下回る場合は稼働率が低く、オペレーターの人数が多すぎる可能性があります。
一方、85%を大きく上回る場合は稼働率が高く、オペレーター1人あたりの稼働が過剰であり、人数が足りていない可能性があることが推測できるでしょう。
また、稼働率はオペレーターが1日のうちにどれだけ対応業務をしたかがわかるので、 各オペレーターの疲労度を見る指標 としても利用できます。
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コールセンターのCPHを改善するポイント6つ
CPHはコールセンターの現況を把握し、よりよいものにするために必要な指標です。
CPHの改善は、コールセンター全体の品質向上につながるため、改善するポイント6つを詳しく確認しましょう。
- 単に数値だけで判断しない
- ほかのKPIにも目を向ける
- トークスクリプトを整備する
- FAQの充実を図る
- システムや環境を整備する
- オペレーターへの研修を実施する
単に数値だけで判断しない
CPHは、 単に数値だけで判断しない ようにしましょう。
数値だけを見て対応件数が少ないと判断しても、根本的な問題解決にはつながりにくいです。
たまたま電話が長引いたのが続いただけで、実際には売り上げに貢献している可能性もあります。
そのため、CPHが低下しているからといってオペレーターへ過剰な指導をせず、なぜ低いのか原因を探ることが重要です。
ほかのKPIにも目を向ける
CPHを改善するには、 ほかのKPIにも目を向ける 必要があります。
CPHは単体では活用しきれず、ほかの指標とあわせて考えることで問題解決につながりやすいです。
ここでは、CPHのほかに重要なKPIの改善について確認しましょう。
ATTの改善
ATTは1コールあたりにどれくらいの時間がかかっているかを示すため、 どのような対応をしているか具体的に確認 しましょう。
対応内容ごとにジャンルを分け、それぞれでATTの平均値を算出してみると、対応ごとに目安のATTがわかるので、改善しやすくなります。
オペレーターの問題なのか、そもそも顧客からの要望レベルが高いのかなど、内容ごとにジャンル分けしてチェックしましょう。
分析の結果、オペレーターの対応に問題があるなら指導や研修が必要です。
ACWの改善
ACWは対応終了後にどれだけ作業時間がかかっているかを示すので、 具体的にどの作業にどれほど時間をかけているか細かくチェック しましょう。
ツールやシステムの操作に慣れていない、タイピングが遅いなどオペレーター個人の能力差によって異なる可能性も考えられます。
各オペレーターのACWを算出したあと作業内容も詳しく分析し、総合的にどうすべきか、オペレーターごとにどう指導すべきかを検討しましょう。
稼働率の改善
稼働率を改善するには、 出勤から退勤、また離席の定義を明確にする のが重要です。
稼働率が極端に低かったり高かったりするのは、各オペレーターの能力を存分に引き出せていないことを示します。
ひいては、コールセンター全体の品質を低下させてしまいかねません。
稼働率については、特に人員の追加や削減について検討しなければならないので、ほかの指標とあわせて慎重に判断する必要があります。
トークスクリプトを整備する
CPH改善のために、 トークスクリプトを整備 しましょう。
トークスクリプトとは、顧客対応時に使用する台本のことです。
特に新人や不得意なオペレーターの場合、トークスクリプトがあるだけで生産性を向上させやすいです。
できる限り対応内容ごとにトークスクリプトを分けて整備し、ベテランや業績のよいオペレーターの対応内容をもとにするとよいでしょう。
ただし、過剰に作りこみすぎてもオペレーターの成長を妨げるおそれがあるため、現況をみながら適切なトークスクリプトを作成する必要があります。
FAQの充実を図る
CPHの改善に、 FAQの充実を図る のがおすすめです。
FAQ(Frequently Asked Questions)とは、よくある質問集のこと。
オペレーターが対応時に参照できるFAQを充実させると、さまざまな場面で迅速かつ的確な対応ができるようになり、CPH改善が見込めます。
FAQは、コールセンターで利用しているツールやシステム上でデータを収集し、定量的に分析して作成するのがポイントです。
なお、規模が小さいコールセンターの場合は、各オペレーターに聞きこむことで細かい内容で充実させられる可能性があるでしょう。
システムや環境を整備する
CPH改善のために、 システムや環境を整備 しましょう。
CTIやCRMをはじめ、コールセンター業務に関するシステムは数多くあります。
システムが充実していると、オペレーターのモチベーションや生産性の向上などさまざまなメリットが見込めるでしょう。
ただし、コールセンターの業務や規模などによって必要なシステムが異なるため、事前にしっかり検討する必要があります。
また、マニュアルを都度更新するなど、環境の充実を図るのも重要です。
CTIとCRMについては「CTIとCRMを連携するメリットとは?おすすめサービスも紹介」で解説しているので、あわせて参考にしてください。
オペレーターへの研修を実施する
CPHの改善に向けて、 オペレーターへの研修実施も効果的 でしょう。
CPHをはじめとしてさまざまなKPIを分析した結果、オペレーターの能力不足が原因のケースもあります。
さまざまな指標で現況を把握した上で、タイピングやツール操作についての基本的な講義、実対応に役立つロールプレイングなど、適切な研修を検討するのがポイントです。
また、能力が低いオペレーターにのみ実施するのではなく、コールセンター全体で行うことで能力を底上げできる可能性があります。
CPHの改善にはインバウンド特化のCTI「OSORA」がおすすめ
引用:OSORA
CPHは、主にインバウンド業務で重要視される指標のため、CPHの改善にはインバウンドに特化したCTIツールを導入する必要があるでしょう。
インバウンドに特化した おすすめツールは「OSORA」 です。
OSORAは株式会社Scene Liveが提供するクラウド型のCTIツールで、 拡張性が高くさまざまなクラウドシステムと連携 できるのが特徴です。
また、細かい分析ができるレポート機能や業務を効率化できるポップアップ通知など、受付業務に特化した機能も充実しています。
コールセンターの規模にかかわらず活用できるため、ぜひ検討してください。
CPHを改善しコールセンターの質を高めよう
CPHは、 特にインバウンド業務が中心のコールセンターにおいて重要な指標 です。
顧客満足度を向上させコールセンターの品質を底上げするために、CPHの数値を把握して改善する必要があります。
そして、CPHは単体ではなく、ほかのKPIとあわせて分析することで課題を見つけやすく、結果としてコールセンター全体の業務効率化や品質向上につながるでしょう。
CPHを改善するためには、オペレーターにとって使いやすいCTIツールが必要です。
インバウンド業務に特化し 機能が充実しているOSORA を検討してはいかがでしょうか。
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