- 課題
がむしゃらに架電するだけで、判断基準が属人化していた
フルリモート環境で、個人とチーム双方の生産性維持が課題だった
- 効果
ステータス・メモ機能の仕組み化で、誰でも同じ粒度で動ける体制を確立
lisnaviとチャットツールの二軸設計で、フルリモート組織の稼働・定着・成果を実現
事業内容をお聞かせください。
当社は、ボイスボットを活用したAIコミュニケーション事業部、受電・ブリッジコールを担うBPOソリューション事業部、そして飲食店向けフードデリバリープラットフォームへの加盟促進を行うフードサポート事業部の3つを展開するコールセンター会社です。
lisnaviを活用しているのはフードサポート事業部です。スクレイピングで取得した飲食店リストに発信してアポイントを獲得し、クローザーへ引き渡すというフローで運営しています。オペレーターは全員フルリモートで、現在約30名。その多くは家庭と両立しながら働く主婦層で、1人あたりの稼働は1日2〜3時間程度です。短い稼働時間を持ち寄って、チームとして成果を出すという前提で組織を設計しています。
lisnavi導入の経緯を教えてください。
もともとは、lisnaviの前身である「List Navigator.」を導入していました。私はコールセンターのコンサルタントとして、複数のコールシステム会社と日常的にやり取りし、各社のシステムを比較・評価する立場にあります。そのなかで、実績と使い勝手の両面から信頼でき、クライアント企業にも自信を持って提案・導入支援をしてきたのが、このシステムでした。
2023年7月に自社センターを立ち上げるタイミングが来たときも、「それなら現場で実績のあるこのシステムを自社でも使おう」と自然に選んでいました。ちょうどコロナ禍でリモート化やクラウド化の流れが一気に加速していたことも、クラウド型である同システムを採用する強い後押しになりました。
その後、2025年12月に「lisnavi」へ移行しています。新しくなったlisnaviは、自分たちの運用に合わせてレイアウトを自由に組めるカスタマイズ性の高さや、オリジナルのダッシュボード画面を作成できるといった、今までにない使い方ができる点に魅力を感じました。さらに、初めて入ったスタッフでもすぐに業務を開始できるUIのわかりやすさも、フルリモートのチームを運営する上で大きな安心感となり、移行を決意しました。

具体的にどのようにご活用いただいていますか?
活用の根幹にあるのは、「誰に、どう電話し、何を記録するか。この3つで迷わない状態を作る」という考え方です。 オペレーターに迷いが生まれた瞬間に発信の手が止まってしまうため、lisnaviの設計によって「迷わせない状態」を徹底して実現しています。
ステータスは、数の多さよりも「次に何をすべきか」がひと目でわかる粒度で運用することを大切にしています。「電話の結果」を記録するのではなく、「次のアクション」が決まる形にしているのが特徴です。
中でも最も重視しているのが「ノックインコール」というステータスです。これは当社での呼び方で、いわゆる再コール(かけ直し)の一種ですが、ただ後でかけ直すのとは位置づけが違います。決裁者に近づくための具体的な情報が取れた案件にだけセットするもので、これが付いた案件はグループリストから個人リストへ自動で移り、確実に追いかけられる仕組みにしています。
個人のKPIとしてはDPHや決裁者接続率・決裁者通話時アポ獲得率といった指標を管理していますが、チーム全体で追うアクティビティ指標として特に重視しているのがノックインコール数です。アポ数ではなく「決裁者に近づけた質の高い接触ができた数」を共通の物差しにすることで、数字のために焦る動きを設計上防いでいます。
また、フルリモートでのチーム運営については、「リモートでは個人の生産性は上がりやすく、チームの生産性は下がりやすい」という構造を常に意識しています。lisnaviで個人の生産性を最大限に担保しつつ、コミュニケーションツールを並行して使ってチームの生産性を維持する。この「二軸の設計」で、リモートならではの課題に対応しています。

導入後のサポート体制についてはいかがでしたか?
Scene Liveさんのサポートは、他のシステムにはなかった手厚さがあります。初期設定の段階から希望のレイアウトを伝えると一緒に組んでくれて、テスト環境で確認してから本番に適用できる進め方でした。「納品して終わり」ではなく、設定まで全部やってくれるスタンスは、他社にはなかなかないと感じています。
運用が安定した後も、ダッシュボードの使い勝手や機能面で気になることがあればその都度相談しています。要望を出すと前向きに対応してもらえる関係性が続いていることが、長く使い続けられている理由のひとつだと思っています。
導入後、定量的な成果や組織の変化として現れていることはありますか?
一番大きな変化は、「がむしゃらにかけるだけ」の状態から完全に抜け出せたことです。導入初期は正直、コールすることに必死なだけでシステムを使いこなせていませんでした。しかし現在は、ステータスとメモのルールが社内の「共通言語」になっているため、誰が発信しても同じ判断基準で動ける体制が整っています。担当者が変わっても、過去の発信履歴やメモを見れば一目で状況がわかるので引き継ぎのロスがありません。これは、フルリモートでチームを動かす上で想像以上に大きな効果でした。
発信の「質」という面でも、明らかな変化があります。ノックインコールという指標を軸に置いたことで、オペレーターが「今日何本アポが取れたか」ではなく「今日どれだけ決裁者に近づけたか」という視点で動けるようになりました。 実際に、ノックインコール(重要案件への再コール)からは、安定して15〜20%程度がアポイントにつながっています。当社のオペレーターは1人あたり1日2〜3時間という短い稼働ですが、その積み上げで月間およそ100件のアポイントを獲得できています。限られた稼働時間でこの水準を出せているのは、「次に何をすべきか」で迷わない設計と、追うべき案件が明確になっているからだと考えています。また、リスト精査の精度も着実に上がっていますね。数万件分の発信データを蓄積・分析してきた結果、ジャンルや立地条件ごとの成約傾向が数値として見えるようになりました。以前は経験則と勘に頼っていたリスト選定が、データに基づいた再現性のある判断に変わっています。 これにより、オペレーターが「取れないリスト」に消耗する時間が減り、稼働全体の質が底上げされました。感覚ではなく、データで判断できる基準が社内に育ってきているのは、長く使い続けてきたからこそ得られた成果のひとつです。

今後の活用想定について教えてください。
在宅スタッフの採用をさらに進めて、オペレーター数を拡大していく予定です。フルリモートでも「誰が入っても同じ判断基準で動ける」仕組みが整っているからこそ、人が増えてもチームの質を落とさずにスケールできると考えています。
Scene Liveさんとのさらなる連携を続けながら、lisnaviをどう使い倒すかをこれからも考えていきたいと思っています。