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2021.04.28更新

ACDとは|主な機能と導入のメリットを解説

コールセンターはかかってくる電話をいかに短時間に適切に処理するかが課題です。しかし、オペレーターの入電数に大きな差が出たり、スキル不足を改善したりすることは簡単にはできません。これらの問題を解決するのは非常に難しいのです。「ACD」は、そういった難題を解決してくれる有効な手段となるでしょう。

ACDとは

「ACD」とは「Automatic Call Distributor」の略で「着信呼自動分配装置」と呼ばれるものです。

顧客が電話をしたときに、「ただいま担当にお繋ぎしています。そのままお待ちください。」という音声アナウンスが流れ、そのまま待っているとオペレーターにつながることがあります。このとき、ACDが手が空いたオペレーターへ自動分配しているのです。

ACDはオペレーターの稼働状況を見て、分配できます。入電を稼働が少ないところに入電させることで、オペレーターの稼働を平均化させたり、事前に流される音声メニューでお客様の問い合わせ内容を判断し適切なオペレーターグループへ入電させたりできます。2回目以上のお客様には、前回と同じオペレーターに入電させることも可能です。

その結果、応対処理がスムーズとなり、オペレーターの負担が軽減され、お客様満足度を上げることにもつながります。

ACDの特徴

ACDは、まず音声メニューでお客様の電話番号を記録し、問い合わせ内容を確認します。そして問い合わせ内容に応じて、担当分野別に分けられたオペレーターグループを特定し、そのグループの中で空いている人に入電させます。

ただし、電話番号が比較的最近にかかってきているものである場合には、やりとりをスムーズに進めるために前回と同じオペレーターに入電させるようにします。そしてオペレーター別の入電回数ができるだけ平均的になるように入電を配分調整するのです。

このようにすれば、お客様とオペレーターのやりとりが最小限で済み、かつ適切なスキルを持ったオペレーターにつながるので、いわゆる「たらい回し」のような無駄でお客様満足度を下げる行為がなくなります。オペレーターの稼働も平均化されるので、コールセンター全体の質を上げることができるのです。

またオペレーターも担当分野が決められるのでスキルの習得レベルが早くなり、応対能力も回数を重ねる毎に上がって行くので、オペレーターのスキルアップにも役立つでしょう。
そのほか、問題の多いオペレーターを特定することもできるようになるので、不適切な人物をオペレーターから外すことも可能になります。

ACDの料金

ACDを導入する場合、必要となる料金は初期工事費用と月額料金になります。月額料金はオペレーター1人あたりの料金ですので、オペレーターの人数が多いほど高くなります。

初期工事費用については、実にさまざまですので、別途お見積りとなることが多いです。ACDの中の必要な機能を選択して導入できるようにしているところや、ワンセット一式で導入するところなど、導入にも各社の特徴があります。平均相場としては1万円から10万円くらいの間であることが多いです。

また、オペレーターの人数が多いところほど初期費用は高くなる傾向になります。1オペレーター当たりの月額料金は3,000円から10.000円位とサービス内容、提供会社により差があります。

トータルコストで見ると初期費用より月額料金の方が重要ですが、各社が提供しているACD機能には差があり、単に空いているオペレーターにつなぐだけのものから、設定された各オペレーターの入電予定数を勘案し適切なオペレーターに入電させる機能を搭載しているものまで、さまざまです。
ACDには様々な機能がありますので各コールセンターの特徴を踏まえ、必要な機能を搭載しているACDを選べば適切なコストパフォーマンスを得られます。なおクラウド型のACDは上記以外に回線使用料がかかるので注意が必要です。

ACDの機能

ACD主な機能として、以下の5つが挙げられます。

  • スキルベースルーティング
  • 待機時間ガイダンス
  • オペレーターステータス
  • スケジュール制御
  • オーバーフロー転送

その他、オペレーターの通話内容を他の人と共有できる「モニタリング」機能が利用できる場合もあります。スーパーバイザーによるサポートが必要な会話が多く発生する場合は、こちらの機能にも注目するとよいでしょう。

スキルベースルーティング

各オペレーターに個別のスキルレベルを設定し、入電回数を調整する機能です。よくあるケースとしてベテランは入電回数を多めに設定し、新人は少な目に設定する、というのがあります。一見、ベテランになるほど不利なようですが、新人にとってはベテランの応対スキルを学ぶ時間が増え、スキルアップを早める効果があり、全体のレベルアップを計れるというメリットがあります。

また「あふれ待ち」状態になった場合、待っている入電に対し入電数の少ない新人が声掛けをすることにより入電の離脱を防止できる、という効果もあります。

入電は必ずしも日本語によるものとは限りません。外国語の場合に応対できるスキルを持ったオペレーターは限定されますので、言語スキルの設定が可能なACDもあります。

待機時間ガイダンス

待機時間ガイダンスとは入電が込み合っていて、中々つながらないときに「ただいま電話が大変混雑しています、順番におつなぎいたします」といったガイダンスを流す機能です。ガイダンスを流す間隔、内容は自由に設定できます。

問い合わせの中にはWebや郵便で応対可能なものもありますので、そういった内容のものがあれば、その旨をお伝えすることも可能です。待機BGMを流すだけより、お客様にとっては待つストレスが軽減され、かつWebや郵便で応対可能であれば問い合わせをやめるお客様も出るので、応答待ち入電を減らす効果も期待できるでしょう。

オペレーターステータス

オペレーターにも勤務時間があり、休憩や離席中ということもあります。こういったオペレーターが「入電に応対可能かどうか」の判定材料となるのが「オペレーターステータス」です。このステータスはオペレーターが自分で設定することができますので、オペレーターにとっても、ACDにとっても便利な機能です。

オペレーターにとっては休憩時間やトイレ離席を明確にすることができ安心できますし、ACDも入電させてよいかどうかを明確に判定することができます。また、このオペレーターステータスにより勤務時間、休憩や離席状況の把握など、管理資料としても役立つデータが得られるでしょう。

スケジュール制御

受付時間外の入電に対し自動的に音声ガイダンスを流す機能です。営業時間に合わせて導入・設定すれば時間外入電をスムーズに御案内できます。

受付時間外の入電は必ずありますので、適切なガイダンスを流さないと入電したお客様に不愉快な思いをさせてしまいかねませんが、この機能で応対すれば、それを回避できます。

オーバーフロー転送

「オーバーフロー転送」とは、一定時間以上待機させている入電を別の部署に回す機能です。コールセンターはオペレーターの人数により、どうしても応対できる入電数に限界があります。そして入電数が限界を超えてしまったときに、一時的に他の部署に入電を回しコールセンターの負荷を軽減させる機能です。

もちろん「一時的に転送される部署」は問い合わせ応対が可能な部署でなければなりませんが、経験豊富な管理職の方などに回されることがほとんどです。

ACD導入のメリット

ACD導入のメリットとして、以下が挙げられます。

  • オペレーターの負担軽減
  • お客様の待ち時間の減少
  • 応対品質向上

オペレーターは負担が減って業務に集中しやすくなりますし、顧客は待たされる時間が減って顧客満足度アップ効果も期待できます。

オペレーターの負担軽減

ACDにより入電が各オペレーターに適切に配分される結果、1人当たりの受付応対時間も適正化され、一部のベテランオペレーターだけに応対が集中するという事態を回避できます。また、オペレーターをスキル内容でグループ化することにより、オペレーターが知っておかなければならない知識の範囲が限定されますその結果、オペレーターのスキルアップにかかる時間が大幅に短縮され、新人オペレーターにとって大きな負担軽減となるでしょう。

また、新人、中堅、ベテランとスキルレベルに応じた入電設定ができるのでオペレーターにとっては精神的な負担軽減にもなります。オペレーターステータスを操作することにより、安心して休憩時間やトイレタイムを確保できるので、これも精神的な負担軽減につながるでしょう。

したがって、オペレーターに求められる知識が多いコールセンターほどACD導入による効果は高くなります。例えば各種電気製品を作っている会社のコールセンターなどは、その会社の製品に対する知識が求められますので、ACDによる効果が大きく期待できるでしょう。

お客様の待ち時間の減少

ACDによる入電の適性化、応対内容による入電先グループの絞り込み、再入電の場合、前回と同じオペレーターに入電するという機能は結果的に応対時間を大幅に減少させることにつながります。その結果、お客様の待ち時間も減少され、満足度アップにつながるでしょう。

販売専門のコールセンターの場合、お客様は、まだ製品を手にしていないのでお客様の評価は白紙状態です。ですが販売後の応対を行うコールセンターではお客様が製品を既に手にしているので、その印象から、ある程度の評価を下している状態となります。

特にクレーム受付が多いコールセンターでは、悪い印象を持っているお客様が多くなりますので、その悪い印象をコールセンターの応対で、どこまで取り戻せるかが問題となるでしょう。
ACDの導入で待ち時間を出来るだけ少なくし、高い応対スキルと豊富な専門知識を持ったオペレーターが応対できるようになれば、そういった悪い印象を覆すことも可能になります。それはリピートへとつながり会社全体に大きな貢献をすることにもつながるでしょう。

応対品質向上

オペレーターをスキル内容によりグループ化すること、またスキルレベルにより入電数を調整することは、新人の教育に適した環境を生み出します。中堅、ベテランオペレーターの応対を見る機会が増え、特化された内容であれば、覚えるのも早くなるためです。

したがって応対するにあたり、覚えておかなければならない知識が沢山あるコールセンターほど、ACDの導入効果は高くなるのです。また、グループ化すると、オペレーターとしての適性が分かりやすくなり、不適切な人物を排除することも可能となります。新人教育の迅速化と不適切人物の排除はコールセンター全体の応対品質を大きくアップさせることにつながるでしょう。

まとめ

コールセンターには様々な内容の入電が入ってきます。またお客様の個性もさまざまです。それらに幅広く応対できるオペレーターは決して多くはありません。そのため、新人教育の迅速化と既存オペレーターの更なるスキルアップ、不適切人材の排除などを適切に行っていく必要があります。ACDの導入はこれらの課題解決に大きく役立つでしょう。