- 課題
コール数などはすべて自己申告+紙集計のアナログ管理で、正確なデータを管理できていなかった
課題を特定できず、マネージャーが根拠を持って指導できない状態だった
パソコンが苦手なスタッフを含む20〜60代の幅広い層が使いこなせるツールが必要だった
- 効果
全数値がリアルタイムで可視化され、自社初となる「1時間30コール以上」の基準値を設定できた
通話録音を活用した月1回の1on1指導と、アポイント獲得者の録音共有による教育サイクルが確立した
シンプルな操作性によって、幅広い年代層の運用定着を実現できた
事業内容をお聞かせください。
当社は、飲食店向けのデリバリーコンサルティングと障がい福祉事業のコンサルティング・サポートを中心に展開しているコンサルティング企業です。クライアント(加盟店)のお弁当デリバリー数を伸ばすための無料サンプル提供を軸としたアウトバウンドコール施策をおこなっています。
List Navigator.(現lisnavi)を活用しているのはマーケティング部のクライアントスケール第1チームです。東京と福岡の2拠点にそれぞれオフィスを構え、20代を中心に20〜60代と幅広い年齢層のアルバイトスタッフ合計35名が、平日の業務時間中に発信業務を担っています。
lisnavi導入前はどのような課題がありましたか?
最大の課題は、業務実態を把握するためのデータが存在しなかったことです。
導入前はビジネスフォンで発信をおこなっており、コール数は各スタッフからの自己申告を紙に集計し、最終的にExcelに手入力するというアナログ管理でした。数値の精度は低く、実態を正確に把握できているとは言い難い状態が続いていました。コール数だけでなく、接続数や断り理由といった詳細データも一切取れておらず、個人の活動がどう成果につながっているのかが、まったく見えていませんでした。
さらに深刻だったのは、可視化の欠如がマネジメントの機能不全に直結していた点です。問題の所在が不明確なため、マネージャーは「トークに問題があるのか、後処理が遅いのか」すら把握できず、根拠を持った指導ができない状態が続いていました。全体の目標設計も同様で、何を基準にKPIを設けるかさえ定められない状況でした。
lisnavi導入の決め手を教えてください。
そうした状況のなか、コロナ禍でリモート対応が急務となったことが、最終的にシステム導入を決断するきっかけとなりました。以前から体制的に数字が取れないことへの問題意識はあったものの、「システムを入れないと稼働できない」という状況になったことが導入の後押しをしました。
導入の検討はGoogle検索でCTIやコールセンターシステムなどを調べることから始まりました。複数のシステムを比較検討した結果、最終的な決め手となったのは操作性のシンプルさでした。

当チームには、パソコンの操作が得意ではないスタッフが多数います。20〜60代という幅広い年齢層が使いこなせるシステムであることが、選定における最重要条件でした。そこで重視したのは「UIの第一印象」です。List Navigator.(現lisnavi)を実際に見たときに、説明を受ける前から直感的に分かりやすいと感じました。費用感も検討軸のひとつでしたが、最後の決め手はやはり「誰でも使える」という操作性の確かさでした。
導入当初は、高齢のスタッフが使いこなせるかという不安もありましたが、慣れてしまえば使い勝手に関して良い意味で特に何もない、という状態になりました。現在では20〜60代のスタッフ全員が問題なく日常的に使いこなしています。
具体的にどのようにご活用いただいていますか?
運用設計で最初にこだわったのは、入力項目をとにかく減らすことです。当チームのトーク内容は「無料でお弁当をお届けできるんですけど、よかったらいかがですか?」という質問へのYes/Noをベースとしたシンプルな構成のため、詳細なヒアリングは必要ありません。そこでヒアリング項目を会社名・氏名・住所・役職の最低限に絞り、詳細はメモ欄の自由記述に集約しました。発信数が成果に直結する業務特性に合わせ、入力に時間をかけず次の発信にすぐに移れる設計を徹底しています。
マネジメント面では、管理画面で、総コール数・有効コール数・有効コール率・アポ率・SPH(1時間あたりのコール数)などの指標をリアルタイムで確認し、メンバーごとの実績を比較しています。そして、平均アポ率を下回るメンバーに対しては、通話録音を聞き返しながらトークのどの部分に課題があるかを特定しています。そこから、月1回の1on1面談で、事実に基づく具体的なフィードバックをおこなったり、優秀なメンバーの通話録音を共有したりすることで、属人的だったトークスキルの標準化も進んでいます。数値の可視化と通話録音の活用が組み合わさることで、指導の根拠が明確な育成サイクルが組織に根付いています。

ステータス設定は合計16種類と細かく設定しており、2回目以降の発信では特定ステータスを除外することで重複・無駄打ちを防止しています。現場の声を反映して随時ステータスを追加しており、「確認依頼中」(エリア外注文の確認用)や「他営業注文済み」(新規オープン店舗で他手法による先行注文が入った先への対応用)など、業務の実態に合わせたカスタマイズをしています。
また、アポイント獲得後のデータ連携にも工夫があります。アポイント獲得時に会社名・電話番号をList Navigator.(現lisnavi)から社内管理用スプレッドシートにコピーし、そのスプレッドシートを元にGoogle Apps Script(GAS)が住所などの残り情報をクライアント共有用スプレッドシートに自動転記する仕組みを構築しています。さらにリストのインポート工程では、重複先や過去NG先を自動除外した上でインポートをしており、かつてのアナログ作業が着実に自動化されています。
導入後、定量的な成果や組織の変化として現れていることはありますか?
最も大きな定量的成果は、コール数の増加と自社基準の確立です。導入前と比べ、多いメンバーではコール数が約2倍に増加しました。これまで感覚値でしか語れなかったKPIについては、「1時間あたり30コール以上」という自社初の基準値を初めて設定することもできました。全数値が一目瞭然になったことで、チーム全体がその基準を目指して動けるようになったことは、組織として大きな変化でした。
定性的な変化としても、組織に大きな転換が起きています。最も大きな変化は、指導に根拠が生まれたことです。通話録音を確認できるようになったことで、トークに問題があるのか、後処理に時間がかかっているのかなど、問題の所在を具体的に特定できるようになりました。証拠として残る録音が、マネージャーが自信を持って1on1指導をおこなうための土台となっています。アポイント獲得率が高いメンバーのトークを新人に共有するサイクルも機能し、チーム全体のトーク品質の底上げにもつながっています。
そうした積み重ねの結果が、List Navigator.(現lisnavi)への高い継続意志として現れています。「逆に変える理由が別にない。特に困っていることがないので普通に回している」というのが現在の状態です。システムが業務に完全に溶け込み、もはや使うのが当たり前になっています。
昨今増えている「AI・ボイスボット」等についてはどうお考えですか?
AIやボイスボットには可能性を感じており、一次対応や基本的な説明はAIに任せることで担当者の熱量をキープできるという考えを持っています。インサイドセールス領域での導入余地は十分あると見ています。
一方で、当チームが行うようなサンプルの電話業務については、発信の目的がシンプルなだけに、かえってAIとの相性が難しい側面もあります。お客さまごとの細かい疑問や状況に柔軟に応じられることが人間の価値であり、基本対応はAIが担いつつ、個別対応や複雑な相談には人が対応するという棲み分けが現実的だと考えています。
今後の活用想定について教えてください。
現在は主にtoBサービスの発信に活用していますが、今後toC向けサービスをリリースした際には、List Navigator.(現lisnavi)の活用が必須になると見据えています。発信数が成果に直結するサービスや、発信対象が多い先へのアウトコールとの相性の良さを実感しており、事業の拡大に合わせてさらなる活用を想定しています。